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ジャマー・マスジドはシャージャハーンの居城ラール・キラーから500メートルほどのところにある9メートルの丘の上に建ち、周囲に大理石で覆われたドームを見せつけながら城下を睥睨するインドで最大級のモスクです。シャージャハーン帝の時代である1644年に着工され、1658年に竣工しました。<br /><br />モスクの周辺は現在、オールド・デリーと呼ばれていますが、現在のオールド・デリーとはシャージャハーンの都城シャージャハナーバードがあった場所で、このモスクはその中心近くに建っています。周囲には当時のメインストリートだったチャンドニー・チョウク東西に走っているほか、モスクの東西にバーザールがあります。モスクやマドラサなどイスラーム建築の場合、その維持費を周辺の商業施設からのワクフによって成り立たせることが多いですが、このモスクもそのようにして運営されていたのかもしれません。<br /><br />行き方としては、最寄の地下鉄駅はChawri Bazarですが、メインバザールからなら徒歩圏内です。または、先にラール・キラーを見てから戻ってくるときに立ち寄るというのが良いルートかもしれません。大モスクが城のすぐ前に建てられるというパターン(アーグラーでも同様になっていました)があるので、それを実感できる回り方だと思うので。<br /><br />写真は中庭から礼拝堂のファサード前面を撮影したもので、3つの白大理石のタマネギ型ドームと左右に2本のミナレットを擁しています。中央出入口のイーワーンが大きくなっているのはイランなどで発達した形式です。

インド北部の旅~デリー ジャマー・マスジド

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2010/12/15 - 2011/01/01

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ヌールッディーンさん

ジャマー・マスジドはシャージャハーンの居城ラール・キラーから500メートルほどのところにある9メートルの丘の上に建ち、周囲に大理石で覆われたドームを見せつけながら城下を睥睨するインドで最大級のモスクです。シャージャハーン帝の時代である1644年に着工され、1658年に竣工しました。

モスクの周辺は現在、オールド・デリーと呼ばれていますが、現在のオールド・デリーとはシャージャハーンの都城シャージャハナーバードがあった場所で、このモスクはその中心近くに建っています。周囲には当時のメインストリートだったチャンドニー・チョウク東西に走っているほか、モスクの東西にバーザールがあります。モスクやマドラサなどイスラーム建築の場合、その維持費を周辺の商業施設からのワクフによって成り立たせることが多いですが、このモスクもそのようにして運営されていたのかもしれません。

行き方としては、最寄の地下鉄駅はChawri Bazarですが、メインバザールからなら徒歩圏内です。または、先にラール・キラーを見てから戻ってくるときに立ち寄るというのが良いルートかもしれません。大モスクが城のすぐ前に建てられるというパターン(アーグラーでも同様になっていました)があるので、それを実感できる回り方だと思うので。

写真は中庭から礼拝堂のファサード前面を撮影したもので、3つの白大理石のタマネギ型ドームと左右に2本のミナレットを擁しています。中央出入口のイーワーンが大きくなっているのはイランなどで発達した形式です。

  • 東の正門。<br /><br />モスクは丘の上に建っているのでこのような大階段を登って入場するようになっています。出入口は北南と東の3方にあり、それらを潜ると中庭になっていて西向きに主礼拝堂があります。<br /><br />門楼の屋根の上にはチャトリが並んでいます。

    東の正門。

    モスクは丘の上に建っているのでこのような大階段を登って入場するようになっています。出入口は北南と東の3方にあり、それらを潜ると中庭になっていて西向きに主礼拝堂があります。

    門楼の屋根の上にはチャトリが並んでいます。

  • ゲートを入るときに靴を脱ぎ、カメラ持込料という名目で200ルピー支払います。正直、モスクの割に入場料は高いです。<br /><br />また、中庭内には鳩が沢山おり、その糞が中庭中に落ちていたりするので、足の裏がちょっと気になります。鳥インフルエンザとかをもらわないか心配にもなります(笑)。私が行った時はさらに雨も降ってきたので裸足で雨が降った中庭を通らなければ靴がある入口にたどり着くことが出来ず、もうちょっと何とかならないのかなと思いました。<br /><br />ゲートは少し大きくなっていて、イランで発達したチャハール・イーワーン形式の中庭と似たような形になっています。

    ゲートを入るときに靴を脱ぎ、カメラ持込料という名目で200ルピー支払います。正直、モスクの割に入場料は高いです。

    また、中庭内には鳩が沢山おり、その糞が中庭中に落ちていたりするので、足の裏がちょっと気になります。鳥インフルエンザとかをもらわないか心配にもなります(笑)。私が行った時はさらに雨も降ってきたので裸足で雨が降った中庭を通らなければ靴がある入口にたどり着くことが出来ず、もうちょっと何とかならないのかなと思いました。

    ゲートは少し大きくなっていて、イランで発達したチャハール・イーワーン形式の中庭と似たような形になっています。

  • 通常のチャハール・イーワーン形式と違うのは、中庭を囲むアーケードが礼拝室にはなっておらず、この写真のように礼拝堂がほとんど独立した建物になっている点で、これはインドに独特のスタイルです。<br /><br />中庭を形成するアーケード部分と礼拝堂本体は外壁では繋がっていますが、内部では礼拝空間が繋がっていません。<br /><br />このような礼拝堂の独立化はインドの建築が彫刻と同様のものとして外に見せるものであるという伝統が反映しているためであると説明されます。

    通常のチャハール・イーワーン形式と違うのは、中庭を囲むアーケードが礼拝室にはなっておらず、この写真のように礼拝堂がほとんど独立した建物になっている点で、これはインドに独特のスタイルです。

    中庭を形成するアーケード部分と礼拝堂本体は外壁では繋がっていますが、内部では礼拝空間が繋がっていません。

    このような礼拝堂の独立化はインドの建築が彫刻と同様のものとして外に見せるものであるという伝統が反映しているためであると説明されます。

  • インドの建築が「外に見せるもの」であるという傾向はこのモスクに限らず、モニュメンタルな建築の多くが基壇の上に建てられて周囲より高くなっている(これはイスラーム建築だけでなくカジュラホのヒンドゥやジャイナ教の寺院も共通です)ことなどにも見て取れますが、さらにこの写真のようにムガル朝時代に発達したタマネギ型に膨らんだドームの形にも表れているように思います。<br /><br />このモスクのドームは他のモスクのドームと比べても非常に目立つものになっており、周辺の町からも見えるため、ランドマークとしての役割を果たしているように思います。<br /><br /><br />なお、向かって左側のミナレット(高さ39メートル)には登ることが出来ますが、100ルピーの追加料金が必要で、デリーの町はスモッグで景色が曇っており、私が行った時はさらに雨が降ってきたので、景色は全然綺麗ではなかったです。デリーも時間帯によってスモッグや靄がないことがあるので、ミナレットに登るかどうかは、周囲の空気の状態を勘案して決めた方が良いような気がします。<br /><br />まぁ、景色よりも私のように建築の構造に関心があるなら、景色が悪くても良いといえば良いのですが、それでも値段が結構高いのでちょっと損した気分でした(入場料[名目はカメラ持ち込み料]200ルピーの他にミナレット代100ルピーなので)。

    インドの建築が「外に見せるもの」であるという傾向はこのモスクに限らず、モニュメンタルな建築の多くが基壇の上に建てられて周囲より高くなっている(これはイスラーム建築だけでなくカジュラホのヒンドゥやジャイナ教の寺院も共通です)ことなどにも見て取れますが、さらにこの写真のようにムガル朝時代に発達したタマネギ型に膨らんだドームの形にも表れているように思います。

    このモスクのドームは他のモスクのドームと比べても非常に目立つものになっており、周辺の町からも見えるため、ランドマークとしての役割を果たしているように思います。


    なお、向かって左側のミナレット(高さ39メートル)には登ることが出来ますが、100ルピーの追加料金が必要で、デリーの町はスモッグで景色が曇っており、私が行った時はさらに雨が降ってきたので、景色は全然綺麗ではなかったです。デリーも時間帯によってスモッグや靄がないことがあるので、ミナレットに登るかどうかは、周囲の空気の状態を勘案して決めた方が良いような気がします。

    まぁ、景色よりも私のように建築の構造に関心があるなら、景色が悪くても良いといえば良いのですが、それでも値段が結構高いのでちょっと損した気分でした(入場料[名目はカメラ持ち込み料]200ルピーの他にミナレット代100ルピーなので)。

  • 中庭の中心には池がありますがアーケードのところには水道が完備されていました。水で手や足を洗ってから礼拝することになっているためモスクにはこうした水道施設が必要なのですが、こうした近代的な水道が歴史的建造物に付けられているのは珍しいかもしれません。

    中庭の中心には池がありますがアーケードのところには水道が完備されていました。水で手や足を洗ってから礼拝することになっているためモスクにはこうした水道施設が必要なのですが、こうした近代的な水道が歴史的建造物に付けられているのは珍しいかもしれません。

  • 礼拝堂の内部は奥行きがあまりなく、左右に広いプランとなっており(奥行き26メートル×幅60メートル)、これはインドのモスクに共通の形です。<br /><br />横長なのは信徒が並んでメッカの方向に向かって礼拝を行うからです。

    礼拝堂の内部は奥行きがあまりなく、左右に広いプランとなっており(奥行き26メートル×幅60メートル)、これはインドのモスクに共通の形です。

    横長なのは信徒が並んでメッカの方向に向かって礼拝を行うからです。

  • 主礼拝室の天井。<br /><br />あまり派手な装飾はなく、天井の形もやや扁平な感じです。<br /><br />このモスクは規模こそ大きいですが、装飾などはあまりなく簡素な感じさえ受けます。

    主礼拝室の天井。

    あまり派手な装飾はなく、天井の形もやや扁平な感じです。

    このモスクは規模こそ大きいですが、装飾などはあまりなく簡素な感じさえ受けます。

  • 主礼拝室のキブラ壁。ミフラーブとミンバルがあります。<br /><br />装飾はあまりなく、作りも大雑把というか形が少し大きいだけで迫力のようなものを感じるでもなく、繊細さが感じられるわけでもなく、何か物足りない感じです。

    主礼拝室のキブラ壁。ミフラーブとミンバルがあります。

    装飾はあまりなく、作りも大雑把というか形が少し大きいだけで迫力のようなものを感じるでもなく、繊細さが感じられるわけでもなく、何か物足りない感じです。

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