2009/08/12 - 2009/08/12
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まみさん
向島百花園で「江戸・変化朝顔展」をやっていると知り、これをきっかけに、かねてより一度は訪れてみたいと思っていた向島百花園に行ってみることにしました。
向島百花園のことを知ったのは、もう2〜3年前の梅の季節です。
この庭園はもとより梅を中心に始まったそうですから、有名なのはやはり梅かな。
でも、梅の時期には、行きたい梅園・梅林があちこちにあり、向島まで足をのばす余裕がありませんでした。
変化朝顔のことを知ったのは、お気に入りのトラベラーtsunetaさんの日比谷公園の旅行記からです。2年前になります。
まるでナデシコのようだったり、八重咲きがバラのようだったり、朝顔と思えない朝顔にびっくりして、いつか自分の目で見て写真を撮りたいと思ったものです。
朝顔の開花は午前中です。
ちょうど所用があったため、先に向島百花園に行ってみることにしました。
変化朝顔展は20種類ほどだというので大規模なものを期待してはしていませんでした。
でも、思ったより変わった花には思えなくて拍子抜けしてしまいました。
朝顔の素人の私には、そもそもふつうの朝顔を良く分かっていないので、見た目であからさまに違うのでないと分からないです。
知識がないと感動レベルが下がる典型的な例。
ただ、旅行記作成のために変化朝顔についてにわか勉強をし、撮ってきた写真をあらためて見ると、なるほど突然変異の変わり種というのが見えてきた気がします。
向島百花園は、やはり梅や桜の時期の方が見栄えがよいだろうなと思いました。
緑生い茂る夏の庭園は、あまりに緑豊かゆえ、雑多な印象を受けました。
庭園みたいなところは、木々や草木が少しさびしいくらいの方が、風情が感じられるかもしれません。
それに夏の植物のみどころは、花半分、実が半分。
もう少し時期が遅ければ、名物の「萩のトンネル」や飾りかぼちゃが見られたんですけどね。
しかし、撮ってきた夏の花は20種類以上ありました。
それは、他の場所でも見られないこともない、よく見かける花が大半でしたが、花の限られる夏に、花壇ではなく庭園の中で見られる花の数としては上等でしょう。
それにもまして向島百花園で興味深かったのが、大名の庭園ではなく江戸庶民や文人に手による庭園というところです。
大名庭園である小早川後楽園や六義園などは、ヘンなたとえかもしれませんが、プロの庭園というかんじがしました。
それに対し、「民営の花園」として開園された向島百花園は、アマチュアの良さのようなものをかんじました。
私がもっと日本や中国の古典に関心が高かったら、文人ゆかりの庭園という側面も楽しめたでしょうね。
園内には、向島百花園を訪れた文人が詠んだ詩歌や、芭蕉の句などが掘られた碑がありましたが、今回はほとんどスルーしてしまいました。
※この夏の向島百花園デビューの旅行記の構成
●(1)ちょっと拍子抜けの変化朝顔展と庶民的な庭園の様子
○(2)百花園の名にし負う、園内の夏の花たち
トラベラーtsunetaさんの旅行記「変形朝顔展を見る」
http://4travel.jp/traveler/tsuneta63/album/10174669/
向島百花園公式サイト
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/kouen/kouenannai/park/mukojima.html
向島百花園花だより
http://homepage2.nifty.com/nijime/indexhyk.htm
向島百花園
http://www11.ocn.ne.jp/~skysky/tabi40.html
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向島百花園の入口
入園料は150円なり。
向島百花園とは……。
「江戸の町人文化が花開いた文化・文政期(1804〜1830年)に造られた花園。庭を造ったのは、それまで骨とう商を営んでいた佐原鞠塢(さはらきくう)。交遊のあった江戸の文人墨客の協力を得て、元旗本、多賀氏の屋敷跡である向島の地に、花の咲く草木観賞を中心とした「民営の花園(かえん)」を造り、開園しました。
開園当初は、100本のウメが主体で、当時有名だった亀戸の梅屋敷に対して「新梅屋敷」と呼ばれたほどです。その後、例えば、ミヤギノハギ、筑波のススキなど詩経、万葉集など中国、日本の古典に詠まれている有名な植物を集め、四季を通じて花が咲くようにしました。「百花園」の名称は、「四季百花の乱れ咲く園」という意味でつけられたものです。
百花園は当時の一流文化人達の手で造られた庶民的で、文化趣味豊かな庭として、小石川後楽園や六義園などの大名庭園とは異なった美しさを持っています。
民営としての百花園の歴史は昭和13年まで続き、同年10月に最後の所有者の小倉未亡人から東京市に寄付され、翌14年7月に東京市が有料で制限公開しました。なお、昭和53年10月に文化財保護法により国の名勝及び史跡の指定を受けました。」
(向島百花園公式サイトより引用)
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/kouen/kouenannai/park/mukojima.html -
この夏、「江戸・変化朝顔展」をきっかけに、向島百花園にデビューしようと思ったきっかけ
それが「マンスリーとーぶ2009年8月号」の東向島界隈レポートです。
ここから、「江戸・変化朝顔展」のことを知りました。
右は、向島百花園でもらったリーフレット。園内マップがあります。
表紙はこの百花園の名物の萩のトンネルですが、残念ながら本日はまだ萩は咲いていませんでした。
左は、園内で販売されていた「花ごよみ 江戸花屋敷の四季」(500円)。
創設200周年記念に発行されたものです。
夏の向島百花園デビューのこの旅行記の後半「(2)百花園の名にし負う、園内の夏の花たち」では、花の情報をここから引用します。
あいにく全部は網羅されていないし、特に解説がなく花や属名や花期などのデータだけのものもあったのですが、園内で見つけた花の名前をチェックするのに、とても見やすい本です。 -
売札をくぐりまーす@
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昔風情の庭園らしさを引き立てるオブジェと
オブジェなんて言って失礼!
「路地琴」です。
ひしゃくで水を汲み、石の上にそっとかけると、水が中を流れ落ちて、チロチロチロ……と涼しげな音が聞えてきます。
ここを訪れた江戸庶民や文人墨客たちはそうやって夏の涼をとったのかもしれません。 -
東屋と、奥には変化朝顔の鉢が
※向島百花園「江戸・変化朝顔展」平成21年8月8日(土)〜8月23日(日)
「向島百花園が創設された文化・文政期に大流行した江戸庶民の花「変化朝顔」を展示します。変化朝顔は江戸時代から受け継がれてきた伝統的な園芸植物で、花の色・模様・葉が遺伝的な変異により変化した個性的な朝顔です。この催しでは、約20種類ほど展示する予定です。」
(サイト「公園へ行こう!」のイベント情報より)
http://www.tokyo-park.or.jp/index.html -
「江戸・変化朝顔展」の様子
むむっ。思ったより咲いていないですし、花は朝顔みたいですよ。
って、朝顔なんですけど。
朝顔らしからぬ朝顔がそんなにない……。
※変化朝顔とは
「主に大輪の花の色や模様を鑑賞する大輪朝顔に対して、とても朝顔とは思えないような奇態をしめす花や葉を鑑賞するアサガオの突然変異系統を変化朝顔と呼んでいる。また変わり咲朝顔や変化咲き朝顔とよばれることもある。(中略)
変化朝顔には他の園芸植物と違い品種名がない。第1次ブームの文化文政期のころには品種名でよんだこともあったようだが、その後、多くの苗から鑑賞価値の高い出物(不稔)を選んで鑑賞するようになると一代限りのことが多いため、その株を表す花銘をいちいちつけるようになった(後略)。」
(九州大学研究所のアサガオホームページより)
http://mg.biology.kyushu-u.ac.jp/index.html -
青蝙蝠南天葉藤紫
よく見ると確かに変り種!
花びらが切れてます。 -
青斑入蜻蛉葉木立
名前から、変わっているのが葉だと気付いて、葉もファィンダーの中に入るように撮り直しました。
よく考えたら花びらが白く縁取られているのも、変わっていますか? -
紫采咲き
えーと、変わってるポイントはどこかしら?
でもきれいに咲いている朝顔です。葉っぱの形も可愛いです。
それに、コンデジの苦手な紫が、かなりきれいに出ました@ -
青渦蜻蛉葉淡茶色
これはひょっとして、色が変化するとか、同じ株から違う色合いの花が咲くとか、そんな突然変異なのでしょうか。 -
右畳咲き
これは文句なく、変化朝顔!
このくらい豹変している朝顔ばかりを求めていたんですけどね。 -
青抱鍬形葉紅紫
えーっ、これ、青くないじゃないですか。
と思ったけれど、最後の「紅紫」が花色を示しているんですね。 -
黄縮緬葉銀鼠台咲き
花色は「銀鼠」に例えられているのですね。
ネズミ嫌いだから、気分はビミョー。
すてきな色なのに。 -
黄葉姫采咲牡丹
奥の棚なので花を上から見ることができなかったけれど……紫陽花にしては花びらが「牡丹」のように華やか!? -
黄渦葉鮮紅色星咲き
花びらがくしゃくしゃ!───となっているのは、「星咲き」なんですね。
これも満足な変化ぶり@ -
青蜻蛉立田葉淡空色
葉っぱの形も花びらの形もよくみると変わっていますね。 -
青渦葉紫丸咲
左の紫の花はオーソドックスな形に思えるのですが、花びらに何か糸くずのようなものが規則正しくついています。
右の赤紫の花は、萎れてるせいかなぁと思ったのですが、花の形が変わっているといわれれば、変わっているのかもしれません。 -
青打込渦葉淡藤色桔梗
花びらのふちがしわしわなのは、萎れてるのでなく、そういうものだとしたら!
これもかなり変り種といえるかもしれません。
「変化朝顔の主だった変異のほとんどが文化文政期のアサガオの第一次ブームの際に起こり、選抜された。嘉永安政期には再びブームを迎え、より複雑な不稔系統を鑑賞しているが、当時は受粉のメカニズムも明らかになっておらず、これらの突然変異系統は自然交雑によってたまたま分離してきたものを選抜して鑑賞していたようだ。図譜に載っている朝顔も、多数の劣性変異を多重に含むものが多く、当時は確立した系統として維持していたわけでないようだ。
明治維新を境に朝顔の栽培は下火になるが、再び世の中が落ち着きをみせてくる明治中期ごろから、地方で細々と系統が維持されていた朝顔が再び中央で栽培されるようになった。当初は牡丹咲きなど単純なものが鑑賞されていたようだが、東京、大阪を中心として地方にも同好会がいくつも結成され、再び嘉永・安政期の朝顔をしのぐような系統が作られるようになった。自然交雑にまかせていた江戸期と違い、人工交配を利用して雪の部(采咲牡丹)、月の部(車咲牡丹;縮緬+立田+牡丹)、花の部(獅子咲牡丹;獅子+牡丹)、獅子の部(獅子咲)の絞られた4つのジャンルにおいて、より高度な系統が鑑賞された。」
(九州大学研究所のアサガオホームページより)
http://mg.biology.kyushu-u.ac.jp/index.html -
変化朝顔の勉強をしましょう!・その1
変化朝顔は、葉っぱの形や花の形で名前がつけられています。
変異は双葉、本葉、花、茎とさまざまな部分に連鎖してあらわれるので、花が咲いていなくても葉や茎に注目してほしい、と書かれてありました。なるほど。 -
変化朝顔の勉強をしましょう!・その2
出物(でもの)系統の紹介。
私が求めていたのはこのくらい変化が激しくて、朝顔とは思えないタイプでした。
出物系統は正木系統と違ってほとんど種ができないそうです。できるのもあるようですが。 -
変化朝顔の勉強をしましょう!・その3
正木(まさき)系統の紹介。
正木系統は種ができるので、比較的栽培は容易だそうです。
なんて、園芸をしない私がえらそうなことを言えた義理ではないですけど@ -
変化朝顔の勉強をしましょう!・その4
正木(まさき)系統の紹介のつづき。
どうやらこの「江戸・変化朝顔展」は、やはり正木系統が圧倒的ですね。 -
緑多き夏の向島百花園
これは藤棚でしょうか。
決して手入れされていないわけではないのですが、緑があまりに多くて、庭園としては雑多な印象を受けてしまいました。 -
東屋が3つ並んで
小石川後楽園や六義園に比べるとこぢんまりとしていた向島百花園。
だけど私には等身大で、ほっとできる規模だと思いました。
これが梅や桜の季節となると、このあたり人でぎっしりで、イモの子洗うような混雑になるのでしょう -
くず棚だったかな
緑一色!
美しいけれど、花色がほしい……。 -
池を渡りまーす。
-
池
ってだけで、特に名前がついていないのかな。
リーフレットやサイトの園内マップにはなし。 -
日本橋石柱
「日本橋の変遷は木橋、石橋、鉄橋時代と各あるが、石橋時代の模造品と思うが、文字は徳川慶喜と伝える。」
と近くの木の立て看板に書かれてありました。
一緒に撮ると、なんかサマにならなかったので。 -
こういうエリアは小石川後楽園や六義園にもあったような
ただし、向島百花園の方がこぢまりしてます。
ちなみに、午前中は晴れたり曇ったりでした。 -
ミニ竹林
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日に透ける竹
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池を望むナツズイセン
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池のそばで涼がとれる
ここは藤棚です。
そして池の右手は、あまり広くなかったけれど菖蒲園があるようです。 -
文人の石碑を一つくらい撮らなくちゃ@
となりのヒントの立て看板がないと、読めない……。 -
残念ながら花はまだだった萩トンネル
萩は小さな奥ゆかしい花なので、トンネルといってもそれほど華やかなものでは……と思ったけれど、満開のときには、数の迫力でかなりボリュームある花に見えるんでした。
初めて萩に出会った去年(2008年)の初秋に神代植物園の旅行記(ハギの写真は後ろの方)
「神代植物公園じっくり再訪&深大寺めぐり(1)しみじみとゆかしい秋の花」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10272544/ -
萩トンネルを覗く黄色い葉
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百花園に集まった文人達のネットクワーク
ううーん、知ってる人が、ほとんどいなぁーい。
画家の酒井抱一と、文人じゃないけれど平賀源内くらいです。
抱一の名前も、数ヶ月前に琳派展を見に行って初めて知ったくらいです。
いかに私が欧米かぶれで、日本文化に疎いか、ひしひしと。 -
抱一・百花園の足跡3ヶ所
百花園の名前は、抱一の「梅は百花に魁(さきがけ)て咲く」という意味から名付けられたという説もあるのですね。
えーっ、でも私にとって、春のさきがけはロウバイですけど。
梅の方がメジャーではありますけど。
「気になっていた向島百花園に夏デビュー(2)百花園の名にし負う、園内の夏の花たち」につづく。
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