2011/02/26 - 2011/02/26
617位(同エリア1064件中)
かとぽんさん
「清酒白老」で知られる愛知県常滑市の澤田酒造の酒蔵開放に出かけてきました。
昔ながらの道具と手法で仕込まれる
「白老」の酒造工程が見学でき、
しぼりたて新酒など数々の銘酒の試飲ができるという
日本酒好きにはたまらないイベントです。
酒蔵訪問のあとは大河ドラマで話題の
お江最初の嫁ぎ先、大野城跡をたずねます。
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幕末創業という澤田酒造は
常滑焼で有名な常滑市にあります。
明治の初め頃、この知多半島一帯で作られたお酒は
灘とほぼ肩をならべ、全国第二の生産地となったそうです。 -
時代を感じさせる焼杉板張りの壁。
近頃見なくなったなぁ〜 -
特設されたシャトルバスの発着所。
酒蔵開放の期間中は無料の送迎バスが常滑駅との間を往復してます。 -
今年は酒蔵開放の前日にお買い物Dayが設けられました。
昨年あまりの人気で利き酒コーナーに長蛇の列ができ
思うように買い物ができなかったからだそう。 -
入り口で入場料500円を払っていよいよ入場〜♪
ワクo(´∇`*o)(o*´∇`)oワク -
酒蔵案内図
この順路に従って見学していきまーす -
入場してすぐ登場したのは仕込み用の水。
ここから2kmほどはなれた知多半島丘陵部(新水谷)の伏流水を
江戸時代の頃から私設水道を引き、
ここまでもってきてるそうです。
すなおな軟水で、ふくらみのある、
まろやかな酒質をつくりだしてくれるそう。 -
酒蔵の中は土足厳禁です。
入り口でスリッパに履き替え
靴は袋に入れて持ち歩き。
仕込み用のお米はまずはお酒の銘柄により精米しますが
お米にダメージを与えぬよう品質を保って精白するのは大変困難なので
現在はこの工程は蔵元では行わず、
専門の業者さんにお願いしているそうです。 -
釜場へやってきましたー
釜場にでーんと鎮座する甑(こしき)
圧倒的な存在感〜
早朝5時から始まるこしきでの蒸し米作業。
「酒造りは蒸しから」 という言葉があるくらい
米は年度、産地、品種によって性質が異なるため、
最高の麹を作るためにこの蒸し米工程は大変重要なのだそうだ 。
現在は多くの蔵が連続蒸米機などの機械に移行する中、
ここではこの「こしき」という木製の大だるを用いて、
その米その米にあった最適な蒸しを行ってるんだそーです。 -
このこしきで処理できるお米は2tとのこと。
蒸し上げたお米を8時頃から堀り上げる。
熱い米をこしきの中から堀り上げる作業は大変な重労働。
しかしこの地道な工程により
お米は「外硬内軟」外側を硬く内側を軟らかく蒸すという
酒造りの米には理想的な状態になるのです。
古式にのっとり頑固にその手法を守る
澤田酒造さんの信念がよい酒を造り続ける所以なのだ。 -
これも昔ながらの和釜をボイラーで沸かして蒸し上げるというこだわりよう。
続いて階段を上って2階へ〜 -
酒造りに用いられる米。
酒造に適した専用のお米だそうです。
兵庫県「山田錦」、八反錦、五百万石など
厳選されたお米を使用していますが
近年では地元産の米も見直され始め、
澤田酒造でも自社田んぼを使って
酒造好適米「若水」の栽培を始めたそう。
近隣の農家にも協力してもらい
愛知県産の米へのこだわりが高まってるそーです。 -
続いて麹室の前へ〜
酒造りの中でも麹造りは最も重要なポイント。
摂氏30℃とゆー梅雨時のような高温多湿環境の中
2昼夜かけて麹カビを繁殖させます。
この立ち入り禁止のドアの向こうは杜氏さんたちの真剣勝負の世界です。 -
左上の写真がここの杜氏さんの三浦努さん。
まだ30代半ばの若い杜氏さんです。
愛知の杜氏さんは意外に若い人が多いんだそーです。 -
種麹と酵母各種。
-
麹蓋
冷ました蒸し米に種麹を混ぜ一昼夜ねかせた翌朝、
少量ずつこの麹蓋に盛られます。
この手法は大変な労力がかかるため、一般の蔵元ではあまり用いられなくなってしまったが、
ここ澤田酒造さんでは昔からすべてのお酒について麹蓋を用いている。
愛知県内ではここだけだそう。 -
暖気樽(だきだる)
酒母作りに使用。
中に熱湯を入れて密封し、湯たんぽの要領で仕込み桶の中に入れます。
低温から徐々に温度を上げていき、
良質な酵母菌を繁殖させていく。
この暖気樽作りの職人さんにも最高技術を要するという。 -
暖気樽やこしきを作るための匠の道具類。
良質の麹を作るにはやはり古来からの木製のものが最良なのだが
近年は連続蒸米機などの機械にとってかわろうとしているそうです。
こしき造り職人も年々減っており
現在では全国に数人ほどだそうな。 -
こだわりのかんな類。
これを使い分けるって?? -
樽職人の石川喜一さん
澤田酒造さんの木製道具作りを一手に引き受けていたそうです。
4年前に惜しくも100歳でお亡くなりになったそうですが
高度な技術力を必要とする暖気樽を作ることが出来る数少ない名工でした。
今使われてる大樽は石川さんが90歳のときに作られたもの。
その後石川さんは澤田酒造からの依頼を受け
もう一回り小さなこしきを95歳のときにも作っている。
生涯現役の見事な生涯です。 -
使い込まれた階段を下りるとそこは仕込み室です。
辺り一面にフルーティーな香りが立ち込めます。 -
ここまで来ると酒造りも最終段階。
酒母に蒸し米と麹と水を三回に分けて加えていきます。
これをもろみといいますが
このもろみタンクも一般的には3t〜20tほどの大型を使う中、
澤田酒造さんでは1.5tものを使用。 -
麹のアミラーゼによる糖化と、
それによってできたブドウ糖を食べて
酵母がアルコールを出す発酵が同時進行でおこなわれます。
20〜40日で酒になっていくそうです。
このタンクの中で劇的なドラマが繰り広げられてるんですね〜 -
仕込み蔵の見学を終えて搾り機へとやってきました。
ここでは搾りたての白老原酒が試飲できます。 -
醪(もろみ)を圧搾して濾過し、清酒と酒粕に分離させます。
しぼられたばかりのお酒が流れ出てくる口が槽口(ふなくち)というそうです。
まさに搾りたてのフレッシュな原酒。
アルコール度は実に19%以上! -
濾過も火入れもされていない生まれたてのお酒は
新酒のできるこの時期、蔵元でしか味わえません。 -
みなさん嬉々として新酒を楽しんでます。
-
下戸の私に代わり、日本酒大好きな
相方TOM(夫)が試飲した第一声は「う〜ん、濃厚〜♪」
まだ炭酸が抜けておらずピリピリ感も味わえます。
搾りたてだけあって香りも高いです。
この味わいはかなりの衝撃だったらしく、
その後の試飲コーナーでも反応はいまいちとなるw -
酒蔵見学を終えて外に出る。
外ではもう一杯気分でできあがった人たちが
車座になってさながら花見宴会のようw -
今でも現役で活躍する釜場の煙突。
青い空に映えます。 -
さて、下戸の上に本日運転手の私は
甘酒コーナーで甘酒でもいただきましょうw -
今日の甘酒は白老の酒粕を使用しております。
さきほどの新酒白老から搾られたものでしょーか。 -
くどくないすっきりした味わいでおいしいです。
酒粕買ってこう〜♪ -
蔵開放限定販売の樽酒
本物の四斗樽に入れて杉の香りをつけてあるそーです。
これは買わねばなるまいw -
こちらはきき酒&お買い物コーナー
いろいろ試飲して気に入ったお酒を買い求めます。
すでにすごい混雑ぶり。 -
人気ランキングが貼り出されてます。
うーん、思わせぶりなネーミングw
どれどれと、早速試飲に向かう相方TOMw -
純米白老
澤田酒造さんの主力商品です。
米の旨味を生かした純米酒。
自社米・若水(減農薬栽培)使用。
すっきりしたうまさ。 -
あばれ酵母
活性生原酒
火入れしてないので発酵を続ける活性濁り酒。
開栓のときに噴出すことがあるので要注意だそーですw
見た目どぶろくみたい〜
「ほんとに口の中で暴れてる〜」とは相方の弁。 -
白老梅
純米吟醸仕込梅酒
江戸時代の書物「本朝食鑑」のレシピをもとに
純米吟醸の古酒と地元知多の梅を用いたこだわりの梅酒だそうです。
我が家も自家製で梅酒を作るけど
全然味が違うそうなw -
純米大吟醸しぼりたて生
1日30本限定品
今回の酒蔵開放だけの販売だそう。 -
蔵人だけしかのめぬ酒
搾ったままのお酒を火入れもろ過も加水もせず
そのままタンクから瓶詰め。
新酒ならではのフレッシュさと
無ろ過ならではの濃厚なうまさ。
人気ランキングでも堂々の1位。
もちろんお買い上げです。 -
白禄
「たくさんの幸せ」の意味だそうです。
古式伝承の風格ある大吟醸
山田錦の中でも最高の東条町の特薦米を半分以下まで磨いた
白老のトップグレード
1.8Lで10,500円・・・手が出ませんw -
純米吟醸 登り窯
やきものの町 常滑らしいラベルです。
2年常温で熟成させた
酸味・苦味・甘味・辛味・塩味の5味の調和のとれた酒。 -
初しぼり(生原酒)
その年最初に搾ったお酒をろ過もなにもせず、そのままびん詰め。
深いこくが気に入り相方はお買い上げ。 -
春うらら
自社田んぼで減農薬栽培した米「若水」で造った飲みごたえのある純米酒。 -
若水純米生酒
今年の若水の新酒 -
千寿白老
白老らしい濃醇純米酒。
飲むほどに旨さが広がる一品。 -
-
からから
日本酒度+10の超辛口です。
相方には辛すぎのようでしたw -
純米吟醸熟成 豊穣
純米吟醸2年熟成酒。
口の中にひろがる米のしっかりした旨さとキレを合わせもつ。
燗にも向くそうです。
古来からの手法をがんこに守って酒造りを行う
白老をはじめとする澤田酒造さんの酒は
米にやさしいこしきや麹蓋を使うことで
米本来の旨味を十二分に引き出すことに成功しています。
またその酒の持ち味は
和食の料理とともに味わうことでさらにその魅力が増すのです。 -
おみやげ各種。
酒粕もお買い上げw
蔵開きのときには早期完売してしまうという
幻の大吟醸酒粕というのがあるらしい。
来年は是非早めに来てGETしよう〜♪ -
入場チケットについてたおみやげ券で
こんな素敵なぐい呑みがもらえましたー
地元知多武豊の作家さんによる常滑焼。
オリジナルの黒土を使って一個一個手作りしたそうです。 -
こちらは相方の購入したもの。
しばらく楽しめそうです。
さて、酒蔵開放のあとは
大河ドラマのヒロインお江の最初の嫁ぎ先とされる
常滑市大野町を訪ねます〜
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この旅行記へのコメント (2)
-
- ゆうこママさん 2011/03/05 13:05:40
- 呑めないくせに
- こんにちは。
スンバラシイ旅行記ですネエ。
酒飲みが読んだら、即、走っていっちゃいそう。
それにしても、美味しそう。
日本酒に会うお料理ととともにほんの少しでいいので飲みたい気分になります。私、呑めないくせにです。
- かとぽんさん からの返信 2011/03/05 14:20:54
- RE: 呑めないくせに
- 私も下戸のくせにとっても場違いなとこ行っちゃいましたよw
プーの今だからこそ、
日頃粗末に扱ってる相方TOMへのせめてものご奉公と思いw
アッシー役を買って出ました。
でも皆さん、ほんとに楽しそうに呑んでらっしゃいましたw
この日ばかりは呑めない自分がちょっと悔しかったなぁ〜w
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