来なかったエールフランスバス

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　今年５月２７日、成田からパリのシャルル・ド・ゴール空港に、現地時間の午後５時過ぎに到着しました。空港とパリ市内の間を結ぶエールフランスのバス乗り場に行き、「Ｌ‐４」路線・モンパルナス行きの乗車券を妻と二人分買い求めて、１時間以上待ちました。しかし、３０分に１本運行するはずのバスは全く来ませんでした。
　この間、バスを待つ数十人の客に対して、遅れや運休の理由などの説明は全くありません。先ほど乗車券を買った窓口へ行くと、すでにそこはシャッターを閉めていました。待っていた人々は、来ないバスをあきらめて乗り場から次第にいなくなっていきます。私たちは買ってしまった切符の払い戻しもできず困ってしまいましたが、バスが来ないのではどうしようもありません。仕方なく鉄道（ＲＥＲ）に変更して、市内に向かいました。
　私たちの旅は、その後イタリアへ回りローマから帰国する計画のため、この空港で後日改めて交渉することもできませんでした。
＊　　　　　　　　　＊　　　　　　　　　＊　
　帰国後、エールフランスバスの会社に「なぜバスが来なかったのか？待っている客に説明はしないのか？買ってしまった乗車券は払い戻してもらえるのか？」と質問の手紙を出しましたが、いまだに“ナシのつぶて”です。（この会社は日本語の手紙には回答しないことにしているのでしょうか？）
　その前に、同じ質問をエールフランス航空の日本支店にしました。ところが、「ご迷惑をおかけしたようですが、当社とバス会社は経営が異なります。乗車券の返金交渉はバス会社に直接『申立て書』をお送りください。」という返事。私は、公共交通機関としての説明責任と信用性、そして利用者へのサービスの姿勢について聞きたかったのですが、親会社のエールフランス航空も私の問いかけに応えてはくれませんでした。
　　　　　＊　　　　　　　　　＊　　　　　　　　　＊　　
　妻は「国が違うのだからバス会社の考え方も違うのでしょう。あきらめましょう。」と言いますが、たとえ国は違っても公共交通機関による利用者不在の対応に、私はいまだに釈然としないものを感じています。使えなかったバスの切符を見るにつけ、苦い思いがよみがえりますが、「これも旅の思い出のひとつ」と、捨てずにとってあります。
　シャルル・ド・ゴール空港からエールフランスバスの利用をお考えの方は、その際、事前に乗車券を買わないようおすすめします。後で聞くと乗車してから車内で買うことができるそうです。