2008/10/16 - 2008/10/23
434位(同エリア656件中)
ゆらのとさん
今回も2008年10月に出かけたアフリカ南部の旅の続きである。
今回は私がアフリカで見た動物の実体とかねてから憧れていたケープタウンである。
群を成してのんびりと過ごしている動物は微笑ましかった。でも、厳しい一面も見た。感動と言うよりゾットするような凄まじい光景も見た。動物が生きるための生態系である。
10月19日、私達のツアーはボツナワ共和国のチョべ国立公園を見学した。 ジンバブエを早朝にバスで出発して約2時間後に国境で簡単な入国手続きを済ませてボツナワ入りした。チョベ国立公園はザンベジ川の上流に当るチョベ川沿いに広がる、約1万平方キロメートルの広大な面積を持つ動物保護区がある。
私達一行は10人乗りのジープに2台乗り換え、砂地のデコボコ路を砂塵を巻きながら突っ走った。 温度は40度近いが風が強いため余り暑く感じない。「あ〜、これがアフリカのサファリなんだ」と実感した。
キリンの群が木の葉を一枚一枚丁寧に食べている。今、一番、食糧としているる葉っぱが少ない時期なんだそうだ。
沼で水浴びしている像を見てから、数キロ先でギョッとする光景を見た。泥沼に嵌って溺死した1頭の像の屍に50羽程のハゲ鷲が群がって、像の肉を啄ばんでいるのだ。
もう一つの恐ろしい光景は、その日の午後のボートサファリだった。岸辺に沿ってチョベ川をゆっくりとボートが走る。川から水中の動物や、陸の動物を観察するボートサファリだ。 ワニやカバ、そして、岸辺にいるアフリカの美しい鳥達。平和そのものの光景だった。
その時、突如、インパナの一群がけたたましい勢いで走り抜けた。後ろに追っているのは一匹のライオンだった。ライオンは1頭のインパナに狙いを定めると、それだけを追った。他のインパナは逃げ去った。とうとう、ライオンはそのインパナを虜にしてすると、潅木に身を潜めた。
まるで、映画やテレビで見るシーンだった。私達のボートはインパナの近くまで戻ってくれた。私は数分後(あるいは数十分後)にライオンの餌食になるインパナを目の前で見た。
インパナは死を覚悟しているようだった。ガタガタ震えて微かな嘶きをしていた。
ボートが動き出したのは、その惨い様子を観光客に見せたくない、という配慮ではなかった。その瞬間を見たいボート(観客)が後に5艘も待機していルので、5分しか留まらないのだ。
アフリカ旅行の最後の二日半はケープタウンと喜望峰の観光だった。ケープタウンには世界的に有名なカーステンポッシュ植物園がある。南アフリカは今、春の季節、私が目指していた桜の花は南アフリカ共和国で咲いているか期待と不安が交錯した。
ザンビアを発って、ヨハネスブルグで乗り換えて南アフリカ発祥の地ケープタウンに着いたのは午後6時過ぎだった。
ケープタウンは南アフリカ共和国第二の都市で人口は約80万人だそうだ。 ケープタウンは世界的有名な港である。港には日本の遠洋漁船も沢山碇泊している。漁船だけでなく日本からの貿易船はアフリカ諸国だけでなくヨーロッパ便もここを通るのが多いのだそうだ。
翌日は市内にある世界遺産の一つのテーブルマウンテンにケーブルで登り,港を一望した。ケープタウンは活気に満ちていた。銀色に輝く海に数え切れな位の外国船か往来していた。
その後、アザラシの島シールアイランドを船で回った。もう、アザラシがウジャウジャ、常時5千頭はいるのだそうだ、(下船はしなかった)
翌日の午前は、ケープタウン市郊外の世界有数のカーステンポッシュ植物園の観光だった。ケープタウンは赤道を挟んで日本の山口県と同じ緯度にある。「ある、きっとある。桜の花が咲いている」、私は祈るような気持ちだった。
この植物園は6千種類以上の植物があるのを私は出発前に知っていた。でも、現実は厳しかった。桜の木はなかったのである。桜の花に似たジャカランダは紫色の花弁をつけて涼しげに咲いていた。 この植物園の殆どは南アフリカでしか育たない植物なんだそうだ。
私は植物園の事務所に行った。とても親切な黒人の事務員がリストを調べてくれたが「Cherry Tree」の名はなかった。
でも、とても勇気付けられたことを教えてもらった。桜はないが、セレス地方に行くと、そこは南アフリカのサクランボの産地で、サクランボの木を「cherry Tree」と言っているそうだ。
サクランボは桜科の植物で桜と親戚なんだ。サクランボの花は桜のように綺麗でないが、しっかりと美味しい実をつけているのだ。 植物園で桜を見れないで、がっかりした気持ちを、そんなことを考えて慰めた。
私は帰りの飛行機の中で妄想した。いつか私が大金持ちになったら、10本のさくらの苗を南アフリカ共和国に寄贈したい。(桜が育つ土も日本から船で運んで)
桜は植物園なんかに植えない。白人居住区と黒人居住区の近くの公園に植えたい。
美しい桜の花を黒人が観に来る。白人が見に来る。お互いにニッコリ笑って一緒に桜を観る。そうすれば、人種差別なんて無くなるかも知れない。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 社員・団体旅行
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 交通手段
- 観光バス 飛行機
- 航空会社
- 南アフリカ航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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