2歳子連れ11年ぶりのラトビア、そして北欧へ 07 若きデンマーク首相と遭遇

2011/10/01 - 2011/10/09

　デンマーク王室の邸宅でもあるアマリエンボー宮殿、そこに門を挟むようにズラリと人が並び、その中にはマイクを持ったマスコミの姿もある。我々は王室の誰かが車で現れるものだと思い、人垣に混じっていつ誰が来るかわからぬまましばらくたって待つことにした。

　すると30分も経たぬ間に二台のトヨタと日産の乗用車がアマリエハウン公園からクリスチャン9世王宮殿に向かってやってきた。その前方のトヨタ車の後部座席には女性が一人座っていた。

彼女こそは翌日の10月3日に首相に就任するヘル・トーニング＝シュミット、社会民主党の党首だ。2011年9月15日に行われた選挙では、与党の自由党が第１党を死守したが、中道左派の連立する野党陣営が過半数獲得し、政権が１０年ぶりに交代することとなった。

　この連立政権の中心となるのが社会民主党であり、彼女なのだ。ヘル・トーニング＝シュミットは44歳と若く、国民の期待を一身に背負った新進気鋭の首相。車がやって来ると、暖かい拍手や歓声で迎えられた。
　
　翌朝のテレビでは我々が目の当たりにしたアマリエンボーでのシーンが何度も放映され、改めて我々はデンマークの歴史に遭遇することができて幸運に恵まれたなと感じた。

10月3日、ヘル・トーニング＝シュミットはデンマーク首相となり、内閣が組閣された。28歳の女性の閣僚もいるほど若い陣容で、10年ぶりの政権交代としてはフレッシュ感と躍動感がある。組閣後、閣僚はアマリエンボー宮殿の前に現れて、その後一人ずつ自転車に乗って走り去って行った。自転車王国デンマークらしい。

エリア コペンハーゲン(デンマーク)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 3.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 乳幼児連れ家族旅行
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 船 徒歩 飛行機
• 航空会社: フィンランド航空 スカンジナビア航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

コペンハーゲンの街角で。

クリスチャンボー宮殿に訪れた後は、ニューハウンへ足を運ぶ。その美しいニューハウンの街並み

ベルゲンには訪れたことがないが、写真で見るベルゲンの街並みとかぶってしまった。

家々は色や形が違うのに整然としているように見えるのはなぜだろう

絵になる風景

ニューハウンにはおしゃれなバーやレストランが多かった。初日に飲み屋を探すのに苦労したが、この時ニューハウンのことをもう少しよく知っていたらコペンハーゲン中央駅からここまで足を延ばしていた

1671年に作られた船着き場で歴史は古く18世紀頃から残る建物もあり、バーやレストランがはいる。

アマリエンボー宮殿のそばにあるフレデリック教会

1894年に創立

内部はとても美しい

立派なパイプオルガン

フレデリック教会の天井

アマリエンボー宮殿の近衛兵

1794年に当時の王宮だったクリスチャンボー宮殿が大火に襲われ王室は貴族だった住まいを購入した。それがアマリエンボー宮殿。

個性的な自転車がアマリエンボー宮殿の広場を走る。

アマリエンボー宮殿の前に多くの人が並ぶ。ひょっとして女王様が出てこられるのかと思い、我々もこの人垣の中に入って待ってみる。

そうすると、トヨタと日産の車がやってきた。並んでいた人たちは温かい声援と拍手で迎える。

ん？　女性の顔が見える。彼女は一体？？　王家の一族？？

後部座席に乗っていたのは明日（10月3日）デンマーク史上初の女性首相となるヘル・トーニング＝シュミットさん

この日の夕方、彼女はアマリエンボー宮殿の出入りを1時間の間に二回も行っていた。女王様との謁見？明日の首相就任式の打ち合わせ？？

2回目のアマリエンボー宮殿に入場後、報道陣が門の前に詰めかけたので、我々も一緒に前に行くと彼女が現れた。

そして我々も報道陣に交じってインタビューを聞いたがこの熱烈な取材や市民の集まりを見ると、彼女に対する国民の期待を感じ取ることができる。

正直感動してしまった。私と年齢もあまり変わらない44歳の女性が首相となるのだから。

感動の余韻を持ったままホテルへ戻る。その途中のチボリ公園。

何でデンマークなのに焼売？と思う人もいるでしょう。2歳の娘はデンマークの味付けがあまり得意ではないので、中央駅の裏手に位置するアジア料理のベトナム料理を食べることに。娘は焼売が大好きなのでオーダー。

そしておかゆ。ご飯が出ただけでも娘にとってはうれしかったようで、美味しそうに食べていた。

これはいけてなかった。これは絶対にベトナム料理ではない！我々はフォーをイメージしたが、トマトベースのスープにパスタが入っていた。これはヨーロッパ人のベトナム料理のイメージかな。

10月4日の新聞には、シュミット首相を中心に閣僚たちがズラリと並んだ写真が掲載。我々は歴史に触れることができたんだと改めて感動をした。