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 サハリンでの滞在はたった3日であったが忘れられないハプニングがあった。順序が前後になるが。今回のブログはその1件である。<br /> それは入管前の船での出来事であった。それは私の不注意から起きたかも知れないことでロシア事情を熟知している人には大した事ではない。結果的には何事もなく入国できた。でも、私の所持品がもとでスパイ容疑で連行されたかも知れないと思うとゾッとする。<br /> 私は過去2回ロシア(当時、ソヴエト)に入国したことがある。 もう、30年も前のことである。一回は中央アジアに行く時、ハバロスくからもう一回はトルコに行く時、モスコワから入国した。いずれもアイロフロート航空で、空港からの入国であった。フェリーによる港の入国は初めてだった。<br /> 私はロシアの入国はチェックが厳しいことは知っていた。でも、30年もたった現在も当時そのままの入国検査を時間をかけてしているとは思わなかった。入管には怖そうな軍人がずらりと並んでいた。<br /> 問題の対象になろうとしたのは1冊の本だった。 旅行社からの案内でロシアについて書かれた書物(刊行物)は持ち込まないようにと注意書がしてあった。<br /> 私は軽く考えていた。私のショルダーバッグの中に1冊の本が入っていた。出発前に読もうと思ったが雑用に追われて読めなかった。<br /> ロシアの調査書(データ)や旧樺太時代の地図や資料でない。ロシアについて書かれたエッセーなので、5時間半のフェリーの中で読もうと、気楽にポイとバッグに入れてしまったのだ。<br /> その本は、有名大学の有名教授の書かれたエッセー集であった。氏はロシアの歴史も現在の事情もよくご存知の学者でいらっしゃって、自由諸国の考え方と比較してちょっと違うところ(とりわけ日本人との考え方)をユーモアたっぷりに書かれたエッセーで、決して危険思想とか、スパイ活動の対象になる本ではない。( 著者の先生にご迷惑がかかるといけないので著者名と書名の一部は赤紙を貼らせていただいた)<br /> フェリーがコルサコク(旧、大泊)に着いても、なかなか上陸できなかった。出口前で行列して待っている時、私は、ふと、バッグの中の本の事が心配になった。<br /> 私の前に並んでおられた方は、商用で、年、4,5回はサハリンに来ておられることは船室で話をして知っていた。<br /> 私はバッグの本を取り出して、「この本、持ち込み大丈夫ですよね」と、伺った。<br /> 氏は本の表紙のサブタイトルを見て、硬い表情になられた。「時々、入管で所持品を徹底的に検査することがある。入管の係官がこれはユーモアの本だと理解してくれればいいが、ロシアを批判した本だと思い込み、危険思想とか、スパイ活動をしているのでないかと連行される恐れがあるので船内のゴミ箱に捨てた方がいいですよ」と教えてくださった。<br /> 私はゾッとした。急いで本の表紙だけをはがして、船内のごみ箱(日本の船なので燃えるごみ)に捨てた。 忠告してくださったその方の後ろにいたことは天の恵みだった。連行されると、直ぐには釈放されないことがある事はニュースで周知の通りである。<br /> 入管では、所持品の検査はあったが、その本の表紙は分からなかった。<br /> かくして、無事入国できたのである。<br /> 帰国してから、インターネットの古書販売でリサーチしたら、定価の半値で3日後には手元に届いた。<br /> 図書館には、「赫々然々」と説明したら、受付の若い司書が「お気の毒でしたね。確かに弁償してもらいました」と優しい声をかけてくれた。<br /> これから、ロシアを旅行される方、くれぐれも、ロシアについて書かれた書物にはご用心。<br /><br />--------------------------------------------------------<br /> 表紙の地図はインターーネットのロシア地図から転載させていただいた。サハリンは右下の細長い魚の形した島である。小さく見えるが北海道の1.1倍の大きさである。ロシアは世界一広大な国なので国内の入管の数は100以上あると思う。(大国の悩み) <br /><br />

サハリン(旧樺太)の旅 5 ロシア入国時のハプニング

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2010/06/06 - 2010/06/11

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ゆらのと

ゆらのとさん

 サハリンでの滞在はたった3日であったが忘れられないハプニングがあった。順序が前後になるが。今回のブログはその1件である。
 それは入管前の船での出来事であった。それは私の不注意から起きたかも知れないことでロシア事情を熟知している人には大した事ではない。結果的には何事もなく入国できた。でも、私の所持品がもとでスパイ容疑で連行されたかも知れないと思うとゾッとする。
 私は過去2回ロシア(当時、ソヴエト)に入国したことがある。 もう、30年も前のことである。一回は中央アジアに行く時、ハバロスくからもう一回はトルコに行く時、モスコワから入国した。いずれもアイロフロート航空で、空港からの入国であった。フェリーによる港の入国は初めてだった。
 私はロシアの入国はチェックが厳しいことは知っていた。でも、30年もたった現在も当時そのままの入国検査を時間をかけてしているとは思わなかった。入管には怖そうな軍人がずらりと並んでいた。
 問題の対象になろうとしたのは1冊の本だった。 旅行社からの案内でロシアについて書かれた書物(刊行物)は持ち込まないようにと注意書がしてあった。
 私は軽く考えていた。私のショルダーバッグの中に1冊の本が入っていた。出発前に読もうと思ったが雑用に追われて読めなかった。
 ロシアの調査書(データ)や旧樺太時代の地図や資料でない。ロシアについて書かれたエッセーなので、5時間半のフェリーの中で読もうと、気楽にポイとバッグに入れてしまったのだ。
 その本は、有名大学の有名教授の書かれたエッセー集であった。氏はロシアの歴史も現在の事情もよくご存知の学者でいらっしゃって、自由諸国の考え方と比較してちょっと違うところ(とりわけ日本人との考え方)をユーモアたっぷりに書かれたエッセーで、決して危険思想とか、スパイ活動の対象になる本ではない。( 著者の先生にご迷惑がかかるといけないので著者名と書名の一部は赤紙を貼らせていただいた)
 フェリーがコルサコク(旧、大泊)に着いても、なかなか上陸できなかった。出口前で行列して待っている時、私は、ふと、バッグの中の本の事が心配になった。
 私の前に並んでおられた方は、商用で、年、4,5回はサハリンに来ておられることは船室で話をして知っていた。
 私はバッグの本を取り出して、「この本、持ち込み大丈夫ですよね」と、伺った。
 氏は本の表紙のサブタイトルを見て、硬い表情になられた。「時々、入管で所持品を徹底的に検査することがある。入管の係官がこれはユーモアの本だと理解してくれればいいが、ロシアを批判した本だと思い込み、危険思想とか、スパイ活動をしているのでないかと連行される恐れがあるので船内のゴミ箱に捨てた方がいいですよ」と教えてくださった。
 私はゾッとした。急いで本の表紙だけをはがして、船内のごみ箱(日本の船なので燃えるごみ)に捨てた。 忠告してくださったその方の後ろにいたことは天の恵みだった。連行されると、直ぐには釈放されないことがある事はニュースで周知の通りである。
 入管では、所持品の検査はあったが、その本の表紙は分からなかった。
 かくして、無事入国できたのである。
 帰国してから、インターネットの古書販売でリサーチしたら、定価の半値で3日後には手元に届いた。
 図書館には、「赫々然々」と説明したら、受付の若い司書が「お気の毒でしたね。確かに弁償してもらいました」と優しい声をかけてくれた。
 これから、ロシアを旅行される方、くれぐれも、ロシアについて書かれた書物にはご用心。

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 表紙の地図はインターーネットのロシア地図から転載させていただいた。サハリンは右下の細長い魚の形した島である。小さく見えるが北海道の1.1倍の大きさである。ロシアは世界一広大な国なので国内の入管の数は100以上あると思う。(大国の悩み) 

同行者
一人旅
一人あたり費用
20万円 - 25万円
交通手段
  • 1、 コルサコフ港。船は着いてもなかなか上陸できなかった。<br />        

    1、 コルサコフ港。船は着いてもなかなか上陸できなかった。
            

  • 2、 私が持ち込もうとした本の表紙。(赤い付箋を貼ったのは私)<br /><br /><br />

    2、 私が持ち込もうとした本の表紙。(赤い付箋を貼ったのは私)


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