![08年の11月、出張でロシア、フランス、ベルギーを駆け足で回った。そこで立ち寄ったベルギーのブリュッセルとアントウェルペン(アントワープ)を紹介しよう。 <br /><br />ベルギー王国は連邦立憲君主制国家。隣国のオランダ、ルクセンブルクと合わせてベネルクスと呼ばれる。欧州連合の原加盟国であり、その主要機関の多くが首都ブリュッセルに置かれている。建国以来、単一国家であったが、オランダ語系住民とフランス語系住民の対立(言語戦争)が続いたため、1993年に連邦制に移行した。人口は約1,100万人、首都はブリュッセルで人口は約100万人、市街は美しく世界遺産にも登録され、「小パリ」とも呼ばれている。 <br /><br />ブリュッセルを訪れたのは学生時代以来ほとんど30年ぶり、当時の記憶はかなりぼやけている。今回は業務出張のため、ほとんど観光の時間はとれなかったが、11月のまだ真っ暗な早朝、小便小僧に30年ぶりの挨拶をすることができた。 <br /><br />ベルギーの首都ブリュッセルの旧市街の中心には、壮麗な建造物に縁取られた大きな広場、ヴィクトル・ユーゴーは「世界一豪華な広場」、ジャン・コクトーは「絢爛たる劇場」とたたえたグランプラスがある。今回グランプラスを訪れることができたのは、夕食後の真っ暗な中で、市庁舎の前に飾られたクリスマスツリーを撮影した(写真1、2)。 <br /><br />グランプラスは11〜12世紀にこの場所に市が立ちそれが原型となった。約110m X 70mに拡張され、周囲に市庁舎などの行政機関、ギルドハウス(同業組合会館)、貴族や富裕な市民の邸宅が整然と配置されていった。1695年、フランス王ルイ14世軍の侵攻で、市庁舎と「王の家」を除く建造物が焼失したが、これを機に建物は木造から石造へと変えられ、広場はわずか数年で再建された。 <br /><br />有名な小便小僧(写真3、4)はグランプラスから300mほど西に歩いたところにある。 <br />世界3大がっかり名所というのをご存知であろうか。この小便小僧、コペンハーゲンの人魚姫の像、シンガポールのマーライオンの3名所のことであるそうだ。小便小僧はそのあまりの小ささ(身長56cm)から、人魚姫は身長こそ1.25mあるが、周囲が造船所などの工業地帯でその殺風景なこと、マーライオンも意外と小さく、正面から見えない、などの理由で評価が定着したようだ。ちなみに日本3大がっかり名所は、札幌の時計台、高知のはりまや橋、長崎のオランダ坂、(沖縄の守礼門という説もあり)であるそうな。 <br /><br />小便小僧の由来は諸説がある。いちばん有名なのは、ブラバント公ゴドフロワ2世に関する説。1142年、当時2歳のゴドフロワ公率いる軍は、グリムベルゲンでの戦いの際、戦場の戦士を鼓舞するため、ゆりかごに幼い支配者を入れて木に吊るした。そこから公は敵軍に向かって小便をし、味方軍を勝利に導いたという。 <br /><br />いささか露骨な写真で恐縮であるが、小便娘(写真5)という像が1987年に設置された。高さは約50cmで小便小僧の妹として新名所となっている。何故かわからないが、鉄格子の中に設置してあり、カメラのアングルも限られるため、品のないアングルとなってしまったが、話の種に掲載させていただく。 <br /><br />ベルギー国鉄のインターシティ(写真6)はスマートとはいえないが、新型の車両を導入しており、アントウェルペンへ向かう電車は先頭車はゴムのクッションがついてユニークだ。 <br />ブリュッセル中央駅(写真7)は市の中央部の地下にある。30年前に訪れたときの印象は、タバコ、特に葉巻の強烈な匂いであったが、さすがに今は立ちタバコは禁止されていた。駅の内装も改修工事が進んでいた。ただ、古い駅などで時々見かけるが、コンクリートの老朽化が大変目立つ。世界的に根本的な対策が必要な時期がきていると思う。 <br /><br />アントウェルペンもまだ暗い早朝駆け足で行ってみた。ベルギーのフランデレン地域・アントウェルペン州の州都で、ベルギー第2の都市。人口は約50万人、英語ではアントワープ(Antwerp)、フランス語ではアンヴェルス(Anvers)、オランダ語でアントウェルペン(Antwerpen)と呼ばれる。アニメで一躍有名となった物語『フランダースの犬』の舞台でもある。また、リヒャルト・ワーグナーのオペラ『ローエングリン』は、10世紀のアントウェルペンを舞台としている。グローテ・マルクトのアントウェルペン市庁舎(写真9)、ハントシェーンマルクトのアントウェルペン大聖堂(写真10)、地下にあるアントウェルペン中央駅(写真11)、ファン・ダイクの像(写真12)をご紹介しておこう。](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/54/00/650x_10540093.jpg?updated_at=1295897110)
2008/11/27 - 2008/11/29
1527位(同エリア2823件中)
ハンクさん
08年の11月、出張でロシア、フランス、ベルギーを駆け足で回った。そこで立ち寄ったベルギーのブリュッセルとアントウェルペン(アントワープ)を紹介しよう。
ベルギー王国は連邦立憲君主制国家。隣国のオランダ、ルクセンブルクと合わせてベネルクスと呼ばれる。欧州連合の原加盟国であり、その主要機関の多くが首都ブリュッセルに置かれている。建国以来、単一国家であったが、オランダ語系住民とフランス語系住民の対立(言語戦争)が続いたため、1993年に連邦制に移行した。人口は約1,100万人、首都はブリュッセルで人口は約100万人、市街は美しく世界遺産にも登録され、「小パリ」とも呼ばれている。
ブリュッセルを訪れたのは学生時代以来ほとんど30年ぶり、当時の記憶はかなりぼやけている。今回は業務出張のため、ほとんど観光の時間はとれなかったが、11月のまだ真っ暗な早朝、小便小僧に30年ぶりの挨拶をすることができた。
ベルギーの首都ブリュッセルの旧市街の中心には、壮麗な建造物に縁取られた大きな広場、ヴィクトル・ユーゴーは「世界一豪華な広場」、ジャン・コクトーは「絢爛たる劇場」とたたえたグランプラスがある。今回グランプラスを訪れることができたのは、夕食後の真っ暗な中で、市庁舎の前に飾られたクリスマスツリーを撮影した(写真1、2)。
グランプラスは11〜12世紀にこの場所に市が立ちそれが原型となった。約110m X 70mに拡張され、周囲に市庁舎などの行政機関、ギルドハウス(同業組合会館)、貴族や富裕な市民の邸宅が整然と配置されていった。1695年、フランス王ルイ14世軍の侵攻で、市庁舎と「王の家」を除く建造物が焼失したが、これを機に建物は木造から石造へと変えられ、広場はわずか数年で再建された。
有名な小便小僧(写真3、4)はグランプラスから300mほど西に歩いたところにある。
世界3大がっかり名所というのをご存知であろうか。この小便小僧、コペンハーゲンの人魚姫の像、シンガポールのマーライオンの3名所のことであるそうだ。小便小僧はそのあまりの小ささ(身長56cm)から、人魚姫は身長こそ1.25mあるが、周囲が造船所などの工業地帯でその殺風景なこと、マーライオンも意外と小さく、正面から見えない、などの理由で評価が定着したようだ。ちなみに日本3大がっかり名所は、札幌の時計台、高知のはりまや橋、長崎のオランダ坂、(沖縄の守礼門という説もあり)であるそうな。
小便小僧の由来は諸説がある。いちばん有名なのは、ブラバント公ゴドフロワ2世に関する説。1142年、当時2歳のゴドフロワ公率いる軍は、グリムベルゲンでの戦いの際、戦場の戦士を鼓舞するため、ゆりかごに幼い支配者を入れて木に吊るした。そこから公は敵軍に向かって小便をし、味方軍を勝利に導いたという。
いささか露骨な写真で恐縮であるが、小便娘(写真5)という像が1987年に設置された。高さは約50cmで小便小僧の妹として新名所となっている。何故かわからないが、鉄格子の中に設置してあり、カメラのアングルも限られるため、品のないアングルとなってしまったが、話の種に掲載させていただく。
ベルギー国鉄のインターシティ(写真6)はスマートとはいえないが、新型の車両を導入しており、アントウェルペンへ向かう電車は先頭車はゴムのクッションがついてユニークだ。
ブリュッセル中央駅(写真7)は市の中央部の地下にある。30年前に訪れたときの印象は、タバコ、特に葉巻の強烈な匂いであったが、さすがに今は立ちタバコは禁止されていた。駅の内装も改修工事が進んでいた。ただ、古い駅などで時々見かけるが、コンクリートの老朽化が大変目立つ。世界的に根本的な対策が必要な時期がきていると思う。
アントウェルペンもまだ暗い早朝駆け足で行ってみた。ベルギーのフランデレン地域・アントウェルペン州の州都で、ベルギー第2の都市。人口は約50万人、英語ではアントワープ(Antwerp)、フランス語ではアンヴェルス(Anvers)、オランダ語でアントウェルペン(Antwerpen)と呼ばれる。アニメで一躍有名となった物語『フランダースの犬』の舞台でもある。また、リヒャルト・ワーグナーのオペラ『ローエングリン』は、10世紀のアントウェルペンを舞台としている。グローテ・マルクトのアントウェルペン市庁舎(写真9)、ハントシェーンマルクトのアントウェルペン大聖堂(写真10)、地下にあるアントウェルペン中央駅(写真11)、ファン・ダイクの像(写真12)をご紹介しておこう。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 社員・団体旅行
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 飛行機
- 航空会社
- エールフランス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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