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<br />2010年8月5日<br /><br />ウィーンからグラーツ行きの特急列車に乗ったわれわれは、グラーツの一つ手前の停車駅ブルック・アン・デア・ムーア(Bruck an der Mur)で下車する。<br /><br />ブルックは人口1万3千人の小さな町だが、ミュルツ川がムーア川に合流する地点である。<br /><br />ムーア川はアルプスの水を集め、ここから南に流れ、グラーツを貫流し、行く行くはドナウ川に合流して、黒海に注ぎ込むらしい。<br /><br /><br />大きな川の合流点であると同時に、幾つかの小さな谷もここに集まり、古くから交通の要衝だった。<br /><br />恐らく歴史は古いのだろうが、13世紀にボヘミヤ王オタカール2世が開発したとの記録が残っているらしい。<br /><br />その後物資や文化の交流中心であり続け、今もその面影を残している。<br /><br /><br />この駅も、ウィーン、グラーツ、ザルツブルグ(クルンテン州経由で)と、この国の3大都市と結んでおり、今なお鉄道網上の重要点なのだ。<br /><br />新しくてきれいな駅を出れば、やや寂びれている感じの駅前ホテルを左に見て、静かな道路が真っすぐに町の中心に向かっている。<br /><br />数分歩けば道幅が狭くなり、左右に商店が目立ち始める。<br /><br />そして間もなく、広々とした広場に出る。<br /><br /><br />広場は町のスケールに比べれば広大で、昔の繁栄を偲ばせている。<br /><br />入口の左隅にひと際目立つベネチア風の建物があり、15世紀のものだそうだ。<br /><br />ブルックの町は18世紀の終わりに大火があり、2軒しか残らなかったそうだ。<br /><br />それが本当ならば、この家こそその内の1軒だろう。<br /><br /><br />近づいてみれば現在はパン屋となっており、それならばパンでも買ってみようと中に入る。<br /><br />ひと気のないままに、しばらく美味しそうなパンを物色していたが、客に気づいた娘さんが奥から出て来る。<br /><br />しかし間もなく昼食の時間でもあり、特に買ってみようと思うパンは見当たらなかった。<br /><br />私は娘さんに申し訳なさそうな顔をしてお詫びすると、娘さんはニコニコと愛想よく許してくれた。<br /><br /><br />しかし店のシャンデリアはベネチアン(ムラノ)ガラスらしく、その派手なたたずまいは異彩を放っている。<br /><br />これは「日本のみなさんにぜひ紹介しないと」と思い、撮影の許可を娘さんに求めたら、これも喜んで許したくれた。<br /><br />私はこの町に来て初めて出会うパン屋の娘さんのお陰で、すっかりこの町が好きになってしまった。<br /><br /><br />写真は「ソフィーさんのマイページ」(訪問54カ国、文章1,590件 写真6,770枚)、にあります。<br />http://4travel.jp/traveler/katase/<br /><br />スイスの写真が美しい「片瀬貴文さんのマイページ」(文章625件 写真2,400枚)<br />http://4travel.jp/traveler/takafumi/<br /><br />ブログの作成日順に並んでいる、文章主体の「片瀬貴文の記録」(文章1,650件)<br />http://blog.alc.co.jp/d/2001114<br /><br />(片瀬貴文)<br />

世界遺産ゼメリング鉄道を走る【05】伝統ある田舎町ブルック・アン・デア・ムーア(Bruck an der Mur)の優しかった娘さん

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2010/08/05 - 2010/08/05

8位(同エリア8件中)

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23

ソフィ

ソフィさん


2010年8月5日

ウィーンからグラーツ行きの特急列車に乗ったわれわれは、グラーツの一つ手前の停車駅ブルック・アン・デア・ムーア(Bruck an der Mur)で下車する。

ブルックは人口1万3千人の小さな町だが、ミュルツ川がムーア川に合流する地点である。

ムーア川はアルプスの水を集め、ここから南に流れ、グラーツを貫流し、行く行くはドナウ川に合流して、黒海に注ぎ込むらしい。


大きな川の合流点であると同時に、幾つかの小さな谷もここに集まり、古くから交通の要衝だった。

恐らく歴史は古いのだろうが、13世紀にボヘミヤ王オタカール2世が開発したとの記録が残っているらしい。

その後物資や文化の交流中心であり続け、今もその面影を残している。


この駅も、ウィーン、グラーツ、ザルツブルグ(クルンテン州経由で)と、この国の3大都市と結んでおり、今なお鉄道網上の重要点なのだ。

新しくてきれいな駅を出れば、やや寂びれている感じの駅前ホテルを左に見て、静かな道路が真っすぐに町の中心に向かっている。

数分歩けば道幅が狭くなり、左右に商店が目立ち始める。

そして間もなく、広々とした広場に出る。


広場は町のスケールに比べれば広大で、昔の繁栄を偲ばせている。

入口の左隅にひと際目立つベネチア風の建物があり、15世紀のものだそうだ。

ブルックの町は18世紀の終わりに大火があり、2軒しか残らなかったそうだ。

それが本当ならば、この家こそその内の1軒だろう。


近づいてみれば現在はパン屋となっており、それならばパンでも買ってみようと中に入る。

ひと気のないままに、しばらく美味しそうなパンを物色していたが、客に気づいた娘さんが奥から出て来る。

しかし間もなく昼食の時間でもあり、特に買ってみようと思うパンは見当たらなかった。

私は娘さんに申し訳なさそうな顔をしてお詫びすると、娘さんはニコニコと愛想よく許してくれた。


しかし店のシャンデリアはベネチアン(ムラノ)ガラスらしく、その派手なたたずまいは異彩を放っている。

これは「日本のみなさんにぜひ紹介しないと」と思い、撮影の許可を娘さんに求めたら、これも喜んで許したくれた。

私はこの町に来て初めて出会うパン屋の娘さんのお陰で、すっかりこの町が好きになってしまった。


写真は「ソフィーさんのマイページ」(訪問54カ国、文章1,590件 写真6,770枚)、にあります。
http://4travel.jp/traveler/katase/

スイスの写真が美しい「片瀬貴文さんのマイページ」(文章625件 写真2,400枚)
http://4travel.jp/traveler/takafumi/

ブログの作成日順に並んでいる、文章主体の「片瀬貴文の記録」(文章1,650件)
http://blog.alc.co.jp/d/2001114

(片瀬貴文)

旅行の満足度
4.0
観光
3.0
同行者
一人旅
交通手段
鉄道

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  • ウィーンから乗って来た列車は<br />私をホームに残して<br />ブルック・アンデアムーア駅を去ってゆく

    ウィーンから乗って来た列車は
    私をホームに残して
    ブルック・アンデアムーア駅を去ってゆく

  • オーストリーの駅には<br />喫煙ゾーンが指定されている

    オーストリーの駅には
    喫煙ゾーンが指定されている

  • ブルックアンデアムーア駅の<br />立派な切符売り場

    ブルックアンデアムーア駅の
    立派な切符売り場

  • ブルックアンデアムーア駅の地下道階段<br />中央に走るのはて荷物運搬用のベルト

    ブルックアンデアムーア駅の地下道階段
    中央に走るのはて荷物運搬用のベルト

  • こんな小さな駅にまでマグドナルドが進出している<br />不慣れな旅行者に与える安心感は<br />少なくない

    こんな小さな駅にまでマグドナルドが進出している
    不慣れな旅行者に与える安心感は
    少なくない

  • ブルックアンデアムーア駅の売店<br />私はここで「ロト」を買ってみた<br />3ユーロだった

    ブルックアンデアムーア駅の売店
    私はここで「ロト」を買ってみた
    3ユーロだった

  • 少し塗料の剥げかかった<br />ブルックアンデアムーア駅の駅前ホテル

    少し塗料の剥げかかった
    ブルックアンデアムーア駅の駅前ホテル

  • ブルックアンデアムーア駅前の道を歩くと<br />行く先に時計台や尖塔が見えて来る

    ブルックアンデアムーア駅前の道を歩くと
    行く先に時計台や尖塔が見えて来る

  • ブルックアンデアムーア駅

    ブルックアンデアムーア駅

  • ブルックアンデアムーア駅前にあるカフェは<br />サッカーの有名選手が経営しているようだ<br />飾り窓にたくさんのカップが並んでいる

    ブルックアンデアムーア駅前にあるカフェは
    サッカーの有名選手が経営しているようだ
    飾り窓にたくさんのカップが並んでいる

  • ブルックアンデアムーア駅前通りの<br />花壇<br />色の配合がうまい

    ブルックアンデアムーア駅前通りの
    花壇
    色の配合がうまい

  • ブルックアンデアムーア駅近くの<br />引き込み線がある工場<br />建物のデザインが凝っている

    ブルックアンデアムーア駅近くの
    引き込み線がある工場
    建物のデザインが凝っている

  • この立体交差をくぐれば<br />ブルックアンデアムーアの街が始まる

    この立体交差をくぐれば
    ブルックアンデアムーアの街が始まる

  • ブルックアンデアムーアの<br />広場に面する家々

    ブルックアンデアムーアの
    広場に面する家々

  • ブルックアンデアムーアの広場から見える尖塔<br />恐らく教会だろう

    ブルックアンデアムーアの広場から見える尖塔
    恐らく教会だろう

  • ブルックアンデアムーアの横丁

    ブルックアンデアムーアの横丁

  • ブルックアンデアムーアの広場には<br />たくさんのテントが並び<br />カフェを楽しむ人が絶えない

    ブルックアンデアムーアの広場には
    たくさんのテントが並び
    カフェを楽しむ人が絶えない

  • ブルックアンデアムーアの町役場

    ブルックアンデアムーアの町役場

  • ブルックアンデアムーアの広場に面する<br />建物

    ブルックアンデアムーアの広場に面する
    建物

  • ブルックアンデアムーアの広場に面する建物のうちで<br />ひと際目立つコーナーにある建物<br />18世紀末の大火に焼けのこったものとおもう

    ブルックアンデアムーアの広場に面する建物のうちで
    ひと際目立つコーナーにある建物
    18世紀末の大火に焼けのこったものとおもう

  • ブルックアンデアムーアの広場の一隅に<br />古い井戸があり<br />このような鉄のカバードームが目立っている<br />細工の見事さにしばらく見とれる

    ブルックアンデアムーアの広場の一隅に
    古い井戸があり
    このような鉄のカバードームが目立っている
    細工の見事さにしばらく見とれる

  • ブルックアンデアムーアの広場に面する古い建物の<br />細部

    ブルックアンデアムーアの広場に面する古い建物の
    細部

  • ブルックアンデアムーアの広場に面する<br />古い建物はパン屋だった<br />店に入るとベネチアガラスのシャンデリアが目立つ

    ブルックアンデアムーアの広場に面する
    古い建物はパン屋だった
    店に入るとベネチアガラスのシャンデリアが目立つ

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