インドよりシルクロードを走った日々のこと

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　今から４０年近く前、まだまだインドやパキスタン、アフガニスタンの国情を正しく知らされないままに日本から車を送り、シルクロードを走り回ったことがあります。
　当時ボンベイと呼ばれていた商業都市に着き、いきなりギャングにパスポート、現金、などすべてをやられてホテルでの３週間近い待機させられたことがある。
　このとき何よりも困ったのは陸揚げされた車の引取りができなかったこと。
　税関や車の運転免許を発行してもらうため、現地の役所をずいぶん回ったがどこでも当たり前のように袖の下を要求され、それを渡すといとも簡単に手続きが済んだことは不思議なマジック効果のようなものだった。
　そして予防接種済みのシールがないため、現地で診療所へ行き、コレラやチフス、破傷風の予防接種をしたのだが、その診療所の汚いこと、こんなところで、同じ注射針を使ってやられたのでは・・・とあとづさりするほどの貧しい国、それがインドだった。
　こんなハプニングで始まったシルクロードを走る旅は前途多難で、インド〜パキスタンへ抜ける途中では大洪水に遭い、濁流の川に車を取られて危うく転倒しそうになり命を取られるところ、そこでも失神していた。
　アフガニスタンに入る手前ではカイバル峠半ばで山岳ゲリラに襲われ、自動小銃を眉間に突きつけられ、安全ピンをはずす音がしたとき、腰を抜かしてすでに魂は抜けていた。
　よくよく考えると、無謀極まりないたびをしたもので、今になって旅行案内書などに書かれている注意は厳守した方が良い、とつくづく思います。
　再度シルクロードの旅に挑戦したいと考えていますが、最近インドからイスタンブールまで走ったことのある方がいたら近況をお知らせください。