<br />２００９年７月２５日（土）<br /><br />般若湯の、酔いのおかげもあろうか。<br /><br />快談の効果も、てき面だったに違いない。<br /><br />５人の同級生は、広い部屋に広げられた５つの布団に程よく収まり、それぞれの夢を見ながら、翌朝快適な目覚めを迎えた。<br /><br /><br />本堂でのお勤めは６時、全員期せずして着替えて本堂に向かう。<br /><br />本堂はすでにたくさんの人が集まり、読経が始まろうとしていた。<br /><br />われわれは、先に亡くなった同窓生の供養を頼んでいた。<br /><br />同窓生の数は２５０人余りだが、１００人ほどは先立っている。<br /><br /><br />しかしせっかくの読経も内容がほとんど分からないので、４０分が長く感じられた。<br /><br />一度比叡山の友人に「お経はもっと分かりやすくできないか」と、意見を言ったことがある。<br /><br />しかしその後も、改善された傾向は見えない。<br /><br /><br />心のこもった朝食の膳に舌鼓を打ち、８時に一乗院を出て、すぐ隣の金剛峯寺に向かう。<br /><br />金剛峯寺の前庭には、草むしりのおばさんたちの姿が見えた。<br /><br />「早くからご苦労さんですね」<br /><br />「朝の涼しいうちがいいんですよ」<br /><br /><br />金剛峯寺の中に入ったのは、今回が初めてだった。<br /><br />屏風絵の素晴らしさは期待通りだったが、石庭の立派なことに驚いた。<br /><br /><br />道を歩いていると、通りがかりのバスから小学生がニコニコと、盛んに手を振ってくれる。<br /><br />その明るさに、こちらもすっかり元気をもらう。<br /><br />今日から「全国学童野球大会」が、高野山で開かれるらしい。<br /><br /><br />帰りのナンバ行き特急は早朝とて客が少なく、車両にわれわれ５人だけだった。<br /><br />若くてきれいな車掌さんに声をかけると、この人はこれが最後の仕事だという。<br /><br />「最後の思い出に、素晴らしいお客さんと出会えて、ありがとうございます」<br /><br />車掌さんからこんな挨拶をいただくとは、生れて始めての経験かもしれない。<br /><br /><br />大阪の雑踏に戻り、人々の表情がギスギスしているように感じられた。<br /><br />高野山の空気はやさしく、大都会は厳しいようだ。<br /><br />こんなことに気づく、旅の終わりだった。<br /><br /><br />写真は、「ソフィーさんのマイページ」（写真5,800枚）、<br />http://4travel.jp/traveler/katase/<br /><br />スイスの写真が美しい、「片瀬貴文さんのマイページ」（写真2,400枚）<br />http://4travel.jp/traveler/takafumi/<br /><br />文字が大きくて読みやすい「片瀬貴文の記録」（記事1,500文）<br />http://blog.alc.co.jp/d/2001114<br /><br />もっと大きな文字は「人生漫歩録」<br />http://kk1717.blog83.fc2.com/<br /><br />

日記【2009.08.02】高野山の空気のやさしさに気付いた旅だった

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2009/07/25 - 2009/07/25

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ソフィさん

２００９年７月２５日（土）

般若湯の、酔いのおかげもあろうか。

快談の効果も、てき面だったに違いない。

５人の同級生は、広い部屋に広げられた５つの布団に程よく収まり、それぞれの夢を見ながら、翌朝快適な目覚めを迎えた。

本堂でのお勤めは６時、全員期せずして着替えて本堂に向かう。

本堂はすでにたくさんの人が集まり、読経が始まろうとしていた。

われわれは、先に亡くなった同窓生の供養を頼んでいた。

同窓生の数は２５０人余りだが、１００人ほどは先立っている。

しかしせっかくの読経も内容がほとんど分からないので、４０分が長く感じられた。

一度比叡山の友人に「お経はもっと分かりやすくできないか」と、意見を言ったことがある。

しかしその後も、改善された傾向は見えない。

心のこもった朝食の膳に舌鼓を打ち、８時に一乗院を出て、すぐ隣の金剛峯寺に向かう。

金剛峯寺の前庭には、草むしりのおばさんたちの姿が見えた。

「早くからご苦労さんですね」

「朝の涼しいうちがいいんですよ」

金剛峯寺の中に入ったのは、今回が初めてだった。

屏風絵の素晴らしさは期待通りだったが、石庭の立派なことに驚いた。

道を歩いていると、通りがかりのバスから小学生がニコニコと、盛んに手を振ってくれる。

その明るさに、こちらもすっかり元気をもらう。

今日から「全国学童野球大会」が、高野山で開かれるらしい。

帰りのナンバ行き特急は早朝とて客が少なく、車両にわれわれ５人だけだった。

若くてきれいな車掌さんに声をかけると、この人はこれが最後の仕事だという。

「最後の思い出に、素晴らしいお客さんと出会えて、ありがとうございます」

車掌さんからこんな挨拶をいただくとは、生れて始めての経験かもしれない。

大阪の雑踏に戻り、人々の表情がギスギスしているように感じられた。

高野山の空気はやさしく、大都会は厳しいようだ。

こんなことに気づく、旅の終わりだった。

写真は、「ソフィーさんのマイページ」（写真5,800枚）、
http://4travel.jp/traveler/katase/

スイスの写真が美しい、「片瀬貴文さんのマイページ」（写真2,400枚）
http://4travel.jp/traveler/takafumi/

文字が大きくて読みやすい「片瀬貴文の記録」（記事1,500文）
http://blog.alc.co.jp/d/2001114

もっと大きな文字は「人生漫歩録」
http://kk1717.blog83.fc2.com/