2009/12/29 - 2009/12/29
59位(同エリア257件中)
ひらしまさん
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管といえば、かのメンデルスゾーンも首席指揮者を務めた名門オーケストラです。ベートーベンの皇帝やシューベルトのグレイトなど数々の名曲を初演してきたそうですから、歴史の厚みを感じます。
ただ、その名門も少し力が落ちてきたという批評も記憶にあり、あまり期待せずにベルリンフィルをとれなかったときの備えとして切符を購入したというのが正直なところでした。
ところが、11月の来日公演のマーラー1番をテレビで見て、楽しそうに演奏する楽団員の表情と生き生きとした音楽に、ゲヴァントハウス管を聴くことが俄然楽しみになってきました。11月末のベルリンフィル一般発売が窓口と電話だけに限定されてしまったこともあり、素直にゲヴァントハウス管を聴くことにしました。
曲目はベートーベンの交響曲第9番。ウィキペディアによれば、第一次世界大戦に敗れドイツ革命の起った1918年の12月31日に「平和と自由」の願いをこめて演奏されて以来、「年末の第九」がゲヴァントハウス管の伝統なのだそうです。日本の年末の第九も、その伝統を受け継いでいるのかも知れませんね。
ゲヴァントハウス管の入場券も公式ウェブサイトから購入しました。ホームページには日本語版もあって驚きましたが、もちろん最初の方だけです。入場券購入の画面では座席どころか席種の選択もありませんでした。私が申し込んだのが3ヶ月前と遅く、選択の余地がなかったからでしょうね。
折り返し届いたメールへの返信にParkett Mitte かSaalempore Mitte 希望と書いてみましたが、売り切れとのことでRang linksを指定されました。3階席なので遠いなと思ったのですが、座席表をよく見ると日本のホールに比べ列数が少ないので案外近いのではと考え、購入することにしました。1枚49.5ユーロです。
入場券は現地で引き取るのですが、座席番号も予約番号も知らせてくれません。不安なので、しつこく問い合わせて予約番号だけは知らせてもらいました。ベルリン州立歌劇場とは対照的な旧式システムという印象でした。
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12月29日(火)
大きな荷物をドレスデンのホテルに預けて、列車で1時間と少しのライプツィヒに向かいました。
写真のように「お静かに」車両だったのですが、すぐ近くの家族連れのゲームの電子音がピッピッと耳障りで、ドイツでもこうなのかと思っていたら、次の駅で乗ってきた年輩の女性が即座に一喝、静かになりました。やっぱりドイツでした。 -
ライプツィヒは雨上がりの青空が気持ちよく広がっていました。ホテルまで旧市街を歩きます。商業都市ということですが、石畳の道に昔の雰囲気が残っています。
途中のニコライ教会は、1989年の民主化要求運動の拠点となった所だそうです。外見は質素ですが、内部はとても美しいです。
大通りに出て左に折れ、アウグストゥス広場に出ると、右手がゲヴァントハウス、正面が宿のラディソンBLUでした。 -
写真はホテルの部屋から見たゲヴァントハウスです。演奏会場との近さで選んだラディソンBLUでしたが、十分快適で室料90ユーロと割安で、朝食もおいしく満足でした。
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スタイリッシュな室内です。
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でもシャワー室が透明ガラスでドアの脇というのは??
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街歩きは、ゲヴァントハウスの入場券引き取りから始めます。チケットオフィスは少し奥の方にあって分かりづらかったのですが、無事に入場券を確保できました。とてもきれいなチケットです。
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ゲヴァントハウス前のモニュメントです。
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広場を見下ろす彼らはいったい誰なのでしょう。ご存じの方ご教示ください。
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凝った意匠の建物が多いきれいな街並みを歩きました。
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メードラーパッサージュの入り口です。
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昼食は有名なアウアーバッハス・ケラーに入ってみました。明るく上品な店内は客で賑わっています。ウェイトレスの赤いベストが民族衣装っぽく似合っていました。
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ドイツに来たのにまだ豚肉を食べていません。そこで、客席の入り口に「本日の定食」として出ていたザクセン風シュヴァイネブラーテンを注文しました。妻は鮭のグラタンです。
どちらもおいしかったのですが、やはり我々には多すぎて、ごろごろ入っていた鮭は残ってしまいました。サラダとビール1杯ずつを含めて34ユーロ。 -
少し歩くとトーマス教会があります。バッハが30代からその最期まで、音楽監督として長く活動した教会です。
よく写真で載っているのが正面だとするとこれは反対側になりますが、なかなか美しいと思いませんか。 -
入り口近くのバッハ像はガイドブックにも写真が載っていましたが、反対側にはメンデルスゾーンの像も立っていました。バッハを復活させた功績からでしょうか。
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バッハの墓は祭壇の前に花に飾られてありました。
トーマス教会を出たあとは妻と別行動で、旧市庁舎やモーリッツ城塞などを眺めながら帰ったのですが、ホテルに着く頃には腹痛が襲ってきました。昼食を頑張りすぎたようで、すっかりおなかをこわしてしまいました。夜はお粥です。 -
8時からの演奏会に向かいます。ゲヴァントハウスのRang linksは思った通りステージから遠くなく、第1バイオリンの数人は見えませんが、悪くなかったです。
ほぼ満席でしたが、驚いたのは客層で、圧倒的に高年齢の方が多いのです。①ゲヴァントハウス管が若年層に支持されていない ②旧東ドイツ地域の経済的困難から若年層には演奏会を聴く余裕がない ③ゲヴァントハウス管の人気がありすぎて従来からの会員でないと券を入手しにくい、などと想像をめぐらせてみましたが、本当のところは分かりません。
曲目はベートーベンの交響曲第9番。指揮はリッカルド・シャイー。期待通りの生き生きとした演奏です。テノールのパヴォル・ブレスリクのドラマチックな歌唱が印象的でした。合唱はゲヴァントハウス合唱団、同児童合唱団、それにオペラ座合唱団も加わり、二百人近くの余裕の迫力です。
最高の第九を聴きました。もちろんスタンディング・オベーションにも参加しました。
外に出ると雪です。ドイツで初めての雪を楽しみながら帰りました。
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この旅行記へのコメント (4)
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- 横浜臨海公園さん 2010/04/09 00:18:49
- ゲヴァントハウス管弦楽団
- ひらしまさま、こんばんは。
小生がゲヴァントハウス管弦楽団をはじめて耳にしたのは今から40年前のコンヴィチュニーのベートヴェンのレコードでしたが、当時ですら、古典的で渋い演奏だと感じたものでした。
やはり若年層には受け難い雰囲気が存在するもの否定し難いのではと推定しております。
リッカルド・シャイー。初来日は昭和58年(1983年)で上野の文化会館でチャイコフスキーの交響曲第5番を演奏し、演奏終了後に贈られた花束をオーケストラメンバーに投げたのを見た時は、ナルホド、イタリア人とはかくなりと思ったものでした。
あれから、27年経過してしまい、シャイーもすっかりマエストロになってしまいました。
横浜臨海公園
- ひらしまさん からの返信 2010/04/10 21:48:22
- RE: ゲヴァントハウス管弦楽団
- 横浜臨海公園さん、おたよりをいただきありがとうございます。
わたしは音楽は好きですが全然よく知りません。
横浜臨海公園さんは、音楽にも造詣が深くていらっしゃるのですね。
そのうち音楽紀行でもアップされるのを楽しみにしています。
ひらしま
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- forest21さん 2010/03/31 21:50:59
- そのコンサートに行きたかった!
- ひらしまさん
こんにちは!
同じ日にLeipzigに行ってました、
しかもそのコンサートのチケットがとれなかったので
オペラハウスでバレーを見ました。
あまりよく理解できませんでしたが ?!
終わって外へ出たら雪が降っていました。
アウアーバッハースケラーには夜に行きました、ニアミスですね!
- ひらしまさん からの返信 2010/04/03 01:11:02
- RE: そのコンサートに行きたかった!
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forest21さん、こんばんは。
お便りありがとうございます。
> 同じ日にLeipzigに行ってました、
> しかもそのコンサートのチケットがとれなかったので
> オペラハウスでバレーを見ました。
バッハの墓の写真を見比べて見たら、献じられた花々の形がまったく同じでした。
同じ日にすぐ近くにいらっしゃったんですね!
ゲヴァントハウスの演奏会はとてもよかったので、機会がありましたらぜひお聴きいただきたいと思います。
forest21さんの2週間ものご旅行うらやましい限りです。
車だと荷物の心配はないし、自由度が高くていいですね。
私は左ハンドルはとても自信がありませんが。
エアフルトの写真が魅力的で、私も行ってみたくなりました。
次の旅行記も楽しみにしています。
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