ストックホルムの諸島、Ingmarsöへ Part.2

2010/08/19 - 2010/08/24

デンマークのコペンハーゲンに滞在した後にスウェーデンのストックホルムへ移動。
5泊のストックホルム滞在のうち、8/20から2泊3日でIngmarsö(インマシャー)という島にある友人のお父さんのサマーハウスへ小旅行しました。

エリア ストックホルム(スウェーデン)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

コーヒーとクッキーでFikaしていると、突然雨が降り始めた。
大変だ〜とみんなで外に出てマットレスやクッションを屋内に入れる。
ストックホルムは風が強く、雲の流れが速いのでこういうこともあるらしい。
なのでサマーハウスには本やビデオがいくつか置いてあって、天気が悪くて外に出られないときは部屋のなかでのんびり過ごす。
しばらくして雨がやんだので外へ出てみる。
まだ雲が多いものの晴れ間が見えて、どこかリフレッシュされたような新鮮な空気がひんやりと気持ちいい。
小屋のそばにある船着き場（と言うのかな？）もPのお父さんと家族の手作り。すごい！

夕食はEちゃんがミートソーススパゲティを作ってくれました。
ミートソースは来る時にスーパーで買ったインスタント。
スウェーデン人はみんなこのミートソーススパゲティが大好きなんだそう。
食後の後片付けをしていると、「見て！夕日がきれいだよ！」とEちゃん。
ピンクとグレイがかった青い色が混ざりあって、本当にきれい。
ここで見る日暮れは雲が多く低いせいか太陽そのものが見えないけど、明るい光がピンク色に染まる。
風で雲が早く流れるので、見ているとどんどん色が変わるのでいつまで見ていても飽きなかった。
日が沈んで暗くなってくると、ふたりは当たり前にろうそくに火を灯します。
夜は映画鑑賞タイム。
彼らは日本映画好きなので、スウェーデン語字幕の黒澤映画を堪能しました。

Ingmarsöで２度目の朝を迎えました。
朝食には昨日森で摘んだブルーベリー。
ヨーグルトに入れて食べてみる。おいしい〜。
今日もとてもいい天気で、外にいるのがとても気持ちいい。
サマーハウスの周りの木には、いくつかの鳥の家がつけてあります。
お父さんや子供達が作って付けたものだそう。
静かな部屋で外の景色を眺めながら、スウェーデンの人達は夏にこうしてたくさんリラックスするから、エネルギーいっぱいで仕事に戻れるんだね〜と言うと、Eちゃんが激しく首を横に振る。
「みんな、夏に何にもやらないでのんびり過ごすから、仕事に行くときはだら〜っとしてやる気が出ないんだよ〜」
夏休みが長いぶん、仕事に行くのがかったるくなるんだね…それも辛そうだなぁ。

サマーハウスに来たときからずっと気になっていたもの。
台所の近くにあった、粘土で作ったような鳥の置物。
これはお父さんかお兄さんが海岸の泥で作ったものだそう。
今は満ち潮なので岩場まで海水が来ているけど引き潮の時期には数m先の小さい岩まで行けるらしく、その時に泥をすくってこねてみたら結構しっかりした土だったので、形を作って乾かしたらこれが出来たんだそう。
海底の泥で作れたというのも驚きですが、またしてもなぜにこんなかわいい鳥と巣を作ろうと思うのか。
スウェーデン人の体には、かわいい遺伝子が組み込まれているに違いない。

16時半出発の船に乗るため、15時半にサマーハウスを出ることになりました。
昼食を食べ終わると出発まであと2時間くらい。いよいよ帰る準備をしなければなりません。
ここへ着いてから使った食器類は帰る時にまとめて洗います。水の節約かな？
外のクッションやハンモックを物置にしまったり、家の中を掃除。
私もゲストハウスの床をホウキで掃いてベッドカバー類をはずし、ふとんと枕を元の場所へ戻します。
改めてサマーハウスを見て、これを家族で作り上げたんだよなぁと思うと、本当に感心してしまう。
屋根のアンテナだって、お父さんが取り付けたんだからすごい。

船乗り場までサマーハウスからだいたい30分。
私がきょろきょろして歩くので、時間に余裕を持ってくれたみたいです。
歩きながら、道ばたの花を見たり。天気がいいので気持ちがいい。
途中でサマーハウスを建設中のお宅がありました。本当に男性２〜３人だけで木で骨組みを作ってました。
途中には小さな牧場もあり、馬が何頭もいる。しかも、小学校低学年らしい男の子が、小さな体で馬に乗っていてびっくり。
ふたりが突然立ち止まり、道ばたに生えている木からリンゴを一個とってくれた。
「はい、デザート。」
まだ早いみたいでちょっとすっぱかったけど爽やかでおいしかった。
しばらく歩くとまた立ち止まり、道ばたの草むらをごそごそしたかと思うと、「はい、ラズベリー」。
おぉっ。野生のラズベリーはほんのり甘くてとってもおいしかった。
スウェーデンの人達は、こうして子供時代を過ごすのかな。なんて贅沢なんだろう、と思った。

途中で島にひとつだという学校の前を通りかかりました。
すごい素朴。まさにアストリッド・リンドグレンのお話に出てくるような学校。
「やかまし村のこども達」の映画みたいに、子供達がとことこ歩いて通うのが目に浮かぶ。
いったい生徒は何人なんだろう。
あ〜教室の中とか、かわいいんだろうなぁ。見てみたいな〜。

しばらく行くと、これも島にひとつだというスーパーマーケットが。
ICAはスウェーデンでよく見かけるスーパー。
それがこの島のICAはスウェーデンらしい木造。
しかも入り口には国旗がはためいてたりして、こんなかわいいICA見た事ない〜！
ここのICAには郵便局も併設されています。脇に回ると、ゴミ箱のようなものがたくさん並んでいる。
これは、島にある家（サマーハウスも含む）全ての郵便ポスト！
それぞれの家宛の郵便物はここのボックスに入れられるので、めいめいがここに取りに来るんだそう。
確かに住民が少ないから届く郵便物も少ないだろうし、これはとっても効率的。
それにとってもほのぼのしてていい。

船乗り場に着いて船を待っていると、続々と人が集まってきます。
犬や猫を連れている人も多く、ここでもほのぼの。
16:30近く、一艘の船がこちらへ近づいてくるのが見えました。
帰りに利用する船は、2008年に運行100年を記念したという蒸気船・Storskär。
島へ来る時に利用したモーター船はストックホルムから約２時間かかりましたが、蒸気船だとストックホルムまで約３時間。
しかも、チケットもこちらのほうが高め。なのに結構乗る人がいるんだなぁと思っていたら、この古い船も観光のひとつとして人気があるらしい。
乗ってみると、確かに船内の席はすでに満席！仕方なく外のベンチに座ると、景色はいいもののとても寒い！