2011/06/26 - 2011/06/26
1164位(同エリア1903件中)
滝山氏照さん
JR中央線又は京王高尾線の高尾駅南口から徒歩約15分の初沢城(はつざわじょう、東京都八王子市初沢町)を訪問しました。
築城者及びその時期は不明ですが、鎌倉時代の当地域を支配した武蔵七党横山氏の流れを汲む椚田氏(くぬぎだし)とも鎌倉幕府重臣の大江広元の後裔の長井氏(ながいし)の築城とも言われており定かではありません。
地理的には甲斐と国境を接する小仏峠の入口にあたり、周辺には高尾山及び丹沢山系を控え、周辺の城郭と連携して八王子地域防衛上極めて重要な役割を果たしていたと思われます。
訪問した時は梅雨前線停滞でじめじめした時期でしたが、つかの間の雨上がりをついての訪問でした。登り口はいくつかあるようですが自分は御衣霊堂(みころもれいどう)の正面入口を過ぎた地点を左折し長い階段をつたって行きました。本丸までの小道は長雨でところどころ足場が悪く危うく滑る寸前でしたがようようたどり着きました。
本丸には「初沢城跡」の標柱がありますがその他は城跡を説明するものは全く無く拍子抜けの感が拭えませんでした。(下記記載の説明板はその後新しく設置されたものと思われます)
城域は東西が制約を受けているため曲輪の拡大が見込まれず比較的小規模の城の感が拭えず、戦国後期においては氏照が建設した八王子城を支える位置付けと見受けられます。
当城は戦国時代では小田原北条氏の支配下に置かれ宿敵甲斐武田領国境に近く、北条氏照(ほうじょう・うじてる、1542~1590)が築いた八王子城の防御的な支城となり、天正18年(1590)八王子城の落城後に廃城となったと思われます。周辺は既述の御衣霊堂(派手な金色霊堂)の他都給水塔設備、高校の運動場、住宅街等が接近していますが城跡部は深い樹木に覆われ静寂を保っています。
2022年3月8日追記
城郭に建立の説明板(最近立てられた)には次の通り記述されています。
「東京都指定旧跡
初沢城跡
所在地 八王子市初沢町
標 識 昭和2年3月
指 定 昭和30年3月28日
初沢城は標高294m、比高110mに位置する山城です。山頂部と北西から南東にかけて走る稜線上に築かれた主郭部と、そこから北東へ張り出す支線尾根に造られた曲輪からなります。主郭部では、尾根の左右に堀切の跡が確認されています。
初沢城の築城年代などは明らかではありませんが、築城の方法から15世紀末ごろと考えられています。また城主については、文献資料の記述が椚田氏あるいは長井氏の可能性が指摘されています。
平成24年3月 建設
東京都教育委員会 」
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
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