2011/06/11 - 2011/06/13
451位(同エリア561件中)
ちゃおさん
上中下の3段に分かれている毛無岱湿原を通過し、漸く樹林帯に入ったが、ここから直ぐにも酸ヶ湯温泉という訳でもない。ここから更に1キロ程のアップダウンの山道が続く。もういい加減にしてくれ!と森に叫びたい気持ちだが、叫んだ処で山道が縮まる訳でもない。ただ黙々と10m、100m、300mの歩数を稼ぐしかない。少しづつ稼いで行けば、いずれいつかはゴールに達する。最近、ここ数年の山歩きの後半は、大体いつもこんな感じで、いわば自己との対決。
酸ヶ湯まで500mの標識を見て、漸く最後の元気を振り絞り山を下りて行くと、段々下界の生活音が響いてくる。車のクラクションの音だったり、ブレーキ音。時の子供の甲高い歓声なども風に乗ってやってくる。人の暖かさ、人間にいることの心地よさ、何と言っても自分も人間の一人なんだと実感する。
樹間に漸く酸ヶ湯の黒い屋根が見えてきた。案外大きな温泉施設だ。事前の想像では、人里離れた山の中に一軒だけポツンと建っている鄙びた温泉宿、周りの森に囲まれ、だからこそ男女混浴も許されるのだろう、と勝手な想像をしていたが、いやいやこれは、随分と近代的な温泉宿だ。アスファルトの自動車道が宿の直ぐ前まで来ていて、広い駐車場には何台も車が駐車している。山道まで車の音が響いてくるのは当然だった。
4時、漸く酸ヶ湯に着いた時には、既に仲間の6人は風呂から上がったところで、当方、話のタネに5分、10分、入浴をさせてもらう。大岳山頂を下る時、途中まで一緒に下山した青森から来た二人のご婦人が先に入浴しているかと期待して入ったが、あれあれ、男女混浴とは全く看板に偽りありで、入浴している30−40人程はすべて男性。おばあさんの姿すら見えなかった。
江戸時代に建てられたと思われる湯屋には、その正面にお湯の神様を祀り、中に大きな浴槽が二つ、それに泡風呂。乳白色にもなっている。先ず40度を超す劇熱の湯船にさっと浸かり、ついで普通のお風呂。ここは真ん中を何かロープで仕切られていて、半分は女性用となっているが、誰も入っていない。と言うことは、今は誰も入っていないが、時には、こうして湯船を分け合うこともあるのか・・。
女性が入浴してくるまでここで待っている訳にも行かず、又、先に上がった皆さんを待たせる訳にも行かず、早々とお風呂を出たが、その間、マッチャンが当方の泥まみれの登山靴を綺麗に水洗いしていてくれたのには驚いた。余りにも汚れていたので、見るに見かねたと思うが、申し訳ない。自分でも普段殆ど洗ったことも無いのに、代わりにやってもらっていたとは!無作法な人間で御免なさい。
さて全員揃ったところで、これから今晩の宿泊地・弘前のホテル・ドーミーインへ向かう。ここからは再び高速を通っていくが、1時間もかからない。途中、城ヶ倉大橋で下車し、周辺の景色を眺め、記念写真を撮る。青森の重畳たる山並、日本海に向かって落ちて行く。今日は天気がもう一つで夕焼けが見えないが、もしも見ることができたら
「山の端に落ち行く夕日深き森」
を献上したい光景でもあった。いや、実のことろ、この山の光景よりも更に、この山の仲間に恵まれた幸せを思うのだった。
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樹林帯を歩くこと30−40分、漸く眼下に酸ヶ湯温泉の屋根が見えてきた。
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前方の山ももう既にこんなに高くなっている。
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もう酸ヶ湯まで後150m、もうここまで来たら這ってでも行ける。
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漸く酸ヶ湯温泉に到着した。
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広い駐車場には温泉に入るだけのお客さんの車が多数駐車していた。
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歴史と由緒のある「酸ヶ湯」の文字。江戸時代は麓の部落から、この山道を通り、ここまでやってきた。湯治湯の面影。
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酸ヶ湯から下界に下りる途中にある城ヶ倉大橋。ここからの眺望は抜群だ。
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橋をバックに気取り屋のスーさん。
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何でもしっかり者の石さん。
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山のリーダーの鳥さん。彼は職業の選択を間違えた。いや、第2の職場は山となるか・・。
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掛替えのない山の仲間たち。人生の後半に良い思い出を作って頂いた。
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「山の端に落ち行く夕日深き森」
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