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フランス北部、ノルマンディー地方にあるエトルタという町をご存知の方はいらっしゃるだろうか?写真1〜5を見ていただくとマネ、モネ、ピサロなどが描いた絵を思い出だされる方がいるかもしれない。写真3ではモネが描いた作品と今も変わらぬエトルタの風景を比較することができる。 <br /><br />フランスの生んだスーパースター怪盗紳士アルセーヌ・ルパンについては、少年少女名作文学全集などで「奇巌城」をお読みになった方はご存知と思うが、写真1−2で見ていただける尖った岩が実は奇巌城の舞台なのだ。作家モーリス・ルブランはこの針のような形の岩が実は空洞で、この秘密の城は歴代この英仏海峡を支配したヨーロッパ史を代表する英雄達が居住した、という誇大妄想狂的な発想でこの小説を1909年に発表した。この秘密の城の所有者たる英雄達が「ちょっとした方々」(ルパンの発言より)なのだ。そしてそれを名誉に思った英雄たちが壁にサインを残している。 <br />シーザー、シャルルマーニュ大帝、ロル、ウィリアム征服王、英国王リチャード、ルイ11世フランソワ1世、アンリ4世、ルイ14世、アルセーヌ・ルパン <br /><br />つまりヨーロッパ最後の盟主が彼の生み出した英雄アルセーヌ・ルパンなのである。「ダ・ヴィンチ コード」の秘密結社の総長がダ・ヴィンチであったり、ニュートンやユーゴーであったりするのと同じ発想であろう。私は「ダ・ヴィンチ コード」の作者ダン・ブラウンはルパンシリーズの影響を受けていると確信する。「813」のなかではAresene LupinはPaul Sernineというアルファベットを組み替えた偽名で登場するが、これをブラウンは発展して使っている。「奇巌城」の内部の最上階にはルパンが長年ヨーロッパ各地で収集して(盗んで)きた 「モナリザ」、「ヴィーナス」など人類の至宝が、のちにルーブル美術館に戻されるまでの間ここに保管されていた、という。ルパンが盗んできたヨーロッパの名画名作をアメリカなどに売って、巨大な裏貿易を通じて一大栄華を極めたのだ。この秘密の城の入口は、獄中のルイ14世がマリー・アントワネットに送った暗号文をルパンが解読して発見した、となっている。 <br /><br />この途方もない小説の味がわかったのはある程度年を経てからなのであるが、このルパンに対抗するライバル、正義の味方としてルブランが選んだのは、パリ警察のガニマール警部でもなく名探偵ホームズでもなく、高校生であるボートルレ少年である。ルパンが落としたルイ14世自筆の暗号文を偶然入手し、ボートルレ少年は独力の推理で解読し「奇巌城」への入口を発見した。そのあたりの暗号解読の筋道は、フランス語を学んでから、非常にリアリティがあることを理解してますますほれ込んでしまった。この少年探偵が味わうスリルが読者自身と重なってくるのが、ルブランの巧みなところなのである。奇巌城を丘の上から眺めていると、奇巌城への入口がそこに隠れているように思えてくるのだ。 <br />   <br />もうひとつ、ルパンの名作を紹介したい。「カリオストロ伯爵夫人」という小説であり、私が読んだ少年少女文学の中では「七つ星の謎」というタイトルになっていたが、これがまた途方もない内容である。この設定は古い修道院の財宝を騒乱の際にあるところに隠した。この秘密の暗号がAlcor(ラテン語で試練の意味)であった。この暗号を解く鍵が七つの実在する修道院なのであるが、Alcorのもうひとつの意味は実は星の名で、北斗七星のひしゃくの柄の部分の端から2番目の星が実際に2等星と4等星の二重星で、この星が見える人は目がいい、と言う基準にされていたことがあるのだ。確かに私がまだ目がよかった時には、空が澄んでいる日にこの星は肉眼で見えた。(今は双眼鏡を使わないと見えない) <br /><br />今回車で走るために、ノルマンディー地区の大きな地図を買った。エトルタにあるルブラン(ルパン)の家でこの本の原書を買った。この小説に登場する七つの修道院が北斗七星の形をしており、Alcor星の位置に修道院の秘宝が隠されている、という秘密をルパンが解読して修道院の隠した金銀財宝を発見したわけである。この原書に七つの修道院を結んだ北斗七星の形をしている図形が書いてあるが、驚くべきことにこの七つの修道院は実際の地図上に全て実在し、見事に北斗七星の形をしている!。この距離は私が描いていたイメージよりもはるかに大きく、端から端は約90kmほどある。 <br /><br />日がどっぷりと暮れてしまったノルマンディーからパリへの帰途、これらの修道院を全て回って秘宝のあるAlcorを探し出したい衝動に駆られてしまったが、これは次回の楽しみに取っておこう。

エトルタ:ヨーロッパ最後の盟主であるルパンの居城

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2008/11/28 - 2008/11/29

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ハンク

ハンクさん

フランス北部、ノルマンディー地方にあるエトルタという町をご存知の方はいらっしゃるだろうか?写真1〜5を見ていただくとマネ、モネ、ピサロなどが描いた絵を思い出だされる方がいるかもしれない。写真3ではモネが描いた作品と今も変わらぬエトルタの風景を比較することができる。

フランスの生んだスーパースター怪盗紳士アルセーヌ・ルパンについては、少年少女名作文学全集などで「奇巌城」をお読みになった方はご存知と思うが、写真1−2で見ていただける尖った岩が実は奇巌城の舞台なのだ。作家モーリス・ルブランはこの針のような形の岩が実は空洞で、この秘密の城は歴代この英仏海峡を支配したヨーロッパ史を代表する英雄達が居住した、という誇大妄想狂的な発想でこの小説を1909年に発表した。この秘密の城の所有者たる英雄達が「ちょっとした方々」(ルパンの発言より)なのだ。そしてそれを名誉に思った英雄たちが壁にサインを残している。
シーザー、シャルルマーニュ大帝、ロル、ウィリアム征服王、英国王リチャード、ルイ11世フランソワ1世、アンリ4世、ルイ14世、アルセーヌ・ルパン

つまりヨーロッパ最後の盟主が彼の生み出した英雄アルセーヌ・ルパンなのである。「ダ・ヴィンチ コード」の秘密結社の総長がダ・ヴィンチであったり、ニュートンやユーゴーであったりするのと同じ発想であろう。私は「ダ・ヴィンチ コード」の作者ダン・ブラウンはルパンシリーズの影響を受けていると確信する。「813」のなかではAresene LupinはPaul Sernineというアルファベットを組み替えた偽名で登場するが、これをブラウンは発展して使っている。「奇巌城」の内部の最上階にはルパンが長年ヨーロッパ各地で収集して(盗んで)きた 「モナリザ」、「ヴィーナス」など人類の至宝が、のちにルーブル美術館に戻されるまでの間ここに保管されていた、という。ルパンが盗んできたヨーロッパの名画名作をアメリカなどに売って、巨大な裏貿易を通じて一大栄華を極めたのだ。この秘密の城の入口は、獄中のルイ14世がマリー・アントワネットに送った暗号文をルパンが解読して発見した、となっている。

この途方もない小説の味がわかったのはある程度年を経てからなのであるが、このルパンに対抗するライバル、正義の味方としてルブランが選んだのは、パリ警察のガニマール警部でもなく名探偵ホームズでもなく、高校生であるボートルレ少年である。ルパンが落としたルイ14世自筆の暗号文を偶然入手し、ボートルレ少年は独力の推理で解読し「奇巌城」への入口を発見した。そのあたりの暗号解読の筋道は、フランス語を学んでから、非常にリアリティがあることを理解してますますほれ込んでしまった。この少年探偵が味わうスリルが読者自身と重なってくるのが、ルブランの巧みなところなのである。奇巌城を丘の上から眺めていると、奇巌城への入口がそこに隠れているように思えてくるのだ。
  
もうひとつ、ルパンの名作を紹介したい。「カリオストロ伯爵夫人」という小説であり、私が読んだ少年少女文学の中では「七つ星の謎」というタイトルになっていたが、これがまた途方もない内容である。この設定は古い修道院の財宝を騒乱の際にあるところに隠した。この秘密の暗号がAlcor(ラテン語で試練の意味)であった。この暗号を解く鍵が七つの実在する修道院なのであるが、Alcorのもうひとつの意味は実は星の名で、北斗七星のひしゃくの柄の部分の端から2番目の星が実際に2等星と4等星の二重星で、この星が見える人は目がいい、と言う基準にされていたことがあるのだ。確かに私がまだ目がよかった時には、空が澄んでいる日にこの星は肉眼で見えた。(今は双眼鏡を使わないと見えない)

今回車で走るために、ノルマンディー地区の大きな地図を買った。エトルタにあるルブラン(ルパン)の家でこの本の原書を買った。この小説に登場する七つの修道院が北斗七星の形をしており、Alcor星の位置に修道院の秘宝が隠されている、という秘密をルパンが解読して修道院の隠した金銀財宝を発見したわけである。この原書に七つの修道院を結んだ北斗七星の形をしている図形が書いてあるが、驚くべきことにこの七つの修道院は実際の地図上に全て実在し、見事に北斗七星の形をしている!。この距離は私が描いていたイメージよりもはるかに大きく、端から端は約90kmほどある。

日がどっぷりと暮れてしまったノルマンディーからパリへの帰途、これらの修道院を全て回って秘宝のあるAlcorを探し出したい衝動に駆られてしまったが、これは次回の楽しみに取っておこう。

旅行の満足度
5.0
観光
4.5
ホテル
4.0
グルメ
5.0
ショッピング
4.0
交通
3.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
レンタカー 飛行機
航空会社
エールフランス
旅行の手配内容
個別手配
  • エトルタの針の岩(奇巌城)

    エトルタの針の岩(奇巌城)

  • エトルタの針の岩(奇巌城)

    エトルタの針の岩(奇巌城)

  • エトルタの海岸の風景

    エトルタの海岸の風景

  • モネが描いたエトルタの風景

    モネが描いたエトルタの風景

  • エトルタの海岸の風景

    エトルタの海岸の風景

  • エトルタの海岸のカモメ

    エトルタの海岸のカモメ

  • エトルタの街並み

    エトルタの街並み

  • エトルタの街並み

    エトルタの街並み

  • ルパン(モーリス・ルブラン)の家

    ルパン(モーリス・ルブラン)の家

  • ルパン(モーリス・ルブラン)の家

    ルパン(モーリス・ルブラン)の家

  • ルパンの家の宝物室

    ルパンの家の宝物室

  • ルパンの家の女王の首飾り

    ルパンの家の女王の首飾り

  • 奇巌城の壁に書かれたヨーロッパの盟主たち

    奇巌城の壁に書かれたヨーロッパの盟主たち

  • 奇巌城の壁に書かれたヨーロッパの盟主ルパン

    奇巌城の壁に書かれたヨーロッパの盟主ルパン

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