1997/11/20 - 1997/11/20
493位(同エリア626件中)
北風さん
湖沿いの道のぬかるみは深く、時にはこの無敵のドライバーでさえもアクセルを緩めて足元を確かめながら進んでいたが、それでもランクルのリア・ガラスに映るウユニ塩湖の輝きは次第に遠のいていった。
ウユニを越えて、既に腹いっぱい好奇心を満たした。
後はこの脱水症状気味の身体に腹いっぱい夕ご飯を詰め込むだけだ。
ゆっくりと日が傾く夕方4時、荒野に集落がポツンと現れた!
やった!
飯だ!
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- レンタカー
PR
-
夕方4時、小高い山々に囲まれた小さな村に到着!
いや、これは集落とよんだほうがいいかもしれない。
疲れた。
このままベッドにダイビングしたい気分だ。 -
「夕飯は6時です。村はずれには先住民の遺跡があるので、見に行きましょう」
・・・観光客に休息の時間は無い。 -
「村はずれってどこやねん?」
このある意味壮大で広大な空間の中の鼻くそみたいなサイズの村のはずれがなんでこんなに遠いんだ?
しかし、冷静に考えると、日本じゃありえないこのスケール感!
俺は確かに・・・世界に来ている! -
夕暮れが突風を連れて来る。
遠くの大地が砂煙にひっぺがされて舞い上がっていた。
標高4000mの大地の何気なく壮大なひとコマ。
時間はスローモーションのようにゆっくりとゆっくりと流れている。 -
標高4000mの地平線が見える荒野。
この開放感!
なんと言い表せたら言いのだろう?
これ程無人の荒野なんて、日本じゃ絶対味わえない。 -
旅日記
『先住民の墓』
どうやら村はずれにある遺跡というのは、先住民の墓の跡らしい。
トコトコと足を進める荒野の彼方にそれらしき茶色い岩の塊が見えてきた。
「ここかぁ?」と、誰もが無言で訴えていた。
たどり着いた場所にあったのは、溶岩の様な岩場だけだったからだ。
別に日本のような四角い石柱をイメージしていたわけじゃないが、どうも墓場の実感が湧かない。
ふと、腰を降ろした溶岩の穴に目がとまった。
何やら燃えた布切れと、30cm程の白い棒が入っている。
面白い形だ。
白い棒の両端が丸くこんもりと盛り上がっている形状は、よくドッグフードの宣伝で犬がくわえている形にそっくりだ。
更に詳しく見れば、俺が高校時代にサッカーで大腿部骨折をした時、医者がレントゲンで見せてくれた写真の物に類似している。
・・つまり、これは・・ -
村に帰ってきた俺たちを迎えてくれたのは、放牧から帰ってきたリャマの群れだった。
-
南米に来るまでその存在を知らなかったこの動物、いつ見ても違和感を覚える姿をしている。
たとえ、かわいくリボンをしていても・・・
胴長で短足、顔はカンガルーみたいで羊並みに毛深い。
「君は一体、羊なのか?ロバなのか?」と問いただしてみたくなる。 -
以前オーストラリアでカウボーイをしていた時、馬がどれほど臆病なのか理解した。
全然違う方向を向いていても、耳を向けている方向は同じ。
そう、どの馬も必ず人間の動向を気にしている。 -
リャマも同じらしく、近寄ると一斉に逃げていき、その距離が縮まらなかった。
ん?
度胸の座ったリャマが2頭ほど。
いくら近づいても逃げる気配も無く2頭で折り重なるように動いている。
・・・子孫繁栄=種の保存は生物の最優先事項だからなぁ。 -
4000mの大地に夜が来る。
-
陽が傾くと同時に、どこからともなく吹いてくる強風に雲が踊り、空の色と共に赤く染め上げられる。
ボリビアに夜が来た。 -
アラスカで見たオーロラは、光の渦が踊っていた。
現在の光景はそれに似ている。
上空の激しい風に流される雲が黄金色に踊っていた。
こんな夕焼け、初めてだ。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
北風さんの関連旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
13