2009/07/04 - 2009/07/13
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アルデバランさん
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<ムデハルの美の結晶>
すでに、3時30分。
遅い昼食を済ませ、大聖堂の向かい側、エレーラ様式の影響を受けたのか端整なインディアス古文書館を横に見てアルカサルは目と鼻の先だ。
アルモアドのムワヒド朝の城塞、宮殿があった場所を拠点としてカスティーリアはさらにレコンキスタを完成させようとするが、
ところがどっこい隣では百年戦争が始まるわ、
内部はカスティーリア、トレド、レオン、セビリア、コルドバ等の連合諸王国で内乱が慢性的。
ここアルカサルを今のように改修した残酷王ペドロ1世も例外ではなかった。
結局は若くして腹違いの兄エンリケにやっつけられてしまうが、
この宮殿は彼の名とともに後々まで残った。
それにしてもイスラム趣味がよほど気に入ってたようだ。
ちなみにエンリケの方はトラスタマラ家としてその血筋が
イサベル、フェルナンド両王を経て栄光のスペインへと続く…
-
さあ、いよいよレアル・アルカサルだ
ライオンの門(Puerta del Leon)でライオンが出迎えてくれる。
微かに馬蹄アーチの名残りが感じられる門だ。 -
入場料は7.5ユーロだが、
なんと国際学生証を提示するとご主人様は無料になった…
左側にショップがあり、関係書籍・記念品等が売ってる。 -
入ってすぐのライオンの中庭(Patio de León)
-
植栽が多いライオンの中庭を通過して城門を潜ると
今度は植木が一切無い明るい大きなモンテリアの中庭(Patio de la Monteria)
正面右側は改修の為、養生を画で誤魔化してるが、あの塔の下がここアルカサルの核心部ペドロ1世宮殿だ。 -
ムデハル様式のファサードは残念ながら改修中で左右対称美は味わえなかったが、さすが細部まで見事に洗練さている。
-
振り返って、入場した方面を見ると、
イスラム時代の城壁。 -
はやる気もちを押さえ、中庭をぐるっと一回り。
正面向かって右側の回廊を左側から見てみる。
どうやら順路はあの回廊を入って行くらしい… -
中庭右側の回廊部分もきれいな大理石が続く。
-
右側の角には二階に上がる階段があった。
それにしても一面のアスレホ。
圧倒されます。 -
おっ!PLVS VLTRA か…
「もっと先に」というが
順路を外れるような気がする。
戻って、提督の間を見よっと。 -
右側に入ると細長〜い部屋。
提督の間(Cuarto del Almirante)だ。
右側の肖像画はフェルナンド7世だ。
パパとママはかの悪名高きカルロス4世、マリア・ルイサ・デ・パルマ。
この頃は栄光のスペインは抜差しならぬ事態になってたんだけど… -
提督の間に隣接の謁見の間(Sala de Audiencias)にある、
アレホ・フェルナンデスが1530年ごろ描いた祭壇画。
聖母マリアは航海の神さまも兼ねてたのか…
マントで覆って暴風から守る?
回りでは4人の聖人も見守ってる。
それにしても、色んなタイプの船が一堂に会して
アメリカ大陸に向かうのか? -
上を見上げてみれば、天井のこの模様…
-
提督の間の隣のパティオには様々なアスレホ(彩釉タイル)が展示してありました。
数枚紹介します… -
こーんなのとか…
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こーんなのが沢山展示してありました。
-
アスレホを飽きるくらい見て、次のパティオは王子の庭(Jardines del Principe)だ。
王子とはグラナダを陥落させレコンキスタを完成させたカトリック両王唯一の息子、
期待の星ファン王子のことだ。
だが、彼はハプスブルグ家のマルガリータと結婚後夭折してしまう。
妹のファナはマルガリータの兄ちゃん、フィリップと結婚。あっちこっちでカルロスやらフェルナンドやらを産む
レイエス・カトリコス(カトリック両王)はフランスが気になったのか、よほどハプスブルク家と付き合いたかったんだろうね…
一番下のキャサリンはイングランドのアーサー王子に嫁ぐが、数ヶ月でアーサーも夭折。
そこで、再婚したのが弟のお騒がせヘンリーだ…。
何がなにやらこんがらがって来た… -
庭の横から、いよいよペドロ1世宮殿に入る。
まずは小手調べ、フェリペ2世の天井の間(Sala del techo de Felipe II)だ -
馬蹄形3連アーチ。
施された模様も垢抜けた感じがする。 -
次は大使の間(Salon de los Embajadores)
壁一面の幾何学模様に唖然。
アルハンブラのコマレス宮、大使の間といい勝負してる… -
大使の間の馬蹄形アーチも完ぺきだ。
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極めつけはドーム状の天井。
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壁の装飾も2、3紹介します…
-
センスいいね
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これで勝負!
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床も大理石だけでなくレンガとタイルで、アルハンブラと同じだ。
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大使の間を出ると乙女の中庭(Patio de las Doncellas)だ。
一階も二階もアーチの競演
細い二本のオーダーは短いんで少し重い感じがする。
きっとあの透かし彫りを自慢したかったんだろうね。 -
人気の場所だけあって皆、腰掛けてじっくり眺めてます。
でも、アルハンブラの人の多さとは雲泥の差。 -
東側の逆方向から見るとこんな感じです。
大使の間のクーポラの柄はスペインの旗でおなじみのヘラクレスの柱だ。
リボンが巻かれてる… -
リボンにプルス・ウルトラは書かれてるかな?
ズームして確認するも、書かれてませんでした。
それより、壁の装飾の一部が剥落してまっせ…
何とかしなはれ。 -
乙女の中庭。横から見て見ました。
ペドロ残酷王はこんな宮殿建てて、名前の割りに建築が好きだったんだね。
なんせ、属国のグラナダのナスル朝ムハンマド5世とはポン友だったから。
きっと、アルハンブラに遊びに行って「俺も…」なんて思ったんだろうね。
やるじゃんピーター。 -
ちなみに、その上のキューポラも見てみると。
壁にアーチを施してる。
誰も見ないようなこんなとこまで凝ってるねえ。 -
人形の中庭(Patio de las Munecas)
ここは他の部屋のほの暗さに慣れていると、より一層明るさが引き立つパティオだ。
この壁だけではパティオと分からないが、実際には次を見てください。
こんな感じです。 -
人形の中庭(Patio de las Munecas)
アルカサルの中では一番気に入りました。 -
そして、人形の中庭の最大の特徴は上部にあった…
光を上手く取り込んでる。
ペドロ1世がコレを造ったとしたら凄いんだけど、
残念ながらコレは後の改修らしい。
残念だったねピーター。 -
精緻な所もアルハンブラと似てる。それもそのはずでグラナダから職人さんが出張してきて
リキいれて造ったらしい。なんせ、残酷王の注文だから…
御紋章まである。 -
天井の木象嵌。
凝ってるねえ… -
扉ひとつとっても、こんな模様が…
貼りじゃないよ、正真正銘の寄席木。
周りはイスラム文字?
そういえば、アルハンブラと違いさすがにイスラム文字は…
あるだろうけど目立たない。 -
ぎざぎざアーチをよく見ると…
-
人形の中庭から乙女の中庭に沿って奥に進むと王の寝室(Alcoba Real)だ。
王といってもムーア人の王。
フェルナンドに征服される前は、ここはアルモアド朝の宮殿だったので、正真正銘のイスラムの建物があったはずだ。
それをさらにピーターが改築したんだね。
床にまで幾何学模様のアスレホを敷き詰め、デザインはアルハンブラより洗練されてる感じがする。 -
階段を上がって二階にも行ってみた。
まずはゴシック宮殿の礼拝堂。
リヴ・アーチのゴシックボールトが美しい部屋だ。
13世紀のアルフォンソ10世、あのフェルナンド3世の長男のアルフォンソ10世地代に建てられた、というからペドロ1世より古いよね。 -
そして、聖母マリアの祭壇画。
-
次は宴会の間。
かのカルロス5世はここアルカサルにも足跡を残している。
1526年宿敵フランソワ1世をイタリア戦線でとっ捕まえ、
北イタリアを手にして、大忙しな時にポルトガル王ジョアン3世の妹、イザベルとここセビリアのこの部屋で結婚式を挙げてる。
因みにこの嫁さんは母ちゃんのファナの妹の娘なんで二人はいとこ同士。
さらにカルロス5世の妹カタリナはジョアン3世に嫁いでる…
全面降伏のフランソワ1世にも姉のレオノーレを嫁がせた。
随分と機嫌がよかったんだねチャーリー。
このあと、新婚旅行にコルドバを経てグラナダに行ってる。
フランソワの全面降伏にはダマされたけど…
それにしても壁のこのアスレホ。
動物とか奇怪な人物の絵が一面に描かれてる。
一枚だけ紹介します。 -
コレなんかどう?
先程から見てきた、
イスラムの幾何学模様とは明らかに違うよね。 -
時計を見ると既に5時をまわってる。入場してから1時間30分も過ぎてだいぶ疲れたので、
庭を見下ろすバルコニで10分ほど休憩。 -
植木鉢もレアル・アルカサルの模様のアスレホだ。
-
さあ、次へ行ってみよう。
タペストリーの間(Salon de Tapices)
フランドル産のタペストリーがいくつも飾られてる。
なんせカルロス5世はフランドル生まれでヒイ爺ちゃんは
ヨーロッパ最強の無鉄砲男「シャルル突進公」
名前も彼から授かったくらいだ。 -
カルロス5世が遥かアフリカまで遠征した時の模様を自慢げに飾ってる。
宿敵フランソワだけでなく、オスマントルコのスレイマン大帝までも敵にまわしてたんだ…
こんな事ばっかしやってるから財布はいつも空っぽ。
新大陸からの大量の銀でヨーロッパ中がインフレ。
母ちゃんのイサベルが目指した国内産業の育成を怠り、重商主義をまっしぐら…
やがて、タペストリー同様毛織物も輸入した物を輸出にまわす仲立ち商業。
これじゃあフランス・イギリスには勝てないでっせ… -
一階に降りて来た。
先程休んだ庭方面とは反対側の十字架の中庭。
こちらに行くと出口方面だ。
庭方面に戻り、もうちょっと庭を見て見ましょ。 -
庭は彼方まで広がっており、
あの回廊の反対側まで続いてる。
とてつもない広さだ。 -
まずは、建物のすぐ横のマーキュリーの庭。
水が豪快にチョロチョロ、二階から落ちて涼しさを演出してる。
背後の黄色い建物が先程2階から庭を眺めて休憩したカルロス5世の部屋だ。
右側はアルモアドのムワヒド朝時代の城壁を改造した建物。 -
マーキュリーの像はこんな感じです。
なかなか凛々しい姿だけど、台座のユーモラスな格好で水を吐く奇怪な者の方にどうしても目がいってしまう。 -
さらに、隣の舞踏の庭。
ここは、ぐるっと長〜いベンチに囲まれ、どれもアスレホを張ってあり夏は涼しく、冬は…
でも、どれもかなり古めかしく、欠けてたり、割れてたり。
コレなんかマシな方です。 -
舞踏の庭も噴水が…
暑さで思わず手が出てしまいました。
皆やるんだろうね、回りが濡れてました。
アラヤネスの生垣のなかの像がダンサーのように見えたから
このような名前になったそうな。 -
この、舞踏の庭の一角には洞窟のような暗い所があり、中に入ってみると…
-
そこは
ドーニャ・マリア・デ・バディーリャの浴槽と言われる雨水を集めたプールでした。
ドーニャ・マリア・デ・バディーリャと言えばペドロ1世の愛妾だ。
ペドロ1世はフランス王の姪っ子、美人で気立ても優しいブランカ・デ・ボルボーンと結婚したが、
持参金が足りなかったので1日こっきりで、愛妾の元へ走ってその後二度と会わないばかりか、
幽閉してしまった。こんな仕打ちしたらフランスは怒るよね… -
おっ!ベランダコロニアル…
と思ったらカルロス5世のパビリオン。
結婚の記念にこんなもん造ったんだカールおじさん。
それにつけてもおやつはカ〜ル♪
顔もハプスブルグ家特有のしゃくれ顎でカールしており、明治製菓のおじさんはカルロス5世にちなんで名付けた(新説) -
何が凄いかって、金閣寺とまではいかないまでも
アスレホの館。 -
内壁もホレ、このとおり。
-
模様はというと、イスラムのアラベスク模様とは程遠い、奇怪な動物が何の脈略もなく並ぶ。
いい趣味してますなあ… -
もう、6時になる。ご主人様は未だアルカサルに未練があるようで
全て見尽くしてないとのたまふが、エネルギーはほとんど空っぽ状態で充電が必要だ。
そして、何を血迷ったのか明日も来ると言う(なんせタダだし)
いくらカバン持ちでもそこまでは付き合いきれん…
調整した結果、明日は「自由行動」も入れる事で、庭園はほんのさわりだけ見て
今日は引き上げることに…
出口はバンデラスの中庭に面してる
2時間30分の充実した見学でした。
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