2011/11/03 - 2011/11/03
230位(同エリア417件中)
どんぴさん
現在、日本が世界遺産の暫定リストに登録している物件は全部で12件。
2013年の世界遺産委員会では「富士山」と「鎌倉」の2件が登録可否の審査にかけられる予定になっています。
そして2014年の登録を目指しているのが群馬県富岡市にある「富岡製糸場と絹産業遺産群」。
世界遺産になって観光客が増える前に行っておこう、という事でプチ旅行に行ってきました。
そして、現地を見て思ったこと。それは…世界遺産へ登録はかなり可能性が高いと思います!(^_^)
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- タクシー 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
11月3日(木・祝)
09:00、高崎駅に到着。ここで上信電鉄へ乗り継ぎ。
群馬県の名産といえばコンニャク。ということで、上信電鉄の車両にはマンナンライフの"蒟蒻畑"のラッピング広告。
10:31、高崎駅を出発。駅の案内では上州富岡駅までは35分とのこと。
11:06、上州富岡駅に到着。ホントに35分きっかりで着いた。 -
富岡製糸場へ行く前に、まずは「龍光寺」へ。
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この寺には富岡製糸場で働いていた工女たちのお墓がある。
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「旧官営富岡製糸場工女の墓」と書かれた表示があるので場所はすぐに分かった。
でも、具体的にどの墓石が工女たちの墓なのか分からない。
しばらく迷った後、ふと足元を見ると… -
この小さな石が工女たちの墓だった。
囲いもなくぽつんと立っているだけ。他の墓が立派すぎて、これが墓だとなかなか気付かなかった。 -
こちらの墓石には十数人の工女の名前が刻まれている。
日本の産業の近代化に貢献したわりには工女たちの墓はとても質素だった。
偉大なる先人たちに合掌。 -
続いて「甘楽(かんら)教会」へ。
1884年に創立されたキリスト教会で、現在の建物は昭和24年(1949年)に建てられたもの。
富岡製糸場が創業された当時はこの教会で洗礼を受けた工女もいたとか。
中の見学は出来なさそうだった。 -
12:10、いよいよ「富岡製糸場」の入口の前まで来た。
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見学の前に正門のド真ん前にある店「はや味」で昼食。
上州名物の"おっきりこみうどん"を注文。750円。
動きがスローモーな老夫婦お2人でやっている店で、料理が出るまで20分かかった。
味は普通。 -
12:45、いよいよ富岡製糸場の中へ。
正門を入ってすぐ左に見えるのが「検査人館」。
生糸や機械の検査を担当したフランス人男性技術者の住居として建てられた建物。現在は事務所として使われているので、内部の見学は不可能。
明治6年(1873年)築。
重要文化財。 -
検査人館の写真を撮っていたら、オレンジの服を着たボランティアガイドのおじさんに手招きされ、「ここからのアングルは穴場なんですよ!」と正門のすぐ横からの撮影ポイントを教えてくれた。
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「東繭倉庫」
明治5年(1872年)築、重要文化財。
正門を入ってすぐ真正面に見える建物。1階は事務所や作業所として使い、2階は乾燥した繭の貯蔵庫として使われていた。 -
東繭倉庫の一部は展示館やギャラリーとして使われている。
こちらでは生け花の作品を展示してあった。
作品は撮影禁止とのことだったので、建物全体を引きの絵で撮影。 -
同じく東繭倉庫。
こちらは常設と思われる資料館。お土産などがある売店もあった。 -
これは創業当時に使われていた操糸器。
釜の中の熱湯に繭を入れて、柔らかくなった糸を頭上の滑車で引き上げていた。
同じものが横一列にたくさん並び、1台のボイラーで熱湯と滑車の動力を供給していたそうだ。 -
富岡製糸場は最初は国によって運営されたものの、その後は民間に払い下げられた。
この写真は1939年から1987年に閉鎖されるまで富岡製糸場を所有した片倉工業株式会社時代の制服。
左にある症状は昭和57年(1982年)に社内の卓球大会で3位になったときのもの(笑) -
東繭倉庫を通り抜けると左にあるのが「乾燥場」。
生繭を乾燥させた場所。大正〜昭和時代に増築されたもの。
今はベルトコンベアーが残るのみ。 -
「西繭倉庫」
東繭倉庫と同じような建物。
内部は非公開。 -
でっかい煙突。
-
主な建物は木製の骨組みの間にレンガで埋め込む「木骨煉瓦造(もっこつれんがぞう)」という独特な工法で作られている。いわば日本建築と西洋建築のハイブリッドだ。
そして、このレンガの積み方を「フランス積み」という。
"フランス積み"とか"イギリス積み"とか子供の頃に習ったな。懐かしい(^_^) -
ボランティアガイドによる無料ガイドツアー。
だいたい1時間に1回開催されるんだけど、今日は祝日で見学者が多いので数十分に1回臨時ツアーが開催されていた。
途中で参加してもいいし、途中で抜けるのもOK。自由に見学して、ボランティアガイドがいたら話を聞く、という自由なスタイルでも問題なし。 -
「女工館」
明治6年(1873年)築、重要文化財。
日本人工女に技術指導をしたフランス人女性教師の住居として立てられた建物。 -
「操糸場」
明治5年(1872年)築、重要文化財。
富岡製糸場のメインイベントとも言える建物。
壁はレンガ造りなのに屋根は日本家屋。すごく不思議だ… -
「操糸場」
繭から生糸を作る作業が行われていた場所。さきほどの操糸器が300台も並んでいたとか。 -
現在の操糸場には昭和40年代に導入された自動操糸器がそのまま残されている。
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頭上を見るとベルトコンベア。
なんか楽しい。 -
変な機械…。
ホウキみたいなところで繭の表面をこすり、糸の先端を引き出すらしい。 -
同じユニットがはるか遠くまで並んでいる。
壮観。 -
なんか楽しい(^_^)
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見学できるエリアの一番奥まで来た。
ここから先にもまだ沢山の機械が並んでる。面白そう(^_^) -
"大タンク水位 警報ランプ"
手書きの注意書きがそのまま残されている。
こういうものを捨てずに残しておくところにセンスの良さを感じる。 -
迫り来るベルトコンベア。
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生産管理のためのものと思われる黒板。
"つめかけ粒付"ってどういう意味だろう? -
なんだかよく分からない機械。
遊園地の遊具みたい。
なんか楽しい。 -
2008年に行ったドイツの世界遺産「フェルクリンゲン製鉄所」でも感じたことだけど、俺って近代産業系の世界遺産が好きかもしれない。
ここ、超楽しいんですけど〜 わくわく♪ o(゚ー゚*o)(o*゚ー゚)o -
とっても印象的なトラス構造の屋根。
-
なんか電気系の機械。
すごい年代物だな。 -
"上履下履の区別をしましょう"
こういう注意書きまで保存するってのは良いね! -
「診療所」
労働者たちの福利厚生もちゃんとしていたんですね。
ヨーロッパの近代産業系の世界遺産にも共通することですが、労働者の生活環境や福利厚生を充実させると生産性を高める事ができるというのが近代な考え方だと思います。
うちの会社も見習って欲しい(笑) -
「ブリュナ館」
明治6年(1873年)築、重要文化財。
指導者として来日した、いわゆる"お雇い外国人"のフランス人技師のポール・ブリュナとその家族が暮らしていた家。 -
ブリュナ館は夜中に工女たちが読み書きを学ぶ学校としても使われたそうです。
確かに、渡り廊下の雰囲気が昔の学校っぽい。 -
最後に敷地の端っこから「東繭倉庫」を見る。
14:45、見学終了。
個人的な感想を言うと、富岡製糸場が世界遺産に登録される可能性はかなり高いと思います。根拠は2つ。
《1》保存状態か極めて良好
当時の建物がこれほど大規模に保存されていることに驚きました。しかも保存状態がとても良い。
《2》アジア地区ではこの時代の近代産業系の史跡が他に見当たらない
世界遺産には産業遺産というジャンルがあります。主にヨーロッパや中南米に多いのですが、アジア地域には石見銀山があるのみ。しかも、富岡製糸場に匹敵する近代産業系の史跡は皆無といっていいでしょう。
最近の世界遺産委員会はストーリー性を重要視します。その点、富岡製糸場は「アジア地区における近代工業化の経緯を残す唯一無二の遺産」というストーリーを立てやすいのは登録に絶対有利だと思います。 -
駅弁"峠の釜めし"で有名な「おぎのや」で売っているシルク入りのソフトクリーム。他にも饅頭とかシルク入りの食品がいくつか売っていた。
食えるのか、シルク。 -
富岡製糸場の正門から少し歩いたところにある「仲町まちなか交流館」から磯辺温泉行きのバスが運行されている。
14:56発のバスの乗車。
ただし、運転手が一服してたので実際には出発したのは15:00。
最初は乗客が俺1人だけだったので、運転手さんと少し話をした。
運転手さんいわく、富岡は地盤が強いので東日本大震災の時も揺れがそれほど大きくなかったとか。
富岡製糸場はレンガ造りで地震に弱そうなのに地震の影響を全く感じなかったのが不思議だったんだけど、そういうことなのか。 -
15:35、磯部駅に到着。
電車が来るまで時間があるので、無料の足湯に浸かって温まる。
16:12、横川駅行きの信越本線に乗車。
扉が自動じゃなくて手で開けるのに驚いた。御殿場線より旧式だ(笑)
16:25、横川駅に到着。
日没まで時間があまりないのでタクシーで一気に「めがね橋」まで行った。駅のタクシー乗り場には確かめがね橋までは約2000円と書いてあったけど、道が空いていたからか1500円ぐらいで着いた。 -
「めがね橋」。
かつて横川と軽井沢を結んだ旧碓氷線の橋で、正式な名前は「碓氷第三橋梁」。ここも世界遺産暫定リストの「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産の1つとして登録されている。
…ただし、ここに来る直前にめがね橋が構成資産から外されたと言う報道があった。なんてタイミングが悪いんだ… -
めがね橋も富岡製糸場と同様にレンガ造りでできている。
でもレンガの積み方は富岡製糸場の"フランス積み"とは違う"イギリス積み"。 -
めがね橋の上は遊歩道になっている。
この道をずーっと歩いていけば、横川駅まで戻る事ができる。流しのタクシーは全然来ないので遊歩道を歩いて帰ることにした。
16:50、めがね橋を出発。
日没前に横川駅に着けるといいな… -
…なーんて考えは甘かった(^_^;)
めがね橋から横川駅は歩くと1時間以上かかる
しかも、出発してすぐに日没。ほとんど暗闇の中を歩いて帰るはめになった。 -
17:35、「旧丸山変電所」に到着。
明治44年(1911)築の変電所で、実はここも重要文化財。
ここも「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産の1つだったはずだけど、外されてしまった。
それにしても暗かった… -
横川駅までの遊歩道は整備されていて歩きやすいけど、夜になるととにかく暗い。街灯が時々ある程度で歩くのがコワイ。
特に横川駅の直前にホントに一切何も灯かりがない真っ暗なエリアがあって本当にキケン。遭難しかねない。
今回はたまたま震災後の計画停電対策で持ち歩いていた懐中電灯がカバンに入れっぱなしだったので助かった。
18:00、横川駅に到着。
腹が減ったけど、この時間に営業している食堂はなかった。
18:30発の高崎行きの信越本線に乗車。
19:00、高崎駅に到着。
19:04発の桐生行き両毛線に乗車。
19:32、伊勢崎駅に到着。
ずいぶん薄暗い街だ。そして、おっぱいパブの客引きがウザイ。 -
19:55、ガイドブックに乗っていた「矢島食堂」へ。
名物料理らしい"YAJIMAのハンバーグ定食"を注文。1050円。
ハンバーグに使われている挽肉はライト東野とレフト藤井もビックリする程のあらびきっぷり。。肉の粒が大きくて食べ応えがある。
ソースはあっさり和風風味。これが美味しい!
そして、つけあわせには何故かかき揚げ。
かなりボリュームがあって満腹になった。余は満足じゃ。 -
本日の宿は「伊勢崎サンホテル」。
20:50にチェックインした。
本来は1泊5985円のはずが、メンバーズカードに入会したら4095円に割引された。しかもクオカード500円のおまけつき。そんなに安くていいの?
部屋は狭いけどビジネスホテルとしては標準的。
部屋はきれいで明るい雰囲気。この質でこの値段なら文句のつけようがありません(^_^)
明日は近代建築を見るために伊勢崎市、太田市、桐生市を周遊してから帰ります。
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