2007/09/15 - 2007/09/15
94位(同エリア1213件中)
エンリケさん
ベルギー旅行3日目。
日本より緯度が高いだけあって、ベルギーは秋の訪れが早くひんやりしています。
この日はブリュッセルから電車でブルージュ(ブルッヘ)へショートトリップです。
<旅程表>
2007年
9月13日(木)成田→ロンドン→ブリュッセル
9月14日(金)ブリュッセル
○9月15日(土)ブリュッセル→ブルージュ→ゲント→ブリュッセル
9月16日(日)ブリュッセル→アントワープ→ブリュッセル
9月17日(月)ブリュッセル→ケルン→ブリュッセル
9月18日(火)ブリュッセル→ロンドン→
9月19日(水)→成田
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- ブリティッシュエアウェイズ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
9月15日(土)
ブリュッセルから電車で1時間、中世が色濃く残る街ブルージュへとやってきました。
ブルージュは、かつてはハンザ同盟の一員として中世における先進的な大商業都市だったのですが、15世紀以降、運河や港に土砂が堆積して大型船舶が入れなくなり、商業都市として衰退してしまいます。
その結果、皮肉にも中世の街並みがそのまま保存されることとなり、19世紀以降は観光都市として再びにぎわいの街へと変貌していきました。
まずは電車から降りて20分ほど歩き(けっこう遠い)、街の中心部マルクト広場を目指します。
おとぎの国のような、かわいらしい形の建物(ギルドハウス)が並んでいます。
土曜の朝9時台ですが、だんだんと人が増えてきました。 -
西フランドル(ウェスト・フランデレン)州の州庁舎です。
お城みたいな壮麗な建物です。
ブリュッセルにしろブルージュにしろ、(後日訪れた)アントワープにしろ、ベルギーのお役所はみんな立派で、美しい景観の一部をなしています。 -
広場には、銅像もありました。
後日調べてみると、1302年のフランスの圧政下、ブルージュで発生した市民蜂起の英雄であるヤン・ブレーデルとピーター・ド・コニングとのことでした。
日本人にはなじみがないですね。。 -
広場には世界遺産“ベルギーとフランスの鐘楼群”として登録されている鐘楼もそびえたっています。
織物会館の上に立っており、高さは83mだそうです。
ちなみにブルージュは、上記のほかに、“ブルージュ歴史地区”、“フランドル地方のベギン会修道院”としても世界遺産登録されており、わずか人口10万人の都市ながら、世界遺産を3つも抱える大観光都市となっています。 -
鐘楼に登ってみました。
階段は366段あるそうです。
時計の歯車がむき出しになっていてリアルです。 -
ドラム式のカリヨン(鐘)自動演奏装置です。
ドラムが回転すると、ドラムに打たれているピンにレバーが押し上げられ、レバーに結び付けられた鉄線を引っ張り、鉄線の先のハンマーが鐘を打つ仕掛けになっているそうです。
オルゴールみたいなものですね。 -
大きなカリヨンです。
さすがに勝手に打たないようにするためなのか、網がはられていました。
ちなみにこの鐘楼のカリヨンはほかにもたくさんあって、全部で47個もあるそうです。
まあそうじゃないと複雑なメロディーは奏でられないですよね。 -
鐘楼のてっぺんの展望台からはブルージュの街が一望できます。
赤い屋根の街並みが統一感があってきれいです。
中世からそれほど変わらない街並みなんでしょうね。
ちなみに、向こうに見える大きな建物は救世主大聖堂です。 -
こちら側からはかわいらしい形のギルドハウスが見渡せます。
道路もまっすぐではなく、やわらかな曲線を描いているところがまたおもしろいですね。 -
マルクト広場のすぐ隣にあるブルグ広場に来ました。
窓に花を飾ったかわいらしい建物が並びます。
向こうにはマルクト広場の鐘楼が見えます。
10時をまわって、いよいよ観光客が増えてきました。 -
ブルグ広場の一角にある聖血礼拝堂です。
第2回十字軍遠征に参加したフランドル伯のディードリックが、1149年、帰路にコンスタンティノープルに立ち寄った際、「キリストの血」とされる液体を持ち帰り、一族の礼拝堂に奉納したのが由来だそうです。 -
聖血礼拝堂入口の下段左から2番目には、15世紀にこの地にあったブルゴーニュ公国(1363-1477年)の美しき公女“ブルゴーニュのマリー”の金色の像があります。
こんな像が残っているのは領民に愛されていたことの証なんでしょうね。
ちなみに、マリー(1457-1482年)はハプスブルク家の神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世と結婚したのですが、このことがネーデルラント(今のベルギー、オランダ、ルクセンブルク)がハプスブルク帝国に組み込まれるきっかけとなりました。
そしてマリーの子フィリップ美公はスペイン女王ファナ(スペイン統一時の王イサベラとフェルナンドの娘)と結婚。その子は、ヨーロッパや南米植民地に広大な領土を誇り、スペインを“太陽の沈まない国”と呼ばしめたあの神聖ローマ皇帝カール5世(スペイン王としてはカルロス1世)です。
恐るべきハプスブルク家の婚姻政策・・・。 -
聖血礼拝堂の内部です。
正面の壁には明るい色彩でキリスト教の物語が描かれています。 -
聖血礼拝堂のステンドグラスです。
ブリュッセルのサン・ミッシェル大聖堂で見たのと同じようなタッチのキリスト教の物語が描かれています。 -
運河沿いのダイヴァー通りです。
河岸では観光客が船を待って列をなしています。
向こうには聖母教会が天高くそびえたっています。 -
街はいたるところに運河があり、クルーズを楽しむ観光船によく出くわしました。
こういう景色を見ていると、ブルージュが“北のヴェネツィア”と呼ばれるのがよくわかります。
ちなみに向こうに見えるのはマルクト広場の鐘楼です。
高いので目印になり、迷子にならなくて済みます。 -
先ほどダイヴァー通りから見えた聖母教会にやってきました。
10〜14世紀に建てられたブルージュを代表する教会で、茶色のレンガ造りの塔は、ブルージュのシンボルの一つとなっています。
近くから見上げると、するどくとがった尖塔が天を突き刺すようです。
これも、少しでも近く天にとどきたいという信仰の形態なんでしょうね。 -
聖母教会に入ってみました。
内壁は白を基調としており、光も多く取り入れられ、非常に明るい感じです。 -
聖母教会の見どころとしては、南の翼廊に安置されているミケランジェロの“聖母子像”があります。
ベルギーでミケランジェロとは思いも寄りませんでしたが、その昔、この街の豪商が金貨百枚で購入したものだそうです。
また、教会の内陣の霊廟には、先ほど聖血礼拝堂の入口に像が飾られていたマリー・ド・ブルゴーニュと、その父ブルゴーニュ公シャルル突進公の棺が並んで安置されています。 -
ブルージュにはメムリンク美術館やグルーニング美術館など、フランドル絵画の傑作を展示している美術館があり、美術館巡りも楽しめました。
お昼を過ぎて、そろそろ次の目的地ゲントに向かうため、運河沿いを歩きながら駅へと戻ります。
ブルージュはできれば一日かけてゆっくり回りたかったのですが、日程の都合上、半日で去ることにします。名残惜しい・・・。 -
帰り際に、ブルージュにあるもうひとつの世界遺産、“フランドル地方のベギン会修道院”にも立ち寄りました。
世界遺産といっても、その建物は現在もなお、ベネディクト派の女子修道院として利用されており、敷地内を歩く修道女を何人か見かけました。
その姿を目にしたらおごそかな気持ちになってしまい、とても写真は撮れませんでした。
ちなみに、中世に起源をもつベギン会は、一人の指導者のもとに質素で敬虔な生活を送る婦人たちの集団で、ブルージュの同会は1245年にフランドル伯夫人によって設立されたものですが、現在の建物は17世紀以降のものだそうです。 -
ブルージュへのショートトリップの最後は“愛の湖公園”です。
かつてはブルージュとゲントを結ぶ水上輸送の港だったそうですが、現在は運河と水門で仕切られ、恋人たち、そして市民や観光客の憩いの場として“愛の湖”と呼ばれています。
水辺では白鳥や鴨が平和そうに羽根を休めており、行き交う人々もみな穏やかで幸せそうな顔をしています。
ブルージュはほんとに観光都市として完成されていますね。
この後、ブルージュ駅から電車に乗って、ゲントへと向かいます。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- さんしぇさん 2012/10/09 09:14:40
- 初めまして
- エンリケさん、初めまして。
ご訪問並びに嬉しい投票まで頂きましてありがとうございました。
お礼が遅くなり失礼致しました。
帰りまして今は、日常の雑事を掻い潜りながら、アフター旅行を
楽しんでおります。
ブリュージュは、余りに時間が足りず(と言うか1日に押し込み
過ぎました。)画像など拝見しながらほんのさわりしか見て来な
かった事が判りました。
土砂の堆積で港湾機能が低下しての衰退、古い町並みが愛でられ
ての再度の隆盛などは、事情が仏北西部のオンフルールも同様ですし
北東部プロヴァンも港湾事情ではないまでも、よく似た経路を
辿っていて驚かされますが、お陰で我々楽しませて頂いているんですね。
ブリュージュ再び、です。^^
さんしぇ
- エンリケさん からの返信 2012/10/20 16:15:02
- ご訪問ありがとうございます!
- さんしぇさん
こんにちは。ご訪問ありがとうございます!
さんしぇさんの旅行記を拝見して、わたしも昔行ったベルギーの旅を思い出し、懐かしい気持ちに浸ることができました。
ブルージュのメムリンク美術館は今は撮影可となったのですかね?
わたしが訪れた時は撮影不可で、金ピカの“聖ウルスラの聖遺物箱”は撮れずじまいでした。
それでも、こうしてさんしぇさんのお写真で思い出すことができ、よかったです。
さんしぇさんはフランスのいろいろな街を訪問されてるんですね。
わたしもいつかフランスの小さな街巡りをしたいと思っているところなので、旅の参考にまたお邪魔させていただきます!
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