2011/08/06 - 2011/08/07
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plutoさん
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なんと妻子が私を残して妻一族と9泊11日でハワイに行くことに!
仕事をそこまで空けられない私は,ハワイ組に対抗して何年振りかの青春18きっぷを握りしめ,断続的な乗りつぶしの旅を始めたのである。
3枚目で目指すは中国山地のローカル線。
ちなみに,1枚目は四国の牟岐線,阿佐海岸鉄道,ごめん・なはり線,徳島本線。
2枚目は,東に向いて長野県の大糸線と飯田線だった。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
8月6日土曜日の午後10時,大阪梅田の阪急三番街バスターミナルである。
22:30発の津和野行き夜行バス(石見交通津和野エクスプレス,阪神バスと共同運行)で西に旅立つのである。
前日の深夜に大糸線・飯田線から帰って来て,爆睡から目覚めてからは掃除洗濯やなんじゃかんじゃしていたら,もう夜になり,自宅で一人で夕食食べて良い具合に酔っ払って出発。
夜の阪急三番街バスターミナルは,夏休みということで喧噪のるつぼであった。
学生風の女性「あのー,松本行きはまだでしょうか」
案内係「もう出ましたよ! 放送したじゃないですか!」
学生風の女性「...」すごすご退場。
3歳くらいの男の子を連れた可憐な女性「あのー,○○行きはまだありますか?」
案内係「もうないですよ」
可憐母「...」三番街に突入してきた暴走族が爆音を轟かせるなか,男の子の手を曳いて退場
特に後者の可憐母には哀れをそそられた。
たぶん梅田の中で阪急のバスターミナルを見つけられなくて,遅くなってしまったのだと思われる。
JRのバスターミナルに行ってしまったり,右往左往してしまったのではないか,3歳の子を連れて。
もう夜の10時過ぎ。
小さい子の手を曳いて,これからどうするのだろうか。
我が石見交通津和野行きは,掲示モニタの表示対象外という難易度高め路線であったが,定刻少し後にやってきて,無事乗りこむことが出来た。 -
8月7日日曜日。
石見交通津和野エクスプレスは,定刻の5:30よりもおよそ15分早く,浜田駅前到着。
ここでJRに乗り換え,18きっぷ3枚目開始!
実は夜行バスは初めてだったが,まあ良く眠ることができた。
乗客にお年寄りが多いのが意外だった。
JRに夜行急行の「だいせん」が残っていたら,どちらを使っただろうか。
値段はバスのほうが安いだろう(大阪→浜田で\8000)。
寝台とリクライニングシートの比較でも,ひょっとしたらバスの方がいいという人もいるかもしれない。
ただ,バスは停留所で容赦なく放送がかかるので,眠っていても起こされるのが少し嫌だった。(三宮23:30,旭5:06)
私は5時半の浜田で降りたので構わないが,6:30の益田や7:30の津和野まで行く人はちょっと困るかもしれない。 -
浜田5:34発の出雲市行きに乗る。
波子あたりで日本海が見えた。
山陰本線は本当に景色がいいと思う。 -
江津5:58着。
三次行き6:02発でいよいよ初乗りの三江線に突入する。 -
三江線は江の川沿いに三次を目指す。
車窓の景色は,水のある風景だと外れがないと思う。
海沿いだと,山陽線の須磨あたり。それに山陰線の日本海。
湖だと,湖西線の高架から眺める琵琶湖とか。
そして,鉄道は,川沿いの景色がいい路線が多いと思う。
視点の高さの問題かもしれないが,同じ川でも道路よりも鉄道の方が景色がいいような気がする。
江の川は,地形学的に老いた中国山地を貫流する川で,山地の中を非常にゆるやかに流れる。
山の中のくせにゆるやかな川ということで,倒錯的な魅力(?)を感じる。
豊岡から城崎に流れる円山川の下流部もこの類型だろうか。
だだっ広い平野を流れるのではなく山間を流れるから景色が狭く,見ている人は川を独り占めしている感じがするのかもしれない。
まあ,始発ということもあり,車内も独り占め状態なのだが。 -
田津あたりでは平地が少し広がり,川沿いには治水用の竹林が続いているのが見える。
江の川は,上流の三次盆地が治水的に重要で,その下流の三江線沿線は三次から流れ出た洪水をモロに受け止める形になる。
だから,谷あいでも驚くほど高くきれいな堤防が整備されていたりするが,一方でこの竹林のような昔ながらのものも残っていた。
というようなウンチクは,実は私の仕事に関係している。
高くてきれいな堤防を三江線が陸閘で潜っているのに気付いた瞬間にクスリとにやけてしまう程度には,マニアックである。
わけわかりませんね。
この日は,私の所属する業界の最重要イベント「技術士試験」というのが開かれているのだが,私はもう合格しちゃったので,こんなところでウンチクを垂れたり,一人でクスリとしたりしているのである。
例年,1日中試験用紙に向かっていた日に,三江線で江の川を眺めるとは,なんたる至福であろうか。 -
石見川本あたりからちらほらと人が乗ってきて,こちらもホッとする。
写真は竹駅。
この駅の脇の道を,仕事でレンタカーで2回通ったことがある。
三江線沿いを延べ2日ほど車で回ったことがあるのだが,その間,ついぞただの一度も三江線の列車を見ることはなかった。
三江線は,1日片道3本とか5本とかいうオーダーなのである。
この沿線にまだ来たことがなかった時は,列車の本数から察して,三江線沿線とはどんなに人がいないところなのかと思っていた。
しかし,クルマで2回通ったり,この日列車から見た感じでは,少なくとも飯田線の奥三河あたり(1〜2時間に1本くらいある)とはそれほど変わらないような印象である。
印象だけですが。
じゃあ,お前も住んでみろと言われそうである。
私の父親は江津の近くの出身で大阪に出てきたのだが,もし父親が大阪に出てこなかったら,お盆前に集落総出で草刈りしている人たちを車窓から眺めながら,あの中に自分がいたのだろうかなどと妄想した。
「じゃあ,俺の嫁さんは誰だろう」と眼を皿にしてしまうまで妄想が膨らむのが,私の悪いくせである。(いちおう,我が国の国土のあり方とかについても,ちゃんと妄想してます) -
列車は,浜原(7:47発)から三江線の中で最後に開通した区間に入る。
この区間だけは比較的新しいので,線路が良くなり,スピードが速くなる。
気持ちいい。
...のだが,ところどころで徐行する。
保線の合理化のためらしい。
ちゃんと手入れすれば速く走れるものをわざと遅くするというのは,なんかしっくりこないのだが,経営的にギリギリのところでローカル線を維持しようとしてくれているのだと考えると,複雑な気分になるがそれ以上は言えない。
これは三江線だけのことであったが,徐行に加えて,三江線では木の枝が列車の車体に「バチバチ」と当たることがよくあった。
いくら1日3-5往復とはいえ,そこまで枝が伸びるのかとびっくりした。
保線はほんとうに大変だろうと思う。 -
9:18三次着。
トイレに行こうとしたら「心ない人によって壊されました。直す予算がありません」みたいなことが書いてあって,使用不可であった。
ところで,ここから芸備線で東の新見方面に行きたいのだが,接続が悪く,12:52発の備後落合行まで約3時間空いてしまう。
浅野内匠頭の奥さんが三次藩の人だったなとか尾関山の尾関はうんぬんということで三次市内を見て回ろうとも思ったけど,あまりに暑くてやめた。
そのかわり,三次12:52発の備後落合行きに間に合うように,芸備線の広島方面を行けるところまで往復することにした。
芸備線は,福塩線が乗り入れる三次-塩町以外はまったく乗ったことがないのである。 -
11:05に芸備線の広島市内の駅,下深川に着いた。
三次からの芸備線はいい感じの農村を走ってきたが,ここらへんから近郊区間という感じになってきた。
下深川までは,三次発10:03の快速みよしライナーというのに乗った。
夏休み真っ盛りで列車は満員。
旅行に出かける風の家族連れなどもおり,ハワイに行っている妻子を思いながら「はよ,帰ってこんかなあ」などと思わずつぶやいてしまう。
芸備線の広島方面は全然乗ったことがなく,時間さえ許せば広島まで行きたかったが,これが限界。
11:22発の三次行き普通で折り返す。
下深川まで来ると,太田川の対岸を走る可部線が意外と近い。
徒歩15〜30分のオーダーで移動可能とかいう話もある。
昨年度は可部の方で仕事をしていたので,今後もしそういう話があれば,可部からの復路にこっそりと芸備線下深川→広島を乗ってやれ,ヒッヒッヒとほくそ笑む。 -
12:45に三次に戻り,12:52の芸備線備後落合行きに乗る。
福塩線が分岐する塩町から新見方面が初乗りである。
山之内あたりでは,向こうに見えている丘の中腹を中国自動車道が走っている。
田んぼとゆるやかな山々とローカル線と中国道。
私には悶絶するほどの快感である。
私は大阪北部で育った人間だが,中国自動車道というのが子どものころから実に気になる存在であった。
山陽新幹線のように海沿いの大都市を結ぶのならわかるが,宝塚から中国山地に分け入って,地図上は真西に進んでいるとはいえ,なぜに以降延々と山の中を縫って行くのか。(昔は山陽道もなかったし)
林間学校とかで福崎ICまではよく行ったのだが,その先が謎,謎,謎。
院庄とか北房とか山崎バリアとか,中国道の地名には何か神秘的な磁気を感じたものだ。
あまりに気になりすぎて,自転車で京都から中国道沿いに行ける所まで行ってみようツアーを敢行したほどである。(福崎で挫折して,瀬戸内海に落ちて行ってしまったが) -
備後落合行は6割程度の混み具合で走ってきたが,備後庄原で数人の客が降り,以降は半分弱程度の混み具合になった。
途中,西城などの町があったが,お客さんは減らない。
....なんか,どうも同類っぽい。
カムイ伝で抜忍が周りの人々を「あいつが追忍か,いや,あいつか?」と疑心暗鬼になる心境に似てきた。 -
比婆山駅を過ぎ,終点備後落合に向けて,列車は西城川の渓谷を登っていく。
徐行のオンパレードであり,なぜかスリリング。 -
備後落合を間近にして,左手後方から木次線の同じく備後落合行きが近づいてきた。
阪急の十三-梅田のような光景が見られるとは意外で,心が躍る。
今回の中国山地行に際しては,三江線と木次線の両方に乗りたかったが,スケジュール上,どちらかを犠牲にしないといけなかった。
木次線も大いにそそられたのだが,木次線ではトロッコ列車に乗る工程になっており,こんな列車に39歳男性が一人で乗ったら「あら,あの人...マニアかしら,プププ」とか思われたりするのがイヤというか,そういう被害妄想で心の平安を欠くのがイヤだったので,三江線をチョイスした。
トロッコ列車を運転するぐらいだから木次線はもう少し大丈夫だろう,それに比べて三江線は...という判断要因も見逃せない。 -
備後落合14:13着。
14:18発の芸備線新見行きに乗り替え,15:42新見着。
新見では待ち時間が1時間以上あり,空腹だったので,飯探し。
スーパーを見つけて,鯖寿司が新見名物ということだったので,それにした。
備後落合から新見までの列車は,木次線の客も受け,立ち客も出る満員。
(私も含めて)ほとんどが「その手」の人間である。
高校の鉄道研究会(?)らしき一団もいる。
その手の人たちは木次線で満腹なのか,芸備線では爆睡の人が多かった。
芸備線の東端区間も,特に備後落合から東城までの,高原から成羽川の渓谷に至る区間はたいへん景色が良かった。
爆睡とはもったいない。 -
新見16:51発の姫新線津山行きに乗る。
この区間も初乗り。
新見駅は,伯備線の特急やくもが通り,やくもの発着時間は線路も駅もそこそこ賑やかだが,それ以外の時間は時が止まったようで,なんとも落ち着いた雰囲気であった。 -
姫新線津山行きは,小さな川に沿い,小さな峠をいくつも越えながら東に津山を目指す。
富原(17:29発)を過ぎたところで,田んぼの中の小道を小学生くらいの子どもが3人自転車で走っていた。
競走だ。
家に帰るところだろうか。
子どもたちが走る小道は月田川沿いに湾曲するが,姫新線は小さなトンネルでショートカット。
しかし,姫新線は必殺徐行区間があったので,トンネルの向こうで子どもたちにまた会えた。 -
中国勝山(17:47発)を過ぎると,寄り添う川の名前は旭川になる。
ここらへんから駅ごとに人がどんどん乗ってくる。
浴衣の人が多い。
今夜は津山で花火大会があるようだ。
浴衣のせいだけではないと思うが,ここらへんの女性はきれいな人が多いと思った。
超満員で18:40津山着。
ここからは姫新線をさらに佐用に行くルートもあるが,花火大会で人波渦巻く津山駅に恐れをなして,向いのホームに停まっていた津山線岡山行き(18:42発)に飛び乗る。
津山線も初めてだが,小原(19:04発)あたりで日が暮れたので,機会があればまた乗り直したい。
津山線の駅でも,花火大会の津山行きを待つ浴衣の人たちや家族連れが多く見られた。
1年に1度の花火大会。
楽しんでください。
岡山から山陽線。(20:10着,20:15発)
姫路で新快速に乗りついで新大阪に帰還した。
岡山からの在来線が,18きっぷ使用者らしい人々,しかも女性が多かったのが意外であった。
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