2009/09/11 - 2009/09/11
965位(同エリア1040件中)
もろずみさん
「閑さや岩にしみ入る蝉の声」 芭蕉
四寺回廊は慈覚大師開創のみちのくの古刹ということですが、芭蕉が奥の細道で必ず立ち寄っていますね。
もっとも松島は句になってないので評価できませんけど。(^^;
宝珠山阿所川院立石寺、通称は山寺。JRの駅名はそのまま「山寺」です。
慈覚大師円仁が貞観2年(860年)に清和天皇の勅願によって開山した天台宗の名刹。
大師は東北に300ヶ寺もの寺院を開山したと言われますが、最も力を入れたのが立石寺だったそうです。
自然の地形を活かした伽藍配置は、後世手を加える余地が少ないので、大師の遺志が受け継がれているのでしょうね。
そんな名刹を訪ねてみました。
- 交通手段
- 自家用車
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昨日の北山五山に続いて本日も石段トレッキング?
これはまだ序の口で、このあと延々と登りが続きます。 -
まずは立石寺本堂にあたる根本中堂から。
御朱印はここで頂きます。
延文元年(1356年)に山形城主・斯波兼頼が再建したもので国の重文。
中には天台宗の不滅の法灯が守られ、叡山焼き討ち後の再建の折には、逆にここから延暦寺に法灯が移されたと言います。
左手の小さな石碑は芭蕉の句碑です。 -
根本中堂には何故か布袋様がおります。
皆になでられてテカテカになったメタボな腹。 -
松尾芭蕉の旅姿です。
深川の採茶庵の芭蕉より若々しい気がします。 -
隣には旅のお供の曽良の像も。
この時、芭蕉は45才で曽良は40才でした。
不惑か・・・意外と若いですね。 -
奥の院までの行程を見送る位置に建つ鐘楼です。
まだまだ麓ですから。 -
茅葺きの山門で拝観料を払います。
この山門と根本中堂だけが火災に遭わずに残っていると言います。
鎌倉後期の作です。 -
山門から奥の院までの石段は1015段です。
これは北山五山の石段を全部あわせても敵わないな。(^^; -
参道の脇には野仏や石碑が点在しています。
数々の仏に見下ろされているような不思議な感覚。
独特の仏教世界に入り込んでいきます。 -
最初に現れるのが姥堂です。
ここから下は地獄、上は極楽という浄土口にあたります。
近くに水が湧いており、これで身を清めることになってます。 -
芭蕉が「奥の細道」で記している文は、
「山形領に立石寺といふ山寺あり
慈覚大師の開基にして 殊に清閑の地なり」
そこで冒頭の「閑さや・・・」の句が詠まれました。
その時の短冊を埋めた場所がこの「せみ塚」です。 -
山道はまだまだ続きます。
昔から修験者たちが慈覚大師の足跡を踏んで登った道です。
一番狭いところは14cmの幅しかなく「四寸道」と呼ばれています。 -
両側にそそり立つ岩には、阿弥陀如来が彫られているように見える所があります。
見えないかな? -
下から仁王門を見上げた構図。
山寺の代表的なビューポイントの一つです。
もう少しすると紅葉が美しくなるでしょう。 -
嘉永元年(1848年)に再建された総ケヤキの門。
下から見上げることを計算して造ったとしか思えない優美な姿です。 -
この仁王門で石段の中間点にあたるそうです。
仁王像は運慶の弟子たちの作と伝えられています。
邪心を持つ人はこれより先に上ってはいけないらしい。
ま、いいか。(^^; -
ここから先は支院が立ち並ぶ山上伽藍。
江戸時代には12の支院があったと言います。
今残っているのは4つ。まずは性相院。 -
ひと休みすると傍らにシュウカイドウが咲いていました。
こういう所で花を見るとホッとしますね。 -
修験の寺というのはなかなか手強いです。
そろそろ着くかと思えばまた石段が伸びているという具合。
東京より季節は早い山形といえども、天気がよいので汗だくです。 -
山内支院の一つ金乗院のご本尊は延命地蔵菩薩。
ボケ封じに御利益があるようです。
ここは念入りに。(^^; -
あと少しということで余裕が出てきた。
白萩が綺麗に咲いていました。 -
やっと奥の院の境内に到着。
壇上には左右2つのお堂が並んでます。
手前にあるのが大きな鉄燈籠です。 -
右側が奥の院です。
ご本尊は慈覚大師が持っていたと言われる釈迦如来と多宝如来の2体。
建物は明治5年(1872年)の再建ですが鄙びた風情。 -
おや、短い足でよくここまで登ってきたねぇ。
少々お疲れのご様子。 -
一方、左側は大仏殿。
高さ5Mの阿弥陀如来がご本尊です。
お堂の奥で金色に輝いていました。 -
さて、無事に奥の院のお詣りができたので下山するとしましょう。
下りは余裕で周囲を見て回れます。
まずは岩をくり抜いた中に置かれた三重小塔です。
いわゆるジオラマかな? -
登る時には景色を楽しまなかったので、下りでじっくりと。
よく見ると花も結構ありますね。 -
上から見る山内支院の配置。
性相院・金乗院の他には中性院・華蔵院があります。
一つずつ御朱印を頂いている参拝者もいました。
本来はそういうものかも。 -
ふと脇を見るとひっそりとした建物が・・・。
何とこれは山形藩初代藩主・最上義光公の霊廟でした。
霞城に勇壮な銅像が立つ義光公はここに眠っていたのですね。 -
さて、山寺屈指のビュースポットです。
岩の上に左から納経堂・関山堂、岩影に隠れて五大堂が建っています。
岩に通じる道が「修行の岩場」です。 -
開山堂は言うまでもなく慈覚大師を祀ったお堂です。
内部には木造の尊像が安置されているそうです。 -
更に岩を伝って行くと五大堂に辿り着きます。
断崖絶壁にせり出した舞台造りで、山形随一の絶景ポイントになってます。
芭蕉もここから絶景を眺めたのかな? -
で、その絶景。
眼下には門前町とその向こうを流れる立合川に宝珠橋。
さらに対岸には仙山線の山寺駅が見えます。 -
横を見るとあんな所にもお堂があります。
多分、胎内堂だと思いますが修験者以外は近づけません。
昔から山寺では修験者の滑落が後を絶たなかったと言いますから。 -
東側の面白山方面に目を移します。
長閑な山国の風景が広がっています。
汗をかいたあとなので風が心地よいです。 -
あとは来た道を戻って麓まで下ります。
下りは早かったですね。
本坊の庭先にはコスモスが風に揺れていました。 -
道路に下ると門前町。
平日なのでひっそりしているかと思えば、それなりに観光客もいました。
山内を2時間も掛けて巡ったので、とっくにお昼を過ぎています。お腹空いたな。 -
宝珠橋を渡って振り返ると山寺の全容が明らかになります。
鉄道だと駅を出て最初に見えてくるのがこの光景。
上に五大堂が小さく見えますね。 -
対岸に渡って山寺に対峙するところにある風雅の里。
お昼はここで頂きます。
前にも来ましたが、景色がよいので気に入ってます。 -
山形と言えば蕎麦。
蕎麦街道があるくらいですから、信州に負けないほどの蕎麦天国です。
美味しく頂きました。(^^) -
風雅の里にはギャラリーとか茶室とかいろいろあって、ゆったりできます。
立石寺で半日、風雅の里で半日たっぷり過ごせます。
立石寺の建つ宝珠山が正面に見える絶好のビュースポットです。 -
今回は寄りませんでしたが芭蕉記念館もあります。
近くには西洋画を集めた後藤美術館もあって、お寺に興味がない人も楽しめます。
全体的にすっきりして居心地抜群です。 -
ということで、3月に始めた四寺回廊もやっと2ヶ寺。
鮮やかな御朱印を頂きました。
残るは中尊寺と毛越寺なので一日で済みますね。
何とか年内に制覇したいものです。
前回の「四寺回廊〜瑞巌寺〜」はこちら。
http://4travel.jp/traveler/weekendwalker/album/10317337/
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