台湾一周　いろいろの旅　その１　礁渓温泉・瑞穂温泉編

2010/01/27 - 2010/02/06

　1月27日から2月6日で春節間際の台湾をゆっくり周遊してまいりました。
　旅の目的は温泉。台湾にはあの狭い国土にたくさんの温泉があります。それのどれもとても個性的な泉質なので、それを巡ってみる事にしました。
　だけど、温泉意外にも楽しいことがたくさんあって結局何でものたびになっちゃいました。
１月２７日　台北
１月２８日　台北→礁渓温泉→瑞穂温泉
１月２９日　瑞穂温泉→台東→知本温泉
１月３０日　知本温泉→高雄→台南
１月３１日　台南
２月１日　　台南→台北（陽明山温泉・北投温泉）
２月２日　　台北→金山温泉
２月３日　　台北
２月４日　　台北→烏来温泉
２月５日　　台北
２月６日　　北投温泉→帰国　　　　　

エリア 台湾

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス タクシー
• 航空会社: エバー航空

　14:00発の台北行きエバー航空に乗って、４時間掛けて桃園空港に到着しました。寒い日本に比べてさすがに暖かい。みると１８度ある。
　まずは、空港から今日泊まる山田屋さんに電話をしようとしたら、通じない・・・。よく分からないアナウンスになって切れてしまう。仕方ないからとりあえず台北に行って、明日のバスのチケットを手に入れなくては。
　
　いつもの國光客運で台北站（１２５元）に到着すると、駅の裏手には、二年前にはなかった臺北轉運站（台北長距離バスステーション）が出来てるではありませんか。末広がりなかっこいい建物であります。ここで早速明日行く礁渓温泉までのバスチケットを購入。（葛馬蘭客運１０４元）このバス会社は豪華で乗り心地がいいと評判らしい。カタカナ読みすればクマランである。

　チケットを買ったら次は宿である。バスターミナルから歩いて７分ほどの場所に、山田屋さんはあった。ＭＲＴの中山駅が最寄り駅。オーナーの山田さんは、台北が初めて（実はもう６度目）の私のために、一緒に夕飯を食べようと待っていてくれていたのに、私がなかなか来ないから、諦めて夕食を作っているところだった。申し訳ないことでした。結局その後もう一人の宿泊客の方と三人で森林北路にある料理屋に入り、蜆の醤油漬けや角煮やピータン、饂飩湯麺（ワンタンメンのこと）を食べて３人で４００元でした。安いねえ。

　

　二日目。まずは朝御飯を仕入れに中山北路に出る。南京東路をしばらく行くと朝御飯屋台があったので、甘い豆乳と蛋餅を買い、（二つで３５元）腹ごしらえ。オーナーの山田さんは寝ていたので、昨日夕食をご一緒したお客さんに、別れの言葉を託してバスターミナルへ。

　８時１５分ごろ？出発の礁渓行バスに乗り込みいざ出発。評判どおり、座席はまるで飛行機のビジネスクラスのよう。しかし、私のように体の小さいものにはサイズが合わなくてねえ・・・。車内もなんとなくいい匂いが漂う。おお、匂いを気にしてくれるなんて台湾じゃ新しい気がする。三列になっていて、一人客にはちゃんと一人席があてがわれるのも良い。

　バスは出発すると、５分以上市内をぐるっとしたが、結局バスターミナルの前にある入口から高速に入り、首都高速のような高架道路を走り、台北１０１なんかを眺めつつ、台湾の東側へと走る。何年か前に雪山トンネルとやらが出来て、こちらに行くのがとても早くなったらしい。台北市を抜けると起伏の激しい地形になり、いくつかのトンネルを抜けると、もう礁渓は近い。

　１時間ほどで礁渓へ到着。温泉ホテルが乱立する熱海のような温泉街である。まずは、今日の終着地瑞穂行きの列車のチケットをゲットしよう。莒光号で２９８元。これは準特急的な列車。特急の自強号より割安なのが嬉しい。

　列車の発車まで３時間あまり、早速温泉に入りに行こう。駅前は写真のように貸しバイク屋や、格安の温泉宿もある。このほか宿はたくさんあり、部屋のお風呂も温泉であることが多い。湯量が豊富なんだね。駅前にあった足湯は、水みたいになっていて誰も入ってなかった。

　町の中心を行くと、川をそのまま遊歩道にしたような公園が見えてきて、その公園をさかのぼると、写真のような白い小屋が見えてきます。ここが名物、温泉の流れる川の上に小屋を建てた温泉施設です。自噴する温泉の上に小屋を立てるのは、日本でも良くあるけど、ここはワイルドだなあ。しかしここは男湯のみなので、残念ながら素通り。

　次に、こんな東屋風の建物が見えきたら、これが湯園風呂。男女別の公共浴場です。日本人が設計したということで、入りやすい雰囲気です。

　ここで、入浴代８０元を支払い中へ。脱衣所はロッカーになっていて、鍵代別途２０元。私は金目のものはロッカーにしまい、リュックは部屋の端に置いておきました。平日の午前中とあって、まだそれほど込んではなく邪魔にはならなかったみたい。女湯の入口に、今何人入ってるという表示があるのも便利かも。現在１３人か。

　台湾の温泉は、水着で入るところと裸で入るところがあり、ここは裸で入れるので、ほぼ日本と同じ感覚で楽しめるのだけど、髪の毛が湯船に入るのを防ぐため、シャワーキャップや水泳帽の装着が義務付けられていることが多い。私も、黄色の水泳帽を持って来て良かったよう。もし無かったとしても、大概ぺらぺらのシャワーキャップをくれたり売ってくれたりするから大丈夫。

　ここは、深さが二段になっている、長方形の大きな湯船を囲むように、六つの、ヒノキの丸い桶型湯船が配置されていてる。屋根は半露天状態で、気持ちの良い空間だった。しかし、三つの丸型湯船が空になっていて、どうも故障中らしい。残りの丸型にはてこでも動かなそうなおばちゃんたちだったので、おとなしくメインの湯船に入ろう。

　温度は４１〜２度ぐらいで、透明でさらっとしていてとても入りやすい。前評判ではもうちょっと熱いと聞いていたのに、少しぬるめだなあと思っていたら、地元のおばちゃんたちも、しきりに「ぬるいわよ〜」と風呂の管理係の女性に湯温上昇を要求していた。それでも、湯口からは、劇熱の湯が出ているので、そこに陣取り手ですくってみると、はっきりとした卵臭が！無臭と紹介されていることが多いけど、大きい湯船で薄められると匂いが消されてしまうらしい。湯口の近くは４３度ぐらいになっていて、私にはちょうど良い。はあ、極楽極楽。結構汗も出るしあったまるので、ちょっと休んで外気に当たるとこれまた気持ち良いったら。
　地元のおばちゃんたちは結構長い間入っても平気なようで、持参のお茶をすすりながら、いつまでも入っている。お茶を持参して、お風呂で飲んでくつろぐって、意外と日本じゃ出来ない。はあ、台湾最高だね。

　

　しっかりあったまったので、汽車の時間もあるしそろそろおいとましよう。また来たいなあ。公園内にあるコーヒースタンドで「冰掌鐵」（アイスラテのこと。珈琲牛奶でいいじゃん。わざわざ音を漢字で表現して、格好をつけているのかな？）を飲んで一休みをしたら、公園をぶらぶら。（公園内にいくつか足湯があってどこも大盛況）

　あたりを見渡すと、いくつか浴場があるみたい。ここなんか趣があって入ってみたかった。

　そろそろお昼が食べたい。町をふらつくけども、どこも観光客（台湾は大体団体）向けの店が多く、しかも高めでどうしても入る気がしない。迷っているうちに、時間がどんどん中途半端になってしまい、結局ファミリーマートでおにぎりと水を買ってしまった。それでも、せっかくだから宣蘭県名物の金棗で作られたお茶を買い、みずみずしい金棗の写真も撮っておこう。

　さて、時間も迫ってきたの、で写真のような切符を持って次の目的地へ急ごう。台湾の鉄道はまだ、車掌さんが自分の手で改札をしてくれるのがいいなあ。昭和生まれとしてはね。切符売り場で頼めば時刻表もくれるから、これからの移動はこれでばっちりだ。yajiroは時刻表を手に入れた！ピンピロリ〜ン♪

　準特急といえど、座席間はしっかり幅を取っているので乗り心地は良い。こんな感じで、家族連れがたくさん乗っていた。ああ、旅してるな〜。

　走り出してまもなく、向かって左側に海が見えてきた。曇っているから海の色も冴えないや。雨は小雨程度で気にならないのだけれど、始終曇っていてそこが残念だ。

　買ったおにぎりを食べたり、車窓を楽しみつつ３時間あまり、やっと瑞穂駅に到着した。駅の屋根から植物の根？が垂れ下がるおしゃれな趣のある駅だった。人気は無いけどね。

　駅前はこんな感じ。タクシーが何台か止まっているが、使われる気配は無い。ここから瑞穂温泉息のバスを探さなきゃ。まず、この先にあるファミリーマートの女の子に聞いてみると、この先の○○を渡って○○でと、ところどころ聞き取れず、とりあえず、指を指された方向を目指して歩いてみたが、バス停や、チケット売り場も無い。さらに３人もの人に聞き、ようやくバス停らしきものを発見したけれど、バスは当分来そうのない気配だったので、仕方なく、駅前に戻りタクシーに乗った。後から知ったけれど、日に何本も走ってないということ。当てにしないでさっさとタクシーに乗ろう。

　女性のドライバーの車に乗り、１０分ほどで宿に到着した。（１７０元）近辺には、さらに２件ほど綺麗目な宿があったけれど、平日だったからか春節前だったからか泊り客はいなさそうだった。


　

　今日の宿は瑞穂温泉山荘。瑞穂温泉といえばここ！というぐらいの古い宿です。なんといっても、日本統治時代に警察官向けの保養所として誕生したのです。当時、日本の台湾統治政府は、原住民や漢民族の人たちに日本教育を施しましたが、末端の村などで力を発揮したのは、警察官の人たちでした。警官が村の教育係もかねていたのですな。なので、台湾で古い宿は、元警察官保養所の場合が多い。日本の統治が本当に良かったかどうかは別として、歴史のある宿に泊まれるのは、単純に嬉しい。

宿の中に入ってみるとこんな感じ。大衆池が水着ではいる露天風呂で、室内湯屋が、個室に分かれているお風呂ルーム。写真の反対側にフロントがあって、女主人といえそうな恰幅のあるおばあさんが対応してくれました。

　客室のタイプは、和室と洋室があるらしく、私は何を狂ったか洋室を指定してしまったので１０００元。今考えると、和室のほうがきっと安かったに違いない・・・。

　たぶんアミ族の仲居さん的女性に案内された部屋がこれ。広くて綺麗だ〜。ピンクの天蓋がラブホ的ですがここがピンクである以外はまったく気にならなかった。

　早速水着に着替えて露天へ向かおう。

　枯葉がたくさん落ちていて、雨も降った後のようで、風呂というより、池？

　三つ湯船があるのだが、二つは完全に溜まり水。一番奥まった写真の風呂だけが入浴可能だった。私の前には、一組のカップルが、ラジオとスピーカーを持参して気分を盛り上げていた。私もご相伴にあずかりながら入ってみると、ぬ、ぬるい。３８度ぐらいかな。外はちょっと高度が高いせいで肌寒いし、下手すると風邪引くぜこりゃ。熱いところはないのかと、源泉がどぼどぼ出ている樋のところを見れば、熱水って書いてあるけど、それほどじゃないぜ。それでもちょっとは温かいので打たせ湯をしよう。

　しばらくすると、カップルが帰り支度をし始め、スピーカーも仕舞ってしまった。途端にとても寂しい雰囲気になり、私も出ちゃった。

　洋服に着替えて、まだ夕飯までには時間があるからと付近を散歩。

　散歩といっても、結構きつい坂道一本しかないので、こんな田舎にもちゃんと存在するファミリーマートで、ヨーグルトやお菓子を買い込む。途中、こんな可愛いものを見つけた。アミ族が多く通う小学校なのだろうね。

　さて宿に帰るかと振り返ると、げ！あんな山の上にあるじゃん〜。

写真の真ん中あたりに小さく見える建物が宿です。宿のしたの斜面には、レストランやなにやらいろんな施設が建っていたが、どれも最近はぜんぜん使ってないようだった。

　宿に戻ってきてアクシデント発生。なんと夕飯が無いというのだ。どうも、食事は予約するときに言っとかなきゃ出ないらしいのである。そう、台湾の宿は、ホテルと同じように、食事は別の場合がほとんどである。だから、宿についているレストランを利用すればいいやとたかをくくっていたのだが・・・。「私はどうしたらいいですか？」とうろたえていたら、女主人が「カレーなら出来るけどいいかしら？」と聞いてくれた。「もちろん！！！」

良かったーー。危うくまたファミリーマートまで降りなきゃいけないところだった。

　７時ごろ、鶏肉がごろごろ入ったカレーが出てきた。ああ、カレーってこんなに美味しいんだね。あっという間に平らげ、作ってくれたアミ族の仲居さんに「謝謝！！」

　腹もいっぱいだし、いよいよ風呂だね！
自分で源泉を出しまくりお風呂に入るなんて、普通の街に暮らしてたらありえない贅沢だ。

　源泉のコックを回すと、ドバーーー！！と、熱々のお湯が噴出し、あっという間に湯船にいっぱいだ。鉄分が含まれているから、こんな色をしている。露天風呂より透明度も高いし、新鮮なお湯なんだね。

　早速入ってみると、ううう！！きくーーーーーー！！
鉄分が多いお湯は強烈な泉質が多く、どっしりとした入浴感がある。しかも熱めだからなおさらである。あっという間に汗だらだら。水で顔を洗いながらじっくり入る。やっぱり露天の風呂はなまっていたようだ。ここに入るときは、個人風呂を借りるか泊まるかした方が良いでしょう。

　ここのお湯は、有馬温泉と同じ泉質らしく宿のフロントにも、有馬温泉のポスターが貼ってあった。確かに色はそっくり。湯上りは不思議な温まり感である。じんわりとか、ホカホカとか、ほてるというのではなく、ジンジンするのである。いつまでもジンジンする。こんなの初めてだー。そして、鉄分のなせる業か知らないが、湯疲れする。体がぐったりして、肩こりが酷くなる（苦笑）強烈な按摩にかかった後ぐったりする感覚に似てるかも。お湯に、あなたはここが壊れてますと指摘されているように、凝りの酷いところだけが痛くなるのだ。ある意味すごい。血管が急激に開いているのかもしれない。

　肩が痛いのでなかなか寝られず、仕方ないのでテレビを見ていたら、なんと原住民チャンネルを見つけた。やっていた番組は、８８風災（２００９年の台風災害のこと）で家を無くした原住民の人たちを励ますため、原住民出身の歌手のおじさんが部落を訪ねるというもの。おじさんと地元の人と一緒に、伝統的なしらべに乗せて今の心境を唄うのだが、私はその声のすばらしさ、メロディの美しさに参ってしまった。励ましに来たはずのおじさんが、自然の猛威の前にあっさりと故郷を無くしてしまった事に、つい涙を流して嘆いてしまったり、番組としてもグッと来たシーンがいくつかあった。そうだよなあ、山に住んでいる人の多くは原住民の人たちだったんだ。

　ずっと見ていたかったけれど、しらべの良さについ眠気を誘われあっという間に熟睡。

　３日目、今日は知本温泉に行く日。朝起きて、懲りずにまたお風呂に入る。朝は不思議と肩に来なかった。初回だけなのだろうか？

　さっぱりしてロビーに行き、ここから駅までのタクシーを呼ぶために公衆電話を使う。が、またも通じない。きっと私の使い方が間違っているんだろう。そこへ、少し日本語が使えるおじさんが出てきて、朝御飯もあるから食べていってください、夕飯とあわせて１００元です。と言った。おお、朝御飯もあるんだああ。ついでにタクシーも呼んでもらうことにして、一件落着。

　朝御飯はおかゆ。白粥に、ピーナッツや不思議な醗酵をした刺激的なたくあんなど、いくつかおかずが付いていた。それもあっという間に平らげ、タクシーが来る間、写真の黒犬と遊ぶ。ラブラドールが入っているらしいこの犬は、不思議と私になついてくれて可愛かった。が、まともな写真は一枚も撮らせてくれなかった。

　１０時、昨日宿に送ってくれたドライバーの女性が迎えに来てくれた。とても強烈な温泉をありがとう！
さらば瑞穂温泉！！