美術館と歴史遺産満喫のオランダ旅行　その５(前編)

2009/09/26 - 2009/10/05

「美術館と歴史遺産満喫のオランダ旅行　その４」の続きです。

この日は、半日使って風車の村ザーンセ・スカンスに出かけて来ました。

やはりオランダに行ったら１度は風車を見たいものです。
当初、風車と言えばやはり世界遺産キンデルダイク！ということで、キンデルダイクに行くことも考えたのですが、実際キンデルダイクに行ったことのある知人の話によれば、「風車がたくさん並ぶ様は確かに壮観だが、きれいなだけで特に面白い場所ではない」とのこと。・・・う〜ん、意見は人それぞれでしょうが、そこまで言われるとあまり行く気がおきません。
おまけに、キンデルダイクはアクセスが不便ですし。

そういうわけで、アムステルダムから鉄道で３０分ほどでアクセスできるザーンセ・スカンスに行くことに決めました。

この日はお天気に恵まれず、終始小雨が降ったり止んだりのすっきりしない空模様でしたが、ザーンセ・スカンスは風車だけでなく立ち並ぶ家々もかわいらしく、まるでおもちゃの国のよう。
十分に楽しむことができました。

なお、ザーンセ・スカンスの情報収集にはこちらのページが便利です。
http://www.zaanseschans.nl/
英語ページもあり、内容は充実しています。

エリア ザーンセ・スカンス(オランダ)

• 同行者: 友人
• 一人あたり費用: 25万円 - 30万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空

アムステルダム中央駅よりUitgeest行きの普通列車に乗り、Koog-Zaandijk(コーフ　ザーンダイク)という駅にて下車。ここまでわずか所要１５分ほどです。
この駅からザーンセ・スカンスまでは歩いて向かいます。ゆっくり歩いて１５分くらいです。

写真は、駅からザーンセ・スカンスに向かう途中に見つけた町のパン屋さん。
かわいらしい外観なので、思わず写真に撮ってしまいました。

駅から“Zaanse Schans”の方向表示板にしたがって歩いて行くと、やがて橋にぶつかります。
その橋を渡ればもうザーンセ・スカンスです。

橋の上から写真を１枚。
風車がだんだん見えてきて、期待が高まります。
それにしても、お天気が悪いのが残念です。

さらに風車が近づいてきました。いよいよです。

橋を渡り、ザーンセ・スカンスの村に到着しました！
ご覧の通り、のどかな美しい村です。
このアングルの写真は人気があるのか、よくガイドブックなどでも見かける気がします。
確かに絵になりますよね。

ザーンセ・スカンスの家並。
このような緑色の壁のおうちは、この辺りのエリア(ザーン地方)独特のものなのだそうです。

藻がたくさん浮かんだ池。やはり絵になります。

とりあえず、村の探索はあとまわしにして、まずはザーンセ・スカンスのビジターセンターへ向かうことにします。

ビジターセンターへ向かう途中の道より写真を１枚。
すぐ脇は牧草地です。牛が放牧されており本当にのどかな雰囲気です。

村のはずれ、ザーンス・ミュージアムに到着。
この建物の中にビジターセンターがあります。

私たちはここで“Zaanse Schans Pass”というザーンセ・スカンス内で使えるフリーパスのようなものを購入しました。
このパスには２種類あり、
* Zaanse Schans Pass Daily　9.50ユーロ
* Zaanse Schans Plus Pass 　16.50ユーロ
となっています。
もちろん、後者の方がより多くの建物で使えます。
また、いずれのパスも風車に入場する場合は１か所のみ無料で入場でき、２か所目からは通常の入場料の半額は支払わなければならないということには注意が必要です。

私たちは、「せっかく来たからには全ての建物に入場しよう」と決意し、Zaanse Schans Plus Passを購入。結果的に、３ユーロほどお得でした。
お得感は大したことないかも知れませんが(笑)、いちいち博物館などに入場する際料金を払わなくてもいいので、ラクだったことも確かです。

また、ビジターセンターでもらえるザーンセ・スカンスの地図はとても見やすいので、１部入手しておくと散策に便利かと思います。

早速パスを使い、ザーンス・ミュージアムに入場。
ここは、この地方の歴史や風俗、産業についての展示を行っています。
なかなか面白かったです。
小学生くらいの子たちのグループも見学に来ていました。社会科見学でしょうか？

続いて、チーズ工房“De Catharina Hoeve”へ。
たくさんのチーズと共にお土産物も売られています。

試食のチーズが並んでいるので、ためしに一口。
・・・美味しい(笑)。
ここでチーズを買うと荷物になってしまうので、最初は買うつもりはなかったのですが、ついつい購入してしまいました。

ここの販売員の女性たちは皆民族衣装を着ていて、とても華やかです。

塗料を作る風車“De Kat(猫の風車)”に入場。
ここは中に入って風車の内部の様子を見ることができます。

細くて急な梯子をのぼり、風車の２階へ。
この梯子、何か日本のお城の天守閣にのぼる梯子に似ているような・・・。

２階へ上がり、外へ出ると風車の羽がぐんぐん回る様が間近に見えます。

写真は、猫の風車２階から向かいの風車“De Zoeker”を撮影したもの。

次は、この“De Zoeker”に入場。
こちらでは木の実などをすり潰して油を取っています。
中に入ると、ナッツの香ばしい香りが漂っており、実際に木の実から油を取る様子が見られます。

風車の内部がどうなっているのか、また風車がどのような用途に用いられているのかがよくわかり、興味深かったです。

風車の脇に咲いていたお花。
紫色が鮮やかです。

ザーンセ・スカンスの川を挟んだ対岸の景色。
中央の塔は教会でしょうか。

その塔の右に小さく「Ｂ＆Ｂ」の文字が見えます。
宿泊施設でしょうか。
こういうのどかな小さい町に１泊するのも面白いかも知れませんね。

風車の傍には遊歩道が整っていて、散策が気持ちいいです。
本当に、これでもう少しお天気が良ければ・・・。

マスタード挽きの風車“De Huisman”。
ここで作られたマスタードを併設のお店で売っているとのことなのですが・・・残念ながらこの日はお休みのようでした。

レストラン“De Hoop op d’Swarte Walvis”。
１８世紀の捕鯨商人の家を利用しているそうです。
外から眺めただけですが、ちょっと高級そうな感じがしました。

ここはベーカリー博物館。
１７世紀の古い民家を保存のためにここへ移動してきたようです。
内部は、１９世紀のベーカリーの様子を再現しています。

正直、展示は大したことはないのですが、古い民家の内部はなかなかに趣があり、アンティーク好きの友人は喜んでいました。

こちらは時計博物館。
たくさんのアンティークの時計が展示されています。
ここは見ごたえがありました。
精巧な細工の施された柱時計の数々、中には１５世紀頃に作られた相当に古いものもあり、当時の時計職人の技術力に驚かされます。

木靴工房の内部にて。

オランダと聞いて連想するものは、風車、チーズ、そしてやはり木靴でしょう(？)。

私たちが訪れた時、ちょうど職人さんが木を削って形を整えているのを見ることができました。

たくさんのかわいらしい木靴たち。

お土産に一足・・・といきたいところですが、使い道がわからないのでやめておきます。
(ガーデニングをなさる方には便利だと聞いたことがあります)
その代わり、ミニ木靴のついたキーホルダーを購入しました。可愛いです。

いろいろ見て回っているうちに、もう正午を過ぎてしまいました。
ここでお昼ごはんを食べることにします。

こちらは、木靴工房のすぐ裏にあるレストラン“De Kraai”です。
セルフサービスで、気軽な雰囲気です。

ここのメニューはパネクック(オランダ風パンケーキ)が中心なので、私たちもパネクックを食べることにします。
チーズやハムがのったおかずタイプ(？)のパネクックもありますが、私たちはりんごとシナモンのデザートタイプに決めました。

実は、観光地のレストランということで味にはあまり期待していなかったのですが(失礼！)、意外にもなかなかの美味しさ。
りんごがほどよい甘酸っぱさで何ともさわやか。
パネクックの焼き加減もいい感じです。

お腹がいっぱいになったところで、そろそろアムステルダムに戻ることにします。

ザーンセ・スカンス、小さい村ながらオランダの様々な魅力が凝縮されていて、やはり必見のスポットです。

この旅行記は「美術館と歴史遺産満喫のオランダ旅行　その５(後編)」に続きます。
もしお時間があれば、こちらもご覧いただければ幸いです。