2011/04/15 - 2011/04/17
207位(同エリア296件中)
世界攻略者さん
- 世界攻略者さんTOP
- 旅行記213冊
- クチコミ2件
- Q&A回答0件
- 2,512,280アクセス
- フォロワー71人
ナムチェで二泊した後、エベレスト街道に沿って北上していきます。タンボチェ、パンボチェ、ディンボチェと谷筋の集落を経由した後、めざすは5559メートルの展望ポイント - チュクン・リ。ヒマラヤを代表する大パノラマがそこにあります。このルートの注目は、いつも右側に見えているアマダブラム。どこからでも見え、どの角度、どの距離から見ても美しいこの地方を代表する山です。常に姿を変えながらトレッカーにつきそい、東の空から旅人をやさしく見守ります。
**情報は2011年春のもの。1ネパールルピー= 1.2円で計算。
== エベレスト・トレッキングのすすめ シリーズ一覧 ==
① 入門編 (ルート、費用、シーズン、高山病対策)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10581163/
② 準備編 (TIMS、ガイド、ポーター、装備、ガイドブック)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10581170/
③ ルクラからナムチェへ - 日本人の残した小さな宝物
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597198/
④ ナムチェ・バザール 完全ガイド (シャンボチェ、ターメ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597202/
⑤ パノラマ王 チュクン・リへの道 (タンボチェ、ディンボチェ) <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597206/
⑥ カラパタール vs エベレスト・ベースキャンプ (ゴラクシェプ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597215/
⑦ 男の勲章 チョラパス越え (チョラ峠、ゾンラ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597226/
⑧ ゴーキョ街道の歩き方 (ゴーキョ・ピーク、マチェルモ、ポルツェ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597238/
⑨ 雑学編 (節約術、通信事情、自然、シェルパ族、ポーター)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10581179/
⑩ エベレストの見え方研究 (マウンテン・フライト、カラパタール)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10581184/
-
[目次]
タンボチェへの道
タンボチェ
ディンボチェへの道
ディンボチェ
ペリチェ
チュクンへの道
チュクン・リへの道
チュクン・リからの眺め
まとめ -
[タンボチェへの道]
トレッキング5日目。ナムチェを出発して、タンボチェに向かいます。目安は4-5時間、約12キロの道のりです。まずはナムチェの北東部分に続く道を登っていきます。途中、シャンボチェへの道、タンボチェへの道、博物館への道に分かれますが、他のトレッカーについていけば問題ないでしょう。 -
ナムチェを抜けると、エベレスト街道の始まりです。遠方にローツェやアマダブラムを見ながら山の中腹に作られた道を歩きます。開放的な景色と、アップダウンの少ない道。しばらくは爽やかなトレッキングが続きます。
写真: 博物館からの眺め。青い線がナムチェからタンボチェへの道。黄色い点は左からタボチェ、エベレスト、ローツェ、アマダブラム。 -
1時間半ほど歩くと、最初のロッジ街キャンジュマが現れます。すぐ後に続く集落がサナサ(写真)。ここは交通の要所で、クムジュンへ行く道や、北西に伸びるゴーキョ街道が分岐します。エベレスト街道へは、そのまま道を進むだけ。案内看板もあるので、迷うことはないでしょう。
-
サナサの後、少し下ってラウシャサ/タシンガ(3450)の集落へ。さらに下ってドゥードゥ・コシ川を越えた後、小山を登りつめた先にあるのがタンボチェ(3860)です。
サナサから川まで高度差400メートル。その直後にタンボチェまで600メートルの登りです。無駄にアップダウンの大きい道ですが、他に選択肢はありません。ちなみに、ゴーキョ街道に行っても、同様に無駄なアップダウンがあります(モンラー)。
写真: 青い線 - サナサからタンボチェへの道。黄色い点 - 左からポルツェ、エベレスト、タンボチェ -
[タンボチェ]
長い登りの後、タンボチェ(写真、3860)に到着です。ここは純粋なロッジ街で、景色がいいため大変繁盛しています。ここからの眺めは、エベレストビュー・ホテルのあるシャンボチェの眺めを少しグレードアップした感じ。基本的にエベレスト街道前半は同じ谷筋を歩くため、景色は似通ってます。正面にヌプツェ・ローツェ+エベレスト先端。左側にタボチェ、右側にアマダブラム。シャンボチェより奥に進んだ分だけ、これらの山が近くに見えます。とはいっても、エベレストまではまだ直線距離で25キロほどあるのですが..。
クムジュンやエベレストビュー・ホテルから見えていたかっこいい山 - アマダブラム(6828、写真右)も健在。現地語で「母の首飾り」とい名の優美な山です。この方向(南西)から見て、右側のピークが頭、左側のピークが肩、そしてその下の氷河を胸にかかった首飾りと見るのが「正しい」見方です。 -
よーく見ると、エベレストビュー・ホテルからの眺めと比べて、エベレストの見えている部分が少し小さくなっているのに気づきます(写真)。手前のヌプツェ-ローツェの南壁がでかいため、距離が近くなるほど、見える角度が悪くなるのです。実際、タンボチェを過ぎると、エベレスト先端はすぐに消えてしまいます。山頂が再び現れるのは4日後に訪問するゴラクシェプやカラパタール。そこまで行くと、エベレストを西側から見ることになるので、この南壁は関係ありません。
-
タンボチェにはロッジが6軒。部屋からの景色を考えると、ゴンパ正面にある2軒の宿がよさそうです。このタンボチェはひとつ悩ましい問題を抱えています。それは、人気の割に宿が少ないこと。ナムチェからのほどよい距離、前後のロッジ街の眺め悪さ、有名ゴンパの存在、などを考えると、みんながここに集中してしまうのは仕方が無いことかもしれません。
なぜもっと宿を増やさないのでしょうか。ロッジの建設にはいろいろ規制があり、国立公園の許可が必要なようです。こういう時、一番わりを食うのが、私のような予約なしでやってくる個人トレッカーです。幸い、この時はチェックしたロッジのうち一部屋だけ空きを見つけました。
写真: 景色のいいロッジ。タシデレ(左)ヒマラヤン・ビュー(右)。雪が降った翌朝。 -
ラッキー!と思いながら部屋に案内してもらうと、これがチンケな一人部屋。ロッジの部屋というのは、基本的にツインなのですが、シングルの部屋も時々みかけます。ひとり部屋の存在は、「ソロ・トレッカーのニーズを汲み取ろう」とかそういう視点ではなく、単にロッジ側の都合がほとんどです。
たまたま余ったスペースを部屋にしたというのもあるでしょうが、一番の理由はツインの部屋に一人で泊まられると宿が儲からない。それだけです。ロッジは主に割高な食事から利益を出しているので、同じ200ルピーの部屋でも、ひとり泊まるかふたり泊まるかで大きな差が出てしまいます。
そういうわけで、タンボチェなどの需給が逼迫している宿では、一部シングル部屋にして利益の最適化を図ります。そのこと自体に異論はないのですが、今回泊まった部屋はちょっとアレでした。かつて食堂があったところを無理やり部屋に区切ったらしく、見た目は最低辺のパッカー宿。シングル部屋には何度か宿泊してますが、ここまで狭くて貧相なのは始めてです。窓からエベレストが見える数少ない部屋ということで、無理やり納得することにしておきます。
写真: タシデレ・ロッジの取ってつけたようなシングル部屋。料金は半額の100ルピー(120円)というのが一般的。 -
タンボチェには、集落がないのに立派なゴンパがあります。クンブ地方では、古くからの集落に必ずゴンパがあります。具体的には、ナムチェ、クムジュン、クンデ、ターメ、パンボチェ、ポルツェの6大集落です。このタンボチェのゴンパはどの集落にも属さない特別なゴンパとされています。1953年、エベレスト初登頂を果たした英国隊も、ここで祈祷をしてから登山に向かいました。
最初はゴンパしかなかったこの場所ですが、今ではロッジが並び少々にぎやかになっています。タンボチェが一番盛り上がるのが、10-11月にゴンパで開かれるマニ・リンドゥの祭り。トレッキングのピークシーズンに祭りが重なり、タンボチェが一年で最も混雑する時です。この時期に部屋を見つけるのはほぼ不可能で、溢れた客たちは周辺の集落で妥協します。こうして、またタンボチェのロッジ・オーナー達の強気が助長されてしまうのですが...。
写真: タンボチェのゴンパ。すぐ隣のビジターセンターでは、ゴンパ紹介のビデオ上映やパネル展示があります。 -
タンボチェのゴンパでは、一日2回早朝と午後にプージャが行われます。朝7時前、ドラとほら貝の合図と共に、僧侶や観光客がお堂の中に入って行きます。入場料は特に無し。トレッカー達はお堂の隅に陣取り、30分ほど続くプージャーを観察します。参加している僧侶は6-7人くらいと少なめ。見物客のほうが多いくらいです。僧侶が着ている袈裟風の上着はやたら分厚く、後でチェックしてみると内側が毛皮のコートのようになっていました。このお堂には暖房がないため、超防寒仕様です。
-
[ディンボチェへの道]
朝食の後、タンボチェを出発です。今日の目的地は8.5キロ先のディンボチェ。目安は3-4時間。。タンボチェを出ると、すぐに山を下り始め、デボチェ、ミリンゴの集落を通過します。イムジャ・コーラ川を渡って再び登ったところがパンボチェ(3980)です。パンボチェは大きな集落で、今到着したのがローアー・パンボチェ。山の上部には、アッパー・パンボチェとよばれる古集落もあります。
パンボチェには宿が沢山ありますが、タンボチェからそう遠くないこともあって、往路で宿泊する人は少なめです。ここまで来た道を振り返ってみると、タンボチェやシャンボチェの丘がはっきりとわかります(写真)。こうして、エベレスト街道の集落を一つずつクリアーしていくのです。
写真: ローアー・パンボチェ。黄色い点 - 左からタンボチェ、エベレストビュー・ホテル。後ろの雪山がコンデ・ピーク。右上に伸びる道はポルツェへ向かいます。 -
パンボチェの入り口近くに大きな売店を見つけました。ここの品揃えはよろず屋並で、野菜、お菓子、お茶パック、衣服、スキンクリーム、トレッキング小物、電球、ロープなど何でも揃っています。ロッジの人もわざわざナムチェまで買い出しに行かなくても、ここで必要なものを揃えられそうです。面白いところでは、コンドームや宿帳用の分厚いノートまでありました。
通常、輸送費の関係で、ナムチェから遠くにいくほど物の値段は高くなります。それが、不思議なことにこの店の値段はタンボチェより少し安めです。例えば1L飲料水が50ルピー安い150ルピー(180円)。ロッジ併設の店ではないため、現地人価格というのもあるでしょう。それ以前に、タンボチェのロッジがぼったくり価格な気がします。 -
120メートルほど上にあるアッパー・パンボチェにも行ってみました。この集落はエベレスト街道から少し外れているため、わざわざ立ち寄る人は多くありません。ここには、民家の他に、クンブ地区最古のゴンパと小学校(写真)があります。ここまで上がってくると、下のパンボチェでは見えなかったエベレストが少しだけ顔を出します。小学校の校庭からももちろん見えます。私の知るかぎり、エベレストが日常的に見える小学校というのは、世界でここだけではないでしょうか。
写真: 小学校校舎とアマダブラム。 -
[ディンボチェ]
パンボチェの後、ショマレ(4070)の集落を通過。このあたりから高い木が消え、地面に張り付いたような低木だけになります。標高4000メートルあたりが森林限界なようです。オルショーを過ぎしばらくすると、ペリチェ(4280)への分岐が現れます。ディンボチェへ行く場合は、そのまま真っすぐ進み、橋を渡ります。橋の後、30-40分ほど歩くとディンボチェの集落が見えてきます。
ディンボチェ(写真、4360)はタンボチェより500メートルほど高い場所にあります。一日で500メートル上げるのは理想的とはいえませんが、多くのトレッカーはこの村に滞在します。パンボチェなどの途中の村では中途半端というのもありますが、最大の理由はディンボチェの景色のよさにあると思います。大雑把に言えば、北にローツェ、東にアマダブラム、西にタボチェ、南にタマセルク。
写真: ディンボチェを西側の丘から見下ろす。左端がローツェ。 -
ディンボチェの町は、一本の長い道に沿った縦長の形をしています。連泊する人が多いこともあって、宿は20軒近くあります。広々としているため、ロッジ街風情が薄く、大変居心地のいいところです。なぜかネットカフェが三軒もあります。
この一帯は平な土地が多く水源も近いため、クンブ地方の一大農業地域となっています。もともとディンボチェは定住地ではなく、農耕期に滞在するだけの場所した。そのせいか、ロッジが増え、村の規模が大きくなった今でも、小学校もなければ公共電気もありません。
写真: 村のメインロード。背後の山はカンテガとタマセルク。 -
4-5月はちょうどジャガイモを植える時期。ロッジまわりの畑でも、農作業をする人をみかけました。クンブ地区の主要作物はジャガイモ、大麦やソバなど。ニンジンや玉ねぎなどほとんどの野菜はルクラ近郊やさらに低地の村から運ばれます。お米やトマトは確かカトマンズから。
これは私たちトレッカーにも多少関係しています。地元で採れた野菜を使った料理は、比較的割安だからです。具体的にはジャガイモを多く使うダルバート、シェルパ・シチュー、ボイルド・ポテトなど。その他、大麦をつかったツァンパもコスト・パフォーマンス良好です。早い話が、地元の人と同じものを食え、ということです。 -
ディンボチェで一番大きく見える山が、川の向こうにあるアマダブラム(写真、6828)。ん?なんか違うぞ。よく見ると、2つあるピークの左右が反転していました。パンボチェあたりまでは、南西から山を眺めていたのですが、ディンボチェでは山を追い抜いてしまい、北西から見るかたちになるのです。もはや「母の首飾り」の面影はありません。
ディンボチェは広いため、宿により眺めがバラバラです。とりあえず、真ん中あたりにあるIMZA VALLEY LODGE(写真)に泊まることにしました。決め手は自分の部屋の窓からアマダブラムが見えることです。 -
この宿にはキャンプ地が併設されています。午後、窓の外が騒がしいので外を見てみると、牛やポーターを引き連れたキャンプ隊がやってきて、手際よくテントの設営をしていました。最初、エベレストに向かう登山隊かと思っていましたが、どうも違うようです。話を聞いてみると、彼らはカナダからのツアーで、キャンプをしながらエベレスト・ベースキャンプに向かとのこと。途中、ロッジなどいくらでもあるので、そのテントが真に役に立つのは、最終目的地ベースキャンプに滞在する1日だけ。わざわざ高い金を払って不便なテント暮らしをするとは...意図がよくわかりません。
繰り返しますが、キャンピングは、ロッジ泊よりずっと高くつきます。まず、テントや食器、食料を運ぶ動物やポーター。料理人やその他のスタッフ、さらに彼らをまとめるシェルパ頭。宿泊料も無料というわけではなく、他の村のケースで言えば、テント1つにつき60ルピー(78円)の設置料。キッチン小屋使用料が500ルピー(600円)、さらにダイニング使用料が500ルピー(600円)などと有料です。
写真: キャンプ用の敷地。奥にある石の小屋がキッチン小屋。 -
キャンプ・ツアーの最大の特徴は、テントに寝ること、そしてコックが帯同することです。なぜか食事をする時は、ロッジのダイニングを使います。食事用の大きなテントは使いません。何か変ですよね。例えるなら、自宅で作った料理をホテルのレストランに持ち込んで食べるようなものです。
我々一般の宿泊客にとって、彼らは少々迷惑な存在でもあります。食事時にダイニングの半分を占拠するからです。普段の倍の人数いるため、座れる場所が限られてしまいます。彼らは基本的にロッジの食事は注文しません。食料、飲み物、食器、コックすべて自前です。料理はキャンプ場のキッチン小屋(写真)でつくられ、次々とダイニングのテーブルに運び込まれます。 -
彼らがテントに戻ったのを見計らって、私も夕食をとることにします。注文を待っている間、受付にあったエベレスト街道の写真集(写真)を見てみます。台湾で発行されたものなので、文章はもちろん中国語です。
ふむふむ、中国語でエベレスト・ベースキャンプは「聖母峰基地」、シェルパは「雪巴(シェバ)」、クンブ(地区)の当て字は「昆布(クンブ)」なのか..為になるなー。ひとり関心していると、宿の婦人がやってきて、あるページを無言で開きました。それは、タンボチェのゴンパの様子を撮った写真です。そして、プージャ中の若い僧侶を指さしてひとこと「マイ サン」。そう、彼女の息子は僧院で学んでいるのでした。
どのロッジでもそうですが、私はダイニングの壁に飾られた写真や表彰状をよくチェックします。それを見ると、オーナー家族の人物像がよくわかるからです。例えば、登山スクールの卒業証書だったり、ホテル経営スクールの認定書だったり、カトマンズの寄宿学校の身分証だったり。彼らの息子や娘がどんな顔で、どんな職業についているのか手に取るようにわかるのです。 -
多くのトレッカーが高度順応のためディンボチェで二泊します。すでに4000メートルを超えているため、気圧は地上の6割。軽い頭痛などの症状が出始めるころです。ここでの二日間で、確実に身体を高度に慣らしたいところです。
といっても、やることと言えば、より標高の高い場所に行って帰ってくるくらい。ディンボチェの場合、となりの稜線や岩山に登るとか、チュクンまで遠出するとか、そんな感じです。手始めにすぐ裏に見えている丘に上ってみましょう。丘の斜面には複数道があるので、宿から一番近そうな道を登って行きます。目指すのは丘の上に見えている白いチョルテンです。
写真: 黄色い点 - チョルテン。青い線 - 丘の上への道。後ろの山はタボチェ。 -
ゆっくり登ってチョルテンに到着です。すぐ隣にチョウタラがあり、一休みできます。ここから、北側に続く道を稜線沿いに登って行くと、ナンカルツァン・ピークまで行けます。
-
丘の上からディンボチェを見下ろすとこんな感じです。よく見ると対岸の山に道と放牧場のような物が見えます。
-
このチョルテンから先は台地のような場所になっています。そこをそのまま進むと、ロブチェを経てカラパタールに至ります。逆にこの高台をすぐに下りてしまうと、ディンボチェの反対側にあるペリチェ(写真、4280)の集落に到着します。ディンボチェにすっかり客を取られた感のあるペリチェですが、エベレスト街道の最短ルート上にあるため、帰路ではここに滞在してからナムチェに向かう人も多いようです。
ペリチェには、シーズン中、西洋人医師の常駐するクリニックがあります。エベレスト街道で深刻な高山病にかかってしまったら、ここのお世話になるかもしれません。このクリニックでは、シーズン中毎日午後3時から、高山病対策のレクチャーを行っています。隣町とはいえ、ディンボチェからだと片道40分-1時間。高山病レクチャーを聞きに行く途中でタイミングよく高山病にかかっちゃうかも。そういうケースを心配したわけではないでしょうが、ディンボチェでも月水金の週三回、出張レクチャーが行われます。 -
[チュクンへの道]
続いて、チュクンへの小旅行です。ディンボチェからさらに2時間ほど奥に進むと、チュクンというロッジ街があります。ここの景色はディンボチェをさらに上回るもので、ディンボチェ2日目の日程に最適です。行き方は、ディンボチェから北東に伸びる道を進んでいくだけ。歩くに連れ、正面に見えるローツェ(写真左)がどんどん迫ってきます。
ゆるい登りの道を登り切ったところで、小屋がひとつ出てきます。この場所はビブレと呼ばれていて、この近辺からコンマ・ラ峠を越えてロブチェへ向かう冒険的なルートが伸びています。小屋のすぐそばに慰霊碑(写真)のようなものがあるのに気づくでしょう。このメモリアルの石碑を見ると、「ローツェ南壁のヒーローたち」というタイトルで3人の登山家の名前が刻まれています。その中には1989年に転落死したイエジ・ククチカの名前も。ポーランドが生んだ偉大な登山家を讃えて、石碑には赤い国旗が巻かれています。
写真: 左からローツェ(8501)、ピーク38(7590)、アイランド・ピーク(6173) -
ビブレから残り半分の道を歩き、チュクン(4750)に到着です。ナムチェから見えていた谷筋はここで行き止まり。この先はローツェなどの雪山があるだけで、道も集落もありません。いや、無くはないですが、それはアイランド・ピーク登山に向かう道と、次に紹介するゴキョ・リーの丘に登る道だけです。
チュクンは夏の放牧地として使われてきたため、家屋はほとんどありません。宿が全部で4軒。雪山に囲まれた小さなロッジ街で、非常に静かなところです。ディンボチェの2日目をここに泊まるのも悪くありません。それにしても、村から見上げるアマダブラム(6828、写真)のでかいこと。すでに山の北側に回りこんでおり、ディンボチェからの眺めとは全くの別物です。 -
[チュクン・リへの道]
さて、チュクンからの景色もすばらしいのですが、ここまで来たからには、チュクン・リまで登りたいと思います。ロッジの裏山を3時間ほど登った先にある展望ポイントがチュクン・リと呼ばれていて、カラパタール、ゴーキョ・ピークと並ぶ3大展望ポイントのひとつです。ディンボチェから来て同日に登るのはかなりの強行軍なので、自信のない人はチュクンでの一泊を考えてもいいでしょう。
行き方は簡単。ロッジ街の道をそのまま進んでいくと、丘の上に登っていく道につながっています(青い線)。 -
40分-1時間ほど登ると丘の上に出ますが、その先にさらに高い丘が出てきます。道ははっきりしているので、ひたすら登るのみ。
-
上まで行くと、沢山の石積みが置かれた山の鞍部のような場所に到着します。そこで前方の視界が開け、急に北西側の景色が飛び込んできます。チュクン・リの反対側にあったのは大きな砂氷河。そして、その向こうにはプモリ(右端、7138)を始めとする中国国境のピークが並びます。さらには、少し離れてチョ・オユー(写真外、8201)も。プモリはエベレスト街道の終点にある山、一方のチョ・オユーはゴーキョ街道の終わりを象徴する山です。うーん、こうなっていたのか..。全く予想していなかった眺めの登場に思わず唸ってしまいました。
-
たまたま近くにいたシェルパの高度計を見せてもらうと、約5300メートル。この場所はまだ頂上ではありません。左右両側にもっと高い丘があります。左側に見えているのが、低い方のピーク(写真、5418)。ほどんどのトレッカーはこちらを目指します。
-
逆にローツェの方に見えているのが、高い方のピーク(5559)です。あまり道がよさそうでないので、私はバスしました。写真左端のさらに高い頂上は、恐らくチュクン・ツェ(5833)でしょう。ここからではなく、別ルートで行ったほうが安全という話です。
写真: 黄色い点 - 左から、チュクン・ツェ、高い方のチュクン・リ -
[チュクン・リからの眺め]
5分もかからずに低い方のピークに到着。ここからの眺めは文字通り360度ビュー。特に南側の眺めが圧巻です。写真はアマダブラム(6828)から中央のオンビガイチャン(6364)に続くパイプオルガン風の稜線。いわゆる、「ヒマラヤひだ」と呼ばれる縦縞が特徴的です。 -
その左、東側にさらに雪山が続きます。写真は左からアイランド・ピーク(6173)、マカルー(8485)、ヌン・リー(6640)、バルンツェ(7220?)。
-
南西側に目をやれば、アマダブラムの横にタマセルク。谷をはさんでタボチェ。谷の奥にはカリョルン、コンデ・ピークなどの山々が見えます。この谷筋はイムジャ・コーラに沿ってナムチェの方まで続いており、よく見るとタンボチェやシャンボチェの丘があるのに気づきます。ナムチェはシャンボチェのすぐ裏側。ここまで4日間歩いてきた距離を改めて実感させられます。
写真: 黄色い点- 左から、タンボチェ、シャンボチェ(エベレストビュー・ホテル)。背後の山はカリョルン(中央、6511)、コンデ(右、6187)、カタン(右上、6853)。 -
南西側の眺めをパノラマにするとこうなります(クリックで拡大)。個人的には、眺めの総合力としてはカラパタールやゴーキョ・ピークより上だと思います。では、なぜチュクン・リがNo.3に座に甘んじているのか。理由のひとつは、ここからエベレストが見えないこと。それに加え、エベレスト街道のメインルートから少し外れているため、ツアーなどで外されやすいという事情もあります。マイナーなのにパノラマ王、そんな影の実力者チュクン・リが私は大好きです。
写真: 黄色い点 - 左から、ローツェ(8501)、ピーク38(7590)、アイランド・ピーク(6173)、マカルー8485)、バルンツェ(7220)、オンビガイチャン(6364)、アマダブラム(6828)、タマセルク(6618)、カリョルン(6511)、コンデ(6187、+カタン、ヌンブル)、タボチェ(6495)、チョラツェ(6440)。 -
最後に北側の景色です。ローツェ(8501)とヌプツェ(7879)の稜線が連なった大岩壁が圧倒的な迫力で迫ってきます。世界で4番目に高い山のすぐそばにいるというのは、何気にすごいことではないでしょうか。あまり実感がわきませんが..。山壁に十分近いため、雪の筋まではっきり見えます。同時に、近すぎるたがために、すぐ裏にあるエベレストが見れず痛し痒しです。
-
[まとめ]
チュクン・リの眺めに満足したところで、ディンボチェまで戻ります。ここまでの6日間、実に充実したトレッキングを送れた気がします。北進するにつれ、次々と顔を変えていくアマダブラム。ナムチェから28キロほど歩いて、手の届きそうな距離まで近づいたローツェ南壁。これらの山々がエベレスト街道前半の主役と言ってもいいでしょう。
標高4360メートルのディンボチェに慣れた今、次に目指すは5170メートルのゴラクシェプ。いよいよエベレスト街道の本丸に進んでいきます。
-----------------------------------
[リンク集]
==ネパール・トレッキング==
最速のアンナプルナ 全8作 (2009年秋)
http://4travel.jp/travelogue/10444950
エベレスト・トレッキングのすすめ 全10作 (2011年春)
http://4travel.jp/travelogue/10581163
ポカラ・ザ・トレック 全4作 (2013年春)
http://4travel.jp/travelogue/10759203
トレッキング装備購入ガイド 全2作
http://4travel.jp/travelogue/10571988
==ネパール旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=771&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
エベレスト山周辺(ネパール) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
38