<br />1962年3月24日（土）<br /><br />ヨーロッパの最高峰モンブラン（標高4811ｍ）に登りたいのだが、時間もなければガイドを雇う金もない。<br /><br />もっと基本問題として、体力に自信がないが、トレーニングも出来ない。<br /><br />そこで少しでも近付こうと登るのが、ロープウェーでアプローチできるエギーユ・デュ・ミディ（標高3842ｍ）である。<br /><br /><br />ロープウェーの乗場は、思ったより街の真ん中にあった。<br /><br />ロープウェーのことを、フランス語では「テレフェリック」と言う。<br /><br />言葉の響きから、何かしら、風情を感じる。<br /><br />ここは標高1035メートルで、終点は3777メートル（エギーユの高さは3842メートル）、途中一カ所乗り継ぎがある。<br /><br /><br />起点と終点の標高差は、2800メートルもある。<br /><br />2800メートルと言えば、日本アルプスならばチョッとした独立峰の頂上である。<br /><br />それを僅か20分で一気に登るのだから、大したものだ。<br /><br /><br />途中標高2317メートルで中継ぎの乗り換えがあるが、支柱間隔が一番開いているところでは、標高差1470メートルを一気に登る。<br /><br />ゴンドラが昇るに従い、最初はシャモニーの可愛い街が素敵だが、急速に山が並びそそり立つ、アルピニズムの世界に入る。<br /><br /><br />左にエギーユ・デュ・ドゥリュー（標高3754メートル）、エギーユ・ヴェルトゥ（標高4121メートル）。<br /><br />右にエギーユ・デュ・グテ（標高3817メートル）。<br /><br />富士山（標高3776メートル）より高い山々の林立に、圧倒される。<br /><br />モンブラン（標高4811メートル）はやや離れ、マスのある真っ白な巨体で、山たちを睥睨している。<br /><br /><br />このテレフェリックは、1955年に造られた。<br /><br />1955年と言えば、その前年にディエンビエンフーの戦いでフランスが破れ、ベトナムから撤退した直後である。<br /><br />パリのエッフェル塔にテレビアンテナを取り付けられたのも、この年である。<br /><br />記念切手が発行された。<br /><br /><br />写真は「エギーユ・デュ・ミディ」wikipediaより転載されたものである。<br /><br /><br />（2011.1.19　片瀬貴文）<br /><br />「ソフィーさんの旅行記」http：//4travel.jp/traveler/katase/<br />「片瀬貴文さんの旅行記」http://4travel.jp/traveler/takafumi/<br />「片瀬貴文さんの記録」http://blog.alc.co.jp/d/2001114<br />

1962年のパリだより【853】フランスの誇る世界一のロープウェー

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1962/02/24 - 1962/02/24

556位(同エリア346件中)

#山・高原

ソフィさん

1962年3月24日（土）

ヨーロッパの最高峰モンブラン（標高4811ｍ）に登りたいのだが、時間もなければガイドを雇う金もない。

もっと基本問題として、体力に自信がないが、トレーニングも出来ない。

そこで少しでも近付こうと登るのが、ロープウェーでアプローチできるエギーユ・デュ・ミディ（標高3842ｍ）である。

ロープウェーの乗場は、思ったより街の真ん中にあった。

ロープウェーのことを、フランス語では「テレフェリック」と言う。

言葉の響きから、何かしら、風情を感じる。

ここは標高1035メートルで、終点は3777メートル（エギーユの高さは3842メートル）、途中一カ所乗り継ぎがある。

起点と終点の標高差は、2800メートルもある。

2800メートルと言えば、日本アルプスならばチョッとした独立峰の頂上である。

それを僅か20分で一気に登るのだから、大したものだ。

途中標高2317メートルで中継ぎの乗り換えがあるが、支柱間隔が一番開いているところでは、標高差1470メートルを一気に登る。

ゴンドラが昇るに従い、最初はシャモニーの可愛い街が素敵だが、急速に山が並びそそり立つ、アルピニズムの世界に入る。

左にエギーユ・デュ・ドゥリュー（標高3754メートル）、エギーユ・ヴェルトゥ（標高4121メートル）。

右にエギーユ・デュ・グテ（標高3817メートル）。

富士山（標高3776メートル）より高い山々の林立に、圧倒される。

モンブラン（標高4811メートル）はやや離れ、マスのある真っ白な巨体で、山たちを睥睨している。

このテレフェリックは、1955年に造られた。

1955年と言えば、その前年にディエンビエンフーの戦いでフランスが破れ、ベトナムから撤退した直後である。

パリのエッフェル塔にテレビアンテナを取り付けられたのも、この年である。

記念切手が発行された。

写真は「エギーユ・デュ・ミディ」wikipediaより転載されたものである。

（2011.1.19　片瀬貴文）

「ソフィーさんの旅行記」http：//4travel.jp/traveler/katase/
「片瀬貴文さんの旅行記」http://4travel.jp/traveler/takafumi/
「片瀬貴文さんの記録」http://blog.alc.co.jp/d/2001114