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 この度のサハリン(旧、樺太)の旅で友との約束を果たす事も私にとって大事なことだった。約束しておきながら、2年以上もほったらかしていたのである。先に旅立った友は催促なんかしない。でも、それをしないと、自分に不幸が起きるんじゃないかと気がかりであった.。反対に、それをしておけば、あの世から私が目的を果たすまで見守ってくれるんじゃないか、なんていう他力本願もあった。<br /> 私は立派な人間じゃない。小心の単細胞人間である。<br /> 友の写真を持ってサハリンに行き、それを写真に撮るなんて偽善ぽい。キザである。目立ちたかりやである。でも、そうすることによって、「オレは約束を果たしたぞ〜」と、気持ちが晴れたのだから、もう「バカは死ななっきゃ治らない」の類である。<br /> 友との約束。それは「GREE」の友達で、一昨年の5月、シカゴで亡くなった「いんきょ」さん、こと上野克三さんとの約束である。 上野さんのことは「ゆらのと徒然草 238、118」で書かせてもらったのでそちらをご覧いただきたい。<br /> 要約すると、上野さんは戦前、樺太の豊原で生まれた。昭和19年、戦争が激しくなると、内地に来られた。一昨年の3月、私がシカゴでお目にかかった時、幼い日、「母親と観た樺太神社の桜をもう一度観たい」と言われた。私が「一緒に見に行きましょう」と言うと、「私はもう、行けない」と言われたので、「私が必ず行って写真を撮って送ってやります」と約束したのである。<br /> 上野さんはインターネットのベテランだった。私が世界の桜に関心を持っていることに共感してくださって、世界の桜の情報をアメリカからインターネットで調べて沢山送ってくださった。 そのご恩に報いるためにも、サハリンに行きたかったのである。<br /> この度、それを履行できた。ロシア政府によって、戦後、樺太神社は破壊され桜は全部伐採され、樺太神社の桜の写真は摂れなかったけれど、私は肩の荷が取れたようにすっきりした。(これまた単細胞)<br /> でも、樺太神社跡の伐採された桜の株の根元で不思議なことを体験した。あの事は終生忘れられないと思う。感動というよりゾッとした。桜の精が私に語りかけているとしか思えなかった。<br /> さあ、これを読むと、あなたは今夜は眠れない。眠っても、夜中に夢の中でピンクのベールを被った美女が「助けてぇ〜」なんて現れるかも知れない。<br /> 写真を順に説明しよう。<br /> 1の写真はサハリンへ行く時のフェリーの看板である。勿論、ここが宗谷海峡である。上野さんの写真を看板の上に立て、「上野さん、遠くに見えるのがあなたの生まれた樺太、生まれた故郷に帰って来たんですよ」、まるで浪花節の世界である。<br /> 2の写真はユジノサハリンスク(旧、豊原)のロシア正教聖堂。「マリア様、あなたを信じる御子をお連れしました」とは言わなかった。<br /> 上野さんのお母さんはロシア正教を信仰しておられた。上野さんは小さい時、お母さんとよく、礼拝に来たという。上野さんは戦後、無宗教だったが晩年、シカゴのロシア正教に入信された。やはり、お母さんの影響が大きかったのだと思う。<br /> 3の写真、これが私にとってインパクトの強い場所の写真である。何の変哲もない雑木林の写真である。でも、よ〜く見ていただきたい。真ん中から左の細い木は桜の木なのである。根元を見ると伐採した桜の大木は朽ちていた。根元から細い枝が伸び、しぼみかけた桜の花が3輪枝にくっ付いていたのである。<br /> 私は喜んで写真を撮ろうとすると、桜の枝が微かに揺れた。そのとき、風が吹いたと思えば自然現象であるが、萎れかかった桜の花びらが私に語りかけているように思えた。また揺れた。こんどは確かに風だと分かったが、背筋が寒くなるような冷たい風だった。「たすけてぇ〜」なんて萎れた花びらは言わなかったが、私はゾッとした。<br /> 私は慌てていたので、手に持っていた上野さんの写真が入った額縁を落としてしまった。。額縁のガラスとプラスチックの一部が割れた。私は上野さんの写真だけを草むらにおいて、割れた額縁とガラスをビニール袋に入れて、その場を走り去った。<br /> 今考えると不思議である。額縁を落としたことも、写真だけ草むらに入れたことも自分の意思でしたこととは思えない。 怖い話はこれでお終い。<br /> 樺太神社の境内に美味しい湧き水が出るのだそうだ。これはガイドブックにも載っている。何十本(又は何百本)の桜の根が溶けて美味しい水となっているのだろうか。私か慌てて走り去ったので、その水は飲めなかったが、多分、写真のバックの小屋が湧き水の汲み場所だと思う。<br /> あの、朽ちた桜の株の脇から生えた桜の小枝、何とか根こそぎ日本にもって来れないものか、と帰りのフェリーの看板で思った。<br /> あの小枝は、桜ばかりか何十万人もシベリアの極寒の地で犠牲になった日本人の魂が宿っているのでないかとも思った。<br />--------------------------------------------------------<br />

サハリン(旧樺太)の旅 4 ユジノサハリンスクで果たした友との約束

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2010/06/06 - 2010/06/06

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ゆらのと

ゆらのとさん

 この度のサハリン(旧、樺太)の旅で友との約束を果たす事も私にとって大事なことだった。約束しておきながら、2年以上もほったらかしていたのである。先に旅立った友は催促なんかしない。でも、それをしないと、自分に不幸が起きるんじゃないかと気がかりであった.。反対に、それをしておけば、あの世から私が目的を果たすまで見守ってくれるんじゃないか、なんていう他力本願もあった。
 私は立派な人間じゃない。小心の単細胞人間である。
 友の写真を持ってサハリンに行き、それを写真に撮るなんて偽善ぽい。キザである。目立ちたかりやである。でも、そうすることによって、「オレは約束を果たしたぞ〜」と、気持ちが晴れたのだから、もう「バカは死ななっきゃ治らない」の類である。
 友との約束。それは「GREE」の友達で、一昨年の5月、シカゴで亡くなった「いんきょ」さん、こと上野克三さんとの約束である。 上野さんのことは「ゆらのと徒然草 238、118」で書かせてもらったのでそちらをご覧いただきたい。
 要約すると、上野さんは戦前、樺太の豊原で生まれた。昭和19年、戦争が激しくなると、内地に来られた。一昨年の3月、私がシカゴでお目にかかった時、幼い日、「母親と観た樺太神社の桜をもう一度観たい」と言われた。私が「一緒に見に行きましょう」と言うと、「私はもう、行けない」と言われたので、「私が必ず行って写真を撮って送ってやります」と約束したのである。
 上野さんはインターネットのベテランだった。私が世界の桜に関心を持っていることに共感してくださって、世界の桜の情報をアメリカからインターネットで調べて沢山送ってくださった。 そのご恩に報いるためにも、サハリンに行きたかったのである。
 この度、それを履行できた。ロシア政府によって、戦後、樺太神社は破壊され桜は全部伐採され、樺太神社の桜の写真は摂れなかったけれど、私は肩の荷が取れたようにすっきりした。(これまた単細胞)
 でも、樺太神社跡の伐採された桜の株の根元で不思議なことを体験した。あの事は終生忘れられないと思う。感動というよりゾッとした。桜の精が私に語りかけているとしか思えなかった。
 さあ、これを読むと、あなたは今夜は眠れない。眠っても、夜中に夢の中でピンクのベールを被った美女が「助けてぇ〜」なんて現れるかも知れない。
 写真を順に説明しよう。
 1の写真はサハリンへ行く時のフェリーの看板である。勿論、ここが宗谷海峡である。上野さんの写真を看板の上に立て、「上野さん、遠くに見えるのがあなたの生まれた樺太、生まれた故郷に帰って来たんですよ」、まるで浪花節の世界である。
 2の写真はユジノサハリンスク(旧、豊原)のロシア正教聖堂。「マリア様、あなたを信じる御子をお連れしました」とは言わなかった。
 上野さんのお母さんはロシア正教を信仰しておられた。上野さんは小さい時、お母さんとよく、礼拝に来たという。上野さんは戦後、無宗教だったが晩年、シカゴのロシア正教に入信された。やはり、お母さんの影響が大きかったのだと思う。
 3の写真、これが私にとってインパクトの強い場所の写真である。何の変哲もない雑木林の写真である。でも、よ〜く見ていただきたい。真ん中から左の細い木は桜の木なのである。根元を見ると伐採した桜の大木は朽ちていた。根元から細い枝が伸び、しぼみかけた桜の花が3輪枝にくっ付いていたのである。
 私は喜んで写真を撮ろうとすると、桜の枝が微かに揺れた。そのとき、風が吹いたと思えば自然現象であるが、萎れかかった桜の花びらが私に語りかけているように思えた。また揺れた。こんどは確かに風だと分かったが、背筋が寒くなるような冷たい風だった。「たすけてぇ〜」なんて萎れた花びらは言わなかったが、私はゾッとした。
 私は慌てていたので、手に持っていた上野さんの写真が入った額縁を落としてしまった。。額縁のガラスとプラスチックの一部が割れた。私は上野さんの写真だけを草むらにおいて、割れた額縁とガラスをビニール袋に入れて、その場を走り去った。
 今考えると不思議である。額縁を落としたことも、写真だけ草むらに入れたことも自分の意思でしたこととは思えない。 怖い話はこれでお終い。
 樺太神社の境内に美味しい湧き水が出るのだそうだ。これはガイドブックにも載っている。何十本(又は何百本)の桜の根が溶けて美味しい水となっているのだろうか。私か慌てて走り去ったので、その水は飲めなかったが、多分、写真のバックの小屋が湧き水の汲み場所だと思う。
 あの、朽ちた桜の株の脇から生えた桜の小枝、何とか根こそぎ日本にもって来れないものか、と帰りのフェリーの看板で思った。
 あの小枝は、桜ばかりか何十万人もシベリアの極寒の地で犠牲になった日本人の魂が宿っているのでないかとも思った。
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一人あたり費用
20万円 - 25万円
交通手段
  • 宗谷海峡を渡るフェリーの看板で。

    宗谷海峡を渡るフェリーの看板で。

  • 正ロシア教会の敷地内のマリア像で。<br /><br />表紙の写真も正ロシア教会の入口

    正ロシア教会の敷地内のマリア像で。

    表紙の写真も正ロシア教会の入口

  • 伐採した桜の根元から生えた細い桜。しぼんだ桜が3輪付いていた。

    伐採した桜の根元から生えた細い桜。しぼんだ桜が3輪付いていた。

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