９月のサイパン④☆サイパン島観光☆戦争の傷跡☆2010/09/20

2010/09/20 - 2010/09/24

サイパン島を半日観光しました。サイパンにはきれいな海があり、多くの日本人観光客が来ます。でも、この地は、第２次世界大戦で、戦地となり、多くの人々が命を落とした場所です。
サイパンの戦は、１９４４年６月１５日から７月９日にかけて行われました。この戦いにより、日本側は戦死者２１,０００人、自決８,０００人、捕虜は９２１人という損害が出ました。一方、アメリカ側は戦死者３５,０００人、戦傷車は１３,１６０人でした。
多くの人々が戦争の犠牲となった場所であることを、私たちは忘れてはいけませんね。

エリア サイパン(北マリアナ諸島)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: 家族旅行
• 交通手段: 観光バス

バスで半日観光。最初の場所は、バンザイクリフ。

バンザイクリフ（Banzai Cliff）は、サイパン島最北端の岬です。正式な名前はマッピ岬。

太平洋戦争中、日本軍司令部がサイパン島北部にあり、アメリカ軍の激しい戦闘において、追い詰められた日本兵や民間人が、アメリカ兵からの投降勧告、説得に応じず、80m下の海に身を投じて自決した悲劇の断崖です。多くの自決者が「天皇陛下、万歳」と叫び両腕を上げながら身を投じたことから、戦後この名で呼ばれるようになったそうです。海は血で真っ赤に染まり、死体の海と化したと言われています。

観光客の記念写真を撮るガイドさん。雨が少し降っていました。ガイドさんは、はっきりした声で、説明も聞きやすかったです。

現在は、平和記念公園として整備、慰霊碑が建てられており、崖周辺にも多数の供養塔があります。

忠魂碑

戦没受難者慰霊塔

太平洋之塔

４０年前、日本の若者達がこの親子像「太平洋之塔」
を建てたそうです。
戦後六十周年の2005年6月28日、日本の皇室としては初めて、今上天皇・皇后がバンザイクリフを慰霊のため訪問しました。

慰霊碑には、個人が建てたもの、法人が建てたもの、大きさも大小さまざまです。その中には、「サイパンに来た記念に」「自分たちの功績を示すために」慰霊碑を建立した」という内容の碑文が刻まれた慰霊碑もあるそうです。

平和観音様。 後ろに「スーサイド・クリフ」が見えます。この観音様は日本に向って建てられてます。

紫光学園 慰霊碑

２番目の観光地は、ラスト・コマンド・ポスト。ラストコマンドポストはスーサイドクリフ（マッピ山）の麓にある日本軍最後の司令部跡です。

サイパンの島の南側から上陸したアメリカ軍に攻め込まれ、サイパン島の一番北側にあるこの場所が最後の
戦闘地になったそうです。
サイパン島のこの場所が日本軍の最後の砦で、この場所で最後までアメリカ軍に抵抗しました。
壊れた日本軍の戦車や高射砲が残されています。

一生懸命説明するガイドさん。

戦車のエンジンが残っています。かなり性能のよくない戦車だそうです。

戦車と高射砲。

車輪が残っている残骸。

一生懸命説明を続けるガイドさん。すべて、何も見ないで、すらすら説明していました。

観光用に、高射砲などここに集めたそうです。

最後の司令部跡の表示。

大きな岩をくりぬいた場所にあります。

洞窟の中です。

砲撃を受けて、大きな穴も空いていました。

壁の中に、銃弾が残っています。

洞窟の天井です。

避難していた150名あまりの中学生が米軍の砲撃の犠牲となったそうです。

中部太平洋戦没者の碑です。1974年3月、日本政府と太平洋諸島信託統治地域政府の共同で、サイパン島北部のスーサイドクリフに続く崖を背に建てられました。

石碑の裏にはたくさんのお墓があるそうです（スーサイドクリフから飛び降りた地点だと思われる）。

スーサイドクリフ。

さきの対戦において　中部太平洋の諸島及び海域で戦没した人々をしのび平和への思いをこめてこの碑を建立する
竣立　昭和四十九年三月二十五日
日本国政府
太平洋諸国信託統治地域

灯篭とスーサイドクリフ。

高射砲の銃口。

ラスト・コマンド・ポストのトイレに置いてあった。

３番目の観光地は、バードアイランドです。

バードアイランドは、石灰岩でできた無人島で、展望台から見る景色はとてもきれいです。表面にはたくさんの穴があき、日没にもなるとたくさんの鳥達が島に集まってくることからバードアイランドと呼ばれています。

自然保護区に指定されている場所です。

バードアイランドにある、ビーチは海亀の産卵場所としても有名です。

ここから見る海もとてもきれいです。

バードアイランドの表示。

最後の観光地は、砂糖王公園(シュガーキングパーク)です。

シュガーキングパークは、「砂糖王」松江春次の業績をたたえて設立された公園です。
松江春次は、日本で初めて角砂糖の製造に成功した人物です。
当時沖縄や東北で深刻な人口過剰問題となっていたので、貧困からの脱却を求めて日本人（特に沖縄県人）が開拓移民としてサイパンに渡りました。サイパンでは、これまでいろいろな農業、産業が試みられるが全てうまくいきませんでした。未開の地であったサイパン島を、苦労に苦労を重ねたの末、発展させ、深いジャングルを切り開き、起伏が多い地形をぬって鉄道を敷設しました。
松江春次の功績は、地元人からも信頼され、シュガーキングの名前とともに語り継がれています。　　

松江春次の説明。

砂糖きびの運搬に使用されていた機関車です。

1944年まで使用されていたそうです。

機関車の説明です。

シュガー・キング・パークで大きなカタツムリを見つけました。

バスは、DFSに到着し、ここで解散です。サイパン島の一部を見て回っただけでしたが、サンパンの歴史の一部が分かりました。
やはり、サイパンと戦争は切り離して考えることができません。青く、美しい海には、多くの悲劇が隠れています。
DFSの前の通りです。今は、静かなサイパンですが、ここが戦地だと思うと、複雑な心境です。
戦争で亡くなった多くの方々の冥福をお祈りいたします。

この旅行記へのコメント （2）

• ちーちーさん 2014/08/19 21:52:39

  有難うございました

  杏仁豆腐さま
  
  はじめまして。ちーちーと申します。
  
  この度は飛行機館の旅行記にご訪問、ご投票いただきまして
  ありがとうございました。
  
  サイパンの「砂糖王」松江春次さんのこと初めて知りました。
  勉強させていただきました。
  
  
  飛行館の展示品にもかつて多くの悲劇があったことを忘れてはならない
  ですね。
  
  
  これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
  
  
  　　　ちーちー

  杏仁豆腐さん からの返信 2014/08/20 18:12:49

  RE: 有難うございました

  ちーちーさま
  
  コメント有難うございます。
  
  サイパンの戦争の爪痕にはとても考えさせられました。
  
  飛行機の展示も興味深く見させていただきました。
  
  こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。
  
  　　　　　　　　　　　　　　　杏仁豆腐