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 古城に腰を落ち着け、麗江周辺の村々を探索してみることにしました。やっかいなことに、大半の見所で、麗江古城維持費を要求されるのですが、まあなんとかなるでしょう。<br /> <br /><br />**情報は2010年12月のもの。1人民元=12.5円で計算。<br /><br />==麗江逃票日記 シリーズ一覧==<br />① 古城維持費なんていらない(獅子山公園、万古楼、木府)<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10527829/<br />② 旅人は郊外をめざす(束河古鎮、白沙鎮、拉市海、ドクターホー) &lt;==<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10529215/<br />③ 私の大好きな黒龍潭公園(玉泉公園)<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10528121/<br />④ 長江第一湾の極上の展望台(石鼓)<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10528734/<br />⑤ ならず者のための玉龍雪山案内 (氷川公園、雲杉坪、ヤク坪)<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10527815/<br />⑥ 理想じゃない村 宝山石頭城<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10532864/<br /><br />==石頭城外伝 シリーズ一覧==<br />① 正面から見たければ対岸に渡れ <br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10534262/<br />② 太子関はどこですか<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10534264/<br />③ 宝山郷バオバオ・トレック(郷政府への道)<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10534460/<br /><br />

麗江逃票日記② 旅人は郊外をめざす(束河古鎮、白沙鎮、拉市海、ドクターホー)

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2010/12/12 - 2010/12/13

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世界攻略者

世界攻略者さん

 古城に腰を落ち着け、麗江周辺の村々を探索してみることにしました。やっかいなことに、大半の見所で、麗江古城維持費を要求されるのですが、まあなんとかなるでしょう。


**情報は2010年12月のもの。1人民元=12.5円で計算。

==麗江逃票日記 シリーズ一覧==
① 古城維持費なんていらない(獅子山公園、万古楼、木府)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10527829/
② 旅人は郊外をめざす(束河古鎮、白沙鎮、拉市海、ドクターホー) <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10529215/
③ 私の大好きな黒龍潭公園(玉泉公園)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10528121/
④ 長江第一湾の極上の展望台(石鼓)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10528734/
⑤ ならず者のための玉龍雪山案内 (氷川公園、雲杉坪、ヤク坪)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10527815/
⑥ 理想じゃない村 宝山石頭城
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10532864/

==石頭城外伝 シリーズ一覧==
① 正面から見たければ対岸に渡れ
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10534262/
② 太子関はどこですか
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10534264/
③ 宝山郷バオバオ・トレック(郷政府への道)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10534460/

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  • [目次]<br /><br /> 束河村<br /> 白沙村<br /> ドクター・ホー<br /> 拉市海<br /> まとめ<br />

    [目次]

     束河村
     白沙村
     ドクター・ホー
     拉市海
     まとめ

  •  古城を歩きつくした後、次にめざすのが麗江近郊の村々。いずれも距離的に近く、その気になれば一日で回れます。旅行者は、古城にはない「観光地化されていない街や自然」を求めて郊外に出るのですが、実際の所どうなんでしょうか。行ってみることにします。<br /><br />1. 束河古鎮 (整備された古い街並み、映画のロケ地)<br />2. 白沙古鎮 (壁画、古い街並み、ドクター・ホー)<br />3. 拉市海 (湖、湿地、乗馬)<br /><br />写真: 赤い点:麗江古城、青い点:上から、白沙、束河、拉市海

     古城を歩きつくした後、次にめざすのが麗江近郊の村々。いずれも距離的に近く、その気になれば一日で回れます。旅行者は、古城にはない「観光地化されていない街や自然」を求めて郊外に出るのですが、実際の所どうなんでしょうか。行ってみることにします。

    1. 束河古鎮 (整備された古い街並み、映画のロケ地)
    2. 白沙古鎮 (壁画、古い街並み、ドクター・ホー)
    3. 拉市海 (湖、湿地、乗馬)

    写真: 赤い点:麗江古城、青い点:上から、白沙、束河、拉市海

  • [束河古鎮]<br /><br /> まずは一番近い束河古鎮から。香格里拉大通から乗り合いワゴン(写真)が頻発しているので、それに乗ります(乗り場は歩き方を参照)。運賃は2元(25円)。束河古鎮の入場料は、50元(630円) + 麗江古城維持費レシート(80元)。事前のリサーチでは、「中の客桟に泊まっている」と言えば入場料を免除されることがわかっています。

    [束河古鎮]

     まずは一番近い束河古鎮から。香格里拉大通から乗り合いワゴン(写真)が頻発しているので、それに乗ります(乗り場は歩き方を参照)。運賃は2元(25円)。束河古鎮の入場料は、50元(630円) + 麗江古城維持費レシート(80元)。事前のリサーチでは、「中の客桟に泊まっている」と言えば入場料を免除されることがわかっています。

  •  ワゴンは香格里拉大通を北進し、左に曲がります。10分も経たずに束河鎮に到着。あれ、検問なかったぞ。そう、乗り合いワゴンに乗れば、入場券を買うことなく、村の中に入れてしまうのです。対策は全く必要ありませんでした。<br /><br /><br />写真: 村へと続く道路。青い点が村の入り口。

     ワゴンは香格里拉大通を北進し、左に曲がります。10分も経たずに束河鎮に到着。あれ、検問なかったぞ。そう、乗り合いワゴンに乗れば、入場券を買うことなく、村の中に入れてしまうのです。対策は全く必要ありませんでした。


    写真: 村へと続く道路。青い点が村の入り口。

  •  気になったので、少し戻って村の手前にあるゲート(写真)に行ってみました。確かにここにはチケットオフィスがあります。ただ、ここで停止するのは、団体客を乗せたバスと個人客を乗せたタクシーのみ。<br /><br /> では、なぜ乗り合いワゴンは入場料徴収に協力しないのでしょうか。いくつか理由があると思いますが、最大の理由は(待ったり、現地人かどうかチェックするのが)「面倒くさいから」。これにつきます。チケットオフィスの職員もこの状況を黙認しているようです。<br /><br /> さらに分析すれば、麗江での乗り場が古城から離れていること、自転車で来る個人旅行者が多いこと、などの理由で、この乗り合いワゴンに乗る旅行者が極めて少ないという事情もあります。

     気になったので、少し戻って村の手前にあるゲート(写真)に行ってみました。確かにここにはチケットオフィスがあります。ただ、ここで停止するのは、団体客を乗せたバスと個人客を乗せたタクシーのみ。

     では、なぜ乗り合いワゴンは入場料徴収に協力しないのでしょうか。いくつか理由があると思いますが、最大の理由は(待ったり、現地人かどうかチェックするのが)「面倒くさいから」。これにつきます。チケットオフィスの職員もこの状況を黙認しているようです。

     さらに分析すれば、麗江での乗り場が古城から離れていること、自転車で来る個人旅行者が多いこと、などの理由で、この乗り合いワゴンに乗る旅行者が極めて少ないという事情もあります。

  •  束河には、最低2つのチケットオフィスがあります。ひとつは、先に紹介したメインゲート(T1)。団体バスや乗り合いバスがここを通ります。村の中心・四方街から東に進んだ先にも、やる気のなさそうなチケット小屋(T2)がひとつあります。村の中に入る道は他にもあるので、もし仮に自転車で来た場合、T2の前の道を南に進んで、村の入り口広場に直接入るか、村の北側から入ればいい訳です。<br /><br />写真: 束河の地図。赤い点:上(T2),下(T1)。青い点: 上(四方街),下(四方聴音広場)。緑の点: 乗り合いワゴン乗り場。黄色い線:道、水色の線:水路、赤い線:地図にのってない道<br /> <br /> 

     束河には、最低2つのチケットオフィスがあります。ひとつは、先に紹介したメインゲート(T1)。団体バスや乗り合いバスがここを通ります。村の中心・四方街から東に進んだ先にも、やる気のなさそうなチケット小屋(T2)がひとつあります。村の中に入る道は他にもあるので、もし仮に自転車で来た場合、T2の前の道を南に進んで、村の入り口広場に直接入るか、村の北側から入ればいい訳です。

    写真: 束河の地図。赤い点:上(T2),下(T1)。青い点: 上(四方街),下(四方聴音広場)。緑の点: 乗り合いワゴン乗り場。黄色い線:道、水色の線:水路、赤い線:地図にのってない道
     
     

  •  束河はナシ族が初期に住み始めた集落のひとつ。茶馬古道のルート上にあり、長らく古い村が保存・維持されてきました。ここも麗江の世界遺産の一部分です。<br /><br /> で、実際はどうかといえば、古城同様、整備されすぎて「造られた古鎮」といった感じです。古城と違って、坂道がなく全体的に道が広い。開放的で歩きやすい反面、街歩きの楽しさはいまひとつです。

     束河はナシ族が初期に住み始めた集落のひとつ。茶馬古道のルート上にあり、長らく古い村が保存・維持されてきました。ここも麗江の世界遺産の一部分です。

     で、実際はどうかといえば、古城同様、整備されすぎて「造られた古鎮」といった感じです。古城と違って、坂道がなく全体的に道が広い。開放的で歩きやすい反面、街歩きの楽しさはいまひとつです。

  •  入り口から、奥に進むと四方聴音という広場に出ます。ここには大きなステージがあり、昼(3時頃)と夜(7:30)にショーが行われます。昼の部(写真)は、ステージ上で踊りなどが披露されます。

     入り口から、奥に進むと四方聴音という広場に出ます。ここには大きなステージがあり、昼(3時頃)と夜(7:30)にショーが行われます。昼の部(写真)は、ステージ上で踊りなどが披露されます。

  •  一方、夜の部は、ショーというよりは参加型のプログラム。広場の中心に松明を置き、その周りをダンサーや現地の小学生などが輪になって踊ります(写真)。のりのいい観光客はそれに加わります。<br /><br /> 束河にも客桟はあるのですが、宿泊客の総数が少ないので、夜の古城のような盛り上がりはありません。束河への乗り合いバスは夜も出ています。

     一方、夜の部は、ショーというよりは参加型のプログラム。広場の中心に松明を置き、その周りをダンサーや現地の小学生などが輪になって踊ります(写真)。のりのいい観光客はそれに加わります。

     束河にも客桟はあるのですが、宿泊客の総数が少ないので、夜の古城のような盛り上がりはありません。束河への乗り合いバスは夜も出ています。

  •  束河は村の中を川が流れ、裏は山になっています。乗馬用の馬もいて、何か「映画村」にでもいるような錯覚を覚えます。事実、高倉健主演の「単騎、千里を走る」の一部分はこの村で撮影されました。<br /><br /> 四方聴音からさらに村の奥に進むと、村の中心である四方街にたどり着きます。そのすぐ先の橋(写真)で映画の撮影が行われたそうです。束河には、新婚写真スタジオが多数あるため、この近辺でポーズを決めるカップルをよくみかけます。<br />

     束河は村の中を川が流れ、裏は山になっています。乗馬用の馬もいて、何か「映画村」にでもいるような錯覚を覚えます。事実、高倉健主演の「単騎、千里を走る」の一部分はこの村で撮影されました。

     四方聴音からさらに村の奥に進むと、村の中心である四方街にたどり着きます。そのすぐ先の橋(写真)で映画の撮影が行われたそうです。束河には、新婚写真スタジオが多数あるため、この近辺でポーズを決めるカップルをよくみかけます。

  •  橋を渡ると、テーマパーク臭が薄れ、やや牧歌的な雰囲気。山側には客桟が何軒かあります。さらに道沿いにすすむと、三眼井と畑が見えてきます(写真)。このあたり、獅子山公園以外、これといった自然がない古城とは違います。

     橋を渡ると、テーマパーク臭が薄れ、やや牧歌的な雰囲気。山側には客桟が何軒かあります。さらに道沿いにすすむと、三眼井と畑が見えてきます(写真)。このあたり、獅子山公園以外、これといった自然がない古城とは違います。

  •  ここまで来るとかなり静かです。ミニ麗江的な位置づけの束河ですが、端から端まで歩くと結構広い。<br /><br /> 束河には、自分でとった野菜を売るオバサンが何人かいます(写真)。きゅうり一本(1.5元=19円)を買い、そろそろ引き返すことにします。

     ここまで来るとかなり静かです。ミニ麗江的な位置づけの束河ですが、端から端まで歩くと結構広い。

     束河には、自分でとった野菜を売るオバサンが何人かいます(写真)。きゅうり一本(1.5元=19円)を買い、そろそろ引き返すことにします。

  •  帰る途中、村の裏山に寺の旗が立っているのに気づき、登ってみました。この山道は拉市海方面へも続いているようです。<br /><br /> 街を見下ろすと「整備された」束河のすぐ隣に、普通の古い村(写真)があるのがわかります。ほとんどすべての家が中庭のある造りで、こちらは生活観が感じられます。もしこの集落も束河だとすれば、こちらこそが本物の世界遺産。お金を取って見せている方はショーケースに過ぎません。と、なんだか納得したところで村を去ります。

     帰る途中、村の裏山に寺の旗が立っているのに気づき、登ってみました。この山道は拉市海方面へも続いているようです。

     街を見下ろすと「整備された」束河のすぐ隣に、普通の古い村(写真)があるのがわかります。ほとんどすべての家が中庭のある造りで、こちらは生活観が感じられます。もしこの集落も束河だとすれば、こちらこそが本物の世界遺産。お金を取って見せている方はショーケースに過ぎません。と、なんだか納得したところで村を去ります。

  • [白沙古鎮]<br /><br /> 次に、束河からさらに北に向かった先にある白沙に行ってみます。アクセスは、こちらも香格里拉大通のワゴン乗り場から(束河行きとは別の場所)。運賃は3元(38円)。<br /><br /> 白沙と束河は同方向にあるので、麗江に戻らずに乗り合いワゴンを乗り継ぐこともできます。束河から行く場合、交通量の多い道路まで数分歩いて(東方向)、路上で青い白沙行きワゴンを拾います。席があれば乗せてもらえます(3元)。逆に白沙から束河に行く場合、運転手に言えば少し遠回りして束河に寄ってくれます。<br /><br />写真: 青い点:束河 赤い点: 白沙<br />

    [白沙古鎮]

     次に、束河からさらに北に向かった先にある白沙に行ってみます。アクセスは、こちらも香格里拉大通のワゴン乗り場から(束河行きとは別の場所)。運賃は3元(38円)。

     白沙と束河は同方向にあるので、麗江に戻らずに乗り合いワゴンを乗り継ぐこともできます。束河から行く場合、交通量の多い道路まで数分歩いて(東方向)、路上で青い白沙行きワゴンを拾います。席があれば乗せてもらえます(3元)。逆に白沙から束河に行く場合、運転手に言えば少し遠回りして束河に寄ってくれます。

    写真: 青い点:束河 赤い点: 白沙

  •  麗江から約20分、束河から約10分足らず白沙鎮に到着。たいてい白沙壁画近くのT字路で降ろされます。ここから玉龍雪山方向に歩くと白沙壁画の入り口。左手方向の道を進むと、白沙のメインストリートに出ます。<br /><br />写真: メインストリート入り口付近

     麗江から約20分、束河から約10分足らず白沙鎮に到着。たいてい白沙壁画近くのT字路で降ろされます。ここから玉龍雪山方向に歩くと白沙壁画の入り口。左手方向の道を進むと、白沙のメインストリートに出ます。

    写真: メインストリート入り口付近

  •  白沙はかつてのナシ族の中心地。ガイドブックにはよく、「麗江古城は観光化されすぎだから、ナシ族の普通の村を見たければ白沙に行け」と書かれています。確かにここは、あまり観光地化されていません。普通の民家を改造した宿やレストラン、土産物屋が何軒かあるくらいです。その一方、普通の村に過ぎないこの場所に滞在しても、たいくつだろうーな、という気がします。

     白沙はかつてのナシ族の中心地。ガイドブックにはよく、「麗江古城は観光化されすぎだから、ナシ族の普通の村を見たければ白沙に行け」と書かれています。確かにここは、あまり観光地化されていません。普通の民家を改造した宿やレストラン、土産物屋が何軒かあるくらいです。その一方、普通の村に過ぎないこの場所に滞在しても、たいくつだろうーな、という気がします。

  •  白沙村には入村料はありませんが、白沙壁画を見るには30元+麗江古城維持費レシート(80元)が必要です。敷地内には白沙壁画に加え、木氏や村の歴史を紹介した展示があります。団体ツアーの場合、たいてい白沙壁画の正門手前の駐車場にバスを止め、中をに入ります。壁画を見学した後は、そのまま裏口から出て白沙の町を散策して、駐車場に戻ってきます。<br /><br /><br />写真: 白沙壁画 入り口。

     白沙村には入村料はありませんが、白沙壁画を見るには30元+麗江古城維持費レシート(80元)が必要です。敷地内には白沙壁画に加え、木氏や村の歴史を紹介した展示があります。団体ツアーの場合、たいてい白沙壁画の正門手前の駐車場にバスを止め、中をに入ります。壁画を見学した後は、そのまま裏口から出て白沙の町を散策して、駐車場に戻ってきます。


    写真: 白沙壁画 入り口。

  •  裏門があるのなら..ということで、セオリー通り裏門からの入場を試みます。村のみやげ物街を逆行し、裏門(写真奥)に到着。ここには、ご丁寧に「裏門からの入場はご遠慮ください」と英語と中国語で書かれています。気づかなかったふりをして中に入ってみると..あっさり警備員に見つかり注意されました。この警備員は、貴重な壁画のある建物を見張るついでに、常に周囲に目を光らせているのでした。<br /><br /> この後、正門に行き、係員が他の観光客に対応している間に中に入ってみました。すると、しばらくしてから係員が追いかけてきて、チケットの購入を促されます。完全に失敗です。入り口と出口が一つづつ。どちらも突破が困難。おそらく、この白沙壁画が、麗江一帯で最も「逃票」が難しい観光ポイントだと思われます。少なくとも私は完敗でした。<br /> 

     裏門があるのなら..ということで、セオリー通り裏門からの入場を試みます。村のみやげ物街を逆行し、裏門(写真奥)に到着。ここには、ご丁寧に「裏門からの入場はご遠慮ください」と英語と中国語で書かれています。気づかなかったふりをして中に入ってみると..あっさり警備員に見つかり注意されました。この警備員は、貴重な壁画のある建物を見張るついでに、常に周囲に目を光らせているのでした。

     この後、正門に行き、係員が他の観光客に対応している間に中に入ってみました。すると、しばらくしてから係員が追いかけてきて、チケットの購入を促されます。完全に失敗です。入り口と出口が一つづつ。どちらも突破が困難。おそらく、この白沙壁画が、麗江一帯で最も「逃票」が難しい観光ポイントだと思われます。少なくとも私は完敗でした。
     

  • [ドクター・ホー(和士秀)]<br /><br /> 白沙壁画なんてどうせ大した事ないだろ、と自分に言い聞かせ、次の目的地に向かいます。白沙には、知る人ぞ知る「ドクターホー」がいます。私にとってはこちらのほうが、本当の見所でです。ホー氏は玉龍雪山の麓で長年薬草を収集し、無償で患者や旅行者に分け与えてきました。ガイドブックで紹介されて以来、世界各国から多くの旅行者が彼を訪ねてやってきます。いわゆる名物おじいさんです。医院の前には、過去に掲載された外国の新聞記事が額に入れて並べてありました(写真)。

    [ドクター・ホー(和士秀)]

     白沙壁画なんてどうせ大した事ないだろ、と自分に言い聞かせ、次の目的地に向かいます。白沙には、知る人ぞ知る「ドクターホー」がいます。私にとってはこちらのほうが、本当の見所でです。ホー氏は玉龍雪山の麓で長年薬草を収集し、無償で患者や旅行者に分け与えてきました。ガイドブックで紹介されて以来、世界各国から多くの旅行者が彼を訪ねてやってきます。いわゆる名物おじいさんです。医院の前には、過去に掲載された外国の新聞記事が額に入れて並べてありました(写真)。

  •  中を覗くと、ホー氏が暇そうに新聞を読んでいる最中でした。近所の人が一日中マージャンに精を出している中、ホー医師だけは、いつ来るかわからない訪問客を待って医院内で待機しているのです。<br /><br /> 「ようこそ来てくれました」と中に招き入れられ、中庭の椅子に座ります。ホー氏は私が日本人だと知ると、その辺に転がっているダンボールを漁って日本語の雑誌記事やウェブページのコピーを次々と机の上に出してきます(写真)。大半が10年以上前のボロボロもので、「もう十分です!」というまで出てきました。日本語の感想帳のようなものまであります。薬草だけでなく、こちらのコレクションもすごいことになっています。

     中を覗くと、ホー氏が暇そうに新聞を読んでいる最中でした。近所の人が一日中マージャンに精を出している中、ホー医師だけは、いつ来るかわからない訪問客を待って医院内で待機しているのです。

     「ようこそ来てくれました」と中に招き入れられ、中庭の椅子に座ります。ホー氏は私が日本人だと知ると、その辺に転がっているダンボールを漁って日本語の雑誌記事やウェブページのコピーを次々と机の上に出してきます(写真)。大半が10年以上前のボロボロもので、「もう十分です!」というまで出てきました。日本語の感想帳のようなものまであります。薬草だけでなく、こちらのコレクションもすごいことになっています。

  •  「ドクター、そんなことより、私はコレコレの症状に悩んでるんですが..」と私から切り出すと、「わかった、わかった」と薬が大量に保管された部屋に移動することになりました。<br /><br /> ドクターホーは今年88才。英語はかなり流暢。日本語も単語レベルで少し話します。会話していても、年齢をあまり感じさせません。その若さこそが薬草の効力を示していると言えるでしょう。さすがに年なので、薬草の収集はもう他の人に任せているそうです。

     「ドクター、そんなことより、私はコレコレの症状に悩んでるんですが..」と私から切り出すと、「わかった、わかった」と薬が大量に保管された部屋に移動することになりました。

     ドクターホーは今年88才。英語はかなり流暢。日本語も単語レベルで少し話します。会話していても、年齢をあまり感じさせません。その若さこそが薬草の効力を示していると言えるでしょう。さすがに年なので、薬草の収集はもう他の人に任せているそうです。

  •  私の症状を聞くと、「それならこれがいい..」と大きな樽からスコップで緑色の粉末をすくい出し包装を始めます(前の写真)。すでに調合済みの万能薬が用意されているようです。血行をよくする効用があるとのこと。<br /><br /> 「一日三回、2グラム、お湯200MLに溶かして服用」と薬をパックした紙に筆で書き込み、ドクターの診断は一通り終了(写真)。追加が必要な場合の連絡先として、メールアドレスが書かれ紙も渡されました。以前は無料で海外に発送していたそうですが、今はどうなんでしょうか。

     私の症状を聞くと、「それならこれがいい..」と大きな樽からスコップで緑色の粉末をすくい出し包装を始めます(前の写真)。すでに調合済みの万能薬が用意されているようです。血行をよくする効用があるとのこと。

     「一日三回、2グラム、お湯200MLに溶かして服用」と薬をパックした紙に筆で書き込み、ドクターの診断は一通り終了(写真)。追加が必要な場合の連絡先として、メールアドレスが書かれ紙も渡されました。以前は無料で海外に発送していたそうですが、今はどうなんでしょうか。

  •  ではそろそろ帰ります、という時にホー氏はおもむろに一枚の紙切れ(写真)を取り出し私に見せます。そのボロボロの紙には日本語で「お好きなだけ&lt;おい&gt;でください」と書かれています。「いつでも来てください」と言う意味かな..。最初は誰かの感想文を訳してほしいのかと思いましたが、ちょっと様子が違います。<br /><br /> 文字を再度良く見直すと「お好きなだけ置いてください」の意味でした。非常にわかりにくい! ここまで、三ヶ国語で仲良く話してきたのに、最後に寄付をお願いするときだけは、言葉に出さずにこのような方法でコミュニケーションをとるのでした。なんででしょう。<br /><br /> もともとお金を渡すつもりだったので、夕食一食分程度の金額を残して医院をあとにします。しかしながら、この変な文章を書いた人は、自分のせいで何十人もの日本人が困惑していることに気づいているのでしょか。

     ではそろそろ帰ります、という時にホー氏はおもむろに一枚の紙切れ(写真)を取り出し私に見せます。そのボロボロの紙には日本語で「お好きなだけ<おい>でください」と書かれています。「いつでも来てください」と言う意味かな..。最初は誰かの感想文を訳してほしいのかと思いましたが、ちょっと様子が違います。

     文字を再度良く見直すと「お好きなだけ置いてください」の意味でした。非常にわかりにくい! ここまで、三ヶ国語で仲良く話してきたのに、最後に寄付をお願いするときだけは、言葉に出さずにこのような方法でコミュニケーションをとるのでした。なんででしょう。

     もともとお金を渡すつもりだったので、夕食一食分程度の金額を残して医院をあとにします。しかしながら、この変な文章を書いた人は、自分のせいで何十人もの日本人が困惑していることに気づいているのでしょか。

  • [拉市海]<br /><br /> 最後に拉市海を攻めてみます。麗江の周りには、湖や水がめのようなものがいくつかあります。その中で一番大きなのが、西の小山を超えた先にある拉市海(写真)です。ガイドブックにはあまり紹介されていない場所ですが、ホテルやタクシーにやたらと勧められるのがこの拉市海での乗馬です。<br /><br /> 麗江から約12キロ。古城南の忠義市場のあたりから乗り合いワゴンが出ているのですが、正確な乗り場はわかりません。拉市海北行きと拉市海南行きがあり、いずれも10元(125円、現地ガイドブックによると4-5元)。石鼓(13元)や巨旬行きのワゴンが、拉市海南行きと同じルートを走ります。

    [拉市海]

     最後に拉市海を攻めてみます。麗江の周りには、湖や水がめのようなものがいくつかあります。その中で一番大きなのが、西の小山を超えた先にある拉市海(写真)です。ガイドブックにはあまり紹介されていない場所ですが、ホテルやタクシーにやたらと勧められるのがこの拉市海での乗馬です。

     麗江から約12キロ。古城南の忠義市場のあたりから乗り合いワゴンが出ているのですが、正確な乗り場はわかりません。拉市海北行きと拉市海南行きがあり、いずれも10元(125円、現地ガイドブックによると4-5元)。石鼓(13元)や巨旬行きのワゴンが、拉市海南行きと同じルートを走ります。

  •  この拉市海、決まった観光スポットというのがありません。湖のまわりに複数の「馬場」があるため、どこに連れて行かれるかは、タクシーやホテル次第。大半が村の人がやっている馬場で、乗馬をしない人は入場料(30元程度=380円)を払わないと湖の近くにさえ行かせてもらえません。乗馬の他、船に乗って野鳥の観察もできます。<br /><br /><br />写真: 道路沿いに各馬場への案内看板が設置されています。

     この拉市海、決まった観光スポットというのがありません。湖のまわりに複数の「馬場」があるため、どこに連れて行かれるかは、タクシーやホテル次第。大半が村の人がやっている馬場で、乗馬をしない人は入場料(30元程度=380円)を払わないと湖の近くにさえ行かせてもらえません。乗馬の他、船に乗って野鳥の観察もできます。


    写真: 道路沿いに各馬場への案内看板が設置されています。

  •  ここでの乗馬は、自分である程度のスピードを出して乗ります。さすがに山道は人が付くかもしれません。気になる乗馬料金ですが、複数チェックしたところ、安いもので、馬場から湖に行くだけで100元(1250円)。本格的なものは湖を一周したり、近く山や村、滝を巡ったり、茶馬古道を通って束河古鎮まで行ったりします。料金は高いもので500-800元(6250-10000円)。一般的な乗馬の相場を考えると、この拉市海の提示料金はあまりに高すぎます。ディスカウントして、さらにキックバックを払っても十二分に元がとれる不透明な料金設定です。

     ここでの乗馬は、自分である程度のスピードを出して乗ります。さすがに山道は人が付くかもしれません。気になる乗馬料金ですが、複数チェックしたところ、安いもので、馬場から湖に行くだけで100元(1250円)。本格的なものは湖を一周したり、近く山や村、滝を巡ったり、茶馬古道を通って束河古鎮まで行ったりします。料金は高いもので500-800元(6250-10000円)。一般的な乗馬の相場を考えると、この拉市海の提示料金はあまりに高すぎます。ディスカウントして、さらにキックバックを払っても十二分に元がとれる不透明な料金設定です。

  •  乗馬体験したことがある人はわかりますが、すぐに飽きます。「馬なんかどうでもいいから湖を近くで見せてくれ」という人には、「麗江拉市海湿地公園」がいいでしょう。拉市海の南西を走る道路から徒歩10分。船やカヌーなどのアクティビティもあります。私設ではなく、ちゃんと整備された公園で入場料は20元。確認してませんが、拉市海は麗江古城維持費とは無縁のはずです。公園の中に入らなくても、すぐ隣の空き地(写真)から湖を見ることができます。

     乗馬体験したことがある人はわかりますが、すぐに飽きます。「馬なんかどうでもいいから湖を近くで見せてくれ」という人には、「麗江拉市海湿地公園」がいいでしょう。拉市海の南西を走る道路から徒歩10分。船やカヌーなどのアクティビティもあります。私設ではなく、ちゃんと整備された公園で入場料は20元。確認してませんが、拉市海は麗江古城維持費とは無縁のはずです。公園の中に入らなくても、すぐ隣の空き地(写真)から湖を見ることができます。

  •  水辺に来てみると、道路では見えていた玉龍雪山は山に隠れてほとんど見えません。麗江からの道で峠を越えた時は、「おっ、こんな所に大きな湖が!」と驚きを感じたものでした。でも、すぐ近くに来てみるとやはりただの湖でした。

     水辺に来てみると、道路では見えていた玉龍雪山は山に隠れてほとんど見えません。麗江からの道で峠を越えた時は、「おっ、こんな所に大きな湖が!」と驚きを感じたものでした。でも、すぐ近くに来てみるとやはりただの湖でした。

  • [まとめ]<br /><br /> 充実の郊外めぐり。かかった費用を計算してみると、<br /><br />束河 (バス 2元)<br />白沙 (バス 3元 + 3元) 薬代 15元<br />拉市海 (バス 13元 + 10元)<br /><br />の計46元(約580円)。ラーメン一杯分で楽しむことができました。逃票日記はまだまだ続きます。

    [まとめ]

     充実の郊外めぐり。かかった費用を計算してみると、

    束河 (バス 2元)
    白沙 (バス 3元 + 3元) 薬代 15元
    拉市海 (バス 13元 + 10元)

    の計46元(約580円)。ラーメン一杯分で楽しむことができました。逃票日記はまだまだ続きます。

  • [リンク集]<br /><br />==中国旅行記一覧==<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&amp;level1=1&amp;level2=2&amp;level3=&amp;sort=when<br /><br />==海外旅行記一覧==<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&amp;sort=when&amp;view_mode=list<br /><br />==国内旅行記一覧==<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&amp;sort=when&amp;view_mode=list<br /><br /><br />==雲南旅行記==<br />虎跳峡の歩き方 全3作<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10523702/<br />梅里雪山を巡る旅 全5作<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10526168/<br />元陽棚田トレック 全4作<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10551785/<br />瑞麗の向こう側 全4作<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10537955/<br />雲南 少数民族マーケットハンター 全3作<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573334/<br />中国国境のカジノタウン 全3作<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573770/

    [リンク集]

    ==中国旅行記一覧==
    http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=2&level3=&sort=when

    ==海外旅行記一覧==
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    ==国内旅行記一覧==
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    ==雲南旅行記==
    虎跳峡の歩き方 全3作
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    梅里雪山を巡る旅 全5作
    http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10526168/
    元陽棚田トレック 全4作
    http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10551785/
    瑞麗の向こう側 全4作
    http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10537955/
    雲南 少数民族マーケットハンター 全3作
    http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573334/
    中国国境のカジノタウン 全3作
    http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573770/

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