1995/12/07 - 1995/12/09
187位(同エリア234件中)
北風さん
1995年12月7日、エジプトでうった黄熱病の予防注射で発熱した俺を乗せて、飛行機はケニヤの首都ナイロビに降り立った。
噂では、現在、南アフリカのヨハネスブルグに次いで治安の悪い都市と言われている街だ。
空港前に広がる国立公園の向こうには意外と整備された大都会が浮かんでいる。
よれよれのワークシャツの上にコーヒー色の顔を乗せたタクシードライバーが、おどけた感じでのたまった。
「昔はここら辺でも、よくライオンに出会ったもんさ。それが今じゃ、ライオンより凶暴な、2本足の黒い獣にしか出会えない。・・・そうそう、まだ言ってなかったな、WELCOME to AFRICA!」
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
-
<NAIROBI(ナイロビ)>
エジプトで聞いた、ケニヤの首都ナイロビの評判は最悪だった。
空港より一歩外に出た途端、ライオンより凶暴な黒い方々にボコボコにされ身ぐるみ剥がされるらしい。
あの凶暴なつや消しブラックや、テカテカブラックに囲まれるぐらいなら、エジプトのコテコテアラブ人の方が100倍ましだと言っていた。
しかし、もはや俺の旅には南下以外の道はなかった。
(アフリカを目指して旅してきたから当たり前かもしれないが)
1995年12月7日、俺はケニヤのナイロビに降り立った。 -
<KENYATTA STREET (ケニヤッタ・ストリート)>
ナイロビは、東アフリカの中心地だけあって、なんと高層ビルまでそびえていた。
街のメインストリート「KENYATTA STREET」には、ヨーロッパで見るようなショーウィンドゥまで軒を連ねている。
が、しかし、街をうろつく人間は、口々に「サファリやらないか」と、まるでインド人顔負けのしつこさでついてくる。
アフリカ通の旅行者によると、サバンナで一晩過ごすより、このストリートを夕方以降、日本製カメラをぶら下げてうろつく方が死ぬ確率は高いらしい。 -
旅日記
『ナイロビの夜』
「ぎゃぁぁぁぁっ」
時計の針は、既に夜の12時を回った所だ。
防犯対策に鉄格子を嵌められた窓からは、また今晩も誰かの悲鳴が飛び込んでくる。
俺が泊まっていた安ホテルは、ナイロビ一の危険区域と道一本隔てた所に建っていたらしい。
最初にチェックインする時に、「こんな安ホテルに何故ガードマンが?しかも、そのどでかいショットガンは何の為に?」と思っていたが、理由はその夜から充分に理解させてもらっている。
ホテルのガードマンのアドバイスによれば、朝11時〜昼3時までの外出が生存率を上げるコツらしかった。
あまりにも大げさじゃないかと、タカをくくっていたのは俺だけじゃないと思う。
しかし、現実は次の朝にやってきた。
寝ぼけまなこの俺の前に、朝10時にホテルを出た日本人の旅行者が血まみれで運び込まれてきた。
ホテルから10mほど歩いた所で、いきなりベン・ジョンソンみたいなキングコングに右フックを食らったらしい。
しかも、その後路上に倒れこんだ彼の周りに浮浪児が群がり、彼はサンダルまでも盗られていた。
ここの方々は、ライオンが襲った後にハイエナが群がるというサバンナの掟に忠実なのか? -
旅日記
『ナイロビのアフリカンBARでのサファリ体験』
ケニヤ入国初夜、夜も11時という頃、エジプトから一緒に飛んできたヒデ君と、入国祝いを兼ねてアフリカンBARへと繰り出す事になった。
安ホテルから歩いて5分の小さなBARへ一歩足を踏み込むと、目だけ白い方々の視線がマサイ族の槍さながらに突き刺ささる。
「獣は目を合わせると、襲ってくる」と言う。
目を伏せる必要があった。
とりあえず、カウンターらしき方面へ目を泳がすと、なんとカウンターは西部劇に出てくる銀行の様に木のフェンスで囲われていた!
これは、背後で雄叫びを上げる黒いキングコング達からレジの金を死守する為なのか?
フェンスの傷跡がこの店の歴史を無言で語りかけてくる。
様々なプレッシャーと、ガンガンに鳴り響くレゲエに酔いつぶれる前にビールまでたどり着けるだろうか?
テーブルの椅子は公園のベンチからかっぱらってきた様な木100%の長椅子だった。
意識しないまでも身体はいつでも動けるように浅く腰かける。
「かんぱーい!」
ヒデ君と、とりあえずジョッキを上げる。
もはや、ナイロビに来た事よりも、無事にビールが手に入った事へのお祝いになった。
目の隅で、黒人娘が3人程、黒豹のごとく忍び寄ってくるのを捕らえた。
(このBARにいると、サバンナの草食動物が何故あれほど神経質なのかが理解できる)
娘2人が俺の両脇にするりと座り、「日本人?」と話しかけてきた。
とりあえず話を進めると、右がウガンダ出身の17才、左がルワンダ出身の20才と自己紹介をされる。
さて、この大陸は今日上陸したばかりで、これ以上何を話したらいいやら?
「見事なパンチパーマだね。」とでも言おうものなら、この場で食い殺される気がする。 -
会話の糸口を探していると、太ももに暖かい温もりを感じた。
「うぉっ!」、ウガンダが俺の太ももをなでている!
一瞬遅れてルワンダが胸を押しつけだした!
よく見ると対面のヒデ君も同様の接待を受けている。
ここはアフリカ版ピンサロだったのだろうか?
それとも「黒人はイエローお好き?」などと、たわけた考えが頭をよぎる。
と、いきなり、ウガンダが耳たぶをパクッと噛みだした!
(ライオンに味見されているような気が・・・)
それが、戦いのゴングとなったらしい。
その後は、インディ・ジョーンズ張りの息をもつかせぬ展開が待っていた。
ルワンダ、立ち上がり、ジョッキのビールを、ウガンダめがけて浴びせかける!
(間にいる俺にほとんどかかる)
ウガンダ、中腰のまま、ハゲタカの様にルワンダの髪を掴む!
(間にいる俺は、2人の太ももに挟まれて少しラッキー!)
ルワンダ、距離を縮めようとサイのごとく突進開始!
(間にいる俺の背中に頭突きがめり込む!)
2匹の獣の間でもみくちゃにされた俺の後頭部に、ルワンダが幻の右が炸裂!
ガクッとひざを突いた所に、ウガンダのひざが飛んできた。
どれほど時間がたったのだろうか?
気がつくと、BARを追い出され、店の親父が俺の前で出入り禁止を申し渡されている俺がいた。
後日談として、黒人娘達は「マラヤ」と呼ばれる売春婦だったらしい。
ナイロビでは、マラヤ同士の客の取り合いげんかは日常茶飯事との事だった。
サファリ・ツアーに参加する前に、既に弱肉強食の野生のサファリを体験させてくれたBARの名前は、
「Freind's Cornor(友達達の街角)」だった。
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