2003/12/28 - 2004/01/03
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旅〜kimamaさん
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シガツェ(日喀則)から乗り合いバスでギャンツェ(江孜)へやって来た。
パンコル・チョエデ(白居寺)という美しいチベット仏教寺院の門前町として栄え、チベット第3の規模を誇る街でもある。
また、歴代の王が居を構え要塞としての役目を果たしたギャンツェ・ゾン(城)がひときわ街中でその威容を誇っている。
シガツェよりも街の規模は断然小さいが、よりチベット色が強く、ここまでくると漢民族の影響もまだ薄いように感じた。
ただ、ここにきて突然のアクシデントが…。
そう、高山病である。
標高約600mの成都から空路で一気に約3500mのチベット・ゴンカル空港へ。
さらに富士山の高さを越え標高3840mのシガツェの街へ。
シガツェでは体に異変は起こっておらず、自分は「高山病にかからない体質だ」と高を括ってかなり精力的に街中を歩いていた。
そのツケが来たのだろう。
標高約4000mのギャンツェへ到着するや否や、体に気だるさを感じ始め、頭が痛みだした。
「やばい」と思って、ホテルにチェックインしてすぐ横になって休もうとするも、頭の痛みが徐々に強くなりついには呼吸も十分にできないほどになってしまった。
我慢の限界に達し、ホテル近くにあった薬局行くも当然のことながら即効薬はなく、病院へ行った方がよいとのアドバイスをもらう。
意識がもうろうとする中、意を決して病院へ。
コンクリートむき出しの病院は一見設備も不十分で衛生的にも大丈夫だとは言えないものであったが、わがままを言っている暇はなく、受付らしきところでとにかく頭が痛いことを必死に伝えた。
小さな部屋に連れて行かれたが、そこには酸素の入っていると思われるタンクがズラリと並んでいた。
看護師さんらしき人が慣れた手つきでタンクにチューブを接続し、その先を鼻の中に入れろというジェスチャーをしたため、鼻の穴にチューブを挿入。
スーッと酸素が入ってくるのが分かる。
特段指示されたわけではないが、できる限り大きく吸いこんで口から大きく息を吐く。
できるだけ多くの酸素が脳まで回るようたくさんの酸素を吸うように努めた。
1時間くらい経っただろうか、例の看護師がやってきて「頭の痛みはどうか?」みたいなことを聞いてくれたので、「少しはマシになった」ということをジェスチャーで伝えた。
事実、気だるさは十分にあったものの若干頭の痛みは和らいでいたため、病院を後にし、ホテルに戻ることに。
フロントのチベット人お姉さんにお湯を用意してもらい、それを体に補給してひたすら横になる。
自分が高山病にかかって頭が痛がっているのを察知してもらえたおかげで、こまめにお湯を注ぎ足しにきてくれた。
本当に親切なお姉さんであった。
その日は一日中何もすることなくベッドにうずくまり、じっとしていた。
病院から戻った後も、またしばらくすると頭の痛みが増し始め、とにかくお湯を飲んで動かないよう徹する。
ほとんど一睡もできないまま朝を迎えたが、体のだるさは残っていたものの、頭の痛みは少しおさまってきていた。
空腹感はほとんど感じていなかったが、ギャンツェに到着してから何も食べていなかったため、小さな食堂でお粥を口にした。
早く低いところまで下りようとラサ行きを決めたが、せっかくギャンツェまで来て何にも見ないで帰るにはもったいないなぁという気持ちも強かったので、戻る前に少しだけ街歩きをすることにした。
ルートはパンコル・チョエデまで行って戻ってくるという単純なコースにした。
これでも十分体に負担をかけるのは間違いないのだが、気持ちの面を考えるとこれでも少しは満足のいく旅になるのではないかと街歩きを決行。
この時に撮りためた写真である。
自分にとってはよい教訓となった今回の高山病。
決して甘く見てはいけない高山病。
高地にやってきたら無理な行動は避け、できるだけ水分補給をする。
基本的なことかもしれないが、遵守すべきことだと痛感した。
ラサ(標高3650m)へやってきたときには、あれだけひどかった頭の痛みもすっかりなくなっており、体も元気を取り戻していた。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ギャンツェのメインロード。
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荷物運搬はもっぱらロバが大活躍。
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ギャンツェのとある街角。
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商店
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チベット風の民家。
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チベット族の民家
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とある路地裏。
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路上でビリヤードに興じるチベット人たち。
数少ない娯楽の一つであろう。 -
路上で売られていた生肉。
乾燥と寒さで街中自体が自然の冷蔵庫の働きをしているため、路上で生肉が売られていても全然平気。 -
民家の前で草を食む羊。
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ギャンツェでお世話になったホテル。
お湯をこまめに注ぎ足してくれ、高山病で苦しむ体をいたわってくれたりと本当に親切にしていただいた。 -
ギャンツェ・ゾン(城)
街中でひときわ威容を誇っている。 -
ホテルからの眺望。
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パンコル・チョエデ(白居寺)へと続く道。
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パンコル・チョエデ入口。
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パンコル・チョエデ入口横に描かれていた大きな壁画。
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パンコル・チョエデ入口に置かれたマニ車とロバ
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パンコル・チョエデ本堂
ラサのポタラ宮やシガツェのタシルンポ寺もそうであったが、チベット仏教で宗教的重要な建物は概して紅く染められているようだ。 -
パンコル・チョエデ本堂
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本堂内に安置された仏像
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パンコル・チョエデの奥に建つ仏堂。
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パンコル・チョエデ内部。
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パンコル・チョエデのストゥーパ。
チベット内で最も大きなストゥーパの一つであるようだ。
まだ行ったことはないがカトマンドゥのボウダナートの目のついた仏塔を連想する。
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