2007/09/20 - 2007/09/24
1062位(同エリア6773件中)
EL CLASICOさん
- EL CLASICOさんTOP
- 旅行記30冊
- クチコミ43件
- Q&A回答0件
- 123,445アクセス
- フォロワー2人
その小説の冒頭で著者はこう述べている。
『ローマの美術品、墓所、地下道、建築物に関する記述は、その位置関係の詳細も含めて、すべて事実に基づくものである。これらは今日でも目にすることができる。』
ホントに?ホント?・・・んじゃ、行っとく?っつー訳で、映画公開前の今から遡ること2年前、ダン・ブラウン著の『天使と悪魔』を片手に日本を発ってイタリアはローマへ行ってみたわけです。
ま~だ、『天使と悪魔』を読んだことのない人に簡単に説明しよう。新ローマ教皇選挙(コンクラーベ)当日にその有力候補といわれていた4人の枢機卿が誘拐され、結果的に4人とも殺されちゃうというものだ。
端折り過ぎか?端折り過ぎだな。
もうちょっとだけ説明すると、その4人を誘拐したのはイルミナティを名乗る者で、その4人を1時間に一人ずつ殺害すると予告する。どこで殺されるのか?そこに居合わせていたラングドン教授と父親をそのイルミナティと名乗る者に殺されたヴィットリア(科学者)が殺害を阻止すべく、ヴァチカン記録保管所にあるガリレオ・ガリレイの著作(『真実の図表』)の中に発見した詩を頼りに殺害場所を発見しようとする。
もちろん小説の内容はもっと濃いのだが、キリがないのでここまで。この小説はなかなか面白いのでお勧めです。個人的には映画化されたストーリーよりずっといいと思うのだが・・・。
とにかく、ラングドンとヴィットリアの足跡を辿ってみた、という旅行記。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- ブリティッシュエアウェイズ
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
PR
-
【パンテオン①】
誘拐された枢機卿の4人が一人ずつどこかで1時間ごとに殺される。ラングドン教授はガリレオの著作の中の詩から推理する。その詩とは、
「悪魔の穴開くサンティの土の墓より ローマに縦横に現れる神秘の元素 光の道が敷かれ、聖なる試練あり 気高き探求に天使の導きあらん」
というもの。
「悪魔の穴開くサンティの土の墓より」から、ラングドンはパンテオンが第一の殺害現場と推理する。「悪魔の穴」はパンテオンの天窓、「サンティ」はラファエロのラストネームであり、「土の墓」はそのラファエロがパンテオンに埋葬されているからだ。ラファエロと言えばご存知ルネッサンス三大巨匠の一人(あとの二人はダ・ヴィンチ、ミケランジェロ)でヴァチカン博物館にある『アテネの学堂』が有名。 -
【パンテオン②】
パンテオンは「すべての神々の」という意味で現存するローマ建築で最も完全な遺構とのこと。写真にもあるように。パンテオン正面には、「M・AGRIPPA・L・F・CONSTERTIUM・FECIT」と刻まれており、これは「マルクス・アグリッパが三度目のコンスル(執政官)のときに建造す」という意味だとか。ガイドブックによると紀元前27年にアグリッパが建てたが紀元後80年に焼失、118年にハドリアヌス帝が建て直したとある。この日、何かの祭りだったのかパンテオン前のロトンダ広場(そんなに広くない)は滅茶苦茶な人混みだった。 -
【パンテオン内部】
パンテオンは出入り自由。中に入ると左から時計回りにウンベルト1世(イタリア王国第二代国王)、ラファエロ、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世(イタリア王国初代国王)の墓がある。 -
【パンテオン天窓】
パンテオン内部の唯一の光源である天窓。写真では分かりづらいが直径が9メートルもある。これが唯一の光源であるため内部は薄暗い。パンテオンは入口(1箇所しかない)とこの天窓しか開口部がなく、その他はすべて厚さ6.2メートルの壁で覆われている。
小説では、ラングドンとヴィットリアに批判的なスイス衛兵隊長のオリヴェッティが「どうやってパンテオンで枢機卿を殺害するのか?そりゃ不可能だ」と迫ったところ、ヴィットリアが「ヘリコプターで枢機卿を天窓めがけて突き落とすってのはどう?」と切り返す場面がある。 -
【パンテオン ラファエロの墓】
で、これがラファエロの墓。よ〜く見てもらうと分かるように、「ラファエロ サンティ」って彫ってあるでしょ。
小説ではラファエロが死んだのは1520年、ガリレオが『真実の図表』を著したのが1639年、ところがパンテオンにラファエロが埋葬されたのは1758年ということで(このくだりはフィクションだと思うが・・・)、この場所が第一の殺害場所でないことが判明する。そして、第一の殺害場所はラファエロが埋葬された墓ではなく、ラファエロが設計した墓(礼拝堂)であることを悟るのだ。 -
【ポポロ広場のオベリスク】
ラファエロが設計した礼拝堂(キージ礼拝堂)があるのがサンタ・マリア・デル・ポポロ教会であることを掴んだラングドンとヴイットリアは教会のあるポポロ広場へ向かう。ポポロ広場に到着したラングドンは広場がイルミナティらしい雰囲気に満ちていると感じる。それは広場の中央に建つオベリスクの先端が独特のピラミッドの形をしていたからだ。(イルミナティのシンボルはピラミッドに目だと言われているとか。そしてイルミナティはそれとは別の結社であるフリーメーソンに入り込み乗っ取ったという説もある。さらに、US1ドル札のシンボル(ピラミッドの上に目がある)からアメリカ合衆国の建国はイルミナティが裏から操った結果だったとも。本当かどうかは知らないが、この小説はこの前提で進んでいると思われる。) -
【ポポロ門】
そしてもう一つ、ポポロ門の中央上部に施された彫刻を見たからだ。
小説によれば、「三角形に積み上げた石の上で輝く星」=「ピラミッドに目(イルミナティのシンボル)」としている。こじつけっぽいが・・・。 -
【サンタ・マリア・デル・ポポロ教会】
ポポロとは市民の意。この名になったのは、教会建設の資金を市民が負担したからとか、教会建設場所近くに市民集落があったからとか言われるが定かではないらしい。
小説ではラングドンの推理通り、第一の現場はこの教会だったが、時既に遅く一人目の枢機卿が殺害された後だった。ラングドンとヴィットリアは第二の殺害現場を推理すべく教会内にあるキージ礼拝堂で手掛かりを探す。 -
【サンタ・マリア・デル・ポポロ教会 チェラージの礼拝堂①】
と、その前に、この教会には(ローマの教会はどこもそうなのだが)イケてる絵画があるのでその紹介を。教会にはいくつかの礼拝堂があるのだが、こちらはチェラージ家の礼拝堂。この正面(祭壇画)にあるのがアンニバーレ・カラッチ作の『聖母被昇天』。 -
【サンタ・マリア・デル・ポポロ教会 チェラージの礼拝堂②】
祭壇画から向かって左側にあるのがカラヴァッジョ作の『聖ペテロの磔刑(逆さ磔)』。 -
【サンタ・マリア・デル・ポポロ教会 チェラージの礼拝堂③】
そして向かって右側にあるのが同じくカラヴァッジョ作の『聖パウロの回心(改宗)』。
このカラヴァッジョの二作品は素晴らしいの一言。 -
【サンタ・マリア・デル・ポポロ教会 キージ礼拝堂①】
さて、キージ礼拝堂である。ラファエロ設計の礼拝堂で真上には天井画があり、この下絵もラファエロが行った。 -
【サンタ・マリア・デル・ポポロ教会 キージ礼拝堂②】
そして礼拝堂の両端に置かれているのは褐色(土?)に磨き上げられた大理石のピラミッド(?)がある。写真は向かって左にあるピラミッド。 -
【サンタ・マリア・デル・ポポロ教会 キージ礼拝堂③】
こちらは向かって右側のピラミッド。左右のピラミッドの真ん中に楕円のメダイヨン(円形浮き彫り)が嵌め込まれている。
小説ではガリレオの楕円、ピラミッド、(星の)丸天井からラングドンはこれ以上あり得ないほどイルミナルティらしい空間と判断する。そして、このキージ礼拝堂から通ずる地下で第一の殺害を発見する。 -
【サンタ・マリア・デル・ポポロ教会 キージ礼拝堂④】
小説で第一の殺害を止められなかった二人は、第二の殺害場所を示す手掛かりをキージ礼拝堂で探す。そして、その手掛かりとなったのは礼拝堂内にあるベルニーニ作の『預言者ハバククと天使』だった。ハバクク(写真右)と天使(写真左)がそれぞれ違う方向を指差しているが、ラングドンは即座に天使が指差す方向に第二の殺害現場があると断定する。何故ならガリレオの詩の最後の行に、「気高き探求に天使の導きあらん」とあったからだ。
ラングドンとヴイットリアの足跡を辿ってみた In ROMA ~その2~ に続く。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ローマ(イタリア) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
15