パリ、ノルマンディ、ロワールの旅１９最終回：パリ（凱旋門、モンパルナス墓地、サン・マルタン運河）。

2010/06/08 - 2010/06/08

６月８日、１５日目。
フランス旅行最後の日。予定ではランスに行くことにしていてＴＧＶの予約までしていましたが、背中から腰の痛みがひどく大事をとってパリで過ごすことにしました。それでも無理して結構歩いたので帰りの飛行機の中で痛みがひどくなり天罰を受けました。

６月９日、１６日目。
乗務員に痛み止めの薬を貰いやっとの思いで成田空港に帰ってきました。成田空港着１４：４０。
今回の旅で得たこと。
　１．外国に行って初めて日本の良さが分かること。
　２．歳相応のプランを立てること。
　
帰りの飛行機の中で真に偶然というか、行きの飛行機で隣り合った年配のご婦人とまた隣り同士になりました。どの位の確率で起こりうることでしょう。

後日談：帰国早々医者に行った所、胆石の疑いがあるとのことでいろいろ検査を受けましたが結局何も見つからず、痛みはそのうち出なくなりました。
でも無茶をしたものです。大事にならなくて良かった。

写真はパリ北駅のＴＧＶ。車体の清掃はしないのだろうか。

エリア パリ(フランス)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス
• 航空会社: ANA

６月８日、１５日目。
朝北駅付近を歩く。ロンドンへ行くユーロスターはここから発着する。私も２００６年のダ・ヴィンチコードツアーでここからロンドンに向かった。パリとロンドンの時差は１時間、往きは１時間半、帰りは３時間半、同じ距離を走るのに不可解。

パリ北駅。
高速列車タリス。北駅からベルギー、オランダ、ドイツ方面に出ている。

北駅近く、フランツ・リスト広場のサン・ヴァンサン・ポール教会。

サン・ヴァンサン・ポール教会。

サン・ヴァンサン・ポール教会。
早朝で中に入れず外を一回り、かなり大きな教会だ。

凱旋門。
ＲＥＲマジャンタ駅からオスマン・サンラザール、オーベール乗換えでシャルル・ド・ゴール・エトワールへ。

凱旋門。
１８０６年、ナポレオンのオーステルリッツの戦勝を記念して建設に着工したが完成したのはその死後ずっと後の１８３６年ルイ・フィリップの時代だった。
１８４０年セント・ヘレナから帰還したナポレオンの棺がこの門を通り、ついにナポレオンは「無言の凱旋」をはたした。
高さ５０ｍ、幅４５ｍ。

凱旋門。
写真手前の階段から地下に降りると凱旋門の入口がある。

凱旋門。

凱旋門。
ナポレオンが戦った土地の名が刻まれている。

凱旋門：無名戦士の墓。
第１次世界大戦で戦死した一人の無名の兵士が葬られている。
碑文：ここに祖国のために死んだ一人のフランス人兵士が眠っている。１９１４～１９１８。

凱旋門よりシャンゼリゼ通り。昇りの階段がきつかった。

凱旋門より。
左クレベール大通り、右イエナ大通り。

凱旋門より。遥かにモンマルトルの丘とサクレクールが見える。
右オスマン大通り、左オッシュ大通り。

凱旋門よりグラン・ダルメ通りとラ・デファンス。

凱旋門よりラ・デファンス方面。
新凱旋門/グランド・アルシュが正面に。

メトロ６号線でモンパルナスへ。
モンパルナス大通りのノートルダム・デ・シャン教会。ファサードの写真を撮り忘れた。

ノートルダム・デ・シャン教会。

ノートルダム・デ・シャン教会。

モンパルナス墓地：パリの３大墓地の１つ。他はペール・ラシェーズ墓地、モンマルトル墓地。
クララ・ハスキルの墓。
著名人の墓の場所を印したパンフレットは管理事務所でもらえるがなにぶん数が多いうえに標識がないのでなかなか分からない。ハスキルの墓もこの辺りだろうと探していたら掃除をしていた墓守がピアノを弾くまねをして教えてくれた。
ルーマニア生まれの名女流ピアニスト。ハスキルに限らずショパン、ハイネなど異国の地フランスに眠る芸術家は多い。その活躍の場を文化・芸術の都パリに求めたからであろう。

クララ・ハスキル。

モンパルナス墓地。
サルトルとボーヴォワール。
ボーヴォワールはモンパルナスの生まれ、育ち、サルトルはモンパルナスのカフェの常連だった。二人が眠るにはふさわしい場所だ。

モンパルナス墓地。
ジーン・セバーグ。「悲しみよ今日は」でのセシール・カットは新鮮だった。わずか４１歳で自殺。フアンが置くのだろうか芸能人の墓には故人の写真が飾られているのを良く見かける。そして大概新しい花が供えられている。

ジーン・セバーグ
セシールカットで一世を風靡。
代表作「悲しみよこんにちは」、「勝手にしやがれ」。
１９３８～１９７９年。

モンパルナス墓地。
セルジュ・ゲンズブール。さすが人気があるだけにお墓も賑やか。

モンパルナス墓地。
デルフィーヌ・セーリグ。「去年マリエンバートで」の彼女に魅惑された。
華やかだった女優のお墓にしては質素。

デルフィーヌ・セーリグ
アラン・レネ、フランソワ・トリュフォー監督などの作品に出演。
代表作「去年マリエンバードで」、「ミュリエル」、「夜霧の恋人たち」。
１９３２～１９９０年。

モンパルナス墓地。
サミュエル・ベケット。
戯曲「ゴドーを待ちながら」など劇作家。

モンパルナス墓地。
ボードレール。

モンパルナス墓地。
モーリス・ルブラン。アルセーヌ・ルパンの生みの親。今回の旅行でエトルタにある彼の晩年の住まい、その名も”ルパンの家”を訪ねた。

モンパルナス墓地。
マルグリット・デュラス。
「愛人・ラマン」は映画化された。

このほかモーパッサン、モーリアック、ルコント・ド・リール、サント・ブーヴ、サンサーンス、イヨネスコなどの墓がある。もっと探したいがそれでは１日がつぶれてしまう。墓地の隅のベンチに寝そべってしばし痛む腰を伸ばす。

モンパルナス、左カフェ・ラ・ロトンド。
モンパルナス大通とラスパイユ大通りの交わる所ヴァヴァン交差点にある。
２０世紀初め頃コクトー、モジリアーニ、ピカソなどの芸術家が集った所。映画「モンパルナスの灯」でも描かれている。ラ・ロトンドの階上のアパルトマンにはボーヴォワール一家が住んでいたこともあるという。

モンパルナス、カフェ・ル・ドーム。
ロトンドの向かい側。
ここにも２０世紀初め貧乏な芸術家たちが集まった。

レピュブリック広場：フランス共和国のシンボルマリアンヌの像。
モンパルナスからメトロでレピュブリックへ。カルネ消化のためメトロを乗り回す。

レピュブリック広場のマリアンヌの像。
ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」で旗を振っているあのマリアンヌ。

レピュブリック広場から歩いてサンマルタン運河へ。
パリの下町だが今はシックな店が並び人気スポット化しているようだ。しかし私にはいつまでもマルセル・カルネの映画、そしてウージェーヌ・ダビの小説「北ホテル」の舞台のままであってほしい。

サンマルタン運河。
セーヌ川のアルスナル港とヴィレットのウルク運河を結ぶ４．５キロの運河。ナポレオン時代に着工し完成は１８２５年。９つの水門がある。レピュブリック広場付近からバスティーユ広場までは暗渠になり上をリシャール・ルノワール通りが走っている。リシャール・ルノワール通りといえばメグレ警部が住んでいたアパルトマンがある所。

サンマルタン運河。
映画「北ホテル」でアナベラ扮するルネがこの橋を渡ったのかなあ、なんて想像する。実際はロケではなくセット撮影だったらしいけど。映画「アメリ」でもオドレ・トトウがここで遊んでいる場面があったそうだが思い出せない。

サンマルタン運河。

サンマルタン運河。
閘門。

サンマルタン運河。

サンマルタン運河沿いのジェマップ河岸にある北ホテル（オテル・デュ・ノール）。
ウージェーヌ・ダビの原作で映画「北ホテル」の舞台とされ名所となった。今はホテルではなく１階がレストラン。

店内に入り写真だけ撮らせてもらった。

北ホテル。
これで今回のフランス旅行はジ・エンド。北駅のコインロッカーに預けてあった荷物を取りシャルル・ドゴール空港に向かう。

映画「北ホテル」のＤＶＤのジャケットから。
アナベラとジャン・ピエール・オーモン。
他にルイ・ジューヴェ、アルレッティ、ベルナール・ブリエ。監督マルセル・カルネ。フランス映画の黄金時代を飾った名優たち。
アナベラは１９２０～１９３０年代のフランス映画界のトップスターで、ほかに「ル・ミリオン」、「巴里祭」、「地の果てを行く」などに出演。一時タイロン・パワーの夫人だった。

シャルル・ド・ゴール空港ターミナル１駅。
北駅から空港へのＲＥＲの車内でいきなり一人の若者がアコーディオンを弾きだした。ひとしきり弾いたら乗客から金を集めだす。金を与える人も結構いる。さすがフランスと思う。私は知らん顔。

シャルル・ド・ゴール空港。

シャルル・ド・ゴール空港。
２０：００発ＡＮＡ２０６便。ＡＮＡのチェックインカウンターに日本人の職員は一人もいなかった。
足腰を引き摺りながらの毎日、行き倒れにならずようやく日本にむけ出立できるという安堵感。機中でスチュワーデスに痛み止めのバファリンを貰う。
成田空港着は翌日の１４時１０分。JRエアポート成田で戸塚まで。やれやれ。