2010/07/22 - 2010/07/22
9016位(同エリア9867件中)
ソフィさん
戦いに敗れ戻ってきた学舎は、僅か四ヶ月の間に見る影もなく傷んで、泥だらけでした。
陸軍が使っていたからと聞いたが、信頼する軍隊が傷めたのかと、情けない思いをしました。
しかし毎日の授業が面白く、一生の間で勉強がこれほど面白かったことはないでしょう。
工場に動員されている間、知識に対する強い飢餓感が生まれていたようです。
一方社会は、音を立てて変わりゆきます。
占領軍の来日、農地改革、ハイパーインフレ、飢餓。
私は父を亡くし、地主としての収入を失い、母はリューマチを病んで日常生活不如意。
これだけの逆風を受ければ大ショックの筈ですが、不思議に毎日がドキドキ、ワクワク、楽しくって仕方がなかった記憶が残っています。
敗戦の翌年、私は中学四年生となって、進路決定に迫られます。
高等学校に、行くか行かないか。
進学するためには十分な資金がなく、もし合格しても学業を続けることが出来るかどうか、不安でした。
相談した京田先生の答えは、明快でした。
「行くか行かないかは、入学試験に合格してから考えろ」
当時高等学校(旧制)は、全国でも三十数校しかなく、毎年一万人ほどしか入学できない難関でした。
高等学校と帝国大学との学生数は同じであり、高校を卒業すれば大学入学が保障されていたわけです。
私の受験した四高は、日本で一番古い五つの高等学校の一つで、第一期生には世界レベルの哲学者に育つ西田幾太郎や鈴木大拙などがおりました。
高校の入学試験は幸運にもこの年から知能テストが行われるようになり、学業テストと同じウェイトで評価されたものですから、憲法や東洋史は白紙に近かったにも関わらず、知能テストが大好きな私に高得点をもたらし、受験生二千人中四位の好成績で合格しました。
そこで再度京田先生に相談に行ったところ「金が続かなくなったら退学すればいいだろう」と再び明快な答えを貰い、とにかく入学しました。
そして株価の値上がりや、大学での授業料免除などの恩典にあずかり、奨学資金のお陰もあって、無事高校そして大学を卒業できた次第です。
写真は「ソフィーさんのマイページ」(訪問54カ国、文章1,590件 写真6,770枚)、
http://4travel.jp/traveler/katase/
スイスの写真が美しい「片瀬貴文さんのマイページ」(文章625件 写真2,400枚)
http://4travel.jp/traveler/takafumi/
ブログの作成日順に並んでいる「片瀬貴文の記録」(文章1,650件)
http://blog.alc.co.jp/d/2001114
(片瀬貴文 79歳)
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