2010/08/14 - 2010/08/14
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Giraudさん
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ロンドンから日帰りで、主にイングランドのゴシック建築を巡る旅。
ソールズベリー大聖堂の次は、郊外の旧城市の廃墟オールド・セーラムを訪問しました。
ストーンヘンジとどちらを見るか迷っていたのですが(両方とも行く時間はなく)、ソールズベリー大聖堂の中にあったオールド・セーラムの模型を見て、ここに行ってみたいと決めました。
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バス停を下りたところ。
ツアー・バスではなく、普通の市バスを使いました。
運転手に行先を告げておくと、降車するバス停を教えてくれました。 -
標識を頼りに歩きます。
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野原に放し飼いの鶏がいました。
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現在のオールド・セーラムの空撮。
二重の空堀がある約400m×360mの楕円形の丘。
5000年前の鉄器時代から、天然の砦として人類が居住。
ローマ時代にはソルウィオドゥヌムSORVIODVNVMと呼ばれました。
アングロ・サクソン時代になると、侵略してきたヴァイキング(デーン人)に対する抵抗の拠点になりました。 -
オールド・セーラムの模型。
ソールズベリー大聖堂の中にあったもの。
ノルマン征服王朝の時代、オールド・セーラムは周囲に石壁が築かれて城壁都市となります。
外郭の西にはノルマン様式の大聖堂が、またヘンリー1世王の治世には内郭に王宮が建設されました。
しかしのちにニュー・セーラム、つまり現在のソールズベリーに大聖堂が移転したため、街は寂れていき、ついに無人の廃墟となります。
(それでも19世紀まで議席は残っていました。さすがイギリス・・・) -
オールド・セーラムの外堀。
これの内側が庶民のいた旧市街。 -
オールド・セーラムの内郭への入口。
この向こうは為政者の居住区。 -
オールド・セーラムの内堀。
内外とも、もともと水の張っていない空堀でした。 -
王宮の跡。
16世紀にヘンリー8世王が残っていた廃墟も建材として売却したため、現在は野原のあちこちに土台が残るだけ。 -
王宮の想像図。
ウィリアム征服王の子ヘンリー1世の時代(1120〜30年)に建設。
大広間や謁見室、王の昼夜それぞれの私室、礼拝堂がありました。 -
城の水源の井戸。
深さ70m以上。
召使たちが噂話に夢中になる場所。 -
オールド・セーラムの大聖堂の想像図。
最初の大聖堂は1075〜92年に建築。
初代ソールズベリー司教ハーマンが企画、後継の司教オスマンドが完成させたノルマン様式(ロマネスク様式)の教会堂でした。
1120〜30年に、3代目ソールズベリー司教にして国王ヘンリー1世の側近でもあったノルマンディー出身のロジャー・オブ・カンが増築。 -
オールド・セーラムの大聖堂の跡。
十字形の土台だけが残っています。
教皇インノケンティウス3世に破門されたジョン欠地王の世、教会の拡張を巡って王と対立した司教リチャード・プーアが、街を離れて自分の領地に新しい大聖堂(現在のソールズベリー大聖堂)を建てたため、住民も後を追って移住、オールド・セーラム衰退のきっかけとなりました。 -
天気が良くなったと喜んだのも束の間、北の空から暗雲が。
セスナやパラグライダーが飛んでいましたが、大丈夫でしょうか? -
王の厠の想像図。
13世紀に増築された屋外のトイレ棟。
国王ヘンリー3世は、トイレの装飾にこだわる人だったそうです。
もちろん水洗式ではなく、汲み取り式。
トイレット・ペーパーにはちぎった布を使用しました。
紙のほうが高価だったということでしょうか。 -
王の厠の跡。
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王の主塔。
当初の王の居館で、城壁に連結した防御塔でもありました。
入口は、外部階段から2階(イギリス英語のfirst floor)へ。
防御優先で住み心地は悪く、他の中世城壁都市と同様、のちには内郭に別に王宮が建設されました。 -
王の主塔の跡。
オールド・セーラムの中では、原形を留めている方かも。 -
主塔の地下の想像図。
地上階からは梯子で下りました。
もともとは倉庫・武器庫でしたが、後には牢獄に転用。 -
城壁の跡。
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ジョン王の新広間の想像図。
13世紀初頭(1201〜08年)に建設。
主に裁判所として使われました。
このイラストは、小作人同士の争いを州長官が仲裁しているところ。 -
ジョン王の新広間の跡。
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土手の上。
かつてはこの上に城壁が築かれていました。
結構急斜面で、空堀でも重い武具を装備して登るのは難しそうです。 -
土手の上から“ニュー・セーラム”を遠望。
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望遠で撮影したソールズベリー大聖堂。
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パン焼きかまどの跡。
火災の危険があるため、厨房は王の居館とは別棟でした。
平時に城に常駐していたのは、王の代官と部下、門番、料理人、弓射手、重装歩兵など、総勢20人程度だったそうです。 -
いたるところに転がっていたウサギの糞。
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雨霧に包まれるソールズベリーの遠望。
ついに雨がやってきました。
野外の遺跡だったので、見終わるまで降らなかったのは幸い。
傘を差してバス停で待てども、市バスはなかなか来なかったのですが、親切なツアー・バスの運転手がチケットなしで乗せてくれました。 -
マーケット・プレイス
Market Place
15世紀からあるソールズベリーの市場。
石の建造物ポールトリー・クロス(Poultry=家畜)が残っています。
ゴシック様式のフライングバットレスは1852年に追加されたもの。 -
約1時間半でロンドン・ウォータルー駅に到着。
ソールズベリーSalisbury駅18:21発
ロンドン・ウォータルーLondon Waterloo駅19:49着
夕食はパスタにしたのですが、麺が茹ですぎでそうめんみたいでした。
イタリアンでも、イギリスで食べればイギリスの味・・・
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