楽園イビサ(08) 至福の夕暮れどき

2009/09/03 - 2009/09/09

旧市街を出、いったんホテルに戻り、そしてまた今日も Cafe del Mar に向かった。今晩こそ晴れて欲しい・・！

エリア イビサ島(スペイン)

この日は、イビサに行く前に、現地で落ち合おうと約束していた人達と待ち合わせすることになった。
日本人4人とドイツ人1人のグループって言ってたっけ？あの人達かな・・？
「あ、すいませ〜ん」
間違っていたらどうしようと一抹の不安な気持ちを胸の奥に押し込めて思い切って声を掛けてみた。

良かった！その人達だった。
お互い挨拶を交わしテラス席に着く。昨日座った席とほぼ同じ場所だが、より海に面している。
あ、サングリアが来た。
まずは、「サルー！」（乾杯！）

ベルリン在住で毎年イビサに来ている人から、
彼氏を追ってドイツに移住して今回は二人してイビサに来た人から、
ロンドン留学中の人から、
トルコのカッパドキアから南欧を巡ってイビサに来た人まで、
様々なバックボーンを持った人達との会話は全く尽きない。
遠く家を離れて珍しい景色を見たり、普段食べないものを食べたりするのもいいけど、結局はこうして人と人とつながるのが一番楽しい。
これは旅行時に限ったことではないけど、今は一人旅なので、よけいそう感じるのかもしれない。

それにしても、この光景！

今日は心配だった雲はほとんどなく、日没に期待できそうだ。

みんなサングリア片手に談笑しつつ、どこかで「その時」を待っている。

クルーザーまでやってきたよ。

夕陽を独り占め。

周りのテラス席が徐々に埋まってきた。
ベルリンから来た人は、今年は不況のせいか去年より人が少ないと言っていたけど、なかなかどうして。

みんな、思い思いの時間を過ごしている。
心地良い音に心をゆだねつつ。

テラス席の外の岩場にも人が集まりだした。

太陽が、銀色から黄金色になってきた。

そして、オレンジ色に変わってゆく。

みんなもいつしか無言になり、カメラを握りしめる。

背後のスピーカーからは確かにチルアウトのサウンドが流れているのだが、心の中は、無音。
実際、その時どんなサウンドだったのか、今は全く思い出せない。

それだけ、無心になって、陽が沈みゆく沖の彼方を見つめていたのかもしれない。

もうまもなく、あの島影に、今日の夕陽が沈んでゆく。

まるで見届けるかのように、シャッターを切り続けた。

そしてすっかり姿を消した。

拍手があがる。

こんな粋な演出がほどこされた浜辺が、他にあるだろうか。