2009/12/28 - 2010/01/05
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ちゃおさん
ほんの暫らくのうたた寝から目が覚め、バスの外を見るともう夕暮れ時の薄暗さ。道路は大渋滞で、一向に前に進まない。日本の東名と同じ様に、これも又ヨーロッパの年末年始の大渋滞なのだろうか。
外の標識を見ると、この何キロか先に大きなトンネルがあり、そこでの事故、渋滞を避ける為に、通行規制をしているようだ。用も無い場所に信号機などが設置してあって、車輌をストップさせている。
暮れなずむ外の景色を眺めながら、このアルプス越えに勝運を掛けた幾多の英雄を思った。
古くは紀元前200年頃のカルタゴの英雄、ハンニバル。スペインを政略し、地中海の海岸伝いにローマに進軍すれば簡単なのを、敢えて、このアルプスの山中に入りこみ、今これからバスが進んでいくシンプロン峠を越えて、ロンバルデアの平野に雪崩れ込んだ。
それから200年後のシーザー軍。ガリヤから戻ったシーザーはルビコンの川を渡り、アルプスを越えて、ローマに達した。
それから更に1800年、かのナポレオンは難攻不落のこのアルプス峠を越えて、ローマを席巻し、更にはエジプトまで進軍した。
数々の英雄伝説。人々の意表を突く作戦で、大なる成果を挙げたこと、日本での朝日将軍、木曽義仲の倶利伽羅峠、義経の鵯越落とし、などなど、洋の東西を問わずあったが、それ程稀有な例であり、数百年、数千年経た今でも人々の記憶の中に鮮明に残っている。
彼等英雄以外にも「もっと光りを!」のゲーテに代表される冬の厳しい北欧の人々は、この温暖なイタリアの地へ旅することを生涯の夢と見ていた。
そうインターラーケンを出た後でのバスの添乗員は疲れのせいか、殆ど無口で、又、運転手ゲオルグも恰も典型的ドイツ人のごとく、黙々と自身の職務に忠実に運転に務め、今、通過したトンネルがサンゴタールなのかシンプロンなのかの説明もなく、当方、勝手にナポレオンのシンプロンを想像したり、ゲーテのサンゴタールを想像していたが、トンネルを出た後のイタリアの丘陵地の先に見える湖は、あれは確かにコモ湖に違いない。
とすれば、今通過したトンネルはヨーロッパ一の長さを誇るシンプロンで、バスに乗っていて、その長さは正確には分らないが、これも又日本一の新清水トンネルに比肩し得る長さと感じられた。
トンネルを抜ければ既に北部イタリアの集落。どことなくスイスとは違った雰囲気で、どことなくイタリアらしい。どこがどことの具体的表現は難しいが、そんな雰囲気であった。
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シンプロントンネルを抜ける前の道路は大渋滞で、ノロノロ運転。しかし、年末年始、ゴールデンウイークの東名程の大渋滞ではなかった。イタリアに向うスイスナンバーの車も多い。
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トンネルを抜けると北イタリア、ロンバルデア平原の山裾になる。
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薄暗い中、前方に湖が見えてきたが、コモ湖か・・
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集落も、どこと無くスイスとか違った雰囲気である。
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スイスでは見られなかった雪が降ってきたりして、イタリアの方がむしろ寒い感じもあった。
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広々した湖は、コモ湖に違いない。
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ここも又、スイスで見たように、雲の割れ目から一部夕陽の太陽光線が差し込んでいる。
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湖に面する集落。
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集落に積もる雪はむしろスイスよりも多かった。
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これがイタリア風の建物か・・スイスとどこと無く似ている。北イタリアはスイスとの共通項も多いのだろう。
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