2010/04/01 - 2010/04/30
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夢見草さん
深大寺は、都内で浅草寺に次ぐ古刹です。
最近は、NHKの朝の連続小説「ゲゲゲの女房」の放映で、普段よりも注目が集まっているようです。
深大寺の良さは、東京都内にあること。
都内近郊からであれば、日帰りで自然と歴史情緒の小旅行を味わえます。
新宿からは、電車とバスで1時間くらいです。
深大寺の歴史:
深大寺の創建は、733年とされ、約1300年の歴史があります。
現在は、縁結びのお寺として知られています。
それは、次のような「恋物語」によります。
深大寺を開いた満功上人(まんくうしょうにん)の父・福満は、美しい娘と恋に落ちます。
しかし、娘の両親は反対し、娘を池の中の島閉じ込めます。
福満は水神・深沙大王に祈願し、娘に逢わせてくれたら、大王様をおまつりしますと祈願しました。
すると、大亀が現れ、福満を背に乗せて娘のもとへ連れて行きました。
娘の両親は、その霊験を知って二人の仲を許し、満巧上人が生まれました。
満功上人は、唐土に渡って勉学を重ね、父・福満が誓った約束を果たすため、深沙大王をまつる寺、深大寺を開きました。
深大寺の寺名の由来:
唐の玄奘三蔵が川を渡れず困っていたところ、深沙大王の加護によって渡ることができたという説話によります。
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野川のライトアップです。
毎年1日だけ、地元の照明専門会社の好意によって行われています。 -
神代植物公園通りの桜並木。
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深大寺通りの桜並木。
桜が咲いていない時期でも、良い散策道です。
お蕎麦や喫茶店なども並んでいます。 -
昼間の野川の桜。
野川は、深大寺から徒歩10分くらいの場所に流れる川です。
国分寺の水源から発し、世田谷で多摩川へ流れ込みます。
国分寺崖線の湧き水を集め、崖線に平行しています。
深大寺は、野川の中流域に位置します。
がけ面から水が湧き、野川流域最大の湧泉地帯となっています。 -
深大寺参道にある鬼太郎茶屋。
水木しげるさんが調布市内に住み、「ゲゲゲの鬼太郎」が「自然との共生」をテーマにしていることからつくられたそうです。
お土産品なども色々売っています。鬼太郎茶屋 グルメ・レストラン
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鬼太郎茶屋には、妖怪ギャラリーが併設されていて、その前に鬼太郎とネズミ男が立っています。
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福満橋。
参道にある橋です。
「福満」は、深大寺を創建した満功上人のお父さんの名前です。
ここでも、水の流れを見ることができます。 -
桜が咲く時期の参道。
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お茶屋が並ぶ参道。
新緑に囲まれながら休憩できます。
お団子やおまんじゅうなど、さまざまな和菓子が御茶屋で売っています。
ここから2軒目の「八起」は、TBSのドラマ「Mr. Brain」で木村拓也・水嶋ヒロ・綾瀬はるか等が出演するシーンのロケに利用されました。
和風オープンテラスの趣です。
お蕎麦だけでなく、甘味処としても良いお店です。 -
亀島弁財天池。
福満を島へ渡した亀は、島となって池の中に姿をとどめ、弁財天女がまつられ、亀島の天女といい伝えられています。
また、福満は毘沙門天の化身、長者の娘は吉祥天の化身として、祀られています。
毘沙門天の祠は、写真の右奥。 -
参道に多くのお店が並びますが、あめやさんも人気のあるお店の一つ。
クレープ・そばまんじゅうなど、名物がいろいろ。
最近の新メニューは、「月見サンド」や「海老天サンド」の「そばサンド」だそうです。 -
入り口の山門。
新緑のモミジが美しく、数百年の歴史を持つ山門です。
正岡子規が、
山門に 雲をふき込む 若葉かな
と詠んでいます。
正面に「浮岳山」の山号額を掲げています。
1865年の大火で多くの堂宇が焼失した中、難を逃れた最も古い建物です。 -
常香楼。
山門と本堂の間に立っています。
常香楼は、1833年のものです。 -
常香楼の鳳凰
四隅の降棟(くだりむね)の先には、金色真録鋳物の鳳凰の頭があります。
また、北側の面の梁には、大火による焦げ跡も見られます。 -
本堂の前には、枝垂桜があります。
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鐘楼。
平成13年から新しい梵鐘を釣っています。
平成12年まで600年以上使用されていた梵鐘(国指定重要文化財)は、釈迦堂に保管されています。 -
本堂。
龍、鷺、鳳凰の彫り物があります。
梁に彫られている龍は、長大な髭が特徴的です。 -
なんじゃもんじゃの木。
このヒトツバタゴは、かつて名前がわからず「ナンジャモンジャ」と呼ばれていました。
5〜6月の満開時、白い花を多数つけます。
開花時期に合わせて、コンサートが行われます(2010年は、5月7日開催予定)。 -
ユキノシタで覆われた手水舎。
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本堂と元三大師堂とをつなぐ渡り廊下。
「ゲゲゲの女房」でも、水木夫婦が歩いていました。
廊下の奥の崖下から流れ出る湧水は、境内の池を満たし、山門の左手にある滝へと落ち、門前を流れます。
深大寺の東側にある不動堂の滝場からも湧水が落ちて、門前を流れるせせらぎと合流します。 -
池には、鯉が泳いでいます。
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元三大師堂。
元三大師(慈恵大師)像を安置するお堂です。
深沙大王の寺として発足した深大寺は、平安時代に入って天台宗に改宗し、元三大師をまつるようになりました。
平成21年には、25年に1度のご開帳が行われました。 -
釈迦堂の釈迦如来倚像(国指定重要文化財・旧国宝)。
関東最古の仏像で、深大寺創建以前の奈良時代の作。
インドの彫刻の流む白鳳仏ともいわれます。
椅子に座る仏像は、比較的珍しいそうです。 -
高台にある開山堂。
薬師如来三尊・満空上人の像が納められる仏殿です。 -
延命観音。
秋田県象潟港の海底から出現し、深大寺に寄進されました延命観音像です。
象潟に立ち寄った芭蕉の句碑があります。
深大寺には、高浜虚子など歌人や俳人の碑が数多くあります。 -
深沙大王堂(深沙堂ともいう)の裏にある泉。
深大寺の発祥にかかわる泉で、今でもわずかに水が湧き、水源地としてまつられています。 -
裏山に続く階段。
この先には、深山茶屋があります。 -
深沙大王堂。
本堂から少し離れた場所にあります。
1968年に再建され、深沙大王像が安置されています。 -
深大寺不動堂。
不動明王を本尊とする不動の滝があります。
滝の下で水に打たれて、精神を鍛えたそうです。
歴史のある滝ですが、今では湧水の減少で涸れることもあります。 -
調布市深大寺水車館の水車。
江戸時代中期、江戸の人口が百万人に増加し、大量の需要をまかなうため、武蔵野各地に水車がつくられました。
深大寺周辺の農家は水車組合をつくり、ここの川の水利権を得て、昭和30年頃まで使用していました。
老朽化で一度は取り壊されましたが、水車組合を中心とする地元の人々の強い願いによって、再び水車が作られました。
現在、水車館では武蔵野の水車や農具の歴史を紹介しています。深大寺 寺・神社・教会
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「元祖 嶋田屋」のそば。
多数ある蕎麦屋の中では、「湧水」・「多聞」・「玉乃屋」が特に人気があるようです。
混雑時、行列ができることもあります。
「深大寺そば 蕎麦巡りマップ」は、案内所や参道入り口に置いてあります。
各お店の蕎麦の系統・打ち方・硬さの個性や人気メニューなどが載っています。
全体的な味については、絶賛する人から大したことないと言う人、それぞれです。多聞 グルメ・レストラン
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深大寺というと深大寺そばが名物で、20軒以上の蕎麦屋があります。
写真は、神代植物公園の深大寺門に隣接する蕎麦店です。
ここも、ドラマで水木夫婦が散策した場所です。
新緑に囲まれた中で食べるお蕎麦は、格別です。
「玉乃屋」(写真左)は、特に人気のある蕎麦屋の一つです。
深大寺そばの由来:
もともと深大寺周辺の地質は、そば栽培に適し、良質なそばが育ちました。
元禄年間、上野寛永寺の公弁法親王にそば切りを献上して賞賛を得ました。
その後、深大寺そばは諸大名から深大寺へ使者が送られるほどになりました。
また一説には、三代将軍家光が鷹狩りの祭に立ち寄り、賞賛したともいわれています。
以後、深大寺そばは庶民にも伝わりました。 -
参道を東側に抜け、深大寺通りを渡ると、水生植物園があります。
深大寺の裏山から湧水が集まって湿地帯になっていたところです。
現在は、神代植物公園の無料区域として一般に開放されています。 -
木道が整備され、湿地帯の上を歩けます。
ここも、水の豊かさを感じる場所です。 -
6月の花菖蒲が見頃になった水生植物園の様子。
アヤメやカキツバタなど60種以上、約12,000株の水生植物が植えられています。 -
都内では貴重な生き物が、生息しています。
カワセミも、見かけたことがあります。 -
深大寺城跡に続く道。
1、2分上ります。 -
深大寺城の今も残る空堀と土塁。
深大寺城は、扇谷上杉朝定が北条氏の北上を阻むために築城した城です。
しかし、北条氏は深大寺城を無視して別の城を攻撃したため、あまり使われずに廃墟になりました。 -
城の柱穴に、石柱が置かれています。
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エノキの大木が、立っています。
ベンチもあり、一休みできます。
ここまで来る人はあまりいないので、この広場の独占も可能です。 -
深大寺城趾の広場一角に、そば畑があります。
写真は、6月のものです。
深大寺小学校の生徒が育てているもので、一般の人が口にするそばにはなりません。 -
神代植物公園通り沿いに、ドッグランがあります。
ドッグランは、敷地と駐車場の確保や近隣住民との調整などが設置条件にあるそうです。 -
総合体育館に隣接する自由広場。
老若男女の憩いの広場で、ジョギングする人もいます。
奥には、子どもが遊べるアスレチック遊具があります。 -
自由広場の西側にあるグリーンギャラリーも、神代植物公園の無料区域です。
有料区域と比べると、荒れ野っぽい雰囲気もありますが、無料のわりには四季折々の植物を楽しめます。
4月は、牡丹・藤・ハナミズキ等を観賞できます。 -
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水生植物園の向かい側にある多聞坂を上った場所にある青渭神社。
水神様をまつっています。
大池に湧き水が湧き、青波をたたえていたことから、青波天神社とも称されました。
または、大池に棲む大蛇をまつっているとも言われます。 -
樹齢数百年が経つ、青渭神社象徴のケヤキ。
『江戸名所図会』などにも記された巨木です。
この付近からは、縄文土器が出土し、古代人が住んでいたと考えられています。
武蔵野台地が形成されたころ、都心部は海面下にあり、多摩川周辺の湧水地帯は、水を求めて集まった獲物を狩るのに便利でした。
とくに、日当たりが良く、北風を防ぐ崖があり、飲み水が得られる野川流域に遺跡が集中しています。 -
青渭神社の北側の原っぱ。
さらに北側にはぶどう園があり、8月はぶどう狩りができます。
さらに神代植物公園を含めて隈なく散策すると、半日〜1日がかりになります。
疲れてきたら、「深大寺温泉ゆかり」で休憩するのも良いかもしれません。
山里の雰囲気を感じる、さまざまな露天風呂が楽しめます。
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