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ウユニ塩湖のど真ん中に「Isla de Paz(魚の島)」と呼ばれる島があった。<br />その周辺では既に雨季の雨水が湖面を薄く覆っていた。<br /><br />風一つない湖面に、標高4000mのきつめの青と純白の雲が鏡の様に映し出されている。<br /><br />まるで、空の上にいるような・・・

心震えるSalar de UYUNI(ウユニ塩湖)ツアー Part.3<魚の島で見た水平線が空に溶け込んだ世界>

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1997/11/20 - 1997/11/20

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北風

北風さん

ウユニ塩湖のど真ん中に「Isla de Paz(魚の島)」と呼ばれる島があった。
その周辺では既に雨季の雨水が湖面を薄く覆っていた。

風一つない湖面に、標高4000mのきつめの青と純白の雲が鏡の様に映し出されている。

まるで、空の上にいるような・・・

同行者
一人旅
交通手段
レンタカー

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  • 朝6:30、目覚まし時計のけたたましい響きが、塩の壁に反響している。<br /><br />妙に顔や頭がザラザラしている。<br />顔を洗いに行った洗面所では、ほどよく塩でまぶされた俺が鏡に映っていた。<br />まぁ、天井が落ちなかっただけでもよかったかもしれない。

    朝6:30、目覚まし時計のけたたましい響きが、塩の壁に反響している。

    妙に顔や頭がザラザラしている。
    顔を洗いに行った洗面所では、ほどよく塩でまぶされた俺が鏡に映っていた。
    まぁ、天井が落ちなかっただけでもよかったかもしれない。

  • まだ薄暗闇が支配する湖の水平線?が輝きだした。<br />南米で唯一きっちり仕事をこなす太陽が動き出したらしい。<br />

    まだ薄暗闇が支配する湖の水平線?が輝きだした。
    南米で唯一きっちり仕事をこなす太陽が動き出したらしい。

  • 遠くから少しずつ5角形の模様が浮かび上がってきた。<br /><br />ウユニに朝が来る!

    遠くから少しずつ5角形の模様が浮かび上がってきた。

    ウユニに朝が来る!

  • 朝日が昇ったと思ったら、いきなり昼が来た。<br />すがすがしい朝はどこにあるんだろう?<br />真っ白い塩湖は、太陽を全力で反射している。<br /><br />心配していたツアーの車もどうにかたどり着いた。<br />サングラスもかけ直し、再び白い地平線に向かって車は走る。

    朝日が昇ったと思ったら、いきなり昼が来た。
    すがすがしい朝はどこにあるんだろう?
    真っ白い塩湖は、太陽を全力で反射している。

    心配していたツアーの車もどうにかたどり着いた。
    サングラスもかけ直し、再び白い地平線に向かって車は走る。

  • 「サングラス無しじゃ、目がつぶれる」と言われるウユニ塩湖。<br />ところが、サングラス越しでも塩湖の乱反射は目に突き刺さる。<br />本当なら目をつむって昼寝を決め込むのが最善の策なのだが、分解しそうな車の振動とうだるような暑さがとてもそんな気持ちにしてくれない。<br />しかも、この周りの景色を見なけりゃ、観光客をやっている意味が無い!<br /><br />白い大地に薄く張った水が、ボリビアの抜けるような空と雄大な雲を鏡のように映しだしている。<br />こんな不思議な風景は見たこと無かった。<br />地平線を折り目に、全く同じ景色が展開されている。<br /><br />すごいぞ、これは!

    「サングラス無しじゃ、目がつぶれる」と言われるウユニ塩湖。
    ところが、サングラス越しでも塩湖の乱反射は目に突き刺さる。
    本当なら目をつむって昼寝を決め込むのが最善の策なのだが、分解しそうな車の振動とうだるような暑さがとてもそんな気持ちにしてくれない。
    しかも、この周りの景色を見なけりゃ、観光客をやっている意味が無い!

    白い大地に薄く張った水が、ボリビアの抜けるような空と雄大な雲を鏡のように映しだしている。
    こんな不思議な風景は見たこと無かった。
    地平線を折り目に、全く同じ景色が展開されている。

    すごいぞ、これは!

  • 車が水しぶきを上げながら速度を落とし始めた。<br /><br />遠くに島らしきものが浮かんでいる。<br />ドライバーがつぶやいた。<br /><br />「Isla de PEZ(魚の島)」<br />

    車が水しぶきを上げながら速度を落とし始めた。

    遠くに島らしきものが浮かんでいる。
    ドライバーがつぶやいた。

    「Isla de PEZ(魚の島)」

  • 「Isla de PEZ(魚の島)」<br />この島はサボテンと岩でできていた。<br /><br />

    「Isla de PEZ(魚の島)」
    この島はサボテンと岩でできていた。

  • 不思議な事にこの360度塩の大地にありながら、サボテンが乱立していた。

    不思議な事にこの360度塩の大地にありながら、サボテンが乱立していた。

  • しかも、何故かリャマまで放し飼いにされていた。<br />沿岸からはるばる4時間以上も歩いてきたのだろうか?<br /><br />どうやら、ここで昼食の時間らしい。<br />「遠くに行かないで下さい」との注意を受けたが、ここから離れるにはリャマにでも転生するしかないじゃないか。

    しかも、何故かリャマまで放し飼いにされていた。
    沿岸からはるばる4時間以上も歩いてきたのだろうか?

    どうやら、ここで昼食の時間らしい。
    「遠くに行かないで下さい」との注意を受けたが、ここから離れるにはリャマにでも転生するしかないじゃないか。

  • 島は歩いて30分ほどで回れる大きさだった。<br />頂上から見渡す景色は、まるで巨大な剣山だ。<br />

    島は歩いて30分ほどで回れる大きさだった。
    頂上から見渡す景色は、まるで巨大な剣山だ。

  • メキシコで見たあのお化けサボテン並みのばかでかいサボテンが島中乱立している。

    メキシコで見たあのお化けサボテン並みのばかでかいサボテンが島中乱立している。

  • サボテンの森の彼方には、白い海の水平線がコバルト・ブルーの空を切り取っていた。

    サボテンの森の彼方には、白い海の水平線がコバルト・ブルーの空を切り取っていた。

  • 水平線の彼方、空との境目が消えていく。<br />まるで空が溶け込んでいくみたいな錯角に陥る。<br /><br />SFの世界だけだと思っていたのだが、あるんだなぁ、こんな景色。

    水平線の彼方、空との境目が消えていく。
    まるで空が溶け込んでいくみたいな錯角に陥る。

    SFの世界だけだと思っていたのだが、あるんだなぁ、こんな景色。

  • 旅日記<br />『塩湖の旅』<br /><br />湖に突入してトータル5時間以上は走った計算だった。<br /><br />目が痛い!<br />さすがにこの奇妙な景色にも慣れて当分塩を見るのも嫌な気分だ。<br />ドライバーが遠くを指差して叫んだ。<br />「あそこに見える山の手前から、上陸します。しっかり何かにつかまって下さい!」<br /><br />・・ウユニの街で出会った包帯軍団を思い出した。<br />彼らが言うには、塩湖が終わる地点では、重量級のジープが何度も通った為に、その上陸地点周辺はかなりのぬかるみになっており非常に危険だったそうだ。<br />(確かに、そこでジープごと横転した結果が話す言葉は説得力充分だった)<br /><br />「Vamos!(行くぞ!)」と、気合充分でドライバーがアクセルを踏んだ。<br />どうやら、陸地から延びるあぜ道のような所に、車を乗り上げなければならないらしい。<br />ぬかるんだ塩の沼地にタイヤが何度も空転し、ハンドルが右に左にとられる。<br /><br />「うぉぉぉっ!」<br />と乗客全員がシートや荷物にしがみつく中、一瞬フロントガラス一面が青一色のウユニの空を映し出した!<br />ものすごい勢いで車のノーズが空に舞い上がる!<br />次の瞬間、腰の骨が砕けそうなほどの衝撃が車内に響いた!<br />「キュルルルッ」<br />と前輪があぜ道の端を噛もうと空転する。<br />さっきまであくびをかみ殺していたツアー客全員が、今はもう必死の形相で車と一体となって踏ん張る。<br />このまま、進まなければ完全にここで前輪が埋もれてしまうからだ。<br /><br />ふっと、身体が押される感じがした。<br />さすが、4輪駆動!<br />後輪がちゃんと仕事をしてくれたらしい。<br />車が水平になった時、俺達は陸上から塩湖を見下ろしていた。<br />感激した白人のおねぇちゃんが抱きついてくる。<br /><br />俺は、現在、いろんな事に幸せを感じていた。<br /><br />

    旅日記
    『塩湖の旅』

    湖に突入してトータル5時間以上は走った計算だった。

    目が痛い!
    さすがにこの奇妙な景色にも慣れて当分塩を見るのも嫌な気分だ。
    ドライバーが遠くを指差して叫んだ。
    「あそこに見える山の手前から、上陸します。しっかり何かにつかまって下さい!」

    ・・ウユニの街で出会った包帯軍団を思い出した。
    彼らが言うには、塩湖が終わる地点では、重量級のジープが何度も通った為に、その上陸地点周辺はかなりのぬかるみになっており非常に危険だったそうだ。
    (確かに、そこでジープごと横転した結果が話す言葉は説得力充分だった)

    「Vamos!(行くぞ!)」と、気合充分でドライバーがアクセルを踏んだ。
    どうやら、陸地から延びるあぜ道のような所に、車を乗り上げなければならないらしい。
    ぬかるんだ塩の沼地にタイヤが何度も空転し、ハンドルが右に左にとられる。

    「うぉぉぉっ!」
    と乗客全員がシートや荷物にしがみつく中、一瞬フロントガラス一面が青一色のウユニの空を映し出した!
    ものすごい勢いで車のノーズが空に舞い上がる!
    次の瞬間、腰の骨が砕けそうなほどの衝撃が車内に響いた!
    「キュルルルッ」
    と前輪があぜ道の端を噛もうと空転する。
    さっきまであくびをかみ殺していたツアー客全員が、今はもう必死の形相で車と一体となって踏ん張る。
    このまま、進まなければ完全にここで前輪が埋もれてしまうからだ。

    ふっと、身体が押される感じがした。
    さすが、4輪駆動!
    後輪がちゃんと仕事をしてくれたらしい。
    車が水平になった時、俺達は陸上から塩湖を見下ろしていた。
    感激した白人のおねぇちゃんが抱きついてくる。

    俺は、現在、いろんな事に幸せを感じていた。

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この旅行記へのコメント (1)

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  • cocovanilaさん 2019/10/21 22:54:17
    もっとウユニを早く知りたかったな~と つくづく思います
    はじめまして

    北風さんのブログ拝見して 若い時にウユニしってたらな~と ちょっと悔しいです。
    昔 インド~中東~トルコ~ 行く予定で でたのですが 中東は女の子1人危ないよと(昔女の子の時!)色々な人に言われ おじけづき 4か月インド回って引き返しました。それから まっとうに働きだし・・・バックパッカー終わりました。

    あの頃 ウユニ知ってたら 絶対言ってたのに~
    北風さんより 5年ほど前 半年を二回だけ ウロウロしたけど 南米 ウユニ行った人の話聞いたことないんですよね アフリカ話は沢山いたけど・・・

     もうバックパッカーする勇気なく・・・ツアーは 追い立てられるし でもやむなし それで行こうと思っていますが

    北風さんのブログで はぁぁっ 戻りたいと思えた 楽しいブログでした。
    ありがとう(๑◕‿◕) 

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