2011/12/23 - 2011/12/23
54位(同エリア179件中)
滝山氏照さん
JR中央本線新府駅(韮崎駅の隣)下車徒歩15分、天下の名将武田信玄(たけだ・しんげん、1521~1573)を父に持つ悲劇の武将である武田勝頼(たけだ・かつより、1546~1582)が真田昌幸(さなだ・まさゆき、1547~1611)に築城を命じた新府城(しんぷじょう、山梨県韮崎市中田町)を訪問しました。
現地に建てられた説明板には下記のように記述されています。
『新府城は、正式には新府中韮崎城といい、天正9年(1581)春、武田勝頼が甲斐府中として、城地を七里岩(しちりいわ)南端韮崎の要害に相し、武将真田昌幸に命じて築かせた平山城であります。
勝頼がこの地に築城を決意したのは、織田信長(おだ・のぶなが、1534~1582)の甲斐進攻に備え、韮崎に広大な新式の城郭を構えて府中を移し、これによって強敵を撃退し、退勢の挽回を期した結果でありましょう。
築城工事は昼夜兼行で行われ、着工後8ヶ月余りで竣工しました。
ついで城下町も整ったので新府韮崎城と名づけ、同年12月、甲府からここに移り新体制を敷きました。
しかし戦局は日に日に状況悪化し、翌年3月勝頼は織田軍の侵入を待たず、自らこの城に火を放って退去するのやむなきに至り、天目山田野の里に滅亡の日を迎えました。
廃墟と化したこの城郭も、同年6月本能寺の変で織田信長が亡び、徳川・北条両氏が甲州の覇権を争うと、家康はこの城跡を修築して本陣とし、自軍に5倍する兵を率いて若神子(わかみこ)に布陣する北条氏直を翻寿して有利に導き名城新府真価を発揮しています。
この城は八ツ岳火山の泥流による七里岩の上にあり、その地形をよく生かして築かれたその城地の特色は城外から俯瞰されないことで、縄張りの特徴は北方に東西2基の出構を築き鉄砲陣地とした点で、従来の城郭には見ることのできない斬新な工夫があります。
現存する主な遺構は頂上の本丸を中心に西に二の丸、南に三の丸、大手、三ケ月堀、馬出、北に出構、搦手口、東に稲荷曲輪、帯曲輪があり北から東に堀が施されています。
史跡、指定区域は約20へクタールに及ぶ広大なものでありますが、この外側には武将らの屋敷跡と伝えられる遺構・遺跡が散在しています。』
築城者の武田勝頼は武田信玄(晴信)の四男として1546年に生まれます。母親は諏訪姫で諏訪頼重の娘です。諏訪氏は信濃の名家として知られていますが頼重の代に信濃に進出をもくろむ信玄により滅ぼされます。信玄は併合した諏訪地方の経営を安定させるため頼重の娘を側室とし、その子を諏訪氏の後継人(当主)とする事とします。つまり生まれた勝頼は当初より武田氏の人間というよりもむしろ諏訪氏の人間でありました。
一方信玄の嫡男義信(よしのぶ)は信玄の南進政策に反対した為幽閉やがて自刃に追い込まれます。長年に亘る小田原北条氏及び駿河今川氏との戦いを終結させるべく三国(甲相駿)間の同盟締結により今川氏より妻を迎えていた事も反対の理由であったと思われます。
これにより勝頼は一躍信玄の後継者候補として躍り出まして、父信玄と共に各地を転戦し成果を収め重臣達の注目を集めます。
やがて信玄が入洛をめざし甲府を出立しますが、三方ヶ原の戦い後急死、巨大な星を失った武田軍は自領へ引き揚げます。
信玄の遺言は次の通りです。即ち「後継は信勝(勝頼の嫡男)であるが信勝が成人になるまで勝頼が後見すること」で勝頼の立場は「陣代(じんだい)」という極めて軽いものであり、その後の言動に対し足枷(あしかせ)となる事は否めません。
しかしながら勝頼はその弱みを承知の上で孤軍奮闘してまいりますがもしこの新府城で織田軍を迎え撃つ態勢が万全であれば、充分持ち堪える事が可能で、やがて起こる本能寺の変を違った姿で迎えていたかもしれません。
- 交通手段
- JR特急 JRローカル 徒歩
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中央本線・新府駅
中央本線特急なら甲府で各停に乗換えて4つめの駅(無人駅)で下車、各停列車は本数が少ないので予め時刻表で確認しておくと良いと思います。 -
新府駅・周辺案内図
ホームから階段を下りますと周辺案内図が眼に入ります。1本道ですから迷う事はありません。 -
藤武神社・鳥居
鳥居の向こうに参道が下って続きます。 -
史跡 新府城跡石碑
道路を渡りますと城跡に入ります。 -
新府城跡説明
正式には「新府中韮崎城(しんふちゅうにらさきじょう)」と言うそうです。 -
城跡跡見取図
見取図の左側が水無川と七里岩の要害になります。 -
首洗池跡
見取図には「首洗池」とされてます。 -
藤武神社・参道(乙女坂)
急角度の階段で登城が厳しいです。 -
神社への小路
石段が苦手なので途中で小路を利用して登城します。それにしても急で息が切れます。(石段ができるまでの正式な参道だったそうです) -
藤武神社・参道
途中から参道の入口を振返ります。高所恐怖症の自分にとっては目が眩むような急勾配です。 -
藤武神社・参道
攻撃困難な急崖ですから敵の攻撃が鈍ります。 -
藤武神社・社殿
石段を登りきると本丸跡にある藤武神社本堂があります。新府城の鎮守社として勧請されていたと思われます。
地域の人々からは「お新府さん」と親しまれ、今年も4月15日(日)に春のお祭りが開催され、神楽奉納や神輿渡御などが行われます。 -
武田勝頼零社及び14将霊碑案内
天目山で自害した勝頼と長篠の戦で戦死した武将の霊を祀っています。 -
新府城・本丸跡
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新府城・本丸跡
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新府城・想定復元図
水無川と七里岩の絶壁に聳え立つ新府城が見事です。また本丸の背後にある東出構及ぶ西出構は他では見ることのない遺構です。鉄砲のような新兵器を持って敵の攻撃に対抗するため工夫された構えと言われます。 -
新府城跡・説明板
「 国指定
史跡 新 府 城 跡
昭和48年7月21日指定
新府城は、天正10年3月織田軍の侵攻を前に、武田勝頼自ら火を放って東方郡内領岩殿城を指して落ちていった武田家滅亡の歴史を伝える悲劇の城跡である。
本城は南北600メートル、東西550メートル、外堀の水準と本丸の標高差80メートル。型式は平山城で、近世城郭のような石垣は用いず、高さ約2.5メートルの土塁を巡らしている。
最高所は本丸で、東西90メートル、南北120メートル、本丸の東には稲荷曲輪、二の丸を北方に下れば横矢掛りの防塁があり、その外側に堀を巡らしている。堀は北西から北、北東へと巡り、北方の高地からの敵襲に備えて十字砲火を浴びせるための堅固な2箇所の出構が築かれている。三の丸の南方には大手が開け望楼があり、三日月形の堀とその外側に馬出しの土塁が設けてある。本丸と東西三の丸、三の丸と大手等の間には帯曲輪、腰曲輪がある。招手にも望楼がある。蔀の構、出構は新府城の特色で防御のために工夫されたもので、特に出構は鉄砲のような新鋭兵器をもって敵の攻撃に対抗するために工夫された構えといわれる。
昭和60年3月
文 化 庁
山梨県教育委員会
韮崎市教育委員会 」 -
本丸奥
樹林の奥に勝頼の墓と武将達の霊碑があります。 -
イチオシ
武田勝頼の墓
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武田勝頼・石碑
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石祠・武田勝頼公零社・説明板
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「大塚長篠役陣歿将士之墓」石碑
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重臣達の墓標
勝頼墓の右手に7武将の墓標が並びます。背後には土塁が見えます。 -
重臣達の墓標
勝頼墓の左手に別の7武将墓標が並びます。 -
土塁からの展望
広々とした風景が見えます。 -
土塁
勝頼墓の後ろに大きな土塁が見えます。 -
土塁
西に向かって土塁が続きます。 -
展望
土塁から北側を展望します。 -
記念石碑
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展望
土塁から西側を見ます。 -
土塁と空堀
土塁から空堀を見渡します。 -
二の丸跡展望
手前に加えて更に奥に土塁が見えます。 -
二の丸跡展望
障子形の土塁でしょうか。 -
土塁
立派な土塁が残っています。 -
二の丸跡
広々としています。 -
土塁
完全な形で残ってます。 -
馬出
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二の丸案内板
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蔀の構(しとみのかまえ)
城内を見透かせないよう工夫したもので、植込み・蔀土居・蔀塀の構えであります。(現地説明) -
本丸全景
三の丸から本丸を見渡します。 -
三の丸
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本丸土塁
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三の丸
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本丸土塁
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新府城見取図
見取図上部が水無川になります。 -
稲荷曲輪(いなりくるわ)
右手は道路で車輌が見えます。 -
東出構(ひがしでかまえ)跡
鉄砲のような新兵器を持って敵の攻撃に対抗するための構と言われます。 -
東出構標柱
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東出構
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東堀跡
今はかすかに流れている小川の程度です。 -
出構(でがまえ)説明板
東出構(手前側)と西出構(奥側)の2つの出構があり、この出構にて敵の攻撃に対抗します。 -
東出構と西出構
東出構(手前側)と西出構(奥側)がそれぞれ確認できます。 -
首洗池一部
事実上水堀の役割を果たしているようです。 -
首洗池一部
ここでも一部土塁が施されています。 -
JR新府駅時刻表(甲府方面)
各停は時間によっては本数が少ないので要注意です。 -
城跡遠望
新府駅から城跡を見渡しますが位置確認はできません。 -
八ヶ岳遠望
新府駅からワンショット風景です。
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