2009/11/13 - 2009/11/15
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Alohamahaloさん
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スペンサーがDCに登場するのは、1作しかありません。
1983年に発表された『The Widening Gyre 拡がる環』、これ1作のみ。
で、この1作のためにDCに飛んだわけです、ワタシは。
というのは些かオーバーですが、以前DCを訪れたのは、デジカメなどというものが存在する遥かに昔々の出来事ゆえ、ここらでちょっと画像を仕込もうかな、というところ。
物語の導入部をかいつまんでご紹介すると、マサチューセッツ州の上院選に打って出ようとする、アリグザンダー下院議員に、妻の淫らな映像が送られ、脅迫されているということで、スペンサーは警備のオファーを受けます。
上院選の撤退を脅迫しているのは、ボストンのギャングの親玉であるジョウ・ブロズの番頭格のヴィニィ・モリス。
親分のジョウ・ブロズは、アリグザンダー下院議員の政敵である、ロバート・ブラウン下院議員を支持していると言うのです。
かくしてスペンサーは、DCに飛ぶことになるのですが、おりしもスペンサーの恋人スーザンは、精神療法医師を目指していて、DCにある国立医療センターで博士課程前のインターンとして修行中の身。
サンクスギビングの休暇に、ボストンに戻って来なかったスーザンにも会いたいよねェ。
表紙の画像は、スペンサーのDCでの主な活躍場所になる、ジョージタウンの住宅街。Pストリートで、33thストリートと34thストリートの間。
19世紀にはここを、最初は馬に引かせたストリートカーが、のちにはケーブルカーが走っていたのです。
もう2,3週後ならスペンサーと同じ時期だったのですが、スペンサーは雪だのミゾレだので、大変歩きにくい天候に遭遇しているので、紅葉が残っている季節に来られて良かったのです。
スペンサーにご興味を持たれた方は、ぜひ姉妹編の下記もご覧ください。
★スペンサーのボストン 2008年6月25~7月2日
http://4travel.jp/traveler/angel_traveler/album/10328696/
★スペンサーのサンフランシスコ 2009年3月13~3月16日
http://4travel.jp/traveler/angel_traveler/album/10337005/
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一人のときは、《ホリデイ・イン》に泊まることにしているスペンサーですが、スーザンと過ごせることを期待して《ヘイ・アダムズ》に部屋を取っちゃたりします。
しかも、ラフィエット・パークに面した側で、その先にホワイトハウスが見えるというロケーションのお部屋を確保したようですから、相当張り込んだと思われます。
このホテル、144ユニットのこじんまりさ加減なのですが、ホワイトハウスが見えるとなると、恐らく4階以上の部屋ではないかしらん?
もっともスペンサーに言わせれば、スーザンは《ヘイ・アダムズ》あたりでないと似合わないとのノロケぶり。
わたしが涙する11作目の『告別』では再び撃たれてしまうし(しかも重傷)、12作目の『キャッツキルの鷲』で、サンフランシスコに行く時は、銀行口座のありったけの200ドルをおろしているという経済状態。
なので、『拡がる環』を読んでいくと、どうみても《ヘイ・アダムズ》に7泊はしていそうで、スペンサーの懐具合を思うと、ワタシは心を痛めてしまいます。 -
で、スペンサーはチェックインすると、ルームサービスでビール2本と《ワシントン・ポスト》を持って来させています。
ビールの銘柄は指定がありません。
そして、スーザンがインターンをしている病院に電話をして、自分が《ヘイ・アダムズ》にいることを伝えてもらうよう頼むのです。
画像は、ワシントン・ポスト紙 -
しばらくビールを飲みながら、ホワイトハウスを眺めているのですが、
『大統領があの中にいて、ファースト・レイディも大統領と一緒にあの中にいる。博士号を取るためにどこかに行ったりはしていない。』
と、ガゼン弱気です。
そう、恋する者は、たとえ乙女じゃなくても強気にはなれないわ!(うるうる)
そして、スーザンの治療を受けている患者は、50分間彼女を独り占めしている。。。Son of a bitch. てなもんです。
画像は、ホワイトハウスのノース・ファサード
《ヘイ・アダムズ》の部屋から見えるのはこちら側です。 -
夜になって、銀色のラクーンのコートを着たスーザンが、シャンパンを片手に《ヘイ・アダムズ》にやって来ます。
シャンパンは、常にガバガバ飲んでるホーク(フリーランスですが、時としてスペンサーの相棒)に比べれば、スペンサーにとってはスペシャル・オケイジュンで、スーザンも承知しているのです。
スペンサーは「Jesus Christ」と言い、スーザンが広げた腕の中で彼女を抱きしめます。
おや、スペンサーの広げた腕にスーザンが飛び込んでくるのではないのかい?
そっちの方が絵になると思うけど。。。
スペンサー、6フィート1インチ、体重は195パウンド、スーツのサイズは48。
スーザン、5フィート7インチくらい、余分な脂肪はどこにも付いていない、ですからね。
ともかく、そこでスーザンが気の利いたセリフを一言。
「Do you want to drink the champagne before or after you jump on my bones?」
That was easy. もちろん考えるまでもなく。
下の画像は、《ヘイ・アダムズ》のロビーです。
非常にセキュリティがしっかりしていそうだったので、ちゃんと事情(スペンサーのお話)を話して撮影させていただきました。
今回の旅では、あちこちでスペンサーの啓蒙活動をしています。 -
アリグザンダー下院議員のワシントンでの住まいはジョージタウンで、31stストリートとO(オー)ストリートとのコーナーの、木造3階建ての黄色い家で、エレガントなヴィクトリアン・スタイルだとされています。
つまり、このコーナーですね。 -
最初、こっち(画像上)かと思ったのです。
黄色いえば黄色だし、間違いなく3階建てだし。
でも雰囲気といい、鎧戸の錆色とのコントラストが、ややもすると下院議員のお宅って感じがしません。
それに色目はともかく、スタイル的にはヴィクトリアンというよりは、ジョージアン。
別のコーナーにあるこちら(画像下)がそれっぽい感じです。
2階建てだと思っていたのですが、マンサード屋根の窓が屋根裏とおぼしき部分を勘定に入れると、3階建てと言えるでしょう。
で、スペンサーは、このお宅で議員の妻ロニの隠し撮りされたビデオを見て、そのまま立ち去るように依頼されるのです。
スペンサーは、その酒池肉林ビデオを3度検分し、部屋に置いてある時計や窓からの陽光の様子、ペン立てにしてある大学の友愛会か何かの記章の入ったビールジョッキなどを見つけるのですが、始終サングラスをかけている、相手の若い男を特定出来るようなものはないのでした。 -
スーザンと《ヘイ・アダムズ》で楽しい一夜を過ごした翌日、スペンサーは再びジョージタウンに向かいます。
車はウィスコンシン・アベニューの《セーフウェイ》に置き、歩いてMストリートまで出てきます。
ドンピシャの場所ではないのですが、画像はウィスコンシン・アベニューとNストーリーとのコーナー。 -
スペンサーは、Mストリートにある《マーケット》という、ボストンのクインシー・マーケットのミニ版のようなところで、コーヒーを買います。
コーヒーを買ったその食料品店で、若い女性が胸に《HOYAS ホヤーズ》というロゴの入ったTシャツを着ていて、そのブルドッグの柄が、ビデオテープで見たビールジョッキの記章と似ているのに気がつくのです。
帽子をかぶったブルドッグはジョージタウン大学のマスコットなのです。
Mストリートに、該当するような建物はなかったのですが、ディーン&デルーカがありました(画像上)。
下の画像は、《HOYAS》 -
ジョージタウン大学
(黒幕のギャングの)ジョウ・ブロズ
アリグザンダー下院議員の妻の、ロニ
スペンサーはひょっとすると、と思い、ショッピングモールの公衆電話に置いてある電話帳で、ブロズという名前を調べるのです。
ブロズというのは、比較的珍しいギリシャ系の名前ですからね。
住所がジョージタウンになっているジェラルド(ジェリー)・ブロズという名前を見つけます。
ジェリーの住所は、Mストリートと35thストリートの角です。 -
Mストリートと35thストリートの角で、
北側で(南はすぐポトマック・リバー)、
3階建てで、
道路の高さに駐車場がある、
というわけで、このレジデンスでしょう。
完璧です。
ただ、こんなレンガのタウンハウスではなく、ジョージアンかエドワーディアンの、もう少し華麗な建物をイメージしていたので、ちょっとがっかりしました。 -
ジェリーの郵便受けは最上階にあり、ビデオを撮影された部屋は、窓からの陽光の加減で、窓は南か南西にあるとスペンサーは踏んでいるので、ジェリーの部屋は、上の画像のペントハウスの左側だろうと思われます。
ポトマック・リバーの景色が素晴らしくよく見えるに違いありません。
ジェリーの部屋のドアの錠は特別製で、錠前破りは朝飯前のスペンサーでも歯がたちません。
ボストンを牛耳るギャングの御曹司の住まいですから、このあたりは万全といったところでしょう。
そこで彼は、まず普通の錠が付いている2階の部屋にやすやすと侵入し、バルコニーから3階のジェリーの部屋のバルコニーに、懸垂の要領で体を引き上げるという、軽業師的な妙技を披露しています。
さすが片手で腕立て伏せが出来る、鍛え抜いた探偵です。日頃の鍛錬の賜物でしょう。
しかし、この建物の2階のバルコニーから3階へ、というのは、きわめて不可能に見えますけどねぇ。
3階のバルコニーでスペンサーは、銃でガラス窓を割って掛け金を外して中に入り、その部屋がビデオ撮影に使われた部屋だと確認するのです。
下の画像は、35thストリートに面した建物の東側の部分。 -
Mストリートと35thストリートの交差点。
ジェリーのアパートメントの前のポトマック・リバーをフランシス・スコット・キー・ブリッジで渡ると、ナショナル・セメタリーのあるアーリントンです。 -
画像は、坂の上のプロスペクト・ストリートと、坂の下のMストリートの間の35thストリート。
Mストリートの方に降りきったところの右手がジェリーのアパートメントです。
スペンサーはこの坂をサンフランシスコの坂道と似ているとしていますが、勾配は似ているものの、サンフランシスコの坂道はこのような敷石にはなっておらず、むしろボストンのビーコンヒルやチャールズタウンに似ているように思います。 -
Mストリートの《マーケット》に戻ったスペンサーは、そこで腹ごしらえをし、ボストン市警のマーティン・クワーク警部補に電話して、ジョウ・ブロズの息子のジェリー関する情報を求めます。
クワークは留守で、ベルソン部長刑事が電話に出るのですが、この二人は一種のスペンサー一家の主要なメンバーです。
スペンサーは、警察の正義感溢れる人間と、手に手を取っているわけですね。
スペンサーはベルソンに、帰ったら、ロリングロック・エクストラ・ペールのロングネックを1ケース贈るよ、と言っています。
スペンサーはこのビールはかなりお気に入りなのですが、はっきり言って、ビール通の人に言わせると、さほど美味しいビールではないそうです。 -
スペンサーは、車で一旦《ヘイ・アダムズ》に戻り、お誕生日にスーザンが買ってくれた羽飾りの付いたカウボーイハットをかぶると、再びジョージタウンに引き返します。
35thストリートとMストリートの角の酒屋の前でぶらぶらしながら、時おり酒屋のウィンドウに映る、カウボーイハット姿の自分の姿を点検しながら、ジェリーの部屋を見張るのです。
まさか本当に35thストリートとMストリートの角に、酒屋があるなどとは思っていなかったのですが、まさにあったのです、DEXIEという酒屋が。
下の画像のウィンドウに姿を映していたのでしょうか?
だから、この手の取材(?)は楽しいのです。 -
現れたジェリーを尾行して、この旅行記の3つ前の画像の坂道(35thストリート)を北に上り、プロスペクト・ストリートを左に曲がると、2ブロックでジョージタウン大学だ、とスペンサーはしています。
画像は、35thストリートとプロスペクト・ストリートのコーナー。 -
ジェリーはまっすぐ図書館に行きました。
2ブロック歩いた37thストリートからこの階段を上がったところに図書館があります。 -
ジョージタウン大学のメイン・ライブラリであるところの、
Lauinger図書館(これって、ラウインガー? ローリンジャー?)
ここで、ジェリーは定期刊行物を取って閲覧室に行き、スペンサーはぶらぶらして過ごします。
そして女の子と話しているジェリーの顔を見て、間違いなくあのジョウ・ブロズの息子だと確信するのでした。 -
さて、スペンサーはこの夜スーザンと、《リーヴ・ゴーシュ》というフレンチレストランで夕食を取っています。
スーツにシルクのポケットチーフといういでたちですから、恐らくマジなフレンチレストランです。
スーザンに、ここは君の町だし、自分はよそ者だから、と、心当たりの店を訊ねているのですが、そのスーザンに
「I'd trust you with a restaurant reservation in Sri Lanka. たとえスリランカでも、レストランの予約はあなたの判断を信頼するわ」と言われます。
こういう人っていますよね。何だか妙にビンゴのお店をピックアップできる人って。わたしは凡人なので打率は低いのですが。
この食事の最中にスペンサーはスーザンと、やや対立してしまいます。
スーザンが自分を置いて、DCで生活し、仲間と打ち解け、楽しそうにしてることに、何ともイライラしているのです。
「楽しんでいなければ満足なの?」と問うスーザンに、
「おれがいないことをもっと寂しがってくれると、もっと気分がよくなる」と答えています。
スペンサー、正直者です。
ちょっとした事だけど、そこ、大事なところなの。
「Don't you miss me?」 の答えに期待するのは、
「Yes, Of course!」しかないと思うの。
スーザンに「あなたが私を愛しているのは、私のためなのかあなたのためなのか、考えてみる方がいい」と言われ、
「そんなことはしたくない、Everybody needs one pipe dream. 誰しも一つはとっぴな夢を持っていたい」と答えます。
それはね、ロマンティック・ラヴよ。
そのレストランで、スペンサーはキャベツを詰めたハトを食べています。
スペンサーはお魚は嫌いだし、11月の終わりか12月の初めという設定ですので、ゲームの季節です。
スーザンはソール・ヴェロニークを食べています。スーザンはお魚を選ぶケースが多い人です。
生憎ハトに該当する画像がなく、スペンサーがオーダーしたビールのモルソンと、ヴェロニーク風ではないのですが、ソールの画像です。 -
さて翌日(スペンサー、DC4日目です)、ジェリー・ブロズを尾行しながら、ジョージタウン大学のキャンパスを見物しています。
たいへん広いとしていますが、本当です。
画像は、ジョージタウン大学メインキャンパスのメインの建物、要するにフラッグシップ・ビルディングであるところのヒーリィ・ホール。
様式は、フレミッシュ・ロマネスク。
この建物の中にも、図書館(Riggs Library)があります。 -
尾行2日目、ジェリーは、高校生くらいの女の子とコーヒーショップで話しながら朝食を取っています。
その後5軒の家に立ち寄り、もちろんスペンサーはその住所を控えます。熟練した探偵ですから。
ジェリーは、アパートメントの車庫から赤いダットサン280Zで、ホワイトハウスの東側にある《オールド・エビット・グリル》の2階で同年輩の(つまり大学生くらい)の男子3人と食事をします。
スペンサーは、1階のバーで、ビールとハンバーガーです。
さすがに大物ギャングの息子は良い車にお乗りです。
1983年には、300Zなってしまうので、おそらく美しいノーズを持つ2代目Zの最終モデルでしょう。
3代目のリトラクタブル・ヘッドライトはいただけませんからね。 -
ジェリーが男子達と自宅に戻ると、朝コーヒーショップで話していた女子高生が現われ、スペンサーは夕方出てきたその女子高生の後を追い、35thストリートを上って、O(オー)ストリートのあたりでその子に声をかけるのです。
女の子はリンダという名前で16歳。
酔っていて、コカインも持っていました。
スペンサーは彼女を車に乗せて(今どきだったら、誘拐ちっくでヤバイと思う)、ウィスコンシン・アベニューに車を走らせます。
そしてジェリーのアパートメントで何をやっているのかを訊ねるのでした。
画像は、O(オー)ストリートとウィスコンシン・アベニューの角。 -
女子高生のリンダが言うには、中でジェリーの言い方だと、granny party(おばさんパーティ)が開かれていて、バスルームのマジックミラーから見せてくれるのです。
もちろん女子高生達もただで済んでいるわけではなく、コカインを買うお金の代わりに体で代償を払うということです。
スペンサーはリンダの仮免許証とコカインを取り上げ(要するに官憲の振りをしたわけです)、返す代わりに、翌日リンダにそのパーティ会場を一緒に覗き見させてもらう約束をします。
そのことをHストリートの《クラス・リユニオン》というバーで、スーザンに話すのですが、スーザンは、
「An orgy? 乱交パーティ?」と、
さすがに大人の言い回しをしていますね。
画像は、Hストリートのグランド・ハイアット。
今回、ここに宿泊しました。
《クラス・リユニオン》というバーは、インターネットでは見つかりませんでした。 -
店を出たスペンサーとスーザンは、ペンシルヴァニア・アベニューをホワイトハウスの方に散歩します。
スーザンはここでは運動不足になりがちなの、と言うのですが、いやはやDCは1ブロックが長くて、ものすごいエクササイズになると、わたしは思いました。
二人はブレア・ハウス(大統領が賓客をもてなすための施設)から、ホワイトハウスの東側、さらにはペンシルヴァニア・アベニューに戻り、FBIの近くまで行っているので、けっこうな距離の散歩ですね。
スペンサーは、昼間だったら、FBIで館内見学をしてトミィ・ガン(トンプソン・サブマシンガンのこと)が見せてもらえるかもしれないと言っています。
画像は、夜のFBIビルディングと壁に掲げられたマーク。 -
翌日、女子高生リンダの手引きで、バスルームからグラニー・パーティを覗き見したスペンサーは、写真を撮ります(バレないのだろうかと些か心配ですが)。
パーティに参加していた二人の女性が車で去り、35thストリートをPストリートまで行ったあたりで一人を降ろし、自宅に帰ったところで、スペンサーは声をかけます。
彼女達は一様に政府高官の妻で、ビデオをネタにその内ゆすりの標的にされるのです。
画像は、35thストリートとPストリートのコーナー。
ちょうどジョージタウン大学の、恐らく学生によるキャンパスツアーが行われているようで、人々がぞろぞろと歩いて学内の方に向かっていました。 -
実を言うと、その後の物語の展開に関連する画像がなく、スペンサーはモールのマディスン・ドライブに車を駐車して、下院議員会館であるキャノン・ハウスに行っています。
スペンサーを尾行していた、アリグザンダー下院議員と敵対するロバート・ブラウン下院議員の手下からの招待なのです。
これがマディスン・ドライブかな?
エアスペース・ミュージアムに行こうとしていた時だから、ジェファーソン・ドライブかも知れません。 -
画像は、スペンサーが駐車したというマディスン・ドライブから50メートルほど南と、4thストリートが交差するあたりで、キャピタルが見えます。
行く暇がなかったので、キャノン・ハウスの画像はありませんが、キャピタルを正面から見て右奥なので、大体の位置をお察しください。 -
スペンサーとスーザンは、土曜日の一日をナショナル・ギャラリーで過ごしています。
画像は、ナショナル・ギャラリーのウェスト・エントランス。 -
最初にフランスの印象派を眺め、その後の時間の大半を、レンブラント、フェルメール、ハルスといったオランダやフランドル地方の16-17世紀の絵の前ですごしています。
いつもそうしているようです。
あぁスペンサー、わたしと同じ趣味じゃないのぉ。
わたしは印象派の前に、先にそっちに行きましたけどね。
というわけで、画像は上の段が、
フェルメールの《A Lady Writing》
《Woman Holding a Balance》
そして下の段が
クロード・モネの《The Houses of Parliament, Sunset》と
《Woman with a Parasol - Madame Monet and Her Son》。
こんな絵のカレンダー、昔はよく生保あたりで配ってましたよね〜。 -
月曜の朝にスーザンを病院に送り、スペンサーはナショナル・エアポートでレンタカーを返して、イースタン航空のシャトルでボストンに帰るのでした。
ドル箱路線だったニューヨーク - ワシントンD.C.やボストンとの間のシャトル便を持っていたイースタン航空ですが、1991年1月18日に歴史の幕を閉じています。
画像は、1998年にロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル・エアポートと改名されたナショナル・エアポートの、ターミナルBあたり。
スペンサーはボストンに帰り、『スペンサーのDC編』は終わりです。
この先は、図書館に行くか書店に行くか、あるいはアマゾンで『拡がる環』をオーダーしましょう!
ちなみに著者は、ロバート・B・パーカー
出版社は、単行本も文庫もハヤカワです。
ですが、消化不良の方々のために、簡単にその後のストーリーを記します。
ネタバレが嫌いな方は、スクロールをやめてくださいね。 -
アリグザンダー下院議員への脅迫の真相に近づきすぎたスペンサーは、ジョギング中にジョウ・ブロズの手下に撃たれてしまいます。
退院後、スペンサーは、めちゃくちゃ腕の立つホークを伴って、ボストンのパブリック・ガーデンのスワンボート用に掛かっている橋の上で、ブロズと話し合いを持つのでした。
ブロズはヴィニィ・モリスを連れています。
お互いに、一番信用していて、腕の立つ者に付き添ってもらっているのです
画像は、パブリックガーデンの橋です。
政府高官の妻達への脅迫は、息子のジェリーが勝手にやったことで、ジェリーは父親のジョウに認めてもらいたかったのです。
いずれの世界も、大物の父親を持つということは、プレッシャーやら何やらで大変なのでしょう。
間抜けなやり方だったということが判っていても、息子を愛しているブロズは、スペンサーが持っているジェリーに関する情報を、警察や新聞社に渡さない代わりに、スペンサーの身の安全とすべてのビデオテープを渡すという取引に応じるのです。
とりあえず、めでたし、めでたし。 -
物語のメイン・ストーリーとしては、めでたし、めでたし、なのですが、スペンサーとスーザンの恋愛的サブ・ストーリーとしては、大団円というわけにはいきません。
スーザンを愛しているがゆえに、自分が長い時間をかけて作り上げた規範と、誰かに愛情を注ぐということとのギャップが生じているのです。
7作目の『初秋』から登場のポール・ジャコミン(スペンサーの養子的存在の青年)が、サンクスギビングの休暇に戻ってきて、マールバラ・ストリートのスペンサーのアパートメントで言います。
「今、ひどく苦しんでいるのは、スーザンがいなくて寂しいからだけじゃない」と。
ジェラルド・マンリー・ホプキンスの詩、「Margaret, are you grieving, over Goldengrove unleaving?」を引用するスペンサーに、
ポールは「グレイト・ギャツビーにもっといいフレーズがある」と続けます。
スペンサーが諳んじます。
「Paid a high price for living too long with a single dream. たった一つの夢を抱いて生きるのが長すぎたために、高価な代償を支払った」
フィッツジェラルドです。
画像は、スペンサーの住むマールバラ・ストリート
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この旅行記へのコメント (2)
-
- M-koku1さん 2009/11/28 11:12:16
- 小説をたどって
- Alohamahaloさん
今回のワシントンDC編、大作ですねえ〜
読みふけってしまいましたよ。
実は以前の旅行記でスペンサーがお好きと書いていらしたので、
秋葉原のヨドバシカメラの上にある本屋さんに行ったのですが、
スペンサーという名前しか覚えてなくて、
結局スペンサーという作家の本を買ってしまいました。
これが私の好きなSF物だったので
満足していたのですが、
主人公がスペンサー氏でしたか・・・
映画の舞台を求めてという旅行記は時々目にしますが、
小説の舞台を求めてという旅行記は少ないですね。
それ以上に、小説家がここまで正確に町の様子を利用しているとは
ちょっと驚きでした。
前にも書きましたが、スティーブン・キングのファンなので、
メーン州でスティーブン・キングの舞台を巡る旅をしたくなりました。
ではまた M
- Alohamahaloさん からの返信 2009/11/28 17:47:17
- RE: 小説をたどって
- M-koku1さん、
メッセージありがとうございます。読んでいただいて光栄です。
> 実は以前の旅行記でスペンサーがお好きと書いていらしたので、
> 秋葉原のヨドバシカメラの上にある本屋さんに行ったのですが、
> スペンサーという名前しか覚えてなくて、
> 結局スペンサーという作家の本を買ってしまいました。
スペンサーのこと、気にかけてくださったのですね。
ウレシイです。
また、M-koku1さんは、わたしが大好きな文章を書かれる
のうりかさんが師と仰ぐ方だということを、DCに行く前に
のうりかさんのブログで知りました。重ねて光栄です。
ワシントンDC編は、今回の旅行で、一番楽チンなところから
手を付けてしまいました。
NY編は、画像の枚数が多いし、ボストン編にいたっては、
スペンサーの登場が多すぎて、収集がつきません。
ボチボチ頑張ります。
実は、今読んでいる、スペンサーの36作目の『灰色の嵐』で、
依頼人が、コネティカットのグリニッジの近くにあるという
リディア・ホール・カレッジの出身だとされています。
そんな大学って、ありましたっけ?
これは作者の創作かもしれませんね。
> 前にも書きましたが、スティーブン・キングのファンなので、
> メーン州でスティーブン・キングの舞台を巡る旅をしたくなりました。
是非、ド〜ンとメーン州に行ってください!
では、
Alohamahalo
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