2008/05/25 - 2008/05/26
87位(同エリア150件中)
ハンクさん
セルギエフ・パサートは、モスクワの北東に環状に連なるロシアの古都群、いわゆる「黄金の環」と呼ばれる11〜16世紀に栄えた宗教都市のひとつであり、1993年ユネスコ文化遺産に登録されている。モスクワからヤロスラーブリ街道を約70km走った距離にあり、黄金の環のなかではモスクワに最も近く、近郊電車(エレクトリーチカ)でも約1時間半で日帰りが可能である。
このロシア国鉄が運営するエレクトリーチカはなかなか面白い。広軌(1,524mm)を採用するロシアの車両は、日本の車両よりもかなり広く、両側に3列ずつ座れる硬い木製の座席がある。ロシア語が不十分な私にはチケットを購入するのが一仕事であるため、早めに駅に行き、座席を確保した。出発間際には大きな車両がほとんど埋まり、座れない人は、入り口横に勝手に座りだした。多くの人は大きな荷物を抱えた出稼ぎ風の労働者だ。電車が発車してしばらくすると、あやつり人形の旅芸人やら、雑誌、衣類、飲み物ピロシキなどの物売り、アコーディオン奏者、宗教家の説法など入替り立代り登場して、去っていった。あたかもロシア現代の世情を演ずる小劇場のようであった。
セルギエフ・パサート駅横にはいかにも地方都市の商店街があり、駅から大修道院へ向かう途中にソヴィエト戦勝記念碑があった。1945年のソヴィエト戦勝記念の火がともされている。
セルギエフ・パサートの町の中心には、トロイツェ・セルギエフ大修道院(聖セルギエフ三位一体修道院)があり、16世紀に築かれた城壁に取り囲まれている。この中には14〜18世紀に建てられた数々の教会があり、その壮麗な建築の調和が興味深い。この修道院を築いたのは、聖セルギウス、彼はモンゴルの支配に抵抗するため、ロシア諸侯の取りまとめ役となり、ドミトリー・ドンスコイ率いるロシア軍が始めてモンゴルに勝利を収め、その後も彼にまつわる奇跡が続き、聖人となった。現在、彼はロシアの守護聖人となっている。
大修道院の中央に位置するウスペンスキー大聖堂はイワン雷帝の命により建てられ、1585年に完成、たまねぎ型をした4つの青いドームの中央に、金色の大きなドームを持つ。モスクワのクレムリンのウスペンスキー大聖堂を模したものである。
大聖堂の北側には、ムソルグスキーのオペラで名高い皇帝ボリス・ゴドゥノフとその家族の墓がひっそりと埋葬されている。ロシアに混乱を招いた皇帝であるためか、雨ざらしで物悲しい。
トロイツキー聖堂は1423年に完成、聖セルギウスの墓所の上に建てられ、彼の棺が教会内に安置されている。また鐘楼はトロイツキー聖堂の横に建てられ、薄緑色に塗られた壁面と、白色の柱、金色の屋根と時計がよく調和しており美しい。ツァーリ宮殿は外壁に特徴がある。セルギエフ大聖堂から修道院出口へは緑に包まれた小道を歩んでいく。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 鉄道 飛行機
- 航空会社
- フィンランド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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