上海万博、秋の８日間を行く、前編

2010/09/17 - 2010/09/27

　上海万博を開幕期に続き、秋に８日間、家族４人（夫婦と子供２人）で見てきました。この旅行記は、準備編、前編、後編の３部作の中の１つです。前編では前半の４日間（９月１９日〜９月２２日）を紹介します。より詳しい内容は別の旅行記として記す計画です。

　表紙の写真は、民間企業共同館のステージの様子です。天井からつるされた球が上下に運動し、映像と音楽で不思議な世界を描いていきます。最初は緩やかに、次第に形を示す物を表現していきました。その最後には人が出てきて、太極拳の様な舞踊を見せてくれました。
　今回の万博には各国や各団体などのパビリオンの他に、極東の産業を紹介する産業館がありました。日本産業館、韓国企業共同館、民間企業共同館、上海企業共同館です。その中で最も気に入っていたのが、この民間企業共同館でした。明らかに少ない予算にも関わらず、豊富なアイデアを出して、すばらしいものを見せてくれました。順位をつけると次に気に入っていたのは、上海企業共同館です。ここも少ない予算で、上海の街の現在と将来への課題について紹介していました。優れているところは、入館者が参加しながらテーマ紹介の映像を体験できる点にあります。３番目は日本産業館です。それぞれの団体がバラバラに自己紹介している点が見本市かと思わせました。おみやげがもらえるので人を引きつけていたような気がします。最も評価が低いのは韓国企業館です。多客日でもならばずに入館できることが示しています。韓国の担当者が私的に費用を流用したとの噂が出ているように、あまりお金も人もかけられていません。抽選券を配っておきながら、その結果を見ずに全員うちわでした。

エリア 上海(中国)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 3.0
• ショッピング: 3.0
• 交通: 3.0

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: タクシー
• 航空会社: JAL
• 旅行の手配内容: 個別手配

　５・３ゲートにならぶ列の様子です。９月１９日７時４０分に写しました。

　奥に入場検査するゲートが写っています。その先は中国館です。まだ、検査をする係りの人は来ていません。

　写真の手前から右側奥にならぶ列にならんでいます。左側奥の列は立っている人が多いのに対して、私たちがならんでいる列は座っている人が多いです。列の前の方から人が徐々に座っていくのを不思議に眺めていると、鞄に携帯用のイスを沢山持ったおばさんが、そのイスを販売していることに気が付きました。朝早くから列に参加して、イスを販売しているようです。１脚１０元で会場外の店と価格は同じでした。私たちの手前のところで売り切りました。

　５・３ゲートにならぶ列の様子です。９月１９日８時４５分に会場の外側の方向を写しました。雪野村の住宅が写っています。

　日差しが強いので柵にならぶ人は黒く写っています。白いとんがり屋根のテントは役に立っていません。柵の外にならぶ人たちは、しっかりとした屋根がないので日傘を差していました。列を作らず、雑多にならんでいることが分かります。

　入場が始まると柵の外は混乱し、殺気だって押し合っていました。柵の中にならばないと、子供を連れているので安全が保てないと感じました。期間中はすべて早めに到着して、柵の中にならびました。

　中国国家館の予約券です。予約がない人は、このチケットがないと中国館に入場できません。毎日手にはいるとは思っていなかったので、昼食を取り終わった後に撮影しました。
　この日中国館に入場するつもりでいました。夕方にいくと１時間待ちだったので、初日から無理すること無いとあきらめました。なお、チケットは入場券の枚数に対してチケットを配るのではなく、入場する人に対して配っていたので、チケットはいつも４枚入手出来ました。

　開幕当初は薄い紙でした。写っているチケットは、厚みがあり、電子チップが組み込まれています。入場のときに検査器にかざして確認をします。チケットの券面の色の組合せは毎日変わりました。ピンクの色の大きな面積の部分が日替わりで、左下の緑の小さな面積の部分は一定期間（たぶん週変わりか５日おき）で変わりました。券面に印刷されている時刻に限らず、いつでも入場する列にならぶことが出来ます。

　チケットは今回の旅行８日間すべて入手することが出来ました。持ち帰ったのは、写真に写っている９月１９日の分と９月２６日の分です。残りのチケットは、回収をしている人に１枚５０元で売ってしまいました。後日中国館に入場するときにチケットを売っている人に価格を聞くと、標準で２００元、４０万人を越える多客日では５００元だとのことでした。接待をしている会社の人には１枚１０００元で売ることもあるそうです。

　中国館を西に雲台路を北上し突き当たった高架歩道の下の様子です。９時１７分に撮影しました。奥の明るいところには台湾館が写っています。

　高架下の人混みは、サウジアラビア館にならぶ人の列です。写真の中央を左右にある白い柵で区切られた奥にならびます。中央に立っている黄色っぽい柱の側に軍人が２人立っています。この軍人が柵にならびきると柵の空いているところをチェーンでつなぎ、柵の中に入れなくします。

　入場してすぐにサウジアラビア館にならぶつもりでいました。結局列に付いてみると、９０分待ちとの情報を得てあきらめてしまいました。開幕当初に見ているので無理することはありません。

　ニュージーランド館屋上庭園の温泉の様子です。９時３９分に撮影しました。本物の温泉ではなく、模型で水がわき出ています。奥に写っているのはテーマ館です。

　日差しをさけて高架下を歩き、涼みに入館しました。館内で印象に残る物はありませでした。屋上の庭園は、ニュージーランドの自然を表しているようでよいです。

　続けてシンガポール館を見学しました。螺旋状のスロープを登っていき、最上階でシンガポールを紹介する映像を見て、外に出ました。

　この後、世界気象館を見学しました。気象について４Ｄ映像で楽しませてくれました。子供たちは竜巻の発生の展示物に興味を示していました。

　国際赤十字・赤新月社連盟館を入場してすぐの様子です。赤十字の人たちが活躍する地域の様子を見せてくれます。奥に見えている人の顔は上から吹き下ろすガスをスクリーンに見立てて投影されています。

　入り口でアクセサリーを配っていました。ほとんどの入場者はこれをもらうと館内を素通りしていました。

　館の最後の部屋は、愛知万博のときと同様に音楽と映像で人を感動させるようになっていました。ここで５年前のように感動に浸りたいと思っていました。しかしながら、目の前を遠慮なく足早に通り過ぎる人たちで邪魔されました。非常に残念でした。

　音楽はミスチルのような歌ではなく、悲壮感のある楽曲だったので物足りませんでした。映像はスライドの羅列ではなく、動画を含んでいたので、よりリアリティがありました。

　宝鋼大舞台で行われた青海ウィークのイベントの様子です。始まってすぐに行われた歌のショーです。

　ショーを見る前、１１時半頃に青海の料理を昼食として食べました。食べられないものでなくてよかったです。

　食事の後、時間調整のために太平洋共同館で涼みました。開幕当初は展示物がほとんど無く、人もいない状態だったのに対して、物と人があふれていました。子供たちはスタンプを押したり、旗やバッチなどをもらったりしました。

　青海ウィークのイベントは、期待していたよりもよかったです。別の旅行記で詳しく紹介します。

　その後、万博文化センターの映画館で映画を見た後、万博文化センター内にある日本食堂で夕食として牛丼やラーメンを食べました。そしてテーマ館の１つである地球館を見学しました。ここにはサウジアラビア館の最上階と同様な展示物があります。大きな違いはここは自分で歩いて回るのに対して、サウジアラビア館は床が動いて歩く必要がないところです。

　この日は、アジア広場、アメリカ広場、アフリカ広場のステージを見た後、カナダ館を見学して帰宅しました。これらのショーも別の旅行記でいずれ紹介します。

　「徳中同行」館で行った街を作るゲームの結果です。ヨーロッパエリアにあります。

　９月２０日も前日と同様に入場しました。まず、万博文化センターに行ってメインのコンサートホールで行われる「中国東方演芸集団」のチケットと音楽クラブで行われる「二胡演奏会」のチケットを手に入れました。その後、万博センターの近くのチケットブースで「バングラディッシュのナショナルデーイベント」のチケットを手に入れました。このとき中国館予約券を回収している人と初めて出会いました。

　この日はヨーロッパエリアを見た後、コンサートを見る計画にしました。まず、子供の希望でスイス館にいきました。リフトが動いていなかったのでフランス館に入場しました。開幕当初あったバラの花いっぱいの部屋はなくなっていました。残念でした。
　フランス館を出るとイギリスによる行進を準備しているのを目にしたので待機したのち、一緒に歩きながら見ました。その後ルクセンブルク館で、映像を見ながらくつろいだ後、近くでイタリアのジェラートを食べました。

　食事に行く途中、空いていたので写真に写っているゲームをする館に入館しました。入館前に記念撮影をします。その写真はゲームをした後にもらうＩＤでホームページから見ることが出来るそうです。
　ゲームは参加者全員が横一列にモニターの前にならんで行います。まず、体の形を変えてビルを造ります。その後手をつなぐことによって水道管をつなげたり、電力を供給します。
　右手はうちの子供と手をつなぎました。もう一方の手は美しい中国人でドキドキしてしまいました。
　ゲームの結果が記されたＩＤはカードに書かれていました。開幕当初は板ゴムの磁石でした。

　焼き小籠包などの昼食を食べて、太平洋共同館で時間調整した後、１６時から万博文化センターでコンサートを見ました。タイトルは同じでもコンサートの内容は開幕当初と異なっていました。詳しくは別の旅行記で紹介します。

　音楽クラブで行われた二胡演奏会の様子です。ビデオ映像から切り出した画像です。音楽クラブは万博文化センターの中にある小さなコンサートホールです。野外ステージよりも小さく感じるホールです。ＶＩＰ席などもあり、高級感があります。

　この日はここで二胡演奏会を聞きました。中国で二胡を学んだ後、演奏者はヨーロッパなど海外で演奏活動をしていたそうです。最後に師匠が出てきて競演しました。演奏はまずまずでした。

　万博センターで開かれたバングラディッシュのナショナルデーイベントの終了後に行われた記念撮影会の様子です。イベントに参加人たちとバングラディッシュ館の人たちが写っています。

　イベントの内容は別の旅行記で報告する計画です。

　本日の最後に、イタリア館を見て帰りました。いろいろな意味で芸術性が高いと感じました。開幕当初配っていたキャンディのサービスは無くなっていました。

　３号ゲートにならぶ列の様子です。９月２１日７時４４分に写しました。浦東地区と比較して浦西地区は空いています。

　このゲートの屋根はミストが出てきます。少し造りが悪いです。開幕当初は雨がぽたぽた落ちてくるようでした。その後改善されたようで、水の滴りは少なくなっていました。

　家を出て万博タクシーで南浦大橋を渡って来ました。料金は２４元です。

　この日はナショナルデーイベントなどの特殊なイベントが予定されていないので、遊園地のような楽しみのある浦西地区で遊ぶことにしました。

　情報通信館で貸し出される携帯端末です。端末から出ている白い線はヘッドホンにつながっています。館内の音声が中国語であるのに対して、ヘッドホンからの音声は日本語と英語を選ぶことが出来ます。

　端末を受け取って時間内に個人情報を登録する必要があります。子供の面倒を見ながら取り組むと自分の分か子供の分のどちらかはいつも間に合いません。時間のゆとりがある人は端末の調整中に映像を見て待つことが出来ます。

　端末を調整した後、つぎの部屋で未来の通信の便利さを映像で体験します。実際に雪のような物が降ったりします。開幕当初は故障していて映像の半分を見ることは出来ませんでしたが、今回はすべて緩衝することが出来ました。

　最後の部屋では単純なコンピューターゲームをして遊ぶことが出来ます。韓国館、ベルギー館など同様なことを行っている館が多数ありまり、子供たちはいつも素直に遊んでしまいます。

　ここを出た後、自動車館に行って予約券を手に入れました。この旅行記の表紙の民間企業共同館を見学し、日本産業館までバスで移動して、韓国企業間の近くで昼食を食べました。万博博物館を見学して、バスで移動し、ベストシティ実践区を見学しました。開幕のとき時間が無くて見られなかった大阪館は、期待はずれでした。子供たちは、いろいろなパビリオンで日本語であいさつして景品などを手に入れました。缶バッチの付いたＴシャツがお気に入りにの様です。

　Ｌ１フェリーターミナルの船に乗り込む列を写しました。夕日がきれいです。

　浦西地区と浦東地区の移動には時間のある限り、船を利用することにしました。愛知万博で燃料電池バスによる移動ではなくて、ゴンドラを利用するのと同じ理由です。ゆったりと景色を見ることが出来るからです。特に夜景はきれいで、沢山のカップルがいます。わざわざ外灘観光で船に乗るよりも、お値打ちです。

　船に乗る直前に自動車館を見学しました。開幕のときよりも映像がにじんでいて見づらく、感動が少なくなりました。

　船を下りた後、吉野屋に行き夕食を食べました。空いていたのでカタール館に寄ったら、明日雨が降るからとポンチョを人数分いただきました。日本人だからとくれたようで、その後群がってきた中国人は追い払っていました。他の館でも同様な光景を目にしていて、中国人に対して優しくないような感じがしました。

　バスで移動してヨーロッパ広場で行われるアルメニアのナショナルデーイベントを鑑賞しました。引き続き空いていたので、チェコ館、スロバキア館、ポルトガル館、デンマーク館、ノルウェー館、ロシア館などと立て続けに見学し、帰宅しました。

　５・３ゲートにならぼうとする人の列です。９月２２日７時２６分に撮影しました。

　中国のお盆に当たる日だから混雑すると前日に聞いていたので、７時からならび始めました。ちょうど列が動き始めたときにならび始めたので最初の様子は分かりません。列の半分の折り返し地点に来たので撮影しました。この列を進んでいって軍人さんのいるゲートをくぐってから、いつもの柵の中に入ります。

　５・３ゲートにならぶ列の様子です。９月２２日８時２６分に写しました。柵の中でくつろいでいて、思いついて撮影したのでこの時刻になっています。柵の外は大変混雑していて、身体をくっつけてならんでいるような感じがありました。子供連れはつぶされそうで危険です。

　混雑していても柵の中央よりも前にならんでいたので、中国国家館の予約券は手に入りました。ただし、出かける時刻を３０分以上早める必要がありました。予約券を入手することよりも柵の中で安全にならぶことの方が、私たちに取って重要です。

　この日はアジアと南アメリカの国を回って、タジキスタンのナショナルデーイベントを鑑賞する計画でした。

　韓国館１階の様子です。左下の白い柵が見えているところに２階へ上がるためにならぶ列があります。天井の上は２階で展示物や映像を見るホールがあります。中央奥の階段状のところに座っている人たちは太鼓のショーを見る人たちです。

　韓国館にはならぶ列が４種類あります。１つは２階へ行くエスカレータに続く列です。２階の映像を見るには２階で再びならぶ必要があります。ならばずに通り過ぎるとそのまま外に出てしまいます。スタンプを押すコーナーでは入場券にシールを貼ってくれます。次の１つは太鼓のショーを見る列です。この列にならび、階段に順に座っていきます。そこで太鼓のショーを２０分ほど鑑賞します。このショーは２階に行く列からでも鑑賞できます。さらに次の列は記念品販売所にならぶ列です。最後の列は韓国料理のレストランにはいるための列です。それぞれ個別にならぶことになります。

　開幕のときに時間が無くて入館できませんでした。愛知万博のときと比較するとハイテクによって展示物を見せている部分が大きな変更点です。映像は、戦争に徴収されたロボに対して、身体が不自由で絶望している女の子と勇気の無い男の子の物語に変わっています。ショーは韓国の舞踊が省かれた感じです。

　万博会場に入場してすぐに韓国館にならびました。韓国館を出た時刻は９時４８分でした。

　カザフスタン館の最初の部屋の様子です。壁に掛かっているパネルはセンサーがついていて手を振ったりすると映像が変化して遊ぶことが出来ます。また、画面のついたテーブルはタッチパネルになっていて、カザフスタンの情報を検索することが出来ます。このような物は他のパビリオンでも採用されていて、今回の万博でよく見られました。

　１０時前からならんで、入場出来たのは１３時前でした。ならぶ人の数が多くないからと判断して、ならんだのが失敗でした。列にならびながら、テイクアウトしたお弁当を食べて時間を過ごしました。

　人気があるのは４Ｄを鑑賞できるからです。そこは２０人くらいしか入ることが出来ません。タジキスタンの特徴ある景色を旅行できます。４Ｄの特徴としてイスが振動するのです。

　この館を出た後、気分転換に南アメリカのパビリオンがならんでいるところへバスで移動しました。

　ベネズエラ館の出口から見た７号ゲート付近にある団体用駐車場です。開幕当初にはまったく使用されていなかった駐車場がいっぱいになっていました。これだけの団体が入場していることが分かります。

　ベネズエラ館の外壁には赤色の花の造形物が多数飾られています。エスカレーターで入場すると、展示物があって、階下に南米風のくつろげる丸くて広い中庭があります。下に降りていって白いテーブルにお弁当を広げて食べている家族がいました。テーブル前の壁にはベネズエラを紹介する映像を見るためのモニターが設置されています。食事の後、ハンモックに寝そべってシエスタを取ることが出来ます。再び館内に戻ると映像を見たり、コンサートを鑑賞したりすることが出来るホールがあります。

　ここに入る前にキューバ館を見学しました。また、ここを出た後にはチリ館、メキシコ館を見学しました。その後、アジアエリアに移動しました。レバノン館、北朝鮮館、ウズベキスタン館を見た後、アジア広場に向かいました。

　アジア広場で行われたタジキスタンのナショナルデーイベントの様子です。ビデオから切り出した画像です。

　ナショナルデーイベントが野外ステージで行われるのは、かわいそうです。これまでに南アフリカ、アルメニアなどのナショナルデーイベントを鑑賞しました。そのときはイスのあるところから閉め出されました。今回はイスのあるところに座って鑑賞できてよかったです。イベントの様子は、別の旅行記に記す予定です。

　イベントが始まる前に中国人女性２人から声をかけられました。日本人だと分かると片言の日本語で中国のお盆について説明してくれました。また、月餅を食べなければならないと言って、月餅をいただきました。お返しとして日本から持ってきたシナモン味の飴を京都風の味と言ってあげました。

　ＵＡＥ館の様子です。天井からつるされた多数の直方体に映像を映してＵＡＥを紹介していきます。

　その他にも映像を見るコーナーがありました。ＵＡＥの自然について理解を深めることが出来ます。展示物もありました。この館を出て帰宅しました。

　この館を見学する前に、タジキスタン館、モロッコ館、トルクメニスタン館、パキスタン館、オマーン館を見学しました。