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 ■ 特別公開の好機を得て、古代に夢馳せる<br /> 歴史好きに誘われ8月2日、出雲大社で「平成の大遷宮」にちなむ「ご本殿特別拝観」の催しに加わった。<br />  1744(延亨1)年に建てられた本殿天井に描かれた「八雲之図」をお目当てに大勢が押しかけた。友人のお陰で、僕も千載一遇の機会に、善男善女の一員になれた!<br /><br /> 龍の如しとも、オタマジャクシみたいともたとえられようが、天井の雲の姿は、260年前のものとすれば、実に色鮮やかであった。赤色がとりわけ目立ち、文様としても一番多く描かれている。僕はミロの赤がとても気に入っているのだけれど、出雲の赤も、どぎつくなく、それでいて目を惹きつける。蚕の繭玉か、それを崩した恰好に描かれて、大小の縁取りが数字の「3」に見える雲もある。もちろん1つとして同じデザインは無いが、雲の中にある赤色は何かを意味しているのだろうか。<br /><br /> 押しかける客に、拝観時間は限られ、グループごとに次々と交代して終わる。僕は自分の組と後の組の混ぜこぜにまぎれて、やっとのことで、雲の色を数えることが出来た。<br /><br /> 緑、青、茶、白、赤、黒。六色であった。本殿の階段に立つ係りの青年に「何色でしたか、雲の色は」と聞くと、すかさず「五色」と答えた。僕が、六色を数え上げて「六色でしょう」と確かめると「黒は一箇所だけですから、よく見つけましたね」とオジサンを褒めてくれた。濃い青も黒に見えたかもしれず、僕には黒は何箇所もあったようだったが、ま、概ねは当たりで、安心した。<br /><br /> この絵図には謎も多いらしい。神社の説明でも、雲の配置、配色、1つだけ逆向きの雲が指摘されていた。だが、最大の謎は「八雲」と呼ばれながら、実は描かれているのは、七つ雲、という点だ。<br />  小学生の女の子がノートを広げ、ペンを握って神職姿の若者に「なぜ、七つなのですか」と両親に代わって質問していた。若者は「そろっていると、神様の前であまり有り難味を考えなくなるでしょう」と当たらずとも難しい答えで、女の子を困らせていた。素直な娘は何も書き取らずに、「ありがとうございます」と本殿の急階段を下がって行った。<br /><br /> ま、何か「未完の美」とか、陰徳のメッセージがあるのかも知れないから、なるほどファンタジーは広がり、ダイコク様の神話に思いを馳せるきっかけにはなる。有り難や、アリガタヤ。<br /><br /> 久しぶりのお出かけで、しかも歴史満載の神社だから、面白いことや分からないことが、一杯。疑問解決のために「島根県立古代出雲歴史博物館」を訪ねた。ところが、真面目な博物館がこれでもか、これでもか、と教育してくれる。陳列物と説明の多さ、その合間の映像の面白さに時間も忘れ、遂には頭が飽和状態になってしまった。知らないことが、多すぎた!知っていることが、少なすぎた!<br /><br /> それでも一泊二日の参観と出雲見聞で、貴重な発見があったので、書き残しておこう。<br /> 石見の善太郎法語・・・70過ぎて人生回顧し、未熟と罪悪を思い知り、人々の鑑となる男有り。我が身を直視する勇気は、立派で、見習うべし。<br /> 代わりバンコ・・・言葉の由来は製鉄のフイゴ当番にあった。風を送るために板を踏む、板子は重労働だから交代制だった。<br /> 国引き物語・・・パソコンでアニメの物語を見たが、ダイコク様かほかの神話の神様が次々と、杵築の御崎(日より御崎)や、国見国、狭田の国などを引っ張り寄せ、今の島根半島が形作られた。折角だから、竹島をはっきり取り込んでおけば、今頃になって県議会で決議したりお隣の韓国と争ったりすることも、無かったろうに。<br /> 皇后の歌碑・・・随所に天皇家との関わりが喧伝されているような気がした。もっと毅然としてわが道をゆくのが大宗教だと思うが、ま、国譲り説の補強に用いられているのだろう。<br /><br /> ★ 国譲り 祀られましし 大神の 奇しき御業を偲びて止まず<br /><br /> 高藤鎮夫・・・ダイコク様と因幡の白兎像の制作者。どうもあの衣装が厳格すぎ、面白みが無い。ただし、拝観入場に際し、シャツはズボンの中へ、と何度も注意された。そもそもダイコク様のルバーシュカは細紐一本で抑えているのだから、余り窮屈な服装を要求するほどではないと感じた。<br /><br /> 祈りの言葉・・・幸魂奇魂 まもりたまい さきはへたまえ<br /> <br /> 古代遺跡から見つかった貝類・・・ナガカキ、マガキ、タマキガイ、バイガイ、アカニシ。前夜立ち寄った小料理屋で、「どうですか」と勧められたのは、バイガイ。不消化だから断ったが、酒はうまかった。そこのオカミから教わった方言の数々。忘れていないのが、ありがとうの意の「だんだん」。なんと床しき響きよ!「べったり だんだん」は感謝感激の面持ちらしい。<br /> ほかに・・・「ばんじまして」は、こんばんはの挨拶。イイ女も聞いた。「女ば」はニョバと言い、可愛い女の子は「女ばんこ」、熟女なら「ええ女ば」となる。ところで、気に食わない話もあった。大社の氏子が正月三日に奉じる祭礼に必要な幟旗を、今年新調したが一本1千万円で13連の氏子組が全部整えたそうな。「よくそんな金が集まるね」と聞いたら、「青木さんからよ」と自慢された。自民党参院の実力者の名前である。竹下さんを生んだ土地柄だなあ。そんなイイ男のことを「今イチ者」というのだったけ?いや、すっかり「ヨンベケ」ていたものだから、はっきり覚えていない。<br /> <br /> ★ 八雲立つ 出雲八重垣妻籠みに八重垣作る その八重垣を<br /> <br /> 高校教科書を取り出さねばなるまいが、どうも僕は自分の国の神話伝説も、すっかり忘れてしまっていた。日本書記や古事記の登場人物からして、すぅっと読み下せない。自国の神々を唱えるのに一苦労しては、いけないなあ。余計なアルファベットが邪魔になっている。<br /> もう一つ。帰途、松江市にある島根県立美術館に立ち寄った。宍道湖畔に、硝子をふんだんに使った、それは見事な新建築。折から沈む夕日に目を奪われ、美術館のロビーで、ただただ「立派、立派、勿体ない」と口籠るだけであった。2日夕、米子道、中国道、岡山道を通って牟佐帰着。車を置き、慌てて出かけた「旭川花火大会」は8時半過ぎで終わった。例年よりも30分早く終わり、「オカネが集まらんかったから、今年は短こうなった」と、岡山人は解説してくれた。同行した旧友と食ったり飲んだりで、帰宅は午前様になった。<br /> メデタシ、メデタシ。<br /><br />ご精読、多謝。

出雲大社本殿拝観

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2008/08/01 - 2008/08/02

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MUSA Taizo  牟佐退蔵(PenName)

MUSA Taizo 牟佐退蔵(PenName)さん

■ 特別公開の好機を得て、古代に夢馳せる
 歴史好きに誘われ8月2日、出雲大社で「平成の大遷宮」にちなむ「ご本殿特別拝観」の催しに加わった。
  1744(延亨1)年に建てられた本殿天井に描かれた「八雲之図」をお目当てに大勢が押しかけた。友人のお陰で、僕も千載一遇の機会に、善男善女の一員になれた!

 龍の如しとも、オタマジャクシみたいともたとえられようが、天井の雲の姿は、260年前のものとすれば、実に色鮮やかであった。赤色がとりわけ目立ち、文様としても一番多く描かれている。僕はミロの赤がとても気に入っているのだけれど、出雲の赤も、どぎつくなく、それでいて目を惹きつける。蚕の繭玉か、それを崩した恰好に描かれて、大小の縁取りが数字の「3」に見える雲もある。もちろん1つとして同じデザインは無いが、雲の中にある赤色は何かを意味しているのだろうか。

 押しかける客に、拝観時間は限られ、グループごとに次々と交代して終わる。僕は自分の組と後の組の混ぜこぜにまぎれて、やっとのことで、雲の色を数えることが出来た。

 緑、青、茶、白、赤、黒。六色であった。本殿の階段に立つ係りの青年に「何色でしたか、雲の色は」と聞くと、すかさず「五色」と答えた。僕が、六色を数え上げて「六色でしょう」と確かめると「黒は一箇所だけですから、よく見つけましたね」とオジサンを褒めてくれた。濃い青も黒に見えたかもしれず、僕には黒は何箇所もあったようだったが、ま、概ねは当たりで、安心した。

 この絵図には謎も多いらしい。神社の説明でも、雲の配置、配色、1つだけ逆向きの雲が指摘されていた。だが、最大の謎は「八雲」と呼ばれながら、実は描かれているのは、七つ雲、という点だ。
  小学生の女の子がノートを広げ、ペンを握って神職姿の若者に「なぜ、七つなのですか」と両親に代わって質問していた。若者は「そろっていると、神様の前であまり有り難味を考えなくなるでしょう」と当たらずとも難しい答えで、女の子を困らせていた。素直な娘は何も書き取らずに、「ありがとうございます」と本殿の急階段を下がって行った。

 ま、何か「未完の美」とか、陰徳のメッセージがあるのかも知れないから、なるほどファンタジーは広がり、ダイコク様の神話に思いを馳せるきっかけにはなる。有り難や、アリガタヤ。

 久しぶりのお出かけで、しかも歴史満載の神社だから、面白いことや分からないことが、一杯。疑問解決のために「島根県立古代出雲歴史博物館」を訪ねた。ところが、真面目な博物館がこれでもか、これでもか、と教育してくれる。陳列物と説明の多さ、その合間の映像の面白さに時間も忘れ、遂には頭が飽和状態になってしまった。知らないことが、多すぎた!知っていることが、少なすぎた!

 それでも一泊二日の参観と出雲見聞で、貴重な発見があったので、書き残しておこう。
 石見の善太郎法語・・・70過ぎて人生回顧し、未熟と罪悪を思い知り、人々の鑑となる男有り。我が身を直視する勇気は、立派で、見習うべし。
 代わりバンコ・・・言葉の由来は製鉄のフイゴ当番にあった。風を送るために板を踏む、板子は重労働だから交代制だった。
 国引き物語・・・パソコンでアニメの物語を見たが、ダイコク様かほかの神話の神様が次々と、杵築の御崎(日より御崎)や、国見国、狭田の国などを引っ張り寄せ、今の島根半島が形作られた。折角だから、竹島をはっきり取り込んでおけば、今頃になって県議会で決議したりお隣の韓国と争ったりすることも、無かったろうに。
 皇后の歌碑・・・随所に天皇家との関わりが喧伝されているような気がした。もっと毅然としてわが道をゆくのが大宗教だと思うが、ま、国譲り説の補強に用いられているのだろう。

 ★ 国譲り 祀られましし 大神の 奇しき御業を偲びて止まず

 高藤鎮夫・・・ダイコク様と因幡の白兎像の制作者。どうもあの衣装が厳格すぎ、面白みが無い。ただし、拝観入場に際し、シャツはズボンの中へ、と何度も注意された。そもそもダイコク様のルバーシュカは細紐一本で抑えているのだから、余り窮屈な服装を要求するほどではないと感じた。

 祈りの言葉・・・幸魂奇魂 まもりたまい さきはへたまえ
 
 古代遺跡から見つかった貝類・・・ナガカキ、マガキ、タマキガイ、バイガイ、アカニシ。前夜立ち寄った小料理屋で、「どうですか」と勧められたのは、バイガイ。不消化だから断ったが、酒はうまかった。そこのオカミから教わった方言の数々。忘れていないのが、ありがとうの意の「だんだん」。なんと床しき響きよ!「べったり だんだん」は感謝感激の面持ちらしい。
 ほかに・・・「ばんじまして」は、こんばんはの挨拶。イイ女も聞いた。「女ば」はニョバと言い、可愛い女の子は「女ばんこ」、熟女なら「ええ女ば」となる。ところで、気に食わない話もあった。大社の氏子が正月三日に奉じる祭礼に必要な幟旗を、今年新調したが一本1千万円で13連の氏子組が全部整えたそうな。「よくそんな金が集まるね」と聞いたら、「青木さんからよ」と自慢された。自民党参院の実力者の名前である。竹下さんを生んだ土地柄だなあ。そんなイイ男のことを「今イチ者」というのだったけ?いや、すっかり「ヨンベケ」ていたものだから、はっきり覚えていない。
 
 ★ 八雲立つ 出雲八重垣妻籠みに八重垣作る その八重垣を
 
 高校教科書を取り出さねばなるまいが、どうも僕は自分の国の神話伝説も、すっかり忘れてしまっていた。日本書記や古事記の登場人物からして、すぅっと読み下せない。自国の神々を唱えるのに一苦労しては、いけないなあ。余計なアルファベットが邪魔になっている。
 もう一つ。帰途、松江市にある島根県立美術館に立ち寄った。宍道湖畔に、硝子をふんだんに使った、それは見事な新建築。折から沈む夕日に目を奪われ、美術館のロビーで、ただただ「立派、立派、勿体ない」と口籠るだけであった。2日夕、米子道、中国道、岡山道を通って牟佐帰着。車を置き、慌てて出かけた「旭川花火大会」は8時半過ぎで終わった。例年よりも30分早く終わり、「オカネが集まらんかったから、今年は短こうなった」と、岡山人は解説してくれた。同行した旧友と食ったり飲んだりで、帰宅は午前様になった。
 メデタシ、メデタシ。

ご精読、多謝。

同行者
友人
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
自家用車
旅行の手配内容
個別手配
  • 力強い!

    力強い!

  • 親しみ深い!

    親しみ深い!

  • 有り難い気持ちに包まれる

    有り難い気持ちに包まれる

  • 自然に、身の引き締まる想い

    自然に、身の引き締まる想い

  • 包容力あり!

    包容力あり!

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