京都を歩く(78) 梅がほころび始めた北野天満宮で「天神さん七不思議」探し

2011/02/04 - 2011/02/04

京都で梅といえば北野天満宮が真っ先に思い浮かびます。
祭神・菅原道真が詠んだ「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花　あるじなしとて春を忘るな」も有名ですね。
境内には二千本も梅があるそうです。

今回訪れたのは，寒さが緩んだ立春の日。
梅の蕾がほころび始めていました。
見ごろはまだ先ということで，以前から気になっていた「天神さん七不思議」を探してきました。

天神さん七不思議
・影向松
・筋違いの本殿
・大黒天の燈籠
・星欠けの三光門
・唯一の立ち牛
・裏の杜
・天狗山

エリア 今出川・北大路・北野(京都)

• 交通手段: JRローカル 徒歩

立春の2月4日，天気もよくて絶好のお出かけ日和。
北野天満宮にやってきました。

北野天満宮に来るのは今回が初めてです。
狛犬の台座にも描かれているように，北野天満宮は梅の名所。
本来なら梅を見に来るべきなのでしょうが，時期的にまだ早い。
ではなぜ来たのかというと，「北野天満宮の七不思議」なるものがあることを知ったからです。
興味本位で現地で探してみることにしました。

七不思議①～影向松～

一の鳥居を入った右手に松の木があります。
これが七不思議一つ目の「影向松」です。
菅原道真が常に襟に掛けて持っていた仏舎利が，初雪の降った日に大宰府から飛んできて，この影向松の枝にかかったそうです｡

影向松から参道を歩いて行きます。
穏やかな天気で気持ちいい♪

参道脇に一匹目の牛さん発見！
牛は天満宮では神使とされています。
頭が良くなるようにと願いを込めて牛の頭や角を撫でたり，体の病が良くなるようにと牛の体を撫でるなど，「撫で牛」として信仰されています｡

境内にはたくさ牛の石像がありますが，共通点があります。
それは座っているということ。
これは菅原道真公のご体を牛車で運んでいる途中，突然牛が座りこんで動かなくなり，その近くのお寺に埋葬したという故事にならっているそうです｡

そもそも，なぜ牛なの？
というのは諸説あります。

・道真が丑年生まれ
・道真が亡くなったのが丑の月の丑の日
・道真は牛に乗り大宰府へ下った
・牛が刺客から道真を守った
・道真の墓の場所を牛が決めた

などだそうです。

参道を歩いていくと，左手に「伴氏社」があります。
菅原道真の母を祀っています。

ここにある鳥居は「京都三珍鳥居」の一つです。
何が珍しいかというと，一つは中央にある額束(真ん中の縦棒)が上の島木を貫いていること，もう一つは台座の部分に蓮弁が刻まれていることだそうです。

さらに参道左手には「梅苑」があります。
2月25日に「梅花祭」が開催され，多くの人で賑わうそうです。

見頃にはまだまだですが，ちらほら花が咲いていました。

黄色い嘴の鳥が枝に。
正面から撮りたかったけど，飛んでいったまま戻ってきませんでした。
何て名前だろう？

さらに進むと楼門が見えてきました。

楼門南にも牛さんはいます。
牛さんも個性いろいろですね。
上の写真の牛は立派な角をしています。
下の写真の牛は親子です。

楼門には菅原道真が詠んだ有名な歌が掲げられていました。

大宰府に左遷させられてしまった菅原道真。
故郷である都を離れる日，幼い頃より親しんできた紅梅殿の梅に，「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花　あるじなしとて春を忘るな」と詠いかけました。
主を慕った梅は，道真が太宰府に着くと，一夜のうちに大宰府の道真の元へ飛んで来たといわれています｡
これが「飛梅伝説」です。

楼門をくぐり，まずは御手洗所で清めます。
ここにも牛さんがいました。
鼻に縄をつけています。

境内図近くにいた牛さん。
目が充血しています。

梅苑以外にも梅の木はたくさんあります。
牛さんとコラボ。

七不思議②～筋違いの本殿～

二つ目の七不思議は「筋違いの本殿」です。
本来なら楼門の先を真っ直ぐ歩いていくと本殿があるのですが，北野天満宮では西に本殿があります。
確かに変わった配置ですね。

ちなみに，楼門から真っ直ぐ行くと地主神社に着きます。
地主神社は北野天満宮の鎮座以前の836年からこの地に祀られており，947年天満宮鎮座の際，地主神社の正面を避けて建てられたためと伝えられています。

本殿に向かうように歩いていくと，正面に三光門が見えてきました。

三光門へ行く途中にいた牛さんたち。
黒光りした牛さんと継ぎ接ぎだらけの牛さん。

七不思議③～大黒天の燈籠～

七不思議三つ目は，三光門の東南にある石燈籠です。
台座に大黒様の像が刻まれています。
安政2(1855)10月河原町正面にあった「大黒屋」を中心とする質商組合によって奉献されました｡

この大黒様の口(または頬とも云われる)に小石をのせて落ちなければ，その小石を財布に入れて祈るとお金に困らないといわれるれています｡

さて，三光門周辺も梅が咲き始めていました。

満開になれば，狛犬とのコラボも絵になりそうです。

七不思議④～星欠けの三光門～

一般的に「日・月・星」の彫刻がある門を三光門と呼びます。
北野天満宮の三光門には「日・月・三日月」で「星」は彫られていないのではないかといわれています｡

平安京造営当初の大内裏が千本丸太町にあったため，ちょうど旧大極殿が北野天満宮の真南に位置し，帝が北野天満宮を遥拝されたところ，三光門の真上に北極星が瞬いていたので星は刻まれていないのだといわれています｡

実際に探してみると…
二匹のウサギの間に三日月を発見。

太陽と月かな？
星は無いと言われているので探しませんでしたが，昔の人は星をどう表現していたの？
「ヒトデ型」ではあるまい…

三光門をくぐり拝殿へ。
参拝に行列ができていました。
学生は多かったですが，すべて修学旅行生でした。
切羽詰った受験生ではないので賑やかでしたね。

鈴の背後には鏡らしきものがあります。
この鏡に自分の姿を映しながら参拝すると…
あれ？何だっけ？

修学旅行生を引率していたバスガイドさんの話を盗み聞きしていましたが，肝心なところを忘れてしまいました。

七不思議⑤～唯一の立ち牛～

この立ち牛は拝殿の上の欄間に存在します。
この一頭以外の境内のお牛さんはすべて横たわっています｡
まるで涙を流してるように見えるこの牛さんは，菅原道真の左遷を悲しみ，身をよじっているといわれています。

次に拝殿東側から本殿裏側へと回ります。
拝殿東側にいた牛さん。

本殿裏側に咲いていた梅。

七不思議⑥～裏の杜～

ふつう神社は前拝のみですが，本殿の背面にも御后三柱という御神座があります｡
天穂日命(菅公の祖先神)・菅原清公卿(菅公の祖父)・菅原是善卿(菅公の父)の三柱の神が祀られています。

七不思議⑦～天狗山～

天満宮の乾方位，境内西北の角には天狗山と呼ばれる小山があるそうです。
大昔，天狗が現れていたとか。

北西の御土居周辺を探しましたが，残念ながら正確な場所はよくわかりませんでした。

ここからは蕾がほころび始めた梅の写真です。

満開のときに，これぐらいの青空であればいいのに。

三光門と梅。

回廊の金色燈籠と梅。

北野天満宮の七不思議と牛さん，ときどき梅でした。

この旅行記へのコメント （4）

• 鴨川の夕立！さん 2011/02/13 00:52:19

  北野天満宮！

  今年の梅の開花はどうでしょうかね！
  梅園の茶店でお茶を頂きながら愛でるのもいいですよ！
  城南宮は昨年行ったので久しぶりに
  北野天満宮の梅園にしようかと考えています！

  ぺこにゃんさん からの返信 2011/02/13 22:23:30

  RE: 北野天満宮！

  こんばんは。
  
  > 今年の梅の開花はどうでしょうかね！
  > 梅園の茶店でお茶を頂きながら愛でるのもいいですよ！
  > 城南宮は昨年行ったので久しぶりに
  > 北野天満宮の梅園にしようかと考えています！
  
  金曜日は思ったほど京都に雪は降らなかったみたいですね。
  でも，寒さで梅の見頃は少し遅れるかも。
  今のところ予定はありませんが，出かけるならポカポカ陽気の日がいいですね。
  
  ぺこにゃん

• たらよろさん 2011/02/08 20:13:50

  春だっ！！

  こんばんは〜ぺこにゃん様。
  
  北野天満宮、既にちょっぴり綺麗な梅が開花しつつあるのね〜〜
  白いの、ピンクなの、赤いの。。。
  もう少しで春も訪れるのね〜
  
  早く暖かくなってくれないかな。
  暖かい春が楽しみだわ。
  
  　　たらよろ

  ぺこにゃんさん からの返信 2011/02/09 21:42:48

  RE: 春だっ！！

  たらよろさん，こんばんは。
  
  > 北野天満宮、既にちょっぴり綺麗な梅が開花しつつあるのね〜〜
  > 白いの、ピンクなの、赤いの。。。
  > もう少しで春も訪れるのね〜
  >
  > 早く暖かくなってくれないかな。
  > 暖かい春が楽しみだわ。
  
  梅が咲き始めると，春までもう少しって感じですね。
  実際，この日はポカポカ陽気だったし♪
  でも，今週末の天気予報を見ると再び雪マーク…
  金曜日の最高気温が3℃(！)らしいです。
  春は近そうで遠い…
  
  ぺこにゃん