2008/09/18 - 2008/09/26
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morikensさん
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グースネック州立公園を出発して10分程で、次の見所になるメキシカンハットという名前の、これまた妙な岩にやってくる。
メキシカンハットは、モニュメントバレー方向にUS-163を走らせると左手に見えてくる。
途中で枝道があり、メキシカンハットの周りをぐるっと走れるように未舗装の道路が続いている。
プリウスで突っ込んでみたが、幸い危険な悪路ではなく時折停まって写真を撮った。
メキシカンハットを過ぎると、サンジュアンという名の小さな小さな町に入った。
この町はモニュメントバレーから距離はあるが、モーテルがある。
モニュメントバレー観光を安く済ませるには外せない町のひとつである。
あちきは当初この町にあるモーテルで泊まる予定も考えていたが、今日の予定がそもそも大きく変わったので予約は入れていない。
このまま通過しようと思ったが、ガソリンスタンドが見えたので小まめに給油のために立ち寄ることにした。
セルフ式のスタンドで、いつものように給油キャップを外してノズルを突っ込んで給油開始・・・。
「あれ?」
ピストルのようなトリガーを引くと一瞬ガソリンが送られるのだが、すぐにトリガーが戻される。
もう一度やってみるが、また同じである。
全然入れてないのに満タンなんてことはありえないはずだ。
故障なのだろうか。
試行錯誤していると、ノズルが通常よりも奥にすぼっと入ってしまった。
通常ガソリンの給油口は、ノズルより大きく作られていて隙間ができるはずである。
だが、この奥まで差し込んだ状態では、しっかり栓をしたようになっていて隙間はなくなっていた。
何か嫌な予感は感じていたのだが、とっとと給油を済ませたい一心でトリガーを引いてみた。
やはりすぐにトリガーは戻されるのだが、指で引き続けていれば給油は止まらないことがわかった。
「マニュアル操作でやれとそう言いたいんだな」
勝手にそう解釈して給油を続ける。
そろそろかなっというところでトリガーを戻す。
ノズルをゆっくり引き抜こうとしたときに、あちきは血の気が引いた。
「ちょ、おま!」
なんとノズルを抜いた時にできた隙間から透明の液体が溢れだしたのである。
「わわわわわ。なにこれなにこれ!?」
その液体は、すぐに気化してガソリン特有の臭いとなって鼻腔を刺激する。
慌ててノズルを突っ込んで再び栓をすると逆流は防げた。
これはつまり・・・入れすぎ?
何かないかと給油ポンプ付近を見る。
給油ポンプの横にキッチンペーパーのようなロールペーパーが置いてあった。
それを取って適当な長さで引きちぎってから給油口の近くにあてがう。
再びゆっくりノズルを引き抜くが、あっという間にロールペーパーはガソリンを吸い込んでベタベタになる。
それ以上に逆流は止まる気配がないので再びノズルを突っ込んだ。
「ダメだなこゃ・・・」
出発前にいろいろなトラブルは想定していたが・・・。
まさかガソリン入れすぎてタンクから逆流するなんて夢にも思わなかった。
これが普通の水ならなんてことはないのだが、恐ろしいことにガソリンである。
このまま溢れっぱなしで地面にこぼれ落ち、小川のような流れを作った先には、絶対にヒーローかヒールが立っていて、面倒臭そうに火のついたタバコを投げて引火させ、あちきとプリウスとガソリンスタンドは大爆発である。
エンドロールが出て「2008 グランドサークル旅記 糸冬」である。
さすがに、『ガソリンスタンド爆発炎上。原因は日本から来た旅行者によるガソリン入れすぎ・・・』という見出しは阻止しなくてはならなかった。
ノズルを突っ込んだまま、ガソリンスタンド併設の売店に入ってみる。
外にはスタッフが全然いなかったが、店内には70近いおばあさんがレジを打っていた。
そのおばあさんに話しかける。
「す、すみません・・・助けてください」
おばあさんは、変な子を見る目つきであちきを見た。
「何が欲しいの?」
「えーっと・・・その・・・」
ガソリンが溢れてるからなんとかして、ってどう言えばいいんですか?><
おばあさんは、バイトとして使っている男の子を呼んでくれた。
その男の子を連れてプリウスに戻る。
男の子に給油口を指差してノズルを引き抜く。
さすがに男の子もびっくりして溢れ出るガソリンに見入ってしまった。
男の子は、おばあさんの指示を伺いに店に戻り程なくこちらに帰ってきた。
「こぼしちゃっていいよ」
「え?」
何かバケツで受けるとかじゃなくて、こぼしていいの?
男の子は、どうにもならんという顔をしている。
わかった。
そこまで言うならこぼす。
ノズルを引き抜く前に、周辺にタバコをふかしている奴がいないか確認する。
ゆっくりノズル引き抜くと、ガソリンがトボトボトボっとプリウスのボティーを伝ってこぼれ出る。
早く止まってくれー。
あちきの心の叫びが通じたのか、1リットルくらい流れ出て止まった。
給油口に引きちぎったロールペーパーをあてて、もう少し減らしてからキャップをした。
プリウスのボディについたガソリンも拭き取り、とっとと会計を済ませてその場を立ち去ることにした。
気を取り直してUS-163を走り続けると、赤茶けた大地の地平線が広がり前方にビュートが見えてきた。
いよいよモニュメントバレーである。
先にグールディングロッジ側に行ってみようとしたが、駐車場が一杯で探すのが大変だったので、戻ってモニュメントバレー側に行ってみることにした。
モニュメントバレーまでの直線の道は、料金所を先頭にわずかな渋滞の列を作っていた。
料金を支払うと、未舗装の駐車場にプリウスを停める。
風が強いらしく土ぼこりを巻き上げて吹いている。
大地が乾いているから同然だろう。
プリウスから降りて、ビューポイントでしっかりビュートを目に焼き付ける。
そのビュートの周りには未舗装のダートコースが続いている。
よく見ると所々で土ぼこりが巻き上がっていて、意外にもセダンタイプの乗用車が走っている。
だが、道路のコンディションは相当悪いようで、穴を大きく迂回して徐行している感じである。
Burr trail roadよりひどそうである。
プリウスで走るかどうか考えつつ土産物売り場を物色することにした。
ドリームキャッチャーが売られているので手にとって見る。
そろそろ土産物でも買っておくか、ということで10個も買ってしまった。
土産物屋から出ると、観光用のオープントップのトラックが観光客を乗せてビュートのダートコースに入っていた。
「うは、あれは酷すぎる・・・」
そのトラックの前に走っている4WDが巻き上げる土ぼこりが後続のトラックに乗っている観光客に直撃である。
カメラが一発で死ぬな・・・。
あちきはプリウスに乗り込んで、ダートコースに進入した。
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