ブラショフ

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2009/09/17 - 2009/09/27

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#その他

池彼方さん

ルーマニアの旅で最後に訪れたのがトランシルヴァニア地方のブラショフでした。
ブラショフでは日本人が経営するペンション、カサ・サムライに泊りました。
オーナーの菅原さんの案内でブラショフ近郊の観光地を見て回りました。
名所旧跡の説明だけでなく、ルーマニアの現況についていろいろ教えてもらい勉強になります。

カサ・サムライはブラショフの旧市街と新市街がちょうど交わるところに建っていて、日本人観光客だけでなくルーマニア人のビジネスマンもよく利用しているとのことでした。

なぜサムライという名前をつけたかたというと、ルーマニアではテレビドラマの「ＳＨＯＧＵＮ」が放送されて以来、日本の戦国時代や武士に関心を持つ人が少なくないからなんだそうです。
宿には五月人形など日本らしいものがいろいろと置かれていて、ビジネス目的で泊った現地の人にも、日本の文化や情緒といったものを感じてもらえる趣向になっています。

何事もルーズで、そのくせ融通が利かないルーマニアは、日本人が事業を行うには何かとたいへんなようです。
それにもめげずにかんばっている菅原さんは、まさにトランシルヴァニアのサムライといえそうです。

カサ・サムライの菅原さんの車でまず訪れたのが世界遺産に登録されているプレジュメールの要塞教会でした。
要塞教会というのはいったいなんだろうか？と旅に出る前から気になっていたのですが、要塞の真ん中に教会が建っているというものでした。
この要塞が中国福建省に見られる客家円楼とよく似た形と構造なのに驚きました。
トランシルヴァニア地方にいくつも残っている要塞教会は、中世に遠くドイツからこの地に移住してきたザクセン（サクソン）人たちが建てたということです。
彼らはトルコなど外敵の襲来を受けると、この要塞に立てこもって応戦したそうです。
要塞の城壁の内側には人々が生活できるエリアが確保されていました。
福建の客家円楼も中原から流れてきた客家の人々が外敵の侵入に備えて要塞のような建造物を建てたと聞きます。
ユーラシア大陸を遠く隔てた二つの土地でよく似た建造物が登場したというのは興味深いことだと思います。

ちなみにルーマニアにいたザクセン人（ドイツ人）はあらかた本国に帰ってしまって、今はごくわずかな人しか残っていないということです。

ブカレスト在住の友人にルーマニア土産に何がよいか尋ねたところ、蜂蜜がおすすめと教えてくれました。
ブラショフの菅原さんに蜂蜜を売っているお店を尋ねたら、ドラキュラで有名なブラショフ城の近くにおいしい蜂蜜を売っているところがあるというので連れていってもらいました。
そこはお店ではなく道沿いの露店でした。
自家製の蜂蜜を瓶詰めにして売っています。
黄金色のアカシアの蜂蜜もありましたが、ここにしかないという黒褐色の蜂蜜を買って帰ることにしました。
濃厚な、それでいて嫌味のない蜂蜜です。

ほかに何か面白いお土産はないですか？と菅原さんに尋ねるとジェロビタールという皺伸ばしクリームが評判が高いそうです。
菅原さんのお母さまがルーマニアに来られると箱詰めで買って帰られるのだとか。
なぜルーマニアにそんな化粧品があるかというと、チャウシェスク大統領の夫人で、ルーマニア政治を影で仕切っていていたともいわれるエレナ夫人が自分のために国内の科学者総動員で開発させたという代物なんだそうです。
金に糸目をつけずに開発させたというのですから、そりゃあ質の高いものができたのでしょう。
いくつか買って撒いてみようかとも思ったのですが、皺取りなんて失礼な！と叱られそうでもあります。
母親用に一瓶だけ買って帰ることにしました。

今回のルーマニアの旅では部屋にテレビがないようなところに泊まってきたのですが、ルーマニア最後の晩に泊まった宿には部屋にテレビがあるのでついつい見入ってしまいました。何か面白い番組はやっていないかなと思ってザッピングしていると友人のＭさんにそっくりな人が映っているではないですか。どうやら上海の裏社会のボスのようです。さらに中国の公安の制服に身を固めたオッサンがでてきて、さらにジャマイカ人みたいな黒人がお風呂に入っているところに、なんと藤原紀香が登場するではないですか。次いで紀香は中国の公安に捕まって、留置場で若い中国人の警察官にフトモもを触らせたりと、もう何がなんだかわけわからん状態です。
日本だったらたぶん見ないであろう、バカバカしい映画を、海外だとつい見てしまうことってありません？
それはともかく今夜の放送で、ルーマニアでは藤原紀香が一番有名な日本人になったりして。