2009/08/11 - 2009/08/11
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ももであさん
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屋根のない民家
壊れた水道管、垂れ下がったままの電線
狭く崩れた通りは、Fiatすら通れない。
屑と埃が風の吹くまま、窓のない家の中を過ぎる。
“Citta Morte” 英名“Ghost Towns”
天に祈るかのように突き上げられた巨岩の掌
ギリシャ語で、「5本の指」を意味する地
ペンテダッティロ(Pentedattilo)
大地震に見舞われ、灼熱の太陽に焼かれる。
もはや神に見捨てられたのか。
そしてそこには、復興の兆しが…
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- 中国国際航空
PR
-
Scillaから高速に乗るとすぐにサービスエリア
シチリア島が目の前に広がる。
ここも穴場の宝庫
いつか必ず行くよ♪ -
イタリアンブーツの最先端
SS106を海岸線のサンテリーアから
内陸に5キロほど。
荒涼とした土地に現れた巨岩 -
南西側に回り込むと、見えてきた廃墟
ペンテダッティロ(Pentedattilo)
それは静かに哀しい歴史を物語っているかのよう -
Pentedattiloは、「5本の指」を意味する
ギリシア語“Pentadaktylos”からそのまま
村名となった。
このエリアは、古くからギリシャの影響が
色濃く残る。 -
何でまたこんな場所に好んで村を造ったのか?
信仰心? 何れにしても巨岩フェチには
たまらない垂涎の地かも知れない。 -
果たして祈りは通じなかったのか?
小さな崩落は、今も続く。
この先に駐車場があり、僅かに観光客が
訪れていた。 物好きなお仲間 -
5本指を形成するカルヴァリー山
(Mount Calvary)
カルヴァリー山と言えば、キリストが磔
となったゴルゴダの丘がある場所
これは偶然だろうか? -
元々砂岩でできた岩峰だから、長年の浸食
を受け5本指が出来た。
しかしいつしかその指も短くなり、今では
指の面影を残すのみ。 -
先の訪問地シッラを襲った1783年の大地震は、
ペンテダッティロも壊滅的に。
人々は徐々に海岸部のメーリト・ポルト・
サルヴォへ移住し始めた。 -
教会へ続く道標 比較的新しい。
住民はいないが、教会だけは今も整備されて
いるのだろう。
左手の教会のみが、ありがたい日陰ゾーン -
何とも不思議な光景
木造建築ならば消え去っていたに違いない。
50年前に放棄されたとは思えないくらい、
生活感が残る。 -
今回の南伊の旅でここが一番暑かった。
地震だけではない。
この灼熱の地は水の確保にも苦労したハズ
やはり住むには大変 -
1908年、2度目の大地震がペンテダッティロ
を襲う。 地滑りで大きな被害が。
離れがたい土地だが、住民の流出は避けられない。 -
いつ崩落するか分からない脆い岩
1960年代、ついに州は住民に撤退命令を出した。
ギリシャ植民地時代から続いた歴史が途絶えた。 -
と言っても、移動したのは谷をわずか1キロ
ほど下った場所
巨岩の直撃だけは避けられる。
より安全性を確保し今もその子孫が暮らす。 -
美しさ、雄大さ、物悲しさ。
いろんなものを兼ね備えた風景
なかなか観ることのない珍しい光景 -
こんな石積みではさすがに崩れるかな。。
比叡山麓の穴太衆(あのうしゅう)を
見習って欲しいなぁ。
安土城などを手がけた超プロ集団 -
崩壊した家屋、その向こうには新興住宅街
さらにイオニア海が広がる。
南イタリアには実に様々な顔がある。
それが魅力なのだろう。 -
イタリアにはこのようなゴーストタウンが、
100ヶ所以上存在する。
日本なら再興されるか、危険地帯と言うこと
ですぐに立ち入り禁止になることだろう。 -
屋根が無くなり、寂しい限り。
廃墟と絶景の不思議な光景
繁栄した頃は、実に美しい村であったことが
容易に想像出来る。 -
石壁の家も意外なほど木材が使われている。
もちろん軽量鉄骨でもないから大地震が
起これば大きな被害を受けることになる。 -
ピエトロ・パオロ教会
(Chiesa SS. Pietro e Paolo)
廃墟と化した村だが、教会だけは有志により
整備されているよう。
ちょっと寂しげ。 -
住人のいない教会の扉は、閉ざされたまま。
しかしそこにはちっぽけな穴が。
何とか中を覗いて見ると… -
おおー。
教会の中だけはゴーストタウンではなかった。
それはまるで神のご加護
街がまだ生きていることを感じさせる。 -
びっくり。
廃墟の中に一軒だけハンドクラフト店
見捨てられた街にも復興の兆しが…
そう言えば駐車場付近にも一軒のバールが。 -
だまし絵で有名なエッシャーも描いたことが
あるペンテダッティロ
生と死の狭間を漂うような摩訶不思議な地 -
B'zのプロモーションビデオや観光ツアー
で再起した長崎の軍艦島
「八つ墓村」に登場した滋賀の鷲見集落
ゴーストタウンも息を吹き返すことがある。 -
何と5年前からPentedattilo Film Festival
が開催されているそう。
日本からも参加している。
この地で鑑賞する映画は、実に幻想的な
ことだろう。 -
乾燥し荒涼とした大地にぴったりの
ウチワサボテン
赤い実は、トゥナだろうか?
天然のビタミン・ミネラルの宝庫 -
展望台まで整備され、イオニア海までの
景色が楽しめる。
強烈な日差しを遮る場所が無く、ももであは
ナメクジになった気分 -
駐車場に戻り、振り返る。
さようならゴーストタウン。
次に来ることがあるとしたら、もっと元気な
街に戻っているかな? -
ボンネットで目玉焼きができるほどHotに
さて、南イタリアの魂が宿るアスプロモンテ
山塊の奥深くへ
一度進むと、もはや後戻りは出来ない。
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この旅行記へのコメント (12)
-
- しにあの旅人さん 2018/07/13 15:40:29
- 読み続けます
- 地図で行く先々を調べました。11日はScillaからBovalinoまで長靴の先っぽを回ると言うことですね。廃墟ですね。北海道の根室近く、国道(道道かもしれません)142号線を思い出しました。廃屋がありました。なにより廃校になり無人の学校が痛ましかったです。それがきれいにメンテナンスされていました。
- ももであさん からの返信 2018/07/13 19:34:59
- RE: 読み続けます
この11日の村々があるカラブリア州は、イタリアでも最貧州と言われています。おかげでミラノやローマの先鋭的な輩から、イタリアから切り離してしまえと言われる始末。
でもそんな現実とは反比例するかのようにイタリアを南下すればするほど何とも言えない人間の力強さと、また逆にはかなさを感じさせるエリアでした。
-
- zzr-cさん 2011/06/11 17:43:41
- ゴーストタウン
- ももであさま こんにちは!
廃墟と化した岩場の町。
確かに何故ここに町を作ったの?っていう場所ですね。
5本指も昔はちゃんと原形を留めていたのかもしれませんが
今では面影のみ。
廃墟はそのまま放置されているのに、日本のように草がぼーぼーに
なったり、蔓で建物が見えなくなったりもなさそうな位、
乾燥していると云う事なのでしょうか、凄い日差しですね^^;
原発付近は仕方ありませんが、東北も最近の調査では
地元に帰りたいという避難者の声が減ってきたようです。
がんばれニッポン!
じぃ〜
- ももであさん からの返信 2011/06/12 22:37:52
- エンジェルタウン
- じぃ〜さま、ご無沙汰しておりました。
最近赤いCBR250Rを買って、久々に走りまくってます。
実はミーハーにも、日本初発注です…
ペンテダッティロ。地震と風化で5本指も随分と形が
崩れてしまったようです。
地震が無ければ、今も人が住んでいたのでしょうね。
東北大震災では帰郷希望者が減ってるんですか…
住み慣れた故郷を離れるとは寂しいことです。
確かに人災の原発はさておき、自然災害の地震と津波
には負けずにいつか必ず見事に復興して、今までよりも
住みやすい街にして欲しいものですね。
日本中の誰もが住みたくなるような街に。
ももであ
-
- さすらいの食いしんぼうさん 2010/04/19 11:45:50
- 「一度進むと、もはや後戻りは出来ない。」
- ももであさん。
だんだん行き先と旅行記が過激になってきましたね。(笑)
ペンテダッティロ(Pentedattilo)やロッカフォルテ・デル・グレーコ (Roccaforte del Greco) 。
イタリアの田舎というよりはもう秘境呼べるかもしれません。集団離村の跡を訪ねる旅みたいですが、荒々しいあのペンテダッティロの光景は目に灼きつくものがあります。
教会のドアの小さな穴から見えた十字架も印象的!こういうものをちゃんと発見できるのがももであさんならではの旅でして、そんなマイペースの旅をボクは支持します。
「一度進むと、もはや後戻りは出来ない。」
ももであさんのイタリアをディープに旅するこの姿勢はみごと!行け、行け、どんどん!です。
でもこの言葉はボクがトスカニーでたびたび遭遇したUターンのできない行き止まりの道(イタリアにはこんないい加減な道がよくありますよね)に泣いた自分のドライブと重ね合わせてしまいました。(笑)
ももであさんが伝えてくれるイタリアは、単にきれいとか歴史とかのうわべだけにとらわれず、そこに生きる人々や風土、それら本当の姿を伝えてくれる数少ない旅行記です。
さすらいの食いしんぼうより
- ももであさん からの返信 2010/04/21 20:15:14
- RE: 「一度進むと、もはや後戻りは出来ない。」
- さすらいの食いしんぼうさん
先進国の一つイタリアですが、南へ南下すればするほど手つかず
の自然と超穴場的田舎の村が残っている印象がしました。
殆ど知られていないだけに確かに秘境とも言えるかも知れません。
13年前はローマより北側を走りましたが、この時はとてものどかで
美しい村々の記憶でした。今回は荒々しさを感じました。
教会扉の穴から写真を撮ったとは、実はカミさんの手柄です。
僕は気がついてなかったし、そんな写真を撮っていたことすら
知りませんでした。
ってことで、そんなカミさんの写真に僕も一票です。
旅行前にgooglemapを眺めてると、この辺りのルートは一際複雑
怪奇な山岳ルートで、一度進むと、後戻りは出来ないというか、
二度と同じ道は、走りたくないだろうなという思いでした。
それで同じ苦労するならひたすら前に進もうと思った次第です。
さすらいの食いしんぼうさんもイタリア走られたんですね。
少し走ってみるとイタリアは何かと苦労しますね。
そこが面白いのかも知れませんが。
良くも悪くも飾りっ気のない、素のままの姿を見せてくれる
イタリアが大好きです♪
いつもご訪問感謝します。ももであ
-
- momotaさん 2010/04/19 01:02:22
- 巨岩フェチだったんですね
- ももであさん、こんばんはー。
最近猫らしからぬスピードで旅行記があがってるじゃないですか。
ちょっと見ない間に追いつかなくなってしまった。
またここは味のある街ですね。ペンテダッティロ?
ぱっと見た感じマテーラに似てるなって思ったんですけど
地震で崩れた廃墟なんですね。
穴の中から見える信仰の面影
この視点が最高〜。
生活が失われたもそこに想いだけは残されているかんじが伝わりますね。
そして、こんな廃墟でアトリエ?ですか。
お店をされてる方がいるとは驚きです。
ここにいる事をどれだけの人が知ってるんだろう。
今回も素敵な街の紹介ありがとうございましたー。
- ももであさん からの返信 2010/04/21 20:14:14
- RE: 巨岩フェチだったんですね
- momotaさん
お久しぶりです。
momotaさんのエリザベスカラー姿も随分と凛々しいですね。
ペンテダッティロはマテーラに比べると断然小さな街です。
すぐに全体が把握できるので分かりやすいゴーストタウンです。
きっと住民にとっては慣れ親しんだ故郷
離れたくはなかったでしょうね。
結局、退去命令で離れざるを得なかったところはマテーラと同じ
です。イタリアにはこんな街が多く、またそのまま残っているから
驚きです。
観光客はごくわずか。アトリエは趣味でやっているとしか
思えませんでした。でもこの5年、映画祭までやるのだから
今後復興の可能性は大です。因みに退去後地震や崖崩れは
ないそうです。そんなものですね。
ももであ
-
- じゃが♪さん 2010/04/04 19:30:41
- イタリアの南
- ももであさん、はじめまして。
じゃが♪と申します。
ももであさんのイタリアのドライブ旅行記、いつも興味津々で見させていただいています。
個人的にイタリアといえば、ローマ帝国などの歴史の深い街や、最先端のファッション、サッカーの国、第二次世界大戦で日本と同盟したなどというイメージが強いのですが、
このような石造遺跡の集まるゴーストタウンもあるのですね。
知りませんでした。
今年、はじめてイタリアへ旅行することもあり、最近、イタリアにとても興味を抱いています。
コメントが面白くて、じっくり読ませていただきました。
ありがとうございます。^^
- ももであさん からの返信 2010/04/04 22:05:10
- イタリア楽しみですね
- じゃが♪さん
こんばんは、はじめまして。
そうですね。歴史・文化が奥深く、車・バイク作りが盛ん。
食べ物が美味しくて、地方色豊か。海と山。
結構日本と共通するところが多いためか、異国でありながら
どこかすんなりと旅行出来る感じがします。
この夏はイタリアですか。とても楽しみですね。
僕も2度しか行った事が無いですが、とても好きな国です。
じっくり計画されて、存分にお楽しみ下さい♪
ももであ
-
- mariさん 2010/03/26 16:11:48
- ここも
- ももであさん
こんにちは*^^*
ここもまたスゴイ景色ですね。
南イタリアは絶景&美しい村の宝庫ですね〜。
そして、ひそかに巨岩フェチの私には
なかなかたまらない風景です。
またひとつ、いつか行きたいリストが増えました。
mari
- ももであさん からの返信 2010/03/27 15:00:56
- RE: ここも
- mariさん
ゴーストタウン
寂しい反面、何故か惹きつけられる場所でした。
帰国後ネットで、5年前から映画祭が開かれている
と知りびっくりです。
想像します。この場所で夕暮れ時に映画を観たら、
どんなに幻想的だろうかと。
単なる巨岩ではなく、人口物と融合した姿が南伊
の魅力の様に思いました。
まだまだありましたよ。巨岩に抱かれた村。
いつかまたご紹介しますね。
ももであ
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