2008/09/14 - 2008/09/14
157位(同エリア581件中)
ショコラさん
リンツ(Linz)というと、オーストリアのリンツが頭に浮かぶけれど、今回行ったリンツはライン河畔のワインの町。
(町の正式名はリンツ・アム・ライン Linz am Rhein)
ライン川沿いやモーゼル川沿いにはワインの町がいくつもあり、8月下旬くらいから10月初めにかけての各週末に、たいていどこかの町でワイン祭りが催されています(近辺の町同士でお祭りの日が重ならないように、日にちが調整されているみたい)。
リンツは日本では無名の町だけれど、ドイツではワインの町としてけっこう知られているようです。
2008年のこの年は、リンツでは9月12〜15日にお祭りが行われました。
ところで、毎年5月の第1土曜日に催される《ボンのラインの火祭り Rhein in Flammen in Bonn》は、ここリンツからボンまでのライン川沿岸で行われています(リンツから花火があがり始め、川下へと時間差でどんどんあがっていく)。当日は華やかな電飾を施した60隻ほどの船が、花火のあがる中をリンツからボンまで下っていきます。その派手派手な船と川上から川下へ移動しながらあがっていく花火の饗宴は、ラインの春の風物詩になっています。
※夏から秋にかけては、ライン河畔のほかの区間でも火祭りが行われます。
▼2010年の火祭りの詳しい情報はこちら(ドイツ語)
http://www.rhein-in-flammen.com/#kontakt
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 船
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リンツはボンとコブレンツの中間くらいの場所にあります(ライン川の右岸)。
電車でアクセスできるけれど、お天気もいいので、のんびり船で行くことにしました。
ライン川のクルーズ船はライン川沿いの主だった町に停まるので、クルーズだけでなく、とくに下りは交通手段としてもけっこう使えます。
暖かくて、空は真っ青。
頬にあたる風が気持ちいい〜。
★ライン川クルーズのルート、時刻表などの情報:
http://www.k-d.com/englisch/index.html -
進行方向に向かって。
川面がキラキラ。 -
すれちがうクルーズ船。
ライン川は輸送路でもあるので、コンテナ船などもたくさん行き交っています。
川の流れはとても速く、遊泳禁止になっています。
2006年にドイツでワールドカップがあったときは、テレビなどで「ライン川に飛び込まないように」と繰り返し注意をしていました。 -
河岸の町、ケーニヒスヴィンター(Koenigswinter)。
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ケーニヒスヴィンターは小さなリゾート地で、日曜でも開いているお店が多いので、観光客だけでなく、近辺の町からもたくさん人がやってきて、週末はいつも賑わっています。
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竜の城(Schloss Drachenburg)が見えます。
このお城、修復で長いこと覆いをかぶっていたけれど、最近ようやく修復が終ったらしい。やっと全体の姿を見ることができました。 -
山の中腹(写真左下)に見えるのが、先ほどの竜の城。
その右にそびえる山はドラッヘンフェルス(Drachenfels)と呼ばれる岩山。
お城も岩山も、ケーニヒスヴィンターの町から登山電車でアクセスできます。
中世の叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に登場する英雄ジークフリートは、この場所で竜を倒し、その返り血を浴びたことで不死身になったという伝説があるとか。
岩山の下に広がっているのはブドウ畑。このあたりがドイツのブドウ栽培の北限です。 -
甲板で、みんな思い思いにくつろいでいます。
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ウンケル(Unkel)の町。
河畔のプロムナードでノミの市らしきものが催されていました。
この町でもワイン祭りがあっていたらしく、9月5日〜7日に開催と書かれた看板が出ていました。そうか、ここはもう終っちゃったんだな。 -
これもお城?
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レマーゲンの橋塔が見えてきました。
ハリウッド映画『レマゲン鉄橋』の舞台にもなったあの橋です。 -
第二次大戦末期、ドイツ軍は連合軍のベルリン侵攻を阻止するため、ライン川に架かる橋を次々に破壊していきました。そして最後に残ったのがこのレマーゲンの橋でした。
攻めてくる連合軍の目前で橋に爆薬を仕掛け、2度にわたって爆破を試みるも橋は壊れませんでした。これによって連合軍はライン川越えに成功し、ベルリンへ進撃したのでした。
2度の爆破にも壊れなかった橋は、連合軍が橋を渡り終えた10日後に自壊し、橋塔だけが残りました。
両岸の橋塔は今もこのように残っていて、現在、内部は「平和記念館」になっているそうです。
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右岸の橋塔。
塔上にはドイツとEUの旗が。 -
左岸の橋塔には、ドイツとアメリカ両国の旗がはためいています。
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ふたつの橋塔を振り返って。
クルーズ船やコンテナ船が行き交うのどかなこの場所が、かつて戦場になっていたとは想像もできません。
こうやってのんびり船で川をゆける今がありがたく、とても幸せに思えます。 -
リンツに到着〜。
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船着場から旧市街へは歩いてすぐ。
この城門(ライントーア Rheintor)が旧市街の入り口です。 -
城門の上には「1329」の年号が。
城門が築かれた年? -
城門にくっついているこの建物には「1748」と記されています。これはたぶん築年でしょう。
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アーチの上のギザギザがちょっと怖い。。。
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城門をくぐると、
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そこは広場(ブルク広場 Burgplatz)になっていて、かわいい木組みの家々がぐるっと取り巻いていました。
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広場の左手にあるこの建物はリンツ城(Burg Linz)。
1365年に建てられ、1984〜85年に修復されたそう。
現在、内部は博物館とレストランになっています。 -
リンツ城の看板。
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城の壁面に甲冑が。
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向こうに見える城門の下をくぐってきました。
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では、さっそく旧市街の中を歩いてみます。
ここはメインストリートだと思うけれど、道幅はけっこう狭いです。
両側には木組みの家がずらり。 -
メインストリートを歩いていくと広い場所に出て(マルクト広場 Marktplatz)、そこがワイン祭りの会場になっていました。
広場の中央にはワイン樽が積み上げられています。 -
広場のあちこちにワイナリーの屋台がたっています。
まだ準備中のところもありますが、すでにかなりの人出。
正面奥の白い大きな建物は市庁舎。1517〜1527年にかけて建てられたものだそう。この建物の中にツーリストインフォメーションも入っています。 -
屋台に置かれていたワイン・リスト。
白ワイン、赤ワインに、ゼクト(スパークリングワイン)、そしてこの時期しか飲めないフェーダーヴァイサー Federweisser(発酵途中のワイン)も♪
屋台のワインは、グラス売りとボトル売りがあり、グラスの場合はデポジットが1.20ユーロとのこと(グラスを返却すればお金はもどってくる)。 -
夫を見ると、もうすでにフェーダーヴァイサーをゲットしてました(は、はやっ)。
夫曰く、早くワインが飲みたいけれど、まずはこれを飲まなくちゃ始まらない、ということらしい。
わたしはお昼ごはんのときにあらためて注文することにしました。 -
近くにいたワンコ。
一心に何かを見つめてます。食べ物だろうな、きっと(笑)。 -
まだそこまでおなかがすいていなかったので、ちょっと旧市街をお散歩。
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この家の木組みは見事!
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旧市街は木組みの古い家並が残る、とても素敵な雰囲気♪ -
この通り、いい感じ〜♪
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この看板、かわいいっ!
たしかカフェの看板だったと思う。 -
こちらは一目でわかる、時計屋さんの看板。
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中世の面影が残る、ドイツの田舎町らしいたたずまい。
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旧市街のもうひとつの城門、ノイトーア(Neutor)まで来ました。
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城門のアーチの下には少年の銅像が建っていました。
あとでリンツの案内リーフレットを見たら、これはリンツの「クラッパーユンゲ(Klapperjunge)」なのだそう。直訳すると「鳴子の少年」? 昔の復活祭の風習を表したものらしいけど、音を鳴らすこういう少年がいたってこと? -
こういう雰囲気、好きだな〜。
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小高い丘に建つ教会(St. Martin's parish church)。
1206〜1214年にかけて建設されたものだそう。
ちょっと中に入ってみます。
★教会の開館時間:土・日の午後2時15分〜午後6時まで。 -
ステンドグラスが美しい。
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デザイン的な装飾の天井。
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側面のこの古い壁画は1230年頃に描かれたものだそうです。
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教会は、ちょっとメルヘンっぽい外観をしています。
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教会の横は公園になっていました。
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お祭り広場にもどる途中に見つけた洗濯もの。
ドイツで外干しの洗濯ものを見ることは滅多にないので、これはちょっと珍しい。
なんか干し方にセンスがあって、ディスプレイのよう。 -
お祭り広場にもどってきました。
さっきより人がさらに増えて、どの屋台も賑わっています。 -
ではでは、わたしたちも。
ワイン(夫)とフェーダーヴァイサー(わたし)をゲット。
いただきま〜す♪
ワインはフルーティーでさわやかな味。
できたてのフェーダーヴァイサーは、やっぱりおいしい!
この時期にはスーパーでも売っているけれど、店頭に並ぶまでに時間がかかってしまうのか、すでに発酵が進んでいてあまりおいしくありません。
おいしいフェーダーヴァイサーを飲む(買う)なら、こういうワイン祭りや、ワイナリー、ワイン・レストランが一番。 -
この屋台で焼きソーセージもゲット。
焼きたてのソーセージをこういう場所で食べると、さらにおいしい♪ -
風船ハチマキの男の子。
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スコットランド風のいでたちのおじさんたちがいました。ブラスバンド演奏をするようです。
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設営された舞台では、勝手に子どもたちが遊んでいて、踊っている大人たちもいます。
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腹ごなしに、またちょっと近くをぶらぶら。
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ワインの町らしく、あちこちにワイナリーがあります。
ここもそのひとつ。 -
ワイナリーの入り口にはフェーダーヴァイサーとツヴィーベルクーヘン(玉ねぎケーキ)の写真がありました。
ツヴィーベルクーヘンはドイツの代表的なケーキの1つで、甘くないケーキ。
フェーダーヴァイサーと一緒に食べるのが定番らしいです。フランスでいう、ガレット(そば粉のクレープ)とシードルのような感じかな。 -
おもしろいものを発見!
この電柱の足場、なんかすごく数が多いような。。。なんで?
柱に映った影がワインボトルみたいだ〜(笑)。 -
ふたたび広場にもどってきました。
舞台では音楽の演奏が行われていました。
テレビ取材かな、カメラを持った男性がいます。 -
そして、またワインとフェーダーヴァイサーを飲むわたしたち。
ワイン祭りでは、こうやっていろいろ飲み比べられるのが楽しいのだ♪ -
ワインとお祭りを楽しんだあと、船の時間まで城門のそばのブルク広場でひと休み。
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階段上のベンチに座ってのんびり広場を眺めていたら、隣りのベンチに座っていた年配のマダムがつかつかとやってきて、夫の肩をトントンとたたきました。
いきなりでびっくりした夫にかまわず、マダムが話し出しました。「わたしが小さかったときにね、ライン川が氾濫して、ここは大洪水になったのよ。この広場なんかぜんぶ水に浸かって、広場の家の2階くらいまで水がきたんだから」
へぇ〜!と驚くわたしたち。そこへマダムのご主人も加わって、洪水の話は続きました。
彼らは自分たちの体験を外国人のわたしたちに伝えたかったのでしょう。こういう話を体験者から直接聞く機会はあまりないので、聞かせてもらえてありがたかったです。唐突でびっくりはしましたが(^^;)。 -
城門の横を見ると、ご夫婦が言っていたとおり、壁面に数字が刻まれていました。
洪水のあった年の西暦が、そのときの水位の場所に記されています。こんな高さまで水が流れ込んできたなんて……。
この日はワイン祭りだけでなく、過去の戦争や、洪水の歴史にも触れた濃い一日でありました。
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この旅行記へのコメント (4)
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- とんちゃん健康一番さん 2014/06/11 13:17:49
- Linz リンツ♪
- ショコラさんへ
お邪魔します!!
今回!Linz リンツの街に足を運んで来ました♪
私達は列車で移動しました♪
ショコラさんはお船だったんですね。
良いですねぇ☆
とっても可愛らしい街ですよね!!
木組みの建物が軒並み建っていて萌え萌えしちゃいました。
ただ、雨に降られてしまい、ショコラさんのような素敵な
写真を撮る事が出来ませんでした。
アップするのが先になってしまいますが、覗きに来てください♪
それでは今日も一日楽しく過ごせますように☆
- ショコラさん からの返信 2014/06/11 21:14:02
- RE: Linz リンツ♪
- とんちゃんさん、こんにちは!
埋もれているリンツの旅行記を見つけてくださってありがとうございます〜。
今回の旅行でリンツもてくてくされたんですね!
ほんと、木組みの町並みがとてもかわいいですよね。
狭い通りの両側にぎっしり建ち並ぶ木組みの家並みは壮観♪
船は電車より時間がかかるけど(とくに上り)、住んでいた家からは駅より船着場のほうが近くて、夫がライン川クルーズをしたことがなかったこともあり、天気もいいから船で行こうということになったのでした。
とんちゃんさんのリンツ旅行記、楽しみに待ってます♪
リンツはワインの町だけど、とんちゃんさんご夫妻が飲まれたのはやはりビール? それとも両方かな?
ではまた〜。
ショコラ
-
- スーポンドイツさん 2010/04/26 08:08:37
- 作成中、ごめんなさい。
- ショコラさん、こんにちは
リンツは真っ先にチョコレートを思い浮かべてしまいました(^^ゞ
ドイツではやはり小さな町でワイン祭りに出会いたいですねぇ。
看板が可愛い♪
ジークフリートが竜を倒したところですって、すご〜い!
ところで、このポールが気になって・・
足場にしては数が多いし、全部にワインを飾っていったら即なくなる?(笑)
すーぽん
- ショコラさん からの返信 2010/04/26 18:38:33
- RE: 作成中、ごめんなさい。
- スーポンドイツさん、こんにちは。
コメントありがとうございます〜。
> リンツは真っ先にチョコレートを思い浮かべてしまいました(^^ゞ
ふふふ。旅行記には書いていませんでしたが、チョコ、わたしも思い浮かんじゃいます。ドイツのチョコかと思うほど、いっぱい売ってたし。
小さな町のワイン祭りはアットホームな感じで、地元の素の姿が見られていいなぁと思います。人々が実に楽しそうで、見ているだけでこちらまで笑顔になっちゃう。
そうそう、このポール、わたしも気になって思わず撮ったんです。足場の影がポールにきれいに映ってるのもおもしろくて。
足場、なんでこんなに多いんでしょうねぇ? ドイツ人、デカくて足長いのに。
謎〜〜。
ショコラ
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