2011/05/01 - 2011/05/01
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旅行記で書かなかった豆知識、コツなどの情報です。
**情報は2011年春のもの。1ネパールルピー= 1.2円で計算。
== エベレスト・トレッキングのすすめ シリーズ一覧 ==
① 入門編 (ルート、費用、シーズン、高山病対策)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10581163/
② 準備編 (TIMS、ガイド、ポーター、装備、ガイドブック)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10581170/
③ ルクラからナムチェへ - 日本人の残した小さな宝物
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597198/
④ ナムチェ・バザール 完全ガイド (シャンボチェ、ターメ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597202/
⑤ パノラマ王 チュクン・リへの道 (タンボチェ、ディンボチェ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597206/
⑥ カラパタール vs エベレスト・ベースキャンプ (ゴラクシェプ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597215/
⑦ 男の勲章 チョラパス越え (チョラ峠、ゾンラ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597226/
⑧ ゴーキョ街道の歩き方 (ゴーキョ・ピーク、マチェルモ、ポルツェ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597238/
⑨ 雑学編 (節約術、通信事情、自然、シェルパ族、ポーター) <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10581179/
⑩ エベレストの見え方研究 (マウンテン・フライト、カラパタール)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10581184/
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[目次]
山の上の節約術
(間食類、ドリンク、水、宿の食事、カメラ充電)
山の上の通信事情
(インターネット、携帯電話、ラップトップ、短波ラジオ)
山のトリビア
(名前の由来、高い山の登頂)
ヒマラヤの自然
(野鳥、高山植物)
宗教
(伝統宗教、新興宗教)
シェルパとポーターの微妙な関係
(シェルパ族、2つのポーター、マーケット・ポーター)
まとめ -
[山の上の節約術]
(間食類、ドリンク、水、宿の食事、カメラ充電)
エベレスト地方のトレッキングは、アンナプルナやランタンと比べて何かと高くつきます。まず、飛行機代がかかること。さらに、交通の便、電力事情の問題から、物価、食事が高めです。ジョムソン街道では無料または格安だった沸かした水、ホットシャワー、カメラの充電、などはすべて有料。しかも全然安くありません。少々イラっときますが、現実を受け止め対策法を考えたいと思います。
写真: ゴラクシェプのドリンク・メニュー -
==間食類==
まずは、食料から。一番単純なのが物価の相対的に安いカトマンズから食べ物を持っていく方法です。水なら1リットル10-30ルピー(12円-36円)、ナシやリンゴなら1kg80-150ルピー(100円-180円)。チョコレートやスニッカーズなど、タメルのスーパーで大人買いしておきましょう。一度向こうへ行ってしまうと、値段にびびって買うのを我慢する傾向があります。(日本の物価と比べれば大したことないので、慣れの問題です)。
もしポーターを雇うのなら、重さなど気にする必要はありません。カバンに入るだけ持って行きます。ルクラ便は15kgまでの荷物ならOK。水の持込もノーチェックです。自分で運ぶ場合でも、最初の数日は余力があるはずです。
写真: タメルのスーパーに並んだチョコレート -
==ドリンク==
次にロッジのドリンク類。宿が提供しているコーヒー、ミルクティー、ホットミルク、ホットレモン、ホットチョコレートなどは、お茶っ葉を除いてすべてインスタントの粉末です。ミルクティの場合、ナムチェやルクラで50ルピー(60円)、ゴラクシェプで90ルピー(110円)くらい。それなら、カトマンズでインスタントパック(写真)を購入して、自分で飲み物を作れば安くあがるのでは...とまずは考えます。
しかし、このアイデアは、少なくともエベレスト街道ではうまくいきません。なぜなら粉末を溶かすお湯自体が有料だからです。お湯(タトパニ)の値段はルクラ-ナムチェで1リットル50-100(60円-120円)。上に行くと200(240円)かそれ以上。たいていペットボトルの水の値段より少しだけ安く設定されています。近所から汲んできた水を沸かしただけなので、元手はタダ。実に足元を見た価格設定だと言えます。残念ながらこの作戦は失敗です。
**よく考えると、キャンプ用のバーナーを持参すればいいだけの話かもしれません。しかし、ネパールのトレッキングでは、ティーハウス組とキャンプ組のスタイルがくっきり分かれていて、ロッジに泊まる人がバーナーを持参するのは極めて稀です。 -
==水==
ジュースはともかく水は毎日必要です。飲料水としてはもちろん、場所によっては、手洗い用の水さえ提供されないからです。ペットボトルの相場はルクラで80、ナムチェで100(120円)、 タンボチェ200。ゴラクシェプはいくらか知りませんが、300ルピーくらいでしょうか。毎日一本買っていたらかなりの負担です。
ペットボトルは環境的にも良くありません。そのため、タトパニ(沸かした水)をドリンクボトルに入れてもらうのが一般的です。そのまま飲んでもいいのですが、夜もらって翌日使用する人が多いようです。もちろん、ボトルを抱いて暖かく就寝するためです。
前述のようにお湯も有料。毎日買っていたらフトコロが痛みます。そこで提案なのが、現地の湧き水を浄水する方法です。 -
どの村にも、たいてい共同の水汲み場があります。ロッジのタトパニも、同じ水を沸かしているに過ぎません。これらの水は比較的きれいな水ですが、念のため浄水したほうがいいでしょう。
浄水剤は大きく分けてアイオダイン系(Iodine)と 塩素系(Chlorine)の二種類あります。値段はブランドと浄水技術によりピンきり。カトマンズで入手可能なのは、
米国製のPortable Aqua
(アイオダイン, 25L分)。一瓶600ルピー(720円)。
インド製のAquapura-1
(塩素系、30L分)。200ルピー(240円)。
ネパール製のPiyush
(塩素系、液体、180L分)。30ルピー(36円)。
今回、Piyushを使って現地の水を飲んでいましたが、何の問題もありませんでした。
写真: タメルのスーパーに並んだAquapura-1(右)とPiyush(左)。 -
以下、主な水源リストです。宿によっては水源からホースで引いている生水を無料で使用できます。
わかりやすい水汲み場: ロブチェ、ディンボチェ、ポルツェ, ナムチェ、ルクラ-ナムチェ間の村々
宿の水: マチェルモ、ゴキョー
近くの水溜り: ゴラクシェプ、ゴキョー
写真: ナムチェの水汲み場 -
==宿の食事==
一日の費用の中で大部分を占めるのが食費。好きなものを頼んでいると、あっという間に一日1000ルピー(1200円)を超えてしまいます。私が最も割高感を感じるのが卵類。ゆでたまご2つの値段は、ルクラ・ナムチェで150(180円)、ゴラクシェプで330(400円)もします。
コストパフォーマンスを考えるとやはりダルバート(写真)でしょうか。「Per Plate」という但し書きがなければ、おかわり無料です。ダルバートhは決して安くありませんが、「2食分」と考えるとお得です。値段はルクラやナムチェで350-400くらい。一番高いゴラクシェプやロブチェでも500ルピー(600円)です。これで、夕食の費用を最大500ルピーに抑えることができます。
ところで、トレッカーに同行するポーターやガイドは同じメニューをいくらで食べているかご存知でしょうか。無料?半額? 聞くところによると、だいたい2−3割引くらい。もちろん彼らの自腹です。一番物価の高いゴラクシェプで、ダルバートが400ルピー(480円)、その他の場所で250-300ルピー。ミルクティーだって高い所だと50ルピーも請求されます。「足元見てぼったくりやがって...」と感じているのは何も私たちトレッカーだけではありりません。 -
他に割安感を感じるのが、ボイルド・ポテトの類。じゃがいもはディンボチェを中心として現地で生産される野菜です。よって、ディンボチェ以南では量のわりに割安感があります。私の泊まった宿の場合、ナムチェで150(180円)、タンボチェとディンボチェ200ルピー(240円)でした。また、食べ残しても翌日のランチに持っていけるのが魅力です。
写真: ボイルド・ポテト -
貧乏自慢ばかりしてもしょうがないので、チベット文化圏ならではの料理を紹介しましょう。まず思いつくのが、ツァンパやバター茶。ツァンパ(150-300)は、大麦を煎ったものにお湯をかけたシンプルな食べ物。コーンフレークなどと並び、朝の人気メニューです。バター茶を提供する茶屋は見たことがありません。チベットほど普及していないようです。
ナムチェ辺りまでだと、まだ宿のメニューが激高ではないので、自分の食べたい料理を注文できます。私が好きなのはピザやステーキ。メニューには「ヤク・ステーキ」と書かれていますが、90%以上低地から運ばれたバッファローの肉です。そもそも、クンブ地方では動物の殺生が禁じられています。
写真: ナムチェの夕食。ヤク?のガーリック・ステーキ(190ルピー=230円)と野菜焼きそば(180ルピー=215円)。 -
==カメラ充電==
最後にカメラの充電について。食費以上に私の頭を悩ませたのはこの問題でした。クンブ地方には公共の電気が来ている村とそうでない村があります。ナムチェ、タメ、クムジュン、クンデ、ポルツェ、タンボチェ、パンボチェ、ルクラーナムチェ間には、各地の小型水力発電装置から電気が来ています。電気がないのは、エベレスト街道ではディンボチェより北。ゴキョー街道では、モンラーより北の地域です。
これらのエリアでは、各ロッジ、ソーラーパネルで電燈の電気を供給すると同時に、カメラなどの充電サービスを行っています。相場はだいたい一時間300ルピー(360円)。それ以上だとボッタクリ、それ以下だと良心的といえます。電気があるエリアの充電料金はまちまちで、一時間80-200ルピー(100円-240円)くらい。交渉すれば、フル充電200ルピーまで落とせます。
写真: 屋根の上のミニ・ソーラーパネルと太陽光による湯沸かし器(左)。 ゴラクシェプ。 -
この問題に関しての対策は限定的です。基本的なコツとしては、寒さで消耗しないように、電池を常にポケットに入れておくこと。次にGPSなどの余計な機能をOFFにしておくこと。電気のある村にいるうちに安く充電しておくことなどです。他の作戦としては、互換電池の購入があります。私のカメラが使うソニーのBG-1バッテリーなら、カトマンズのニューロードで1100-1200ルピー(タメルだと1500-1800)で購入できます。ヤフオクならさらに割安。 1200ルピー(1500円)といえば、充電4時間分。だんぜんお得です。
注意が必要なのは、ロッジのバッテリー資源は有限だということです。天気の悪い日や客の多いロッジでは、すぐに充電用のバッテリーが尽きてしまいます。充電したいのなら早めの行動が必要です。 -
[山の上の通信事情]
(インターネット、携帯電話、ラップトップ、短波ラジオ)
ヒマラヤの奥地に入ってしまえば、家族や友人とはしばらく連絡がとれない...という時代ではありません。トレッカーが多いこともありネットカフェは一般的で、携帯電話もルート上の大部分で通じます。この辺りの通信事情をまとめてみます。
写真: ゴーキョ。衛星電話・インターネットの共用アンテナ。 -
==インターネット==
エベレスト街道では、主要な村でネットカフェを見つけることができます。一方、ゴーキョ街道はやや少なめ。日本語の読み書きはたいていできるようです。ADSLのルクラ以外は衛星通信。私が把握しているところでは、2011年4月現在こんな状況です。
ルクラ: 5-10ルピー/分。
** 無料WiFiのあるカフェ、ロッジあり。
ナムチェ: 10ルピー/分。30分250、1時間500(600円)。
** 回線速度は512k-1Mbps。ナムチェ全体で使える有料のWiFiカードあり。利用料金はネットカフェと同じ。
ディンボチェ、ペリチェ、ゴラクシェプ: 20ルピー/分
** 30分500、1時間900(1100円)
ゴーキョ: 上に同じ。
その他、ロブチェ(準備中)、クムジュン、タンボチェ、ルクラーナムチェ間にもあります。相場は不明。
高いですよねー。ネパールの一般的なネットカフェだと一時間20-30ルピー(25-35円)。それが1-2分で終わってしまう計算です。でも、スピードはそこそこなので、2分もあればメールチェックできるでしょう。 -
==携帯電話、衛星電話==
ポーターやガイドがしょっちゅう携帯をいじっているのを見てわかる通り、クンブ地方ではかなり広いエリアで携帯が使えます。現在、ネパールで携帯電話事業をしているのはNTC(ネパールテレコム), NCELL(旧Mero)、UTLの三社。基本的にはNTCとNCELLの一騎打ちです。
今回、NTCとNCELLのGSM用SIMカードを持ってトレッキングルートを歩いてみました。ルクラからナムチェ、ナムチェとナムチェ近郊、ナムチェからターメ、この辺りまでは村が多いこともあり、電波は問題なし。そこからさらに奥地の場合、少しバラつきがあります。以下、地名の後のサインは、それぞれNCELLとNTCの電波状態。+が良好、△がかろうじて、Xが電波なし、?は不明。 -
エベレスト街道:
タンボチェ++、パンボチェ+△、ディンボチェ△X、
ペリチェXX、ロブチェX△、ゴラクシェプ・カラパタール++
ゴーキョ街道:
ゴーキョーXX、ゴーキョ・リ?X、
マチェルモの丘の上+X、マチェルモXX、
1stレイク近くの橋△△、
ラファルマ・モンラーなどナムチェ寄りの村+X
その他:
チュクン?X、チュクン・リ+X、ゾンラ△X、
チョラパスXX、タンナックXX、ポルツェ+X
電波状況を見る限り、両社ともゴラクシェプ(写真)、タンボチェ、シャンボチェ辺りにアンテナがあるようです。 -
GSM方式以外にも、NTCがCDMA、NTC/NCELLが3G(WCDMA)をクンブ地方で展開しています。それぞれのカバレージは不明。ニュース報道によると、エベレスト山頂での3Gサービスがスタートしたとのことです。ということは、テレビ電話で登頂を報告できるわけで..いい時代になりました。
もしGSM携帯を持っているなら、NCELLがお勧めです。NCELLの方がカバレージが広く、カトマンズ、ルクラなどでプリペイドのSIMカードを簡単に購入できます。リチャージカードは、各村の売店でも売っています。携帯電話本体は、カトマンズのニューロードで3000ルピー(3600円)くらいから。ルクラやナムチェの携帯電話屋でも購入可能です。
ネパールの携帯事情について、詳しくはこちらをご覧ください。
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10566797/ -
携帯電話を持っていると多くのメリットがあります。①日本から連絡可能(受けは無料)。②怪我や遭難した時、誰かに連絡できる。③海外へ安く電話をかけれる。④激遅ながらGPRSでインターネット(WAP)ができる。⑤NCELLなら電子メールとやりとりができる。などなど。
特に③が重要で、ロッジの衛星電話を使うと海外へ1分200ルピー(240円)かかるものが、NCELLだと一分15ルピー(18円)で済みます。これはネットカフェでスカイプを使うよりも割安です。衛星電話や無線電話を使うのは、ゴーキョ街道などの携帯電波の普及が遅れている地域に限られるでしょう。
写真: マチェルモの無線電話。仕組みは良くわかりませんが、屋根の上のアンテナを通してクムジュンのランドラインに接続。つまり、固定電話扱い。 -
==ラップトップ==
コンピューターへの依存度が高い人ならラップトップを山に持参したいことでしょう。これは、部屋にコンセントがあるジョムソン街道なら「あり」ですが、電気が有料のエベレスト街道ではちょっと無理があります。もちろん、ラップトップをポーターに運ばせ、電気代はいくらでも出すというのなら「あり」です。
エベレスト・ベースキャンプには、ラップトップを持ち込んでいる登山隊が沢山います。キャンピングのツアーの中にもコンピューターを使用している人がいました。しかし、彼らの場合、ジェネレーターや太陽パネルを持参しているので、金のかかる話です。
写真: ジェネレーターを外に置いて、ダイニングで優雅にパソコンを使うトレッカー。 -
==短波ラジオ==
最後にラジオについて考察してみます。意外なことに、ネパールのFM/AM放送が受信できます。タンボチェ、ディンボチェ、ポルツェなどで地元の人が聴いていました。当然ネパール語なのでよくわかりません。そうなると短波放送になりますが、こちらも意外とよく入ります。ディンボチェやチュクンなどの、開けた場所での受信が良好なようです。
チューンしやすいのが、中国人民ラジオ、チベット人民ラジオ(チベット語・中国語)、 BBCあたり。深夜になると韓国語、タイ語、インドネシア語、ビルマ語、ロシア語など様々な国の放送が受信できます。肝心のラジオ日本はというと、他の放送局に打ち消されてよく入りませんでした。ナムチェでかろうじて受信できた程度です。2-3週間もニュースから遠ざかるのを不安に感じる方は、やはりネットしかないようです。
写真:中国製の安物短波ラジオ(55元=700円)、ネパールでも同じものが売られています。 -
[山のトリビア]
(名前の由来、高い山の登頂)
==名前の由来==
ヒマラヤの集落や主要な山には名前がついています。どういう由来でそういう名前がついたのか、いくつか紹介しましょう。まず、エベレストですが、初期の測量にかかわった英国の測量局長官の名前です。これは有名な話ですね。チベット名チョモランマ(聖なる大地)は当時すでにありましたが、ネパール側ではあまり知られていませんでした。
面白い事に、エベレストの周りにある山の多くは、1920年代の英国登山隊が命名して現地語に訳したものです。当時、エベレスト周辺の山には現地名がありませんでした。例えば、エベレストの南東にあるローツェは「南のピーク」、南西にあるヌプツェは「西のピーク」という意味の、何とも単略的なネーミングです。プモリ(写真)は「娘の山」。こんな私的な名前をつけたのは、ジョージ・マローニ率いる登山隊。「何でエベレストに挑戦するの?」と記者に聞かれて、「そこに山があるからだ」と答えたあの人です。
その他の地名を挙げると、アマダブラム(母の首飾り。アマ=母)、チュクン(2つの川の間)、パンボチェ(草原の地)、カラパタール(黒い岩、ヒンディー語)、チョラツェ(湖の峠のピーク)、タボチェ(馬の頭)、カンテガ(馬の鞍)、タマセルク(黄金の扉)など、現地の人たちはイギリス人よりずっと意味のある名前をつけています。 -
==高い山の登頂==
普通にトレッキングした場合、エベレスト街道だとカラパタール(5545m)が最も標高の高いポイントとなります。もっと上へ行きてー、という欲張りなあたなのために、ネパール政府はいくつか選択肢を用意しています。「トレッキング・ピーク」として指定された33の山には、簡単な申請と低額の登山料で登ることができます。
グループAの山が500ドル(7人)で、一人あたり6000円から4万円くらい。、グループBの山が350ドル(4人)で、一人あたり7000円から2万8千円。例を挙げると、チョラツェ(6440m)がグループA。グループBがアイランドピーク(6169m)、ロブチェ・イースト(6119m)、メラ・ピーク(6654m)など。主に6000メートル台前半の山々が並びます。人気が高いのはアイランド・ピークやロブチェ・イーストなどの比較的登り易い山。それぞれのベースキャンプから1-2日で登頂できてしまいます。これらの山は道が整備されているわけではないので、旅行会社のツアーに参加するのが一般的です。
写真: アイランド・ピーク。後ろの尖った山がアマダブラム。 -
他の高い山の場合、「エクスペディション・ピーク」と呼ばれ、高度とシーズンによって登山料が異なります。春が高く、例えば、春にアマダブラム(6828m)に登る場合、1人で1000ドル、7人で2000ドル。一人あたり2万3000円から8万円。この料金は秋に登ると半額、冬だとさらに半額になります。7500-8000mのレンジの山の場合、6500-7000mのアマダブラム料金の倍になります。
エベレストだけは特別な料金設定がされており、登山ルートとシーズンによって料金が異なります。最も混み合う春のノーマルルートが一人25000ドル(200万円)、7人で70000ドル。7人-15人だと一人10000ドル(80万円)と手頃な値段に収まるので、少人数の人は即席の国際登山隊に加わるとお得です。最も割安なのは、オフシーズンの冬にノーマルルート以外(つまり、難しいルート)から登る場合です。一人3750ドル、7人で12500ドル。一人あたり14万ちょいから30万円。これなら何とかなりそう。でも、命の保証はありません。
これらの登山料に加え、登頂をサポートするシェルパ、テントや食料を運ぶポーター、アレンジした旅行会社にも費用が発生します。さらに一ヶ月の滞在費を合わせると、けっこういい金額になります。エベレスト挑戦が「金持ちの道楽」と言われる所以です。 -
[ヒマラヤの自然]
(野鳥、高山植物)
ヒマラヤは、そのイメージとは裏腹に、多くのワイルド・ライフが存在します。私が目撃した範囲で紹介しましょう。雪ヒョウやシカなどの野生動物は、今回見かけませんでした。 -
==野鳥==
高地では、チベタン・スノーコックをよくみかけました。場所は、ゴラクシェプ、ゴーキョ、マチェルモなど。ブクブク太った鳥が、人を恐れることなくのんびりと歩いています。
写真:チョ・オユーをバックにうろちょろするスノーコック。 -
こんな派手な鳥もいます。ネパールの国鳥ダンフェ(虹キジ)です。最初、突然目の前に現れた時はびっくりしました。私が見たのはポルツェの周辺。この村の裏山は、比較的自然が豊かとされています。
写真: 頭のちょんまげに注目。 -
ゴーキョ街道沿いの湖では、カモを数羽見かけました。ヒマラヤを越えてシベリアに向かう渡り鳥でしょうか。
写真: ゴーキョのカモ -
その他、エベレストベースキャンプには、残飯狙いの山カラス(写真)が多数います。なぜだか知りませんが、ここに滞在している登山隊が、食事の時出た生ゴミや残飯をシーツの上に広げてカラスに提供?しているのです。用心深い彼らが人間と触れ合うことはなく、普段は5300メートルのベースキャンプよりはるかに高い上空を優雅に舞っています。
栗城クン: 「いい迷惑だよ!」 -
==高山植物==
次に高山植物です。4月終盤、ナムチェ周辺では、”よく見ると”色んな花が咲いていました。ナムチェの標高は3500メートル程度。森林限界の4000メートルには達していません。だから、高山植物と呼んでいいのか少し微妙ですが、細かい話は置いときましょう。比較的よく目にするのが、道端のアヤメ(イリス・ケマオネンシス、写真)。 -
この時期、一番目立っていたのがヒマラヤ・シャクナゲ(写真左)。ナムチェ近郊、ナムチェからターメに向かう道、タンボチェ近くの森などでよく見ました。花には、濃いピンク色と、桜のような薄いピンク色の2種類あるようです。
-
よくガイドブックに、「春には花が咲き乱れ..」などと書かれていますが、花の咲く時期に合わせてトレッキングするのはあまりオススメしません。一面に咲いているわけではなく、ポツポツとある程度だからです。さらに、この時期(4月終盤-6月)の天気は、決してトレッキング向きとはいえません。
写真: ヒマラヤ・シャクナゲ -
これは エウフォルビア・ウォリキイというトウダイグサ科の毒草。この他、3-4種類違うが花ありましたが数は少なめです。私もあまり詳しくないので、この辺にしておきます。
-
[宗教]
(伝統宗教、新興宗教)
==伝統宗教==
クンブ地方に住むシェルパ族の人々は、元々チベットから渡ってきたこともあり、チベット仏教を信仰しています。基本的にニンマ派。昔からの定住地であるターメ、ナムチェ、クムジュン、クンデ、パンボチェ、ポルツェの6村には、それぞれ今もアクティブなゴンパがあります。これに加え、ナムチェ - ターメ間、ナムチェ - ルクラ間にも2,3ゴンパがあります。
やはり一番有名なのは、タンボチェのゴンパ(写真)。このゴンパはどの村にも属していないユニークなゴンパで、秋に行われるマニ・リンドゥーの祭りには大勢の観光客でにぎわいます。聞くところによると、ゴンパで何年か修行した若い僧侶は、ゴンパを「卒業」して普通に結婚する人が多いそうです。 -
==新興宗教==
ところで、建物の壁や水飲み場のコンクリートに落書きされたこのマーク、見たことあるでしょうか。 -
私は最初、マオイストの新しいシンボルマークだと思っていました。勝手にこういう啓蒙活動するのは、彼らくらいだからです。でもマオイストが政権をとった今、この手のことはもう行っていません。
写真: マオイストの旗。 -
じゃあ、一体誰? この蚊取り線香のようなマークは、「ラビズム」という新興宗教団体のサインでした。自然崇拝をベースに、仏教、キリスト教などいろんな教義を取り込んだ、いかにも胡散臭い教団とのことです。このサインは、アンナプルナやカトマンズなどでも、時々見かけます。
チェプルンにあるリンゴ農園の看板下には、教団の垂れ幕が勝手に設置されていました(写真)。噂では、この春、教祖様がエベレストにやってくるとのこと。このように教団は普及に一生懸命なのですが、現地のシェルパ達は覚めた目で見ています。いずれにせよ、彼らにとってはチベット仏教以外に選択肢はありません。
LOVISM URL:
http://www.hplovism.com/
http://www.lovism-nirvanapath.com -
[シェルパとポーターの微妙な関係]
(シェルパ族、2つのポーター、マーケット・ポーター)
多くのトレッカーは、「シェルパ = ポーター」、または「ポーター=シャルパ」という間違った認識を持っているようです。そんな単純なものではありません。シェルパとポーターの関係について、詳しく見ていきましょう。
==シェルパ族==
シャルパは、ここ400年ほどの間に東チベットから移住してきた民族で、現在クンブ地方に3000人、ネパール全体で15万人いると言われています。彼らの多くは、トレッキングに関わる仕事に従事しており、ガイドやポーター、登山家の手助けをするクライミング・シェルパになったりします。
写真: クライミング・シェルパの星 - アパ・シェルパ。 -
これらの職業がすべてシェルパ族で賄われているわけではありません。私の見た感じでは、ガイドの大半はカトマンズ在住の他民族で、シェルパ族はほんの一部。トレッキング・ポーターは半分くらいシェルパ、残りはライやタマンなど。クライミング・シェルパはシェルパ族の本分なので、基本的にシェルパ、といった感じです。
ややこしいですね。クンブ地区の定住者の9割はシェルパ族ですが、これらの出稼ぎ的な職業に関しては他民族もかなり混ざっているのです。例えば、ロッジを経営している家族はシェルパです。でも、そのロッジを建設している労働者はライ族(写真)だったりします。ライはシェルパよりも低地に住む民族。シェルパが「勝ち組」山岳民族と言われるゆえんです。 -
==2つのポーター==
続いてポーターについて見てみましょう。ポーターには2種類あます。トレッキング・ポーターとマーケット・ポーターです。前者がトレッキング・グループや登山隊の荷物を運ぶ仕事で、後者が街から街へと商品を運ぶ仕事です。シャルパ族がやるのは前者のみ。職業的なカーストでもあるのか、マーケットポーターには手を出しません。
というわけで、毎日頻繁に見かける、重い商品を運ぶ労働者はシェルパではありません。ライ、タマン、タライなどの低地からの季節労働者です。商品運搬の需要があるのは、基本的にはトレッキングシーズンのみ。その間、茶屋から茶屋へと移動しながら仕事をこなします。
写真: ドコに商品を満載して運ぶマーケット・ポーター。 -
写真はガスシリンダーを運ぶポーター。シャンボチェまでヘリで空輸されてきたガスボンベは、最も遠いケースでゴラクシェプやベースキャンプまで運ばれます。ここに道路ができるか、この仕事が動物に完全に置き換わらない限り、50年後もマーケット・ポーターの仕事はなくならないでしょう。若いポーターも多いので、後継者不足の心配はありません。
「シェルパ」という言葉は、名字、民族名、職業名の3つの意味で使われます。職業名のシェルパは、彼らにとって主に登山を行うクライミング・シェルパを指すようです。クライミング・シェルパはヒマラヤの花形職業。「シェルパ=ポーターじゃない!」と不快感を示す人の中には、「マーケット・ポーターなんかと一緒にするな!」という気持ちが隠されているのかもしれません。
写真: 杖に座り、立ったまま休憩するマーケット・ポーター。 -
==マーケット・ポーターの日々==
恐ろしく過酷な仕事に従事しているマーケット・ポーターの人たち。彼らの生活は一体どんな感じでしょうか。知り合いのシェルパに聞いていました。
ルクラからナムチェに荷物を運ぶポーターの場合、2日かけて往復します。彼らの拠点はパクディン。一日目にナムチェまで荷物を運び、その日のうちにパクディンに戻ります。その翌日、ルクラまで下りて荷物をもらい、またパクディンに戻ります。こうやって、登りと下りをうまく二日に分散しています。
写真: 建築資材も人が運びます。 -
気になる労賃はと言うと、一キログラムあたり25ルピー(30円)と激安。30キロの米袋を3つ、ルクラからナムチェに運んだとして2250ルピー。一日あたり1125ルピー(1350円)にしかなりません。茶屋の宿泊は無料ですが、それなりに食費がかかります。仮に一日の食費を400ルピーとしても、手元に残るのはたったの700ルピー、800円程度です。
ナムチェーゴラクシェプを往復するポーターの場合、登りに3日、下りに1日かかります。こちらは、1キロ当たり50ルピー(60円)。計算すると、1日当りの労賃はルクラーナムチェ間と同じになります。これはおかしいですね。こちらのほうが高度が高いことや食費の高さを考えると、ちょっと安すぎです。私の聞いた数字が間違っているのかもしれません。
写真: 雨にもマケズ -
[まとめ]
考えてみれば、私たちが楽しくトレッキングできるのも、彼らマーケット・ポーターのおかげです。心地よく寝れる部屋、ロッジのおいしい食事、すべて彼らの苦労のもとに成り立っています。例えるなら、村々に栄養を運ぶ血液のような存在です。
そう思うと、急に感謝の念がこみ上げてきました。道ですれ違うポーター達へのリスペクトを忘れずに。疲れきった彼らに元気を与えるのは、意外にも私たち旅行者の笑顔なのかもしれません。
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以上、エベレスト・トレッキングのプチ情報でした。お役立てください。 -
[リンク集]
==ネパール・トレッキング==
最速のアンナプルナ 全8作 (2009年秋)
http://4travel.jp/travelogue/10444950
エベレスト・トレッキングのすすめ 全10作 (2011年春)
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ポカラ・ザ・トレック 全4作 (2013年春)
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トレッキング装備購入ガイド 全2作
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==ネパール旅行記一覧==
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